スペーシャリスト メールマガジン バックナンバー

タイトル:スペーシャリスト会報 Vol.144 発行日時:2018年12月17日14時18分12秒
┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
2018年12月17日
◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.144

                    発行元:スペーシャリストMM事務局
                     http://www.capnet.jp/spatial/
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INDEX :
*ニュース・ラウンジ(中舎 哉)
*リレーエッセイ<空間連携>(杉森 純子)
*新会員のコーナー(新井 知)
*空間情報関連便利グッズ/書籍の紹介等(秋山幸秀)
*測量協会からのお知らせ(遠藤拓郎)
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■ニュース・ラウンジ
平成 30 年もあと半月あまり、今年は皆様にとってどのような年だったでしょう? それ
は正月休みに振り返って頂くとして、来年、今後の私たちの業界に大きな影響が出でくる
と考えられる官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)について、 国土地理院様の講演
を聞く機会 がありましたので、 それについて少しお話をさせて頂きます。内閣府のHP
によれば、【PRISMは、平成28年12月に総合科学技術・イノベーション会議と経済財政諮
問会議が合同で取りまとめた「科学技術イノベーション官民投資拡大イニアティブ」に基
づき、600兆円経済の実現に向けた最大エンジンである科学技術イノベーションの創出に
向け、官民の研究開発投資の拡大等を目指して、平成 30 年度に創設される制度です。】
ということで、詳しくは https://www8.cao.go.jp/cstp/prism/index.htmlをご参照して
ください。
講演は、国土地理院が実施するPRISM施策が説明され、i-Construction推進のために測量
段階から測量データの3D化を図り、設計・施工・維持管理の各段階に流通・利活用するた
めの技術開発を加速する目標で、今年度はUAVレーザ 測量(樹木等の被覆のある地形等に
おける地形測量)による精度向上・作業効率化に資する技術開発が実施されます。
このUAVレーザ測量の精度向上・作業効率化に資する技術開発の実施内容は、「オープン
イノベーション」により、 参加希望企業間でのマッチングイベントの開催を行い、開発
チームが決定され開発が行われます(予定H30年10月〜12月)。開発技術の結果を国土地
理院により検証・ 評価が行われます(予定 H31 年 3月)。この検証・評価の結果に基づ
き、今後の作業マニュアル等に反映される可能性もあるとのことでした。
これまでのように業界で、比較的時間をかけ新技術に取り組み、マニュアル作成に対応し
てきたやり方ではなく、説明に出てくる「オープンイベーション」、「マッチング」のキ
ーワードからも単一企業では出来ない、異企業が組み合うことや調和することで時間も短
く、イノベーションというか仕事を創造していくやり方が、今後、加速され増えるのでは
ないかという、感想を持ちました。
幸い、私たちSP 会は異なる企業からなる技術者集団です。このSP会を活用 した「マッチ
ングイベント」を開催することは、今後 のイノベーション創出に有益であることは間違
いないと確信しています。
                        (中舎 哉:中日本航空 株式会社)

平成31年1月号の担当は、中舎 哉です。


■リレーエッセイ<空間連携>
こんにちは、ソクジョの会繋がりでアジア航測の服部様からバトンを受け取りました朝
日航洋の杉森です。
そのソクジョの活動で、つい先日、某工業高校を訪問して測量・地理空間情報業界の説
明と私たちの仕事の紹介を行ってきました。これまで5校の大学にお邪魔し、これで6
校目の訪問ですが、いつも「測量の全体像が知られていない」ことを実感させられます。
測量実習を受けた学生は特に、トータルステーションやレベルで観測したり野帳で計算
したりする印象が強すぎるのか、地形図の作成やGIS、その他の空間情報を使用した
業務が測量の一部だと知って驚きます。
三角関数や計算が苦手でも、地図が好きな学生はいます。衛星画像処理や三次元レーザ、
防災業務に聞き入る学生もいます。そういう学生を見ながら、私はいつも「そうだよ、
この業界は地理空間情報技術全般を扱っていて面白いんだよ。楽しいんだよ」と心の中
で呟いていたりします。草の根の活動ではありますが、このような学校訪問を通じて学
生たちに測量を知ってもらい、ゆくゆくは仲間になってもらえる事を願っています。
次号はソクジョを離れ、私のもう一つの活動であるジオメトリストの会でいつもお世話
になっているパスコの小松崎弘道さまにバトンタッチいたします。よろしくお願いいた
します。
                         (杉森純子:朝日航洋株式会社)


