| タイトル：メルマガ Vol.13 | 発行日時：2007年12月15日18時40分18秒 |
| ┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 2007年12月15日 ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.13 発行元：スペーシャリストMM事務局 http://www.capnet.jp/spatial/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ INDEX ：＊ニュース・ラウンジ ＊報告記事 ＊リレーエッセイ＜空間連携＞ ＊コラム ＊空間情報関連グッヅ/Webの紹介 ＊本の紹介 ＊イベント情報 ＊公開記事 ============================================================================ ■ ニュース・ラウンジ 〈随意契約の適正化の更なる推進について〉 １０月３０日の閣僚懇談会で、福田総理大臣が標記についての発言を行った。同日の日 本経済新聞（夕刊）によると「国の随意契約削減徹底を指示」と題して次のような記事が 掲載されている。"「行政への信頼を取り戻すため、政府における無駄の徹底排除に取り組 む必要がある」と述べ、国や独立行政法人が結ぶ随意契約を削減するよう指示した。"とあ る。同記事によると国土交通省内で競争入札を骨抜きにするような発注があったと記載さ れている。また、最近では渡辺行革担当大臣が独立行政法人の見直しを迫る活動を展開し ている様子が報道され、ここでも国土交通省が槍玉に挙げられている。国土地理院では関 係業団体への発注（参加意志表明型等の発注方式）が現時点で凍結されていると聞く。 我々測量業は公共事業縮減のさなか既に厳しい状況下にあり、この事態が測量業に追い 風となるのか、あるいは向かい風となるのかは全く未知数であるが、しかし、このような 状況を見ていると、こと測量関連についていえば、事業の意義や必要性ということについ て、どの程度正しい理解が中央官庁にあるのかどうか疑問が残る。今はＧＰＳがあるから 特段の測量技術は要らない、測量は国の作業規定があるから既に十分、と考えられている のではないかとすら思える。 せっかく地理空間情報活用推進基本法が施行されたのだから、この枠組みのなかで測量 は国家のインフラ整備と維持のために必要不可欠として、事業の発展に結びつけば言うこ とはないが、現状のままでは到達できないと考えるべきだろう。我々スペーシャリストの 会も"空間情報のコンサルタント"としての活動を通じて関係機関への働きかけ等が更に必 要となろう。（住田 英二：スペーシャリストの会副会長） ■ 報告記事 ＜ 企画委員会議事録 (概要）＞ 日時：平成19年11月16日（金）14:00〜17:00（16:00〜ディスカッション） 場所：日本測量協会 3F 303号室 出席者：瀬戸島、住田、林、望月、池田、村木、早川、白井、鈴木、廿楽（事務局） 欠席者：高、土方、秋山、高岸、田中、津留、北原、神原 議事録：鈴木 ●議事事項(2)� Х邊屐崑�量」スペーシャリストの会コーナーの分担執筆（毎号）につい て ・第1弾の第6回までの担当再確認。第1回津留さん、第2回望月さんまでは原稿完了。 第2弾の6回シリーズタイトルは若手技術者への情報や自己研鑽のあり方、今までどのよう に勉強したか等としたい。 仮タイトルとして「技術者への道」とし、第2弾の執筆者(案)と連絡担当者を決定した。 ●議事事項(2)��：MM誌（Vol.12）の発行の報告 （編集委員長より） ●議事事項(2)�ぁФ�間情報総括監理技術者資格が参加要件となった案件整理と運用等につ いて 前回および今回提出された内容の他に、まだ複数の物件が発注されていることが推定さ れるので、各自さらに情報を収集して連絡する。情報の整理は、廿楽さんにお願いする。 ●議事事項(2)�ァДぅ屮縫鵐哀札潺福爾砲弔い� 参加はスペーシャリストの会の会員に限らず賛助会員であれば無料とし、討議まで参加 された方には測量CPDを1ポイント発行する。 