タイトル:スペーシャリスト会報 Vol.104 | 発行日時:20015年8月17日21時25分25秒 |
┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 20015年8月17日 ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.104 発行元:スペーシャリストMM事務局 http://www.capnet.jp/spatial/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ INDEX : *ニュース・ラウンジ(早川和夫) *企画委員会・各支部活動報告(―) *リレーエッセイ<空間連携>(高木久) *新会員のコーナー(杉森純子、横井勇) *空間情報関連便利グッズ/書籍の紹介等(大山容一) *測量協会からのお知らせ(小林俊男) ============================================================================ ■ニュース・ラウンジ 最近、我々測量業界はもとより世間でも話題になっているのが、小型無人航空機UAV (世間ではドローン)でしょう。最近のテレビでは、今までカメラの設置が困難であった 場所からの映像が放映され、時にはバラエティ番組などいたる所で活用され、新たな付加 価値映像を模索している。 一方、我が業界でも今年のイノベーション大会では、UAV関連講演は立見席も出るほど の盛況ぶりでした。今まで、写真を使う技術は航空機の使用から、ヘリコプター、衛星、 といった大型投資が必要なものに動いたが、MMSの出現時からは小型化が始まり、UAVにお いては1機数十万円のものもあり、中小の会社を含め、多くの会社が参入すると考えられ る。一方で、多くの会社が参入し易い反面、事故やモラルと言った部分で心配な部分も出 てくる。世間では、首相官邸に放射性物質がドローンに積載されたたまま放置されていた 事件や少年による善光寺や国会、皇居周辺の飛行写真で騒がせているが、このようなモラ ルの問題は当然として、いかに安全を確保するか、また起こりうる事故への対応などが我 々技術者には求められている。 おりしも、今年5月には一般社団法人日本写真測量協会から『測量調査に関する小型無 人航空機を安全に運行するための手引き』が発行され、安全面や運用面においては着実に 準備が進んでいるところである。また、これらの運用手引きに続き、手引きの普及を目的 とした研究会が発足し、機体登録事業や安全講習会の開催、事故原因の究明などが予定さ れている。我々技術者はUAVの安全運用に関する動きに対応するとともに、これらの新た なプラットフォームを活用して、新たな事業分野の開拓や顧客の創造をすることが、空間 情報総括管理技術者に与えられた命題であることも、忘れてはいけないと考える。 (早川和夫:テイコク) <編集よりお知らせ> 9月号の担当は、望月貫一郎さんです。 ■企画委員会・各支部活動報告 今月号は、記事がありません。 <編集よりお知らせ> 企画委員会および各支部活動報告の議事録は、毎月10日までに原稿を送付頂ければ、当 月号に掲載致します。なお、文字数によっては、抜粋・要約する場合があることを予めご 了承ください。 ■リレーエッセイ<空間連携> 弊社の落合氏からバトンを受けました国際航業の高木です。前号は、ICTの急速な進化 とIoTの話題でした。最近、「2045年問題(Singularity)」が話題になっています。2045 年にはコンピューターの知能が人間の脳を超えるという予測で、人工知能「AI」が「AI」 を連鎖的に造り続け人間の頭脳レベルでは、もはや予測解読不可能な未来が訪れるなどと 言われています。「AI」を「ロボット」に置き換えて考えてみてもよいかもしれません。 最近上映されている映画では、このマイナスの側面を強調したものが多いようですが、 私達としてはプラスの効果を生むようビジネスに組み込み、世界の人々の仕合せのために 活用していきたいですね。 次号は、20年も前に机を並べて一緒に仕事をしていた弊社の小澤理晴氏にバトンを渡し ます。よろしくお願い致します。 (高木 久:国際航業) ■新会員のコーナー 【執筆順番(敬称略)】 2015年 8月号 杉森(朝日航洋)、横井(日本海航測) 9月号 兼子(パスコ)、金久保(サン・ジオテック) 10月号 下鳴(アスコ)、安海(朝日航洋) 11月号 坂元(パスコ)、西村(パスコ) 12月号 鈴田(朝日航洋)、中西(写測エンジニアリング) 2016年 1月号 青木(パスコ)、富田(国際航業)、板野(パスコ) ◇コラム「地図と私」 2014年に入会致しました、朝日航洋の杉森純子と申します。 私は地図が好きです。小学校一年生の時には、誕生日プレゼントに地球儀をねだって親 を驚かせ、小学校高学年の三者面談では、「純子さんは地図帳ばかり見ていて、社会の授 業を全く聞いてくれません」と先生に泣きつかれました。 地図を眺めている時に、私の頭の中に何が広がっていたかと言うと、いわゆる『想像の 翼』です。「赤道近くの人は、四季が無いからのんびりした性格なんだろうなぁ」とか「 この山を越えるのは、大変なんだろうなぁ。だから、山を境に生活が違うんだ!」とか言 いがかりも甚だしい空想をして夢の世界に飛んでいっていました。 中学校で地理の先生に「地名には由来がある」と言われてからは地名マニアの要素が加 わり、交差点の地名を見るだけで想像が膨らむようになってしまい、大学で古地形を教わ ってからは、空想の世界に古代の歴史まで加わって手に負えなくなり……。 就職して最初に図化室に配属になった時はもう楽しくて、図化しながら「この水路を小 学生は飛んで越えて近道とかしちゃうんだろうなぁ」などと、勝手にわくわくしていまし た。その後に携わったGIS関係業務なんて「地形と気候と文化の関係が目で見える!」と 妄想大爆発です。海外出張先で見事な地形や地層なんかに出会ってしまうと、その前にた たずんで何時間でも妄想が止まらなくなります。 そんな私の目下の興味は、私の地元で縄文海進でも水が来なかった山奥なのに、なぜ地 名に「鯨」が付いているのか。娘に「自由研究で調べなよ」と突いていますが、まるで興 味がなさそうで残念です。そんな変人ですが、これからもどうぞよろしくお願いいたしま す。 (杉森純子:朝日航洋) ◇コラム「2015年」 2014年度に入会しました、石川県金沢市にある日本海航測の横井と申します。普段は主 に空中写真測量関連の業務に従事しております。皆さま、どうぞ宜しくお願い致します。 社会人になり早いもので18年目に突入し、つい先日不惑の年といわれる年齢となりまし た。不惑にはまだまだですが、人生の転機となる年齢を迎え、更に精進したいと考えてお ります。さて、わたしは生まれも育ちも金沢、生粋の金沢人です。今年2015年は、金沢に とって悲願の北陸新幹線開通により、未来に向け大きく飛躍できる千載一遇のチャンスの 年と言われています。 藩政時代、加賀藩前田家の参勤交代は、金沢〜江戸約120里を12泊13日掛けて行われて いましたが、そのルートを今は「かがやき」が最速2時間28分で駆け抜け、その経済効果 は計りしれません。「兼六園」と並んで金沢観光のハイライトの一つ「重伝建地区ひがし 茶屋街」にある妻の実家に週末に訪れると、これまで以上に大勢の観光客と遭遇いたしま す。私自身も数年前から「いしかわ観光特使」をしており、観光面についても気になると ころですが、十分想定していた新幹線効果が出ているようです。 石川県や金沢市は、金沢を「歴史都市」と位置付け、歴史的文化遺産の保護、継承に積 極的に取り組んでいます。非戦災都市であり、旧市街の都市構造は400年前の江戸時代と 大きく変わっていません。地図を遡っていってもそれほど変遷はなく、旧市街の随所に往 時をしのぶ地形や遺構があり、歴史好き、地理好きにはたまらない都市の一つではないで しょうか。今年4月には念願の「ブラタモリ」でも取り上げられ、金沢城を取り囲む「惣 構」、日本三大用水の一つの「辰巳用水」など金沢の歴史と現況が発信されていました。 ほとんど金沢の話題となってしまいましたが、皆さま是非金沢を訪れ、古地図片手に時 間軸の旅をしてみてはいかがでしょうか。もちろん、北陸の料理・お酒も裏切りません (笑)。 (横井 勇:日本海航測) ■空間情報関連便利グッズ / 書籍の紹介 等 ◇『橋があぶない −−迫り来る大修繕時代−−』 依田照彦・高木千太郎共著 (株)ぎょうせい 発行、ISBN978-4-08873-9 定価:(本体1,429円+税) 2012年12月、中央道の笹子トンネル天井板落下事故は、道路施設のメンテナンスが実は 十分になされていなかったことを日本社会に知らしめる事故であった。