■新会員のコーナー
「はじめまして」
株式会社ウエスコの新井と申します。
かつて世間一般では認知度の低かったワークステーション、そのグラフィック表示に人々
が感動をしていた古の時代から地理情報システムの開発を手掛けています。上下水道、地
籍、そして固定資産税といった当該分野における王道を経由し、長年情報システム分野に
身を投じました。また、社外出向においても全国道路地図という空間情報整備に寄与して
おり、現在は主に航空測量分野で空間情報の整備や活用に携わっています。
技術の進展により多種多様で膨大な空間情報が溢れる昨今、それらをハンドリングするこ
とにより世の中の課題を解決する事が望まれ、まさに「スペーシャリスト」が輝ける時代
です。その一員に加われたことを誇りにしつつ、本会の皆様と協力し合っていければと考
えております。どうぞよろしくお願いします。

                         (新井 知:株式会社ウエスコ)



■空間情報関連便利グッズ/書籍の紹介 等

◇『未踏世界の探検者 間宮林蔵』 株式会社 清水書院 2018年7月30日発行、ISBN978
-4-389-44128-9 定価:(本体1,800円+税)
間宮林蔵(1780-1844)は樺太を調査探検して、1800年頃の大陸との陸続き説でロシア帝
国の端ではないかとの誤解があったり、サハリンと樺太が別の島である節があったりし
た樺太が独立した一つの島であることを確認し、間宮海峡の名称を残した探検家である。
大日本沿海輿地図を作成した伊能忠敬に師事し北海道・北方四島、千島列島・樺太を測
量したと伝わっている。当初測量学は村上島之允に倣い、のち六分儀による緯度補正や
誤差の少ない鎖尺の使用など高度な測量を伊能忠敬に学ぶ。林蔵は忠敬より35歳若く、
優秀であったため伊能忠敬は北方(北海道以北)の測量を残した自分を継ぐ弟子と公言し
たことが窺える。
その後、択捉や樺太などには仙台藩などから移植した民間人や、警備兵が駐屯し、日本
の領土として主張するが、その際、この測量成果は欠かせないモノであった。しかし間
宮林蔵には不名誉な伝承もある。間宮林蔵の報告から発覚したシーボルト事件(1828)
のあと、間宮林蔵が作った樺太の図入りの日本地図(縮図の写し)がヨーロッパに渡り
オランダで出版されるが、日本語では間宮海峡とある海峡をフランス語に翻訳するとき
タタール海峡と記されている。(タタールはモンゴルの一部族)
日露和親条約(1855:安政元年)が結ばれた際に幕府は間宮林蔵が作成した地図をもと
に交渉し、ウルップ島以北はロシア領に、歯舞、色丹、国後、択捉の北方四島は日本の
領土として確定した。しかし樺太は国境が定まらず、南下するロシア人と北進する日本
人と蝦夷人(アイヌ人)が混在していた。この領土問題は榎本武揚による樺太・千島交
換条約(1875:明治8年:サンクトペテルブルク条約)により、それまでのウルップ島
と択捉島間の国境線からカムチャッカ半島南の占守島迄全ての千島列島は日本の領土と
なり、間宮林蔵が確認した間宮海峡ごと樺太(サハリン)はロシア帝国の領土となった。
時が経つにつれ、間宮林蔵の功績は語られなくなってしまったが、近世日本の測量家
(探検家)として大変な労力をもって極寒の北海道の北西側、樺太や北方四島、千島列
島を測量して伊能忠敬の思いを継いで日本の地図を整備した間宮林蔵のことは地理空間
情報を使う技術者は、記憶しておくべき先達の一人であろう。

                            (秋山幸秀:朝日航洋)

