| タイトル：スペーシャリスト会報 Vol.126 | 発行日時：2017年6月14日23時31分47秒 |
| ┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 2017年6月14日 ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.126 発行元：スペーシャリストMM事務局 http://www.capnet.jp/spatial/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ INDEX ： ＊ニュース・ラウンジ（大山容一） ＊企画委員会・各支部活動報告（石森伸、住田英二、小川孝之、西村芳夫、來山尚義） ＊リレーエッセイ＜空間連携＞（金久保 豊） ＊新会員のコーナー（中津好徳、清宮奈美） ＊空間情報関連便利グッズ/書籍の紹介等（早川和夫） ＊測量協会からのお知らせ（小林俊雄） ============================================================================ ■ニュース・ラウンジ ３月末で土木研究所CAESARでの交流研究活動を終えました。ここでは橋梁の維持管理・ メンテナンス技術の研究開発を行っており、私は、橋梁ストックデータベースの統計解析 を試みました。本欄2016.2号の続報として、一般には知られていない知見も得られたので 報告いたします （土木研究所ＨＰで今年度中に開示予定です）。 2007年８月米ミネソタ州高速道路の落橋〜2008年４月CAESAR発足〜2012年12月中央道笹 子トンネルの天井板崩落。戦後充実してきた社会インフラの多くが供用50年を経て老朽化 を始めています。1967年創刊の業界誌『橋梁と基礎』の歴代のページをめくっていくと、 戦後復興期より、日本社会は欧米先進国の橋梁建設技術を精力的に取り入れ、ＰＣ橋・吊 り橋・斜張橋・・・と、いわゆる長大橋の構築技術を次々に国産化してきた姿が読み取れ ます。そして、取り替え困難な海上の長大橋を中心に、維持管理・メンテナンスの重要性 が認識され、本四架橋は「200年供用」を念頭に設計施工されています。 2008年以降は長大橋ばかりでなく、中小のあらゆる橋にも維持管理が必要であることに 皆が気づき始めますが、「永久橋」と称して作りっぱなしであった膨大な数の橋梁群に、 もうしばらく手をこまねいているのが実情といえましょう。その一因として、橋梁ストッ クが実際どれだけあるのか、ということが案外とわかっていない、だから途方に暮れて思 考停止している、という印象を私は受けました。 私が解析に携ったデータべースは、「全国橋梁台帳」エクセルデータで、総数７０万本 を超える日本の公道（国道・都道府県道・市町村道）にかかる橋梁1本1本の基礎情報が１ 行に盛り込まれています。2014.4.1調査データでは、「橋梁総数は710,649本」、「総数 のうち、市町村道にかかる橋梁は519,337本」、「また総数のうち、橋長2〜14ｍの橋梁は 525,468本」。だいたいここまでで情報公開は終わっています。研究活動当初、素朴な疑 問がわきました。？隅田川に沿って首都高速の高架橋が延々と続いている、これって橋何 本なんだろう＝連続高架橋として１本です。？中山間の山裾の小道にかかる３ｍの橋＝こ れも無名橋１本です。さまざまな橋長・幅員をもつ橋梁が皆、「１本」で集計されていく 、こんな解析で、橋梁ストックの実情を把握しているといえるのだろうか、と。 そこで、71万本のデータベースに種々の解析を試みました。まず、公開情報の裏取りと して橋梁数の集計。国道65849・都道府県道105698・市町村道519337。大まかな整数比を とると１：２：８くらいになります。職員のいない市町村道、大変だ！ 同じカテゴリーで、橋梁ごとに「橋長」を累計すると少し違った様相を見せてきます。 国道380km・都道府県道344km・市町村道614km、整数比は１：１：２となりました。隅田 川と中山間の違いを加味したことになります。 さらに、橋梁ごとに橋長x幅員＝「橋面積」として累計しました。点検や維持管理の実 作業量を具体的に表現する数値です。国道40.0k�屐ε堝刺楔�道37.9k�屐�市町村道38.6k �屐Ｂ腓泙�な整数比は、１：１：１。 