これに遡ること5 年前、米国ではミシシッピ川にかかる高速道路が突然落橋し、100名を超す死傷者を出し た。本書は日本の橋梁に焦点をあて、高度経済成長期に大量に新設された橋梁が、メンテ ナンスを注意せねばならぬ時期を迎えつつあることに警鐘をならしている。橋長2m以上の 橋は日本国内に70万ヶ所にのぼるという。これらをどう点検していくか。我々、測量業界 にも貢献の余地がありそうである。 (大山容一:国際航業) <編集よりお知らせ> 9月号の担当は、秋山幸秀さんです。 ■スペーシャリストの会事務局より ◇スペーシャリストの会総会のお知らせ 日 時:平成27年10月23日(金)13:30〜 場 所:測量年金会館(東京都新宿区山吹町11-1) 当日は、日本測量協会共催で特別講演会(14:00〜17:00)を開催予定です。 特別講演会は、SPの会会員、会委員以外の方も参加できます。CPD 3ポイントを発行。 特別講演会後、懇親会(SPの会主催)を予定しています。 懇親会参加料は、SPの会会員¥1,000、会員以外¥3,000です。 今年は、SPの会10周年記念となります。奮ってご参加いただきますよう、よろしくお願い します。 近日中に、メールでご案内をお送りします。 ■測量協会からのお知らせ ◇公益社団法人日本測量協会から重要なお知らせ 【空間情報総括監理技術者の認定登録更新】時には、所定の測量CPDポイントが必要にな ります。 《更新条件》 ☆平成22〜23年度までの認定登録者は、25ポイント/5年間 ☆平成24年度以降の認定登録者及び第1回更新済みの認定登録者は、40ポイント/5年間 認定資格者の更新対象年度には、日本測量協会からご案内をお送りします。また、測量 CPDポイントが更新時に基準に満たない場合には、ポイントが基準に達する年度まで更新 はできません。当協会から発行される認定技術者名簿にも、その間は未掲載となります。 ※平成22年度認定登録者は、平成27年10月登録更新(第1回更新)・25ポイント/5年 ※平成17年度認定登録者は、平成27年10月登録更新(第2回更新)・40ポイント/5年 ◇空間情報技術事例報告集の報告文募集 ☆応募締め切り:随時(投稿報告文が到着次第、速やかに査読) ☆掲載可となれば、日本測量協会ホームページ上の[測量情報館]に掲載。 技術事例報告集では、新規性や独創性という視点とは別に、(1)創意工夫性(何らかの 創意工夫による業務改善への貢献など)(2)実用性(実務への応用性や実際に業務等に適 用していく際の実用性など)(3)信頼性(技術事例報告の内容やその結果に対して、信頼 性や実証性など)(4)今後の展開性(空間情報技術領域の中で、他技術領域への新たな展 開や応用の可能性、他技術との融合性や融合利用の可能性などを含めて今後の展開性)と いう視点から査読し、技術事例報告として採用致します。奮って、投稿ください。 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/kuukanhoukoku.pdf ◇刊行案内 *** おおすすめの一冊 ***(※会員は10%割引でご購入いただけます) ☆公共測量成果検定における指摘事項事例集 ☆「測量系技術者のための技術文書分析のコツ」平成27年6月6日刊行 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/2.htm (小林俊男:日本測量協会) ■編集後記 この盆休み中に、桜島では居住地に影響が及ぼすような噴火が起きる可能性が高まり、 噴火レベルが3(入山規制)から4(避難準備)に引き上げられた。傾斜計等の計器観測は 行われているものの、人間が近づいて噴火状況を確認することは困難な状況です。 火山噴火等の災害調査をはじめ、書籍の紹介でも述べられている構造物のメンテナンス の調査等にも、UAVは今後益々活躍が期待されるところです。 (編集委員長:福田) ──────────────────────────────────────── All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club このメールマガジンを紹介したい方は各自の責任で転送しても結構です。 ──────────────────────────────────────── |
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