| タイトル：スペーシャリスト会報 Vol.111 | 発行日時：2016年3月13日18時50分26秒 |
| ┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 2016年3月13日 ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.111 発行元：スペーシャリストMM事務局 http://www.capnet.jp/spatial/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ INDEX ： ＊ニュース・ラウンジ（鈴木浩二） ＊企画委員会・各支部活動報告（宮下大明） ＊リレーエッセイ＜空間連携＞（東山幸平） ＊新会員のコーナー（小林謙一、宮下大明、板野友和） ＊空間情報関連便利グッズ/書籍の紹介等（鈴木浩二） ＊測量協会からのお知らせ（小林俊雄） ============================================================================ ■ニュース・ラウンジ 毎年3月、年度末の大詰めにニュースラウンジの執筆が回ってきます。昨年は震災対策 の話を少々記載させていただきました。今年も3月11日が近づくに従って、震災からの復 旧・復興のニュースが目立ち始めます。巨大な自然の力に立ち向かうための大規模な工 事は長期間を要するため、約16万人の方々が未だ仮設住宅での生活を余儀なくされていま す。復旧・復興に役立つ、迅速かつ高精度な空間情報提供の重要性を考えさせられます。 建設現場の生産性向上に向けた取り組みとして、国土交通省では「i-Construction委 員会」を設置し、ICTをキーワードに様々な検討が進められています。3次元の測量成果が そのまま設計から施工、出来形管理へと活用されていきます。さて、空間情報を提供する 我々には、どのような変化がもたらされるか？平成28年2月のICT導入協議会の委員会資料 が公開されており資料-3（i-Construction〜「ICT技術の全面的な活用」の取り組みにつ いて〜）に方針が記載されています。 我々、空間情報作成に従事する技術者は、製品の仕様は地図情報レベルで考えてきまし た。作業面積や地域特性に対応して適切な作業方法を提案・選定し、選定した手法で規定 の制限値(標準偏差)の中で精度管理を行っています。ここでは「規程の精度で全域を一律 に実施する」が基本ではないかと思います。これに対して、施工管理では実測を基準とし て、「高精度に必要な点のみを管理する」が基本かと思います。この流れによるものなの か、昨今の様々な計測現場で、地図情報の要求精度（レベル）と実測精度の高精度な要求 の狭間で悩まされることが多くなりました。空間情報総括監理技術者として、空間情報の 精度はきっちり語れるようにしておかなければと痛感しています（全国的に良い事例のみ が独り歩きしているような気もします）。 その他、多くの課題が生まれます。例えば点群のフォーマット、単位面積当りの点数、 測量範囲全体の点数等、従来の解析環境から異なった流れが必要となることも想定されま す。適用対象はどこまでなのか、設計・施工までを実施する小規模な範囲で、それ以外の 広域の測量と異なる成果、「Constructionデータ」みたいなものを別途整備する必要があ るのか、その経費はどうなるのか等々、解決すべき課題は多く、基準作りに携わっている 方も苦労されていることかと思います。 いずれにしても、今年度には新基準の整備が行われ、平成28年度には事業中の箇所にお いて施工者提案によるi-Constructionの実施が位置付けられています。将来的には「全プ ロセスでのi-Constructionを標準化」と位置付けられていますので、対応は必須となりそ うです。更なる工夫で対応していく必要があると思いつつ、年度末の作業をモヤモヤと進 めている今日この頃です。 （鈴木浩二：中日本航空） ＜編集よりお知らせ＞ 4月号の担当は、早川和夫さんです。 ■企画委員会・各支部活動報告（一部省略）（敬称略） ◇「スペーシャリストの会」中部支部第37回会議 議事録 日 時：平成28年2月12日(金) 15:30〜17:30 場 所：MSAT 名城大学名駅サテライト 会議室 出席者：早川、小川、近藤、片桐、松永、鵜飼、廣瀬、安藤、小野、佐々木、宮下 欠席者：外山、筒井、柴田、渡邊、大塚、前田、松岡、内海、鈴木、坂口、湯川、宮坂 橋爪、白川、黒岩、崎山、岡本、横井、石野（事務局） 議事項目 1．