地方の方に対しては、当日の内容を録音・録画したものでセミナーを行い、討議に変え てレポート提出にてCPD発行を検討している。 第1回は1月22日16：00より日本測量協会研修室にてイメージワンの村木さんが講師担当 第2回は3月頃開催を予定し、GIS NEXT編集長の岩見さんにお願いする予定。 ●議事事項(2)�ΑЭ郡覯茵崑�量技術者のための技術士試験合格法（仮）」 本件に関して、発刊の方向で進めるか否か、進める場合の内容について討議 測量技術者の分野として、大きく分ければ�．泪奪團鵐亜並翊�系含む）、�▲札鵐轡鵐� （R/S含む）、��GISの３つに分類される。これ以外に考えられるのは実測。 基本的に底上げが必要であり、部門として応用理学、建設、情報工学が対象となる。 ○報告事項(3)� Х邊屐崑�量」2月号掲載（パネルディスカッションの詳細記事）原稿に ついて 現在、テープ起し原稿作成中。 ○報告事項(3)�◆А峩�間情報ガイド」（日本地図センター）の編集進捗 現在、日本地図センター側で校正・編集作業中である。 ○報告事項(3)��：「実務者向け地理空間情報の流通と利用（仮）」執筆依頼 11月16日配信メールにて基本方針と各章の責任者、執筆者の確認。 ◎討議事項(2)� А�GIS NEXT」連絡企画の具体的な対応について（ディスカッション） ・第1回の内容 全体の構成の確認と「スペーシャリストの会がめざす姿」のコンセンサスについて討議。 全体の構成は、�＿颪寮睫澄↓∋邯獲弖錣寮睫澄↓�これまでの活動、�げ颪�めざす姿。 ・第2回以降に関して 第2回から第8回までの、各回の担当とテーマ、原稿完了日について説明。 第2回ディスカッションは1月22日のイブニングセミナーの前にディスカッションを行う 予定（企画委員会同日開催予定）。 第3回以降のディスカッションは、各執筆担当が原稿完了の2ヶ月前を目安にして日時を 決定する。 ＜次回企画委員会＞ ○12月10日（月）15：00〜 ○場所 日本測量協会 3F 303号室 ■MM編集委員紹介 11月号に引き続き10月2日の総会にて選任された編集委員の自己紹介文を掲載します。 ○高岸 且 （パスコ） 株式会社パスコに平成２年４月に入社しました。今までに、比較的多くの勤務地と多様 な業務を経験してきました。配属は大阪９．５年、東京３．５年、福岡２．５年、２度目 の東京は現在で２年目です。この間に計測部門にてオートスキャナーによる自動図化に取 り組んだり、システム部門では主に森林ＧＩＳ、河川ＧＩＳの開発、導入、利用及びＧＩ Ｓによる地域環境評価の業務に取り組んできました。現在は、ドイツの合成開口レーダ （TerraSAR-X）の運用と応用の技術部門を取りまとめています。スペーシャリストの会で は、高次なレベルでの情報交換を行い切磋琢磨したいと思いますので、ご指導のほど、よ ろしくお願いします。 ■リレーエッセイ 宇宙の利用について 秋山さんから引継ぎ、宇宙基本法に関して私なりに思う事を書きたいと思います。測量 業界において、一般的に「宇宙の利用」と言うキーワードを設定した時に思い浮かぶのは、 GPS衛星を用いた位置計測であると言えます。私も測量業界から卸売業であるいまの会社に 入るまでは、その程度の感覚しかなかったと思います。当然、大手航測会社等には、秋山 さんのように、リモートセンシングの専門家がおられ、衛星を用いた調査を生業とされて います。さて、秋山さんから繋いだ「宇宙基本法案」に関して、簡単に経緯を言いますと、 1969年5月9日衆議院本会議において、次ぎの内容で議決されています。「我が国における 地球上の大気圏の主要部分を越える宇宙に打ち上げられる物体及びその打ち上げロケット の開発及び利用は、平和の目的に限り、学術の進歩、国民生活の向上及び人類社会の福祉 を図り、あわせて産業技術の発展に寄与すると共に、進んで国際協力に資するためにこれ を行うものとする」この法律の下、我が国ではJAXAを始め学術目的、国民の生活向上、産 業技術の発展として活動が続けられました。しかし、近年の日本近海における政治的な危 機から、周辺情報を収集する必要があり、宇宙開発・利用の基本的枠組みを改訂するため の法律として検討されており、2007年6月20日、与党プロジェクトチーム座長の額賀福志郎 衆議院議員ほかから、衆議院に議員立法の法案として提出されました。