現在、直轄国道の点検・維持管理事業は順調に進行し、比して地方自治体の取り組みが 遅れている、予算・人員ともに不足している状況が伝えられています。1:2:8を見せられ ればなるほどそのとおりだと納得しますが、1:1:2あるいは1:1:1を最初に見ていたらどう でしょう。「統計」は、その解析者が何を言いたいかに依存した結果を出せる手法のみで 行われる、結構そんな、恣意的なものであることを感じたしだいです。 （大山容一:国際航業) [2015.7〜2017.3、(国研)土木研究所 構造物メンテナンス研究センター(CAESAR)に、交 流研究員として出向］ ＜編集よりお知らせ＞ 7月号の担当は、鈴木浩二さんです。 ■企画委員会・各支部活動報告（一部省略）（敬称略） ◇東北支部の活動報告 ・今回投稿するのものはありません。 （石森 伸 東北支部長：国際航業） ◇東京支部活動報告 ・今回投稿するのものはありません。 （住田英二 東京支部長：測量協会） ◇中部支部の活動報告 ・今回投稿するのものはありません。 （小川孝之 中部支部長：大興計測技術) ◇関西支部の活動報告 ６月以降の主な行事予定・内容は以下の通り ��6月10日 技術士一次試験対策講座 ： １２名の申込み http://www.jsurvey.jp/k-kansai290610.pdf ��6月16日 定例会議：於 関西総合テクノス ・技術士一次試験対策講座の結果報告 ・スペース・サロン＠Kansai 8月2日開催の計画 ・ホームページ作成の進捗報告 ・各部会報告 ・ ��7月3日 日測協関西支部業務報告会にて、西村支部長が講演 「空間情報総括監理技術者の会（ＳＰの会）関西支部の活動について」 http://www.jsokuryou.jp/Corner/shibu/auth.asp?dir=06kansai&pdf=2017/042601.pdf ��8月2日 スペース・サロン＠Kansai ：於 アスコ大東 ＜講演内容＞ 「火山防災と地理空間情報」 本田健氏（パスコ） 「 BIM/CIMの動向とi-ConstructionにおけるPhotog-CADのススメ」 宮本勝則氏（JACIC）： （西村芳夫 関西支部長：アスコ大東） ◇中国・四国支部の活動報告 ・今回投稿するのものはありません。 （來山尚義 中国・四国支部長：復建調査設計） ■リレーエッセイ＜空間連携＞ タックエンジニアリングの千葉さんからバトンを受けました、サン･ジオテックの金久 保です。 最近のリレーエッセイは「運動」や「健康」の話題が続いており、千葉さんからのバト ンは私の往年の「山登り」で渡されましたが、体力的な理由で20年近く休眠中です。そこ で、体力がめっきり落ちた私が久々に運動をした最近の話題を1つ。 それは、ついこの前の5月末の日曜日、山中湖マラソン（正式名称「山中湖ロードレー ス」）に参加したことです。コースは山中湖1周13.6kmで、1月末にエントリーしたものの 腰が重く、練習は5月になってから地元で、5km程を2回走っただけでした。 昨年に続き2回目の参加で、昨年は歩いたり止まったりして、なんとか1周しました。 今年の目標は、「歩かないで完走（給水所でのストップはあり）」としました。そのため 、終始超スローペースで走りきるという“作戦”。どのくらいスローかというと、よく街 中で「このじいさん、歩いたほうが早いんじゃないの？」という、ジョギング中の年配の 方を見かけることがあるかと思いますが、正にあのレベルです。抜かされる一方の私は、 こういう人生もありだな、との思いでひたすらゆっくり走りました。 「それでも歩いている人がいると『抜かさなくっちゃ』というプレッシャーがかかり、 きつかったですよ ^^;」（独り言です。） なんとか歩かず走りきった達成感と終わった安堵感、そして、一緒に参加した仲間みん なに感謝の気持ちが湧いてくる貴重な体験は、今後も続けたいと思います。（次に走るの は、また来年の5月になってからですけれど・・・） それでは次回は、山中湖マラソンにしばらく顔を出さず、前橋での一人暮らしを謳歌し ていると聞く、株式会社プライムプランの真壁さんにバトンを渡します。 （金久保 豊：サン･ジオテック株式会社） ■新会員のコーナー 【執筆順番（敬称略）】 2017年 6月号 中津（パスコ）、清宮（パスコ） 7月号 早川（パスコ）、中島（パスコ） 8月号 内川（パスコ）、�睫據淵▲献�航測） 9月号 今西（アスコ大東）、松下（パスコ） 10月号 原島（東京地図研究社）、伊藤（国際航業） 11月号 伊藤（国際航業） 12月号 川村（アスコ大東） 2018年 1月号 中澤（西日本旅客鉄道）、太井（パスコ） ◇コラム「地域防災と空間情報」 はじめまして、パスコの中津と申します。