検討項目 (1)平成28年度10月開催の講習会内容の検討 �々峪佞砲弔い� ・大学の先生＋民間（SPの会等）の2名を予定する。 ・講師を依頼できそうな方がいないか、各位検討する。 ��日程について ・セミナー開催は、10月28日で決定。 ・4月総会までに講師のあたりをつける。 ・6月には講師及び講演内容を決定し、定例会で報告する。 (2)中部SPの会としての今後の活動について ・一般市民も分かりやすく、また形のある成果が得られる活動を検討する。 ・今後の定例会でも継続的に検討を進める。 (3)その他 定例会議会場について、以下を予定する。 �‖�38回定例会議（ 6月）：(株)パスコ 中部事業部 ��第39回定例会議（ 8月）：玉野総合コンサルタント(株) 本社 �Ｂ�40回定例会議（10月）：（公社)日本測量協会 中部支部 �ぢ�41回定例会議（12月）：ヤフー(株) �ヂ�42回定例会議（ 2月）：未定 2．報告事項 (1)金沢工業大学空間情報セミナーへの講師派遣について �‘� 時：1月15日(金) 14：00 〜 14：50 �⊂� 所：金沢工業大学12号館アントレプレナーズラボ4F イノベーションホール ��主催：金沢業大学 産学連携機構事務局 連携推進室 （鹿田先生） �す岷蘰睛董А嶇�面性状測定車両による路面性状調査」 �ス� 師： 松永さん ��今後の予定：年5回開催（3月末頃広報） �Г修梁勝Д僖ぅ�ニアのレーダ技術を用いた自動運転技術に関する発表への関心が高かっ た。 (2)G空間ほっとセミナーin中部(4月開催)について �‘�時：平成28年4月22日（金）17：30〜20：00 （17:15〜受付） ��会場：中統奨学館ビル「CHUTOホール」 4階 �９峪奸Оγ旅�業大学 山本先生（題目）「点群データを利用した事例研究」 ESRI ジャパン 五味 俊弘 氏 （題目）「GIS 最新トレンド」 （宮下大明:中日本航空） ■リレーエッセイ＜空間連携＞ アスコの下鳴さんからバトンを受けましたパスコの東山です。下鳴さんより他人の経験 を本からというお話を頂戴しましたが、講演を聴くのもまた然りでは？。私は日本技術士 会情報工学部会の月例会で色々な分野の皆様の講演を聴いています。聴くだけならいいの ですが、技術士会はそんなに甘くはなく、自分が話す番も回ってきます。何を話そうか悩 んだ末、「測量の話でも」と、空総監とNSDI法について講演しました。余談の中で、「QZ SSは、なぜ8の字軌道を描けるのか？」「GNSS測位は、なぜ未知数4つなのか？」「中国・ ロシア製のGNSS」「電子基準点網で地震予知が！」「？測量は、測角・測距・ベクトル解 析へと進歩した」等々。 測量ありきたりの話が他業界の皆様には新鮮だったらしく、つたない講演にお陰様でご 盛況いただきました。空総監の認知度はまだまだですが、いろんな機会でアピールを広げ たいものですね。それでは、朝日航洋の白井さんにバトンをお渡しします。 （東山幸平:パスコ） ■新会員のコーナー 【執筆順番（敬称略）】 2016年 3月号 小林 (双葉)、宮下(中日本航空)、板野(パスコ) 4月号 加賀谷 (GEOソリューションズ)、吉永 (伊万里市役所) 5月号 年楳 (パスコ)、末国 (エンジニアリング協会) 6月号 遠藤 (双葉)、小田 (パスコ) 7月号 野瀬 (アジア航測)、大月 (アスコ) 8月号 本田 (パスコ)、服部 (アジア航測) 9月号 福田 (シビル調査設計)、佐々木 (アジア航測) 10月号 小早川 (国際航業)、小澤 (河川財団) 11月号 常松 (エイテック)、安部 (パスコ) 12月号 鈴木 (朝日航洋)、三輪 (かんこう) 2017年 1月号 久保 (国際航業)、伊藤 (国際航業) ◇コラム「不安と期待と」 2015年に入会しました株式会社双葉の小林と申します。会社は、今春で創立68周年を迎 え、社員数60名弱とやや少なめですが、各人が光るものを持っている（と信じたい）少数 精鋭の集団と自負しております。どうぞよろしくお願いいたします。 仕事に関するお話は皆様がされていますので、私は趣味について記したいと思います。 昔から変わらない趣味は映画や音楽鑑賞、読書とインドア寄りです。ですので、社会人 になっても運動する機会を自ら作るはずもない状態が続いていました。そんな中、有志で フットサルチームを作る話が持ち上がり、身体を動かすことが好きな私は、即答で参加表 明しました。