その法律（議員立 法）が可決されると防衛省が独自に偵察衛星、軍事用通信衛星を宇宙空間に持つ事が容認 されると言う事です。今現在は、新聞等の報道によると内閣府内の内閣衛星情報センター において光学衛星とレーダ衛星が運用され実質的には偵察衛星を運用していますが、これ はあくまで「防災衛星」として運用されていて、ここで取得された画像やレーダデータは 内閣府の管理で、防衛省では利用されていないと言うことです。この法律は、我々、情報 を利用する側と言うより、JAXAやメーカなど衛星自体を作る側の意図が大きく働いていて、 技術的な課題、経済的な効果を狙ったものであると言えます。例えば、米国や欧州を見て みると、その予算化とか商売のやり方が日本とは異なります。米国では、JAXAに相当する のがNASAであり、NASA自体がIKONOS、Quick Bard、Orb Viewなどの衛星の商用衛星を計画 して予算化を行なっているのでは無く、予算化を行なっているのはNGA（国家地空間情報局 ：National Geospatial-Intelligence Agency）と言う組織です。NGAは、「Clear View計 画」をたて、IKONOS、Quick Bard、Orb Viewの3つの1mクラスの分解能を持つ衛星を打ち上 げる会社に対して、画像購入を約束しました。各社（Digital Globe社とORB IMAGE社と SPACE IMAGING社）は、NGAの画像購入の約束をもとに投資家からお金を集めて衛星を作り 打ち上げました。 次に、次世代衛星として、NGAは「Next View計画」をスタートさせて、World View-1、 GeoEye-1と言う0.5mクラスの超高分解能衛星の本体開発費を予算化し、Digital Globe社と Geo Eye社（旧ORB IMAGE社とSPACE IMAGING社）が開発し打ち上げを行なっています。World View-1は2007年6月に無事打ちあがりました。GeoEye-1は、2008年4月に打ち上げが予定さ れています。各社は、政府予算で衛星を開発し、画像の販売を世界規模で営業展開を行い、 各国で独占代理店を選定し、年間コミットを得て収益を得る構造を作っています。欧州に おいても、国の予算で衛星開発を行い、その運用を民間会社で行なうPPP（Public Private Partnership）方式がとられています。日本においてもこの様な仕組みを考え、商売を考え た衛星の利用を模索する必要があるといえます。税金を使って公共投資し、その事業で収 益を上げ国にフィードバックする構造を作る事が重要であると考えます。 【次のエッセイスト】測量と言う空間情報を観測し定量化する技術に関しては、最先端の 電子技術や宇宙技術の発展に伴い、プラットフォームについては時代と共に進化していま す。しかし、プラットフォームで観測された結果に対して意味を持たせ、単なるインフォ メーションから知識としてのインテリジェンスに高める仕事をされている建設コンサルで ある株式会社五星の神原さんに、情報系・空間情報系及び経営改革でのCCPMとは？を御教 授して頂きたいと思います。よろしくお願いします。（村木広和） ■コラム MM開始時に設定されていた執筆順番を再度掲載しておきます。これまでに執筆を忘れて いた方からの投稿も受け付けております。 ●執筆順番 2007年1月号 神原（五星） 2月号 瀬戸島（国際）、住田（アジア） 3月号 高（朝日）、望月（パスコ） 4月号 津留(朝日)、土方(国際) 5月号 池田(アジア)、林（パスコ） 6月号 赤松(国際)、秋山(朝日) 7月号 内田(アジア)、大石(国際) 8月号 大友(国際)、北原(地域みらい) 9月号 木下(ランド)、楠(パスコ) 10月号 東田(国際)、沼田(アジア) 11月号 野村(国際) 12月号 福田(朝日)、村木(イメージワン)、早川（帝国）、畠(アジア) 2008年1月号 横山(大成ジオ)、渡辺(アジア)、鈴木（中日本） 2月号 与(パスコ)、及川(国際)、白井（国際） 3月号 大谷(国際)、大橋(パスコ) 4月号 大山(国際)、岡本(パスコ) 5月号 川口(パスコ)、黒台(ハザマ) 6月号 佐々木(パスコ)、品澤(パスコ) 7月号 菅原(パスコ)、高木(国際) 8月号 高岸(パスコ)、田中(日本大学) 9月号 筒井(パスコ)、長谷川(国際) 10月号 畠山(国際)、廣瀬(国際) 11月号 三浦(パスコ)、三島(パスコ) 12月号 南澤(パスコ)、森田(パスコ) ■コラム ＜団塊世代の大量退職に伴う技術継承とは＞ 今年から団塊世代の大量退職が始まった。