| タイトル：スペーシャリスト会報 Vol.110 | 発行日時：2016年2月16日7時12分42秒 |
| ┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 2016年2月16日 ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.110 発行元：スペーシャリストMM事務局 http://www.capnet.jp/spatial/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ INDEX ： ＊ニュース・ラウンジ（大山容一） ＊企画委員会・各支部活動報告（池田晃三） ＊リレーエッセイ＜空間連携＞（下鳴恒彰） ＊新会員のコーナー（垣内 力、上橋幸二） ＊空間情報関連便利グッズ/書籍の紹介等（早川和夫） ＊測量協会からのお知らせ（小林俊雄） ============================================================================ ■ニュース・ラウンジ 昨年(2015年)11月、国土交通省道路局より異例の「道路メンテナンス年報」がネットで 公表されました。道路法改正を受け昨年７月から、全国の橋梁・トンネル等の5年に1度の 近接目視による「定期点検」が義務化され、その進捗状況をとりまとめた統計情報です。 2012年12月中央道笹子トンネルの天井版崩落。2007年8月米ミネソタ州高速道路の落橋。 戦後充実してきた社会インフラの多くが供用50年を経て老朽化を始めています。私は30 年前に土木工学科を卒業しましたが、当時「維持管理」「メンテナンス」「点検」という 単語は存在せず、専ら新しいモノを造ることに社会の全智全能が傾けられていたことが思 い起こされます。 道路局では1950年以来毎年1回、「道路統計年報」が継続して出されています。橋梁の 部では、木の橋と比して、鋼・石・コンクリートで造られた橋を「永久橋」と称していま す。「1度造ったらメンテナンスフリーだ」という発想だったのですね。永久橋がすっか り普及した1976年からは、集計対象は橋長15m以上のみとなり、14mまでの短い橋はもはや 対象外とされてしまいました。昨今の危機感から2013年に、元来の「2m以上」の集計が復 活していますが、37年のブランクは大きく、所定の情報精度に達しなかったとして公表は 見送られ現在に至っています。 手元に原データがあり簡単な集計をしてみました。千未満切捨にて橋梁数を示します。 ★橋長2m以上の全国全橋梁総数：693,000。 ★管理者別内訳：高速道路14,000、一般国道62,000、都道府県道104,000、 市町村道511,000。 ★橋長別内訳：2m〜5m未満254,000、5m〜15m未満256,000、15m以上182,000。 2011年から開始された「インフラの長寿命化計画策定」の基礎調査では、「いつ竣工し たのかわからない」橋が、管轄全橋梁の７割を超える自治体も珍しくありません。 ★市町村道の橋長別内訳：2m〜5m未満215,000、5m〜15m未満200,000、15m以上95,000。 これらの数字をどう捉えますか。 「名は体をあらわす」といいます。「数」と置き換えることもできます。ちゃんと統計 数値に示さないと、社会はその存在すら気づかずにいます。橋長2m以上の全橋梁の情報を 1日も早く「道路統計年報」に復活させてほしいと思います。因みに、冒頭に述べた「道 路メンテナンス年報」では、橋長2m以上の全国全橋梁総数は、「723,495橋」と発表され ています。気づかずに渡ってしまっている51万本の橋は、決して「永久橋」ではない・・ ・・国および自治体の取り組みは始まったばかりです。 （大山容一） ［国際航業(株)／2015.7から約2年の予定で、(国研)土木研究所 構造物メンテナンス研 究センター(CAESAR)に、交流研究員として出向中］ ＜編集よりお知らせ＞ 3月号の担当は、鈴木浩二さんです。 ■企画委員会・各支部活動報告（一部省略）（敬称略） ◇「スペーシャリストの会」企画委員会（平成28年1月）議事録 日 時：平成28年1月29日(金) 13:30〜15:30 場 所：日本測量協会 会議室 出席者：住田、秋山、望月、早川、池田、廣野、岡本、大橋、村木、福田、鈴木(浩) 島田、安藤、金久保、大山、小林（事務局） 欠席者：瀬戸島、林、中舎、白井、大伴、神原、藤井、鈴木(英)、田中、西村 1.議事項目 (1)前回議事録確認 ・特に異議なし 2.