専門は、地域防災です。これまでに空間情報 を活用した防災計画の立案、ハザードマップ作成業務等に従事してきました。 防災対策は、平時と緊急時、その後の復旧・復興時に区分されますが、どの時点におい ても空間情報とそれを活用する技術は有効な手段となります。平時における地域特性の理 解、被害状況の予測、避難のあり方の検討等に空間情報は欠かせません。そして、近年で はＧＮＳＳやＩＣＴ技術の発達により、リアルタイムに避難を支援することも可能になっ てきています。また、再現可能な地籍情報等があれば、迅速な復旧・復興に役立ちます。 東日本大震災から６年が経ち、防災意識の低下は避けられません。毎年のように発生す る水害・土砂災害であっても、身近でなければ、私たちはすぐ忘れてしまいます。 空間情報をどのように用いれば、災害による被害を軽減化し、迅速な復旧・復興に役立 てるのか。これからも考えていきたいです。若輩者ですが、宜しくお願い致します。 （中津好徳：パスコ） ◇コラム「来月、アルバニアに行ってきます。」 はじめまして。株式会社パスコの清宮奈美（せいみやなみ）と申します。どうぞよろし くお願いします。 開発途上国の地理空間情報関連のODA案件や調査案件を担当する部署に所属しています。 この度、アルバニア共和国の「デジタル地図作成能力向上プロジェクト」に、メンバーの 一員として参加することになりました。アルバニアは、東ヨーロッパのバルカン半島に位 置する、国土面積約28,700平方キロメートル（四国の約1.5倍）、人口約289万人（2014年 、アルバニア統計局）の小さな国です。プロジェクトでは、約2年半をかけて、首都ティ ラナとその周辺地域の2,000分の1デジタル地形図の作成、地形図の作成および管理に関す る技術移転、地形図の利活用促進活動を実施します。来月から現地での作業が始まります 。大変なこともあると思いますが、それ以上にいろいろな方と会って一緒に仕事をするの がとても楽しみです。プロジェクトを通じてアルバニアの発展に少しでも貢献できるよう 、がんばります。 （清宮奈美：パスコ） ■空間情報関連便利グッズ／書籍の紹介 等 ◇絶景の世界遺産100 ヨーロッパ編 成美堂定価1,500円税別 本書は、ヨーロッパにおける世界遺産を広大な景色の写真と共に紹介しているほか、旅 程や予算別におけるモデルルートも掲載されている。写真を見ているだけでも非常に楽し めるが、多忙な日々の中で如何に時間を捻出し、この絶景を見に行くことはできないか、 と想像を膨らませながら読み進めるのも良い。もしくは、夏季休暇など長期休暇の旅行を 計画する際にも役立つ1冊である。ちなみに私は2年後に迫った定年後の旅行を楽しみにし ながら、忙しい毎日を過ごしている。 姉妹本として「世界の絶景・秘境100」も出版されている。 （早川和夫：テイコク） ＜編集よりお知らせ＞ 7月号の担当は、鈴木浩二さんです。 ■日本測量協会からのお知らせ ◇平成29年度空間情報総括監理技術者の願書受付を開始しました 願書提出機関は 6月1日（木）〜6月30日（金）（当日消印有効）です。 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/gissv/gissv.htm ◇転職・退職・死亡等により、氏名・所属・連絡先（メールアドレス）の変更が生じたＳ Ｐの会会員の方へ。 変更後の内容をご本人または関係者の方から日本測量協会にお知らせください。 ＳＰの会MM誌の配信やお知らせ等の連絡に支障が出ないようお願いいたします。 届け出様式は以下の場所にあります。 http://www.jsurvey.jp/gissv/youshiki.htm 様式２ 空間情報総括監理技術者 登録事項変更届出 メールまたはFAXまたは郵送でお知らせください。 連絡先は以下の通りです。 メール：geoinfor@jsurvey.jp FAX : 03-5684-3366 〒113-0001 東京都文京区白山1-33-18 白山NTビル 公益社団法人日本測量協会 測量継続教育センター 測量技術教育部 宛 ◇重要なお知らせ 【空間情報総括監理技術者の認定登録更新】時には、所定の測量CPDポイントが必要にな ります。 