団塊世代とは、昭和22年から24年の第一次ベ ビーブームに生まれた世代とのことで、変化の早いこの世の中で一世代5年と考えれば私は 次の世代にあたる。 技術継承の問題は、今に始まったことではない。この３年間で約700万人とも言われる団 塊世代が一挙に退職するにあたり、その余りの多さに初めて技術継承の重要さがわかった からだとも言える。この事態は、以前から予測されていたことではある。計画的に技術継 承が行われていれば問題はなかったと思うが、特に建設業や建設関連業はここ約10年間で 事業量の急激な減少に伴いリストラが蔓延し、仕事の引継ぎさえも十分に行われたか疑問 である。それに加え、これまでの景気の変動や少子化の影響により40才代前半と20才代の 社員が極端に少なく、必然的にこの世代の穴埋めをどうするかも考えなければならない状 況にある。 団塊世代の大量退職に伴う技術継承の上での問題点は何かと考えれば、その1つは「品質 の低下」であろうか。経験工学である土木技術は、現場に密着した経験技術がその品質に 大きく影響を与えることが多い。団塊世代は、高度経済成長期に社会人となり、多くの建 設投資の中で数多くの経験を積み、その技術力は経験に裏打ちされた高いレベルを保持し ている。団塊世代の定年退職により、高いレベルのノウハウや技術等の継承は困難となり、 測量・調査・計画・設計・施工等の各建設技術の品質低下が懸念される。 ２番目の問題点は、「大規模プロジェクトの遂行の困難化」であろうか。 これまでの経済成長の中で社会資本整備は、かなりなされてきており、また近年の緊縮 予算の影響で建設投資額も年々減少しているため、鉄道・橋梁・トンネル・ダム等の大規 模プロジェクトは著しく減少し、技術的なチャレンジを行う場が少なくなりつつある。過 去の大規模プロジェクト遂行時には、予算と人的資源が集中的に投資され、技術力の維持・ 継承は効果的になされてきたが、大規模プロジェクトの経験と知識を有する団塊世代の定 年退職により、これの遂行は困難になりつつある。 ３番目の問題点は、「安全技術等の低下」であろうか。近年、土木技術者の現場感覚の 不足が問題視されており、現象に対する想像力や洞察力が不足しているために安全上重要 な問題が発生しつつある。とりわけ、若い技術者はマニュアルやコンピューターに依存す ることが多く、現場を十分に見ないで調査報告書だけで設計を行ったり、設計報告書を鵜 呑みにして施工したりして、その結果設計ミスの発見や現場トラブル発生の予測・回避が 困難となっている状況にある。団塊世代の定年退職により、現場感覚重視の視点が失われ つつあり、建設を進める上での安全技術の低下が懸念される。 では、技術継承のための対策には、どんな方法があるのだろうか。 団塊世代が習得したノウハウや技術を次世代にきちんと引き継ぐためには、多くの時間 を要する。少子化や建設業界に対する魅力の低下等により当業界に優秀な技術者が集まら なくなっている現状も踏まえ、団塊世代の再雇用や定年延長等の「継続雇用制度の整備」 により技術のスムーズな継承を図る必要がある。 また、「経験技術のデータ・ベース化」である。ベテラン技術者に、これまで取得した ノウハウや技術等を報告書・マニュアル・パンフレット・画像等といった形でまとめても らい、それらを分野ごとにデータ・ベース化することが必要である。そうすれば、経験の 少ない若手技術者が必要に応じ検索することができ、業務の効率化にも役立つものと考え られる。 さらに、「ＯＪＴの見直し・拡充」である。ＯＪＴは、これまでほとんどの職場で実践 されてきたが、成果が出るまでは多くの時間を要する。従って、今後これを効率的に行う ためには、技術継承のプログラムを作り体系的かつ組織的に実行し、着実にベテラン技術 者のノウハウや技術を次世代の技術者に継承するシステムを整備していく必要がある。