報告事項 (1)各支部活動 �ヾ慇昌拮� ・平成27年11月27日(金) 日建技術コンサルタント会議室にて開催 14名参加 スペースサロン＠kansaiの講師推薦案 KIT空間情報セミナー講師派遣の討議 SPの会総会総会のDVD上映計画の討議 次回支部会議の予定 4月15日 アジア航測にて ��中部支部 ・平成27年12月18日(金) 名城大学名駅サテライト会議室にて開催 16名参加 航空機リモセンについて 宮坂氏 UAV機体とGNSSの関係 鵜飼氏 ・地理空間情報産学官中部地区連携協議会への参加 3名 平成27年11月20日(金) ウィルあいち 話題：2500レベル地図の効率的な整備・更新とこれに関わるコスト削減 ・愛知県県内の建設事務所での講習会 平成27年12月7日(月) 東三河建設事務所 30名の受講者 平成27年12月11日(金) 尾張建設事務所 20名の受講者 ・次回G空間ほっとセミナーin中部の講師予定 愛知工業大学 山本先生 ESRIジャパン 米良伸一氏 ・定例会議予定 第37期定例会議 平成28年2月12日(金) 第38期定例会議 平成28年4月22日(金) �Ｅ豕�支部 ・第5回勉強会実施 平成27年11月6日(金) 国際航業（市ヶ谷）にて テーマ：最近のリモートセンシング衛星の動向 ・第6回勉強会予定 平成28年2月1日(月) パスコにて テーマ：未定 �っ羯郵饂拮� ・講演会予定 平成28年7月27日(水) 広島工業大学 テーマ：「GISを用いたエリアマーケティング（仮）」 広島修道大学商学部 教授 川瀬 正樹 氏 定員：60名 (2)MM誌の記事等について ・1月号の新会員コーナー執筆予定の3名のうち1名については、執筆者の都合により次号 以降に執筆依頼。 ・神原委員に発信を委託しているサーバが不調である。この機会にSPの会で専用サーバを 設置を検討できないかという申し入れが神原委員よりあり。これまでにも企画委員会で 話題となったが結論に至っていなかった。検討の結果、GMの会でも利用している測量協 会のサーバを使わせてもらうこととし、住田副会長が協会側と協議を開始することとな った。 (3)「空間情報技術事例報告集」への投稿要請 ・すでに1件HPに掲載されている。 3.討議事項 (1)月刊「測量」SPの会コーナー ・「農業・林業」「人材教育」「インフラ事業」等の試案が提示されたが、2016年9月よ り開始予定の第18弾のシリーズテーマは「防災・減災」と決定した。 ・執筆の順番は、パスコ、朝日航洋、アジア航測、中日本、国際航業とし、第6回目につ いては未定で住田副会長に選定を一任した。 (2)平成28年度KIT空間情報セミナー ・第1回目は女性の会とする基本方針に沿って、朝日航洋の杉森さんを候補として選定し た。第2・3回目については、関西支部から選任する方針が前回の企画委員会で決まって いるので、次回企画委員会（3月9日）頃に関西支部長から提示される見込み。 (3)2015年企画出版物の進捗状況確認 ・岡本さんより１月末締切という事で全体の進捗確認があった。 ・節担当者より各担当に確認が再度必要、さらに岡本さんより関係者に個別に進捗確認メ ールを出すこととなった。 ・収集分についても書きぶりが異なるので調整が必要である。 4．その他 (1)第2回測量・地理空間情報イノベーション大会（平成28年6月14日〜15日） 概要決定、詳細は今後検討 (2)スキルアップセミナー実施状況報告 各地で盛況である。ただし、一人で複数地区に重複参加することは認めていないので周 知のこと。 (3)空間情報総括監理技術者要件リスト（2015上半期） (4)次回の企画委員会等記足予定日時予定 平成28年3月2日(水) 16:00〜17:00 イブニングセミナー 3月9日(水) 15:00〜17:00 企画委員会のみ実施 （池田晃三：アジア航測） ■リレーエッセイ＜空間連携＞ 日建技術コンサルタントの川上さんからバトンを受けました株式会社アスコの下鳴（シ モナル）です。前号では「賢者は自分の経験だけでなく、他人の経験からも学ぶ」という ことを教わり、なるほどと思いました。 他人の経験が集約された一つの形あるものとして「本」が挙げられます。若いころは、 よく物語や小説などをよく読んでいましたが、近年はすっかりご無沙汰であったため、今 年は夏頃から毎週１冊を目標に密かに読書に励んでいます。 最近読み終わった小説に「こころもちとは、遠くに置けば人生のかけがえのない目標と なり、近くに置けば日々の安らぎとなる」というような記述がありました。とても素敵な 一文だと感じました。 年度末に向けて、毎日忙しい日々が続きます。うまくいく時、行かない時、いろんな困 難もありますが、「こころもち」は常に前向きに自分の手元に置いたり、遠くに置いてみ たりしながら、楽しく過ごしていたいと思う次第です。 そんな気持ちを持ち続けることができれば、新しい気づきや発見とともに、会社や自分 のプラスになる仕事ができるような気がします。 次回は、SPの会に同期入会した�螢僖好海療貉海気鵑縫丱肇鵑鬚�渡しいたします。 どうぞよろしくお願いいたします。 （下鳴恒彰：アスコ） ■新会員のコーナー 【執筆順番（敬称略）】 2016年 2月号 垣内 (朝日航洋)、上橋 (アジア航測) 3月号 小林 (双葉)、宮下(中日本航空) 4月号 加賀谷 (GEOソリューションズ)、吉永 (伊万里市役所) 5月号 年楳 (パスコ)、末国 (エンジニアリング協会) 6月号 遠藤 (双葉)、小田 (パスコ) 7月号 野瀬 (アジア航測)、大月 (アスコ) 8月号 本田 (パスコ)、服部 (アジア航測) 9月号 福田 (シビル調査設計)、佐々木 (アジア航測) 10月号 小早川 (国際航業)、小澤 (河川財団) 11月号 常松 (エイテック)、安部 (パスコ) 12月号 鈴木 (朝日航洋)、三輪 (かんこう) 2017年 1月号 久保 (国際航業)、伊藤 (国際航業) ◇コラム「災害調査のロボット化」 2015年に入会しました朝日航洋株式会社の垣内力と申します。皆さんは、噴火している 火口を上空から見たことはありますか？ 今から16年前、平成12年（2000年）に三宅島が噴火しました。 当時、航空レーザ計測 の部署にいた私は、火口から煙が噴き上がる三宅島の周りに報道ヘリが飛び交う中、航空 レーザスキャナを搭載したセスナ機で計測を実施しました。火口近くを飛行した際は、ま さに自然の驚異を実感した瞬間でした。 時は流れ平成28年（2016年）現在、国の施策としてインフラ維持管理や災害調査のロボ ット化が進められています。昨年噴火した西之島の調査では、無人ヘリが用いられたこと は記憶に新しいところです。近い将来、災害調査はロボット化により、危険な災害現場で も有人と同等、あるいはより高度な無人調査が行えるようになると思います。その時、ス ペーシャリストとして何をすべきか？そんなことを考えながら自らの空間情報技術を向上 させ、少しでも社会に貢献できるよう頑張りたいと思います。 （垣内 力：朝日航洋） ◇コラム 「測量から空間情報へ」 30数年も前ですが、入社3年目、幸いにも測量士の資格を取得できました。昨今の測量 士の試験問題をみると、従来からの測量の基本的な知識や能力に重きを置きつつ、GNSSや 航空レーザ測量、数値地形モデル等の用語が散見され、測量の変遷を感じ取れます。 今回、空間情報総括監理技術者として、測量士よりさらに上位に位置づけられる資格を 取得することができました。空間情報は、私の知っていたこれまでの測量の領域を超え、 地球という空間に存在する地物をはじめ、様々な物を対象に多様な計測手法で捉え、その 大量の情報は多くの分野へと深く利活用の場を拡げています。 自然災害や地球環境問題、エネルギー確保等、今日における様々な課題に対して空間情 報がもたらす成果は、30年前と比べ格段に重要性を増しています。私たちの暮らしは、物 づくりによる進歩と自然との共生がもたらす繁栄であり、そうした持続可能な社会に向け た支えが空間情報であると考えます。それだけに空間情報を生業とする様々な分野での専 門技術者が集まる”SPの会”の存在意義は大きいと、改めて感じています。 私は、海洋測量調査から河川・砂防・海岸の環境や防災を経て、4年ほど前に沿岸海域 を主体とする測量の分野に所属しています。自然相手の作業では、決して驕らず自然の営 みを真摯に受け止め、謙虚さをもって振舞うことが大事です。そのことを肌で感じさせて くれる一つが海だと思っています。20歳代の頃は、船という逃げ場のない限られた空間の 中、波と風と潮流に翻弄され、自らの意思だけではどうしようもし難い思いを何度かしま した。今では、気象・海象の予報精度も格段に高まり、作業の安全性と効率性を確保する 上で情報の把握は不可欠となっています。こうした情報の背景にも、空間情報が生きてい ます。計ることを通して、測量士とは違う空間情報総括監理技術者としての重みとSPの会 会員であることの責任を痛感しつつ、社会貢献できる一員でありたいと思います。諸先輩 会員の皆さま、今後ともよろしくお願いいたします。 （上橋幸二：アジア航測） ■空間情報関連便利グッズ／書籍の紹介 等 ◇『IOTまるわかり』 日本経済新聞出版社 三菱総合研究所(編) 定価860円(税別) 持続可能なあらゆる「モノ」のデータをつなげる「IOT（モノのインターネット）」を 時々聞くようになりました。あまりにも広い分野に関わるため、その全貌がわかりづらい のではないでしょうか。この本は、近未来の社会の生活をイメージしながらIOTについて の用語の説明、解説がされています。また、各業界に与えるインパクトをリアルに描きだ しています。我々測量業界にも、参考になるのではないでしょうか？ （早川和夫：テイコク） ＜編集よりお知らせ＞ 3月号の担当は、鈴木浩二さんです。 ■測量協会からのお知らせ ◇転職・退職・死亡等により、氏名・所属・連絡先（メールアドレス）の変更が生じたSP の会会員の方へ。 変更後の内容をご本人または関係者の方から日本測量協会にお知らせください。 SPの会MM誌の配信やお知らせ等の連絡に支障が出ないようお願いいたします。 届け出様式は、以下の場所にあります。 