《更新条件》 ☆平成23年度までの認定登録者は、第1回目更新は25ポイント/5年間 ☆平成24年度以降の認定登録者及び第1回更新済みの認定登録者は、40ポイント/5年間 認定資格者の更新対象年度には、日本測量協会からご案内をお送りします。また、測量 CPDポイントが更新時に基準に満たない場合には、ポイントが基準に達する年度まで更新 はできません。当協会から発行される認定技術者名簿にも、その間は未掲載となります。 次年度登録更新予定の方です。更新時に必要な測量CPDポイントは以下の通りです。 ※平成24年度認定登録者は、平成29年10月登録更新(第1回更新)・40ポイント/5年 ※平成19年度認定登録者は、平成29年10月登録更新(第2回更新)・40ポイント/5年 ◇空間情報技術事例報告集の報告文募集 ☆応募締め切り：随時（投稿報告文が到着次第、速やかに査読） ☆掲載可となれば、日本測量協会ホームページ上の［測量情報館］に掲載。 技術事例報告集では、新規性や独創性という視点とは別に、(1)創意工夫性（何らかの 創意工夫による業務改善への貢献など）(2)実用性（実務への応用性や実際に業務等に 適 用していく際の実用性など）(3)信頼性（技術事例報告の内容やその結果に対して、 信頼 性や実証性など）(4)今後の展開性（空間情報技術領域の中で、他技術領域への新 たな展開や応用の可能性、他技術との融合性や融合利用の可能性などを含めて今後の展開 性）という視点から査読し、技術事例報告として採用致します。奮って、投稿ください。 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/kuukanhoukoku.pdf ■刊行案内 *** おすすめの一冊 ***（※会員は10％割引でご購入いただけます） 『測量系技術者のための技術士(建設部門)合格への道』が、測量協会から３月末に発行に なりました。 ７月の技術士試験に向けて、押さえておきたい勘所がもれなく解説されております。 某航測大手の会社では技術士受験者に配布して受験対策に資するよう指導が行われていま す。 一目でわかるクイックレスポンス方式による効果的な学習法 スペーシャリストの会編 Ｂ５判 ２３７頁 定 価２，８０８円(税込) 会員価格２，５２０円(税込) 送 料４５０円 平成２９年３月２５日刊行 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/2-1b.htm (小林俊雄：日本測量協会） ■編集後記 6月11日に【みちびき2号】の打ち上げが成功しました。 この内容はNHKの総合TVでもトップニュースで取り上げられました。 アナウンサーの説明で「GPSを補完して数センチの誤差になる」と前振り後 → 『私たちは、スマートフォンやカーナビなどを使う時に、衛星から位置情報を得ているが 、アメリカのGPS衛星だけでは、高い建物などがあると「誤差」が出てしまう。この「誤 差」は、10メートルを超えることもある。そこで、日本版GPS衛星「みちびき」を打ち上 げて、「位置情報システム」の性能を飛躍的に高めようとしている。 「みちびき」は全部で4機が打ち上げられる計画で、必ず1機以上が日本付近の上空を飛行 するようになるだろう。そうなれば、建物が密集する場所でも電波を受け取りやすくなり 、GPS衛星と組み合わせて利用すれば、誤差はわずか数センチ程度になるとされている』 というようなかなり定量的で具体例（農業トラクターの自動走行、ドローンによる物流、 建設の無人化施工）を挙げた説明がされていました。 このニュースを見た人は、もうすぐそこに誰でも高精度測位が可能になり、色んなアイ デアで利用分野が広がる時代になると理解したと思います。 今後、空間情報総監技術者に今まで以上に、柔軟で斬新なアイデアが期待されるのでは ないでしょうか。 （編集委員長：中舎） ──────────────────────────────────────── All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club このメールマガジンを紹介したい方は各自の責任で転送しても結構です。 ──────────────────────────────────────── |
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