た だし、技術継承にあたっては、技術の内容にもよるが、おしなべて全ての人に継承するの ではなく、「この技術は、この人に」といった形で継承者を指名すれば当人の自覚も促し、 より効率的な継承が行われると考える。 そして、低迷する当業界における最も大事な継承は、仕事に対する「心意気の伝授」で あろうか。これは、技術ではないが、技術を習得する上で重要な要素である。また、技術 継承には、暗黙知とも言えるなかなか言葉では伝えにくい部分があり、それを形式知に換 えどのように伝えていくかが重要である。ともかく、団塊世代が完全にリタイアするあと ３年弱の短い期間に、いち早く対策を講じスムーズに次世代の技術者にノウハウと技術の 継承を行うことが必要とされる。（福田 真:朝日航洋） ■コラム ＜ＰＰＰとは＞ 今回は、リレーエッセイとコラムをかかえましたので、リレーエッセイの最後に出てき たPPPについて紹介したいと思います。PPP（Public Private Partnership）と言う概念は、 文字どおり、官と民がパートナーを組んで事業を行うという、新しい官民協力の形態であ り、次第に地方自治体で採用が広がる動きを見せています。PPPは、たとえば水道やガス、 交通など、従来地方自治体が公営で行ってきた事業に、民間事業者が事業の計画段階から 参加して、設備は官が保有したまま、設備投資や運営を民間事業者に任せる民間委託など を含む手法を指しています。この手法は、米国及び欧州において衛星事業を継続的に維持 し、利益を出しているモデルであると思います。日本においては、PPPの概念に近く結果的 にそのようになったものとして、NTTやJRなど国が税金で整備した資産を元に莫大な利益を 出している企業例があります。この方式を用いれば日本においても衛星ビジネスが可能と なり、国内だけでは無く、国外からも資金を調達する事も可能となると思います。宇宙基 本法案自体は、重厚長大の産業に対するカンフル剤の意味合いが大きいと言えます。大型 プロジェクトにおける政策の本質は、投資後に維持管理を行なって利益を出す仕組みが作 れるかと言うもので、決してプラットフォームを作る事だけ考えた今までの政策では、世 界を相手に空間情報事業は成り立たないと言えます。これからは、利用側に重きを置いた 政策を測量業界（空間情報業界）として提言して行くことが必要と言えます。 （村木広和:イメージワン） ■コラム ＜技術者と資格＞ 今月号よりＨ１９年度入会者も順次MMのコラムを書くことになりましたのでよろしくお 願いします。最初は代表幹事の私（早川和夫）が登板させていただきます。 はじめに、私は空間情報総括監理技術者試験に合格して、何をしたかったのか？技術者 にとって「資格はなぜ必要か」「資格は何のために」をあらためて考えてみることにした。 私の資格取得の経緯は、入社してはじめに測量士補、その後、測量士、１級土木施工管 理技士、４級船舶操縦士、アマチュア無線、RCCM、技術士、空間情報総括監理技術者とい くつかの資格にチャレンジし取得してきた。４級船舶操縦士とアマチュア無線の取得意義 は明確である。水面を自由に走ると気持ちいいだろうな？そんな想いからだ。簡単に言え ば遊びたかったから、そのためには免許が必要であったからである。また、アマチュア無 線は当時まだ携帯電話が普及しておらず、遭難対策（自分の身を守るため）にどうしても 必要であった。この２つの資格は非常に単純明快な回答が得られるのである。 一方、測量士など仕事上の資格となると、少し明快さがなくなってくる。よく言われる のが、「仕事に必要である」「持ってて当たり前」「資格手当てがもらえる」など、回答 が１つでなく、あやふやなのである。 「仕事に必要である」に対しては、本当に持ってないと仕事ができないのか？管理技術 者にはなれないが仕事をしている人もいるのである、彼らは資格などもっていなくても仕 事ができるし、俺たちのほうが早くトランシットも据えられる、仕事も速いと自負してい る人もいるのである。それもそれで間違っていない！ 「持ってて当たり前」これもやはりもってない人もいるのである。 「資格手当てがもらえる」これも間違っていないが、正解でもない。