サッカーの経験が無かった分、不安は大きかったのですが、始めてみるとフ ィールドに各5名ずつしかいないので、スピーディーな展開で下手ながらも、とても興奮 したのを覚えています。 それから早10年が経ちましたが、これほど長続きするとは思っていませんでした。SPの 会に入会したときも不安はありましたが、今は皆様との交流で様々な知識が得られること に興奮を覚えると共に、永く続けていきたいと思っています。 （小林謙一：双葉） ◇コラム「空間情報技術と私」 私が初めて空間情報技術の世界に出会ったのは大学時代で、リモセン技術を利用した森 林情報の抽出に取り組みました。大学院時代には短い期間でしたが、タイのアジア工科大 学の研究室の片隅で研究に励める機会にも恵まれ、ボディーランゲージながらも海外の空 間情報技術者と触れ合えた貴重な経験となりました。 社会人になってからは、国内では導入間もない航空レーザ測量の部署に配属され、計測 から解析まで試行錯誤の日々でした。一時期、業界を離れて家業（全く畑違いのサプリメ ントの製造販売！）を手伝った期間もありましたが、諸事情で再び建設コンサル業界に戻 り、以前培っていた空間情報技術を活かしながら、ため池の氾濫解析や耐震性能診断、河 川計画や防災ダムの施設更新実施設計等、様々な業務に携われる機会に恵まれました。 その後、技術士資格の取得を契機に仕事環境も変化していき、空間情報技術と設計技術 のどちらを自分の軸にすべきか悩んだ時期もありましたが、自分にとっての原点であった 空間情報技術者の道を選び、今に至っています。現在は、砂防基礎調査等の業務をメイン にUAV、SfM、モバイル端末の活用といった新しい技術にも関心を持つようしています。 振り返ると、社内外の諸先輩にご指導・ご支援をいただきながら、空間情報技術を軸に 様々な経験をできた日々でした。今後もその経験を活かしながら、社会貢献できる技術者 を目指し精進したい思いです。どうぞよろしくお願い申し上げます。 （宮下大明：中日本航空） ◇コラム 「資格を取ることのもう一つの目的」 はじめまして、この度スペーシャリストの会のメンバーに加わりました株式会社パスコ の板野と申します。 弊社に入社してから十数年を大阪で過ごし、4年前に東京に転勤となりました。そして 現在、期限付きではありますが、社外の団体へ勉強のため出向中の身です。十数年同じ場 所にいると、技術者として、また個人として、なかなか自分を変えるきっかけが無くなる ものだと感じていました。そのようなタイミングでの転勤、そして出向。周りの変化につ いていくため、この歳（それほど歳ではないと思いますが）になって勉強の日々です。 ある先輩の言葉を借りて表現するなら、「職場や仕事内容が変わることはさしたる変化 ではなく、周りの人が変わることが大きな変化」のようです。空間情報総括監理技術者資 格も、取得したことによる人との出会いが自分を変えていくための礎になればと感じてい ます。皆様のご指導・ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 （板野友和：パスコ） ■空間情報関連便利グッズ／書籍の紹介 等 ◇『物を売るバカ』売れない時代の新しい商品の売り方 川上 徹也(著) 角川書店 定価800円(税別) 空間情報関連便利グッズという書籍紹介の中で、このタイトルは何だとお叱りを受けそ うなのですが、皆さん真面目な内容が多いので、たまには良いかと思い紹介させていただ きます。 先日、福岡空港で時間をつぶしていたら、美味しそうなラーメンのカバー写真が目に留 まりました。「全ての営業マン必読」という言葉にひかれ少し読んでみました。本書は「 商品を売る」という観点でまとめられていますが、我々、空間情報技術者も物を売るとい う観点で「技術提案や商品」に魅力的なストーリーを付加できているか？ざっと流し読み できますが、少し考えさせられる書籍です。 （鈴木浩二：中日本航空） ＜編集よりお知らせ＞ 4月号の担当は、大山容一さんです。 ■測量協会からのお知らせ ◇転職・退職・死亡等により、氏名・所属・連絡先（メールアドレス）の変更が生じたSP の会会員の方へ。 変更後の内容をご本人または関係者の方から日本測量協会にお知らせください。 SPの会MM誌の配信やお知らせ等の連絡に支障が出ないようお願いいたします。 届け出様式は、以下の場所にあります。 http://www.jsurvey.jp/gissv/youshiki.htm 様式2 空間情報総括監理技術者 登録事項変更届出 メールまたはFAXまたは郵送でお知らせください。 