平成31年1月号の担当は、林 義政さんです。


■日本測量協会からのお知らせ

◇公開講座
「空中写真・ドローン(画像)を立体視する」
日程: 平成31年1月18日(金)
場所: 東京
詳しくは、http://www.jsurvey.jp/k-honbu310118.pdf 

◇実務者向けセミナー
「〜UAVを用いた災害対応〜」
  東京会場 平成31年1月29日(火) 浅草橋ヒューリックホール
 http://www.jsurvey.jp/k-honbu310129.pdf
  仙台会場 平成31年2月13日(水) ハーネル仙台
 http://www.jsurvey.jp/k-touhoku310213.pdf
  福岡会場 平成31年2月26日(火) TKPガーデンシティ博多新幹線口
 http://www.jsurvey.jp/k-kyusyu310226.pdf

◇転職・退職・死亡等により、氏名・所属・連絡先(メールアドレス)の変更が生じたS
Pの会会員の方へ。
変更後の内容をご本人または関係者の方から日本測量協会にお知らせください。
SPの会MM誌の配信やお知らせ等の連絡に支障が出ないようお願いいたします。

届け出様式は以下の場所にあります。
http://www.jsurvey.jp/gissv/youshiki.htm
様式2 空間情報総括監理技術者 登録事項変更届出

メールまたはFAXまたは郵送でお知らせください。
連絡先は以下の通りです。
メール:geoinfor@jsurvey.jp
FAX : 03-5684-3366
〒113-0001 東京都文京区白山1-33-18 白山NTビル
公益社団法人日本測量協会 測量継続教育センター 測量技術教育部 宛

◇重要なお知らせ
●【空間情報総括監理技術者の認定登録更新】時には、所定の測量CPDポイントが必要
になります。
《更新条件》
☆平成23年度までの認定登録者は、第1回目更新は25ポイント/5年間
☆平成24年度以降の認定登録者及び第1回更新済みの認定登録者は、40ポイント/5年間
 認定資格者の更新対象年度には、日本測量協会からご案内をお送りします。また、測量
CPDポイントが更新時に基準に満たない場合には、ポイントが基準に達する年度まで更新
はできません。当協会から発行される認定技術者名簿にも、その間は未掲載となります。

次年度登録更新予定の方です。更新時に必要な測量CPDポイントは以下の通りです。
※平成25年度認定登録者は、平成30年10月登録更新(第1回更新)・40ポイント/5年
 ※平成20年度認定登録者は、平成30年10月登録更新(第2回更新)・40ポイント/5年

◇空間情報技術事例報告集の報告文募集
☆応募締め切り:随時(投稿報告文が到着次第、速やかに査読)
☆掲載可となれば、日本測量協会ホームページ上の[測量情報館]に掲載。
 技術事例報告集では、新規性や独創性という視点とは別に、(1)創意工夫性(何らかの
 創意工夫による業務改善への貢献など)(2)実用性(実務への応用性や実際に業務等に
適用していく際の実用性など)(3)信頼性(技術事例報告の内容やその結果に対して、
信頼性や実証性など)(4)今後の展開性(空間情報技術領域の中で、他技術領域への新
たな展開や応用の可能性、他技術との融合性や融合利用の可能性などを含めて今後の展
開性)という視点から査読し、技術事例報告として採用致します。奮って、投稿くださ
い。
 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/kuukanhoukoku.pdf


■刊行案内        
*** おすすめの一冊 ***(※会員は10%割引でご購入いただけます)

『ドキュメント 技術を創ったエンジニア』
A4判 107頁
定 価 1,404円(税込)
会員価格1,260円(税込)
送 料 450円
平成29年10月6日刊行


『空間情報総括監理技術者からの メッセージ』
A4判 108頁
定 価 1,620円(税込)
会員価格1,450円(税込)
送 料 450円
平成29年11月28日刊行

詳しくは、http://www.jsurvey.jp/2-1a.htm

                            (遠藤拓郎:日本測量協会)

■編集後記
今回からメールマガジンの編集を担当いたします、アジア航測の小林です。
昨年試験に合格しSPの会に入会した新米ですので、不手際もあるかも知れませんが、
ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願いします。

                        (編集委員長:アジア航測 小林)


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このメールマガジンを紹介したい方は各自の責任で転送しても結構です。
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