わが社では上限の 金額が決まっており、後半の技術士（総合技術監理部門）、空間情報監理技術者について は、まったく手当てがないのである。（←少しぼやきました） ではなぜ？ 技術士試験の面接の時に私はこう答えたことを思い出した。 �，海了餝覆�ないとコンサルタント登録ができない。 �△海了餝覆鮗萋世靴董△気蕕帽眦戮併纏�に携わりたい。 ��ある技術士の仕事振りを見て、私も技術士の仲間入りしたい。 合格後、まさしくこの答えは正解であったと気づいたのである。技術士の合格と同時に、 様々な環境の変化が訪れるのである。今まで与えてもらえなかった仕事に携わるようにな り、またその仕事を通し多くの技術者との交流が持てるようになったのである。 さらにその先輩方はレベルが高く、『やっとこの仲間入りできた。スタートライン上に とりあえず自分も立つことができた。何とかこの人たちについて自分も成長したい。』 と考えるようになった。 特にこの空間情報総括監理技術者資格は痛切に感じる。私には、今まで執筆出版する環 境に接する機会はなかったので、このコラムや「測量」への投稿、次回出版予定の「実務 者向け地理空間情報の流通と利用」など、企画会議で、淡々と執筆担当が決まっていくこ とを目の当たりにして、この会のすごさを痛感した次第である。スペーシャリストの会は まさしくスペシャリストの集団であり、この集団に身を置き、なんとかついていくことで、 さらに自分自身の成長につながると考えている。 私にとって、資格取得は自己研鑽の新たなステージへの切符である。より高度な仕事に 携わるチャンスを得たり、多くの技術者から刺激を受け、さらに技術の研鑽を重ねる。そ うすることで、顧客や社会に対しより良い商品を提供することこそ「技術者のあるべき姿」 でないだろうか。「資格とは」ワンステップ上のステージに立つための切符であると考え る。 (早川和夫:帝国建設コンサルタント) ■ 空間情報関連便利グッヅ / Web & Blogの紹介 連想記憶を利用した新書検索システム。単語でなくても文章で検索可能。 画像で表示される書籍の背表紙はユニーク。 世界一長い本棚で有るらしい。 （http://shinshomap.info/） ３次元計測機で測定した点群データを表示、解析することができるフリーソフトウェア です。点群データから球面回帰したりする解析機能も実装されている。点群から三角形メ ッシュに面張りができマウスで移動、回転も容易であり、ビットマップ画像も読み込むこ とができる優れものです。 （http://www.vector.co.jp/soft/win95/edu/se282243.html） 文具メーカー「コクヨ」が提供するWebサイト「仕事の達人」はビジネスに役立つ情報が 満載です。いろいろな達人が用意されている。デジタルファイルの達人、会議の達人、デ スク整理の達人･････etc. １度覗いて見てください。読み物としても面白いし、きっと役 にたつと思います。 （http://www.kokuyo.co.jp/yokoku/master/） ■本の紹介 松井孝典・南伸坊： 「科学的って何だ」 ちくまプリマー新書066 760円+税 人はなぜに「わかるはずのないこと」を知りたがるのか。「わかること」と「納得する こと」の違いを説明し、プロの科学者の考え方などを通して、物事の正しい疑い方を世に 問うている。惑星物理学者とイラストレータの対談で分かり易く理論展開されているのが 特色である。是非、一読をお勧めする。（瀬戸島政博） 立花 隆 『二十歳のころ』（1,2）東大教養学部立花隆ゼミ、新潮社、1998（のち文庫） 1996〜1998まで立花氏が東大教養学部で開講していたゼミの共同作品。有名人から身近 な人まで20歳のころ何をしていたか？と言うインタビュー集である。立花ゼミ秘伝・取材 の極意が掲載されているがその中に自分の両親で練習しておくと言うのがある。 （池田晃三） 「東京変貌 航空写真にみるこの50年の東京」 幻冬舎 定価：\1,400＋税 昭和33（1958年）年の航空写真と平成18年（2006年）の航空写真とを対比させ、約50年 の経過とともに変わりゆく東京都内50箇所を一冊にまとめた写真集です。 