連絡先は、以下の通りです。 メール：geoinfor@jsurvey.jp FAX : 03-5684-3366 〒113-0001 東京都文京区白山1-33-18 白山NTビル 公益社団法人日本測量協会 測量継続教育センター 測量技術教育部 宛 ◇『総合評価方式時代の測量技術者スキルアップ・セミナー』のご案内 測量業界におきましては総合評価落札方式が進展し、技術力や業務実績、技術資格など 多方面にわたる視点から評価される時代となりました。 測量技術者にとっても技術力以外に、企画力や表現力、さらには技術資格の取得、継続教 育など、様々な能力（スキル）が求められています。 このような現状を鑑み、広く測量・地理空間情報界で活躍されている多くの技術者の方々 に少しでもお役に立てることを願い、標記のセミナーを全国14会場で開催します。 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/sukiru.pdf ◇第45回イブニングセミナー 「（仮）CIMに求められる測量技術」−ユーザから見たCIM− 日程: 平成28年5月16日（月）16:00〜 講師: 笠 博義氏 （（株）安藤・間 技術本部 技術企画部 部長） 場所: 東京 ◇公益社団法人日本測量協会から重要なお知らせ 【空間情報総括監理技術者の認定登録更新】時には、所定の測量CPDポイントが必要にな ります。 《更新条件》 ☆平成22〜23年度までの認定登録者は、25ポイント/5年間 ☆平成24年度以降の認定登録者及び第1回更新済みの認定登録者は、40ポイント/5年間 認定資格者の更新対象年度には、日本測量協会からご案内をお送りします。また、測量 CPDポイントが更新時に基準に満たない場合には、ポイントが基準に達する年度まで更新 はできません。当協会から発行される認定技術者名簿にも、その間は未掲載となります。 ※平成22年度認定登録者は、平成27年10月登録更新(第1回更新)・25ポイント/5年 ※平成17年度認定登録者は、平成27年10月登録更新(第2回更新)・40ポイント/5年 ◇空間情報技術事例報告集の報告文募集 ☆応募締め切り：随時（投稿報告文が到着次第、速やかに査読） ☆掲載可となれば、日本測量協会ホームページ上の［測量情報館］に掲載。 技術事例報告集では、新規性や独創性という視点とは別に、(1)創意工夫性（何らかの 創意工夫による業務改善への貢献など）(2)実用性（実務への応用性や実際に業務等に適 用していく際の実用性など）(3)信頼性（技術事例報告の内容やその結果に対して、信頼 性や実証性など）(4)今後の展開性（空間情報技術領域の中で、他技術領域への新たな展 開や応用の可能性、他技術との融合性や融合利用の可能性などを含めて今後の展開性）と いう視点から査読し、技術事例報告として採用致します。奮って、投稿ください。 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/kuukanhoukoku.pdf ■刊行案内 *** おすすめの一冊 ***（※会員は10％割引でご購入いただけます） ☆公共測量成果検定における指摘事項事例集 ☆「測量系技術者のための技術文章分析のコツ」平成27年6月6日刊行 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/2.htm （小林俊雄：日本測量協会） ■編集後記 東日本大震災発生5年目の3月11日のきょうに、たまたま本稿を書いていますが、被災地 （福島県いわき市）出身の私にとっては、津波に流されたり、地震により家屋が倒壊した りした知人がおり、3月11日には特別な思いがあります。 現在、災害に強い強靭な国づくりが進められていますが、被災地にとって復興は、まだ まだ先の感があります。我々、空間情報技術を専門とする技術者も、そのコンサルティン グ力と合わせて、より一層復興に貢献したいものです。 （編集委員長：福田） ──────────────────────────────────────── All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club このメールマガジンを紹介したい方は各自の責任で転送しても結構です。 ──────────────────────────────────────── |
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