http://www.jsurvey.jp/gissv/youshiki.htm 様式2 空間情報総括監理技術者 登録事項変更届出 メールまたはFAXまたは郵送でお知らせください。 連絡先は、以下の通りです。 メール：geoinfor@jsurvey.jp FAX : 03-5684-3366 〒113-0001 東京都文京区白山1-33-18 白山NTビル 公益社団法人日本測量協会 測量継続教育センター 測量技術教育部 宛 ◇『総合評価方式時代の測量技術者スキルアップ・セミナー』のご案内 測量業界におきましては総合評価落札方式が進展し、技術力や業務実績、技術資格など 多方面にわたる視点から評価される時代となりました。 測量技術者にとっても技術力以外に、企画力や表現力、さらには技術資格の取得、継続 教育など、様々な能力（スキル）が求められています。 このような現状を鑑み、広く測量・地理空間情報界で活躍されている多くの技術者の方々 に少しでもお役に立てることを願い、標記のセミナーを全国14会場で開催します。 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/sukiru.pdf ◇第44回イブニングセミナー 「ITS最新動向」−自動運転に必要なデジタル道路地図− 日程: 平成28年3月2日(水) 16:00〜 場所: 東京 Web 大阪 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/k-academy280302.pdf http://www.jsurvey.jp/k-kansai280302.pdf ◇公益社団法人日本測量協会から重要なお知らせ 【空間情報総括監理技術者の認定登録更新】時には、所定の測量CPDポイントが必要にな ります。 《更新条件》 ☆平成22〜23年度までの認定登録者は、25ポイント/5年間 ☆平成24年度以降の認定登録者及び第1回更新済みの認定登録者は、40ポイント/5年間 認定資格者の更新対象年度には、日本測量協会からご案内をお送りします。また、測量 CPDポイントが更新時に基準に満たない場合には、ポイントが基準に達する年度まで更新 はできません。当協会から発行される認定技術者名簿にも、その間は未掲載となります。 ※平成22年度認定登録者は、平成27年10月登録更新(第1回更新)・25ポイント/5年 ※平成17年度認定登録者は、平成27年10月登録更新(第2回更新)・40ポイント/5年 ◇空間情報技術事例報告集の報告文募集 ☆応募締め切り：随時（投稿報告文が到着次第、速やかに査読） ☆掲載可となれば、日本測量協会ホームページ上の［測量情報館］に掲載。 技術事例報告集では、新規性や独創性という視点とは別に、(1)創意工夫性（何らかの 創意工夫による業務改善への貢献など）(2)実用性（実務への応用性や実際に業務等に適 用していく際の実用性など）(3)信頼性（技術事例報告の内容やその結果に対して、信頼 性や実証性など）(4)今後の展開性（空間情報技術領域の中で、他技術領域への新たな展 開や応用の可能性、他技術との融合性や融合利用の可能性などを含めて今後の展開性）と いう視点から査読し、技術事例報告として採用致します。奮って、投稿ください。 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/kuukanhoukoku.pdf ■刊行案内 *** おすすめの一冊 ***（※会員は10％割引でご購入いただけます） ☆公共測量成果検定における指摘事項事例集 ☆「測量系技術者のための技術文章分析のコツ」平成27年6月6日刊行 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/2.htm （小林俊雄：日本測量協会） ■編集後記 寒い日が続きますが、ここ2・3日は暖かく、これから花粉の飛散が本格的になるようで す。私もそうですが、花粉症の人にとっては、今後3カ月程度は憂鬱な日々となりそうで す。今や花粉症は国民病ともいわれていますが、有効な対症療法は普及しておらず、医者 に聞きますと花粉の飛散前から早目に薬を飲むことが、本格的な飛散時期に少しでも症状 を和らげる手立てと聞きました。何か、災害予防と相通じるような気がしますね。 （編集委員長：福田） ──────────────────────────────────────── All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club このメールマガジンを紹介したい方は各自の責任で転送しても結構です。 ──────────────────────────────────────── |
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