急速に発展した場所が、50年前とどう変わったか、また、どのように利用されていた場 所なのか、上空からの写真を眺めているだけでも何か発見できたり懐かしさを感じると思 います。中ほどには、著名なコラムニスト天野祐吉氏の「鳥の眼 虫の眼」と題したインタ ビューも掲載されてます。インタビューでは昭和の良き時代を振り返りながら、今後、作 られていく社会等に対する示唆、意見などが盛込まれています。 （白井直樹） 測量者のためのビジネス情報ファイル 2008年版 測量者のためのビジネス情報ファイル 編集委員会 編（社）日本測量協会 1,143円＋税 2006年6月に刊行された「測量者のためのビジネス情報ファイル」に続く第２巻目である。 “平成19年の「測量法の改正」、「u-Japan」、陸域観測技術衛星「ALOS（だいち）」、地 図から情報検索する「電子地球儀」、手のひらサイズの「DGPS」････etc.”という新しい 言葉（項目）を集めて、国の政策、公共測量、関係法令及び制度、社会動向、技術動向と いう５つの章に整理・解説したハンドブックである。第１巻目と比べ約3/4が入れ替わって いる。一見、測量とは関係ないような項では“測量との関わり”という説明を加わえる編 集方針で分かりやすい。技術畑の人のみならず、経営者や営業の方々の情報源としてお奨 めです。 （田中邦一） ■測量協会イベント情報のお知らせ ○セミナー �．機璽戰ぅ▲�デミー「地理空間情報イブニング・セミナー(第１回)」 日程 平成20年1月22日(火) 16時〜17時30分 会場 (社)日本測量協会 研修室(文京区小石川) 講師 村木広和氏 �螢ぅ瓠璽献錺� 内容 「中高分解能衛星の地理空間事業への適用」 問合先 サーベイアカデミー事務局 03-5684-3360 �⊆駄骸圓里燭瓩痢崔詫�空間情報活用推進基本法」 日程 平成20年１月18日(金) 13時〜17時 会場 せんだいメディアテーク(仙台市青葉区) 講師 齋藤元也 氏 東北大学大学院農学研究科教授 河瀬和重 氏 国土地理院地理空間情報部基盤地図情報課長 井上武久 氏 国土地理院企画部調査専門職 平田更一 氏 (社)日本測量協会GIS研究所主任研究員 問合先 東北支部 022-297-2683 ○講習会 �‥纏卩蕊�(測量)講習会 日程 平成20年１月24日(木)〜25日(金) 会場 高松テルサ(高松市屋島) 講師予定 �螢Ε船瀬如璽拭� 問合先 四国支部 087-821-2450 ■公開記事 ソキア・トプコン誕生か？ 測量機器メーカーのトプコンとソキアが経営を統合することで基本合意した。トプコン がソキアを子会社化するかたちでの統合を予定しており，統合が完了すれば，ソキアは「ソ キア・トプコン」に社名変更する。 （2007年12月11日新聞報道より） 「地理空間情報プラットフォームによる国土交通情報の活用推進」共同研究開始 東京大学空間情報科学研究センターが、地理空間情報活用推進基本法が描く空間情報社 会実現の第一歩として、「地理空間情報プラットフォームの構築に関する研究」を開始する。 http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha07/00/001213_.html ■編集後記 早くも師走。ことしの皆様の運気はいかがでしたか？ 本メルマガも２巡目を迎えるこ とが出来ました。引き続き皆様のご協力を得ながら情報提供をしてゆきたいと思っており ます。来年は干支もスタートの子年です。北の方角、物事の始まりとの解説がWikiにあり ました。自分、会社、業界、日本、世界をとりまく環境を見直し新しい発展の年としたい ものです。 良いお年をお迎えください。 （編集委員長） ──────────────────────────────────────── All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club このメールマガジンを紹介したい方は各自の責任で転送しても結構です。 ──────────────────────────────────────── |
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