スペーシャリスト メールマガジン バックナンバー

タイトル:スペーシャリスト会報 Vol.148 発行日時:2019年4月15日17時12分58秒
┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
2019年4月15日
◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.148

                    発行元:スペーシャリストMM事務局
                     http://www.capnet.jp/spatial/
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INDEX :
*ニュース・ラウンジ(秋山幸秀)
*リレーエッセイ<空間連携>(三島 研二)
*新会員のコーナー(浜出 智、塩谷 優太、光広 淳)
*空間情報関連便利グッズ/書籍の紹介等(中舎 哉)
*測量協会からのお知らせ(遠藤拓郎)
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■ニュース・ラウンジ
 2005年度に空間情報総括監理技術者試験の一期生合格者が誕生し、今年の2019年で第15
期生の合格者を迎えます。新しい時代は、この15年の倍ほど続いた平成の時代からから、
新元号が4月1日に発表され新しく始まるところになります。元号は候補が「令和」「英弘」
「広至」「久化」「万和」「万保」の6つから、「万葉集の令(うるわ)しく平和に生きる
大和民族」の歌から作られ、9人の有識者によって選ばれたそうです。令の字は「いいつ
け」「きまり」「おさ」「よい:りっぱな」という意味があり、明治維新前にも「令徳」
という元号候補があったそうです。これには最後の将軍徳川慶喜が反対して実現しません
でした。大化の改新(645年)から1370年以上元号制度を続けている我が国は、世界から
見ると大変稀有であり、伝統を守り重んじる国民性があるのだと感じます。
 その上で、神道、仏教、キリスト教などを含め八百万(やおろず)の神気を感じ、鬼や悪
霊すらも、祓いその力から大地や災いをおさめるモノとして祀り上げる大和民族は諸外国
は不思議に思っているようです。
 思うに、自然災害の多かった国土に多方面から知恵や文化をもって集まった祖先たちは、
元の島嶼や大陸へ戻らず、その能力を使って生き残り、自然界に恐れや神気を感じつつも
古代から特に自然災害では助け合い復興方面でも協力して立ち向かい、一体化し、時代時
代で移住してくる移民も加えながら大和民族そして日本人へ形成されていったと考えられ
ます。
 そのおかげで、忍耐強く、和を尊重し協力して事に当たることの効率などを学び、伝統
を重んじながら新しい技術に対しても柔軟に吸収できる国民性が培ってきたのでしょう。
ノーベル賞なども受賞する国民がいて、1000年を超えて元号制度を続けているところを見
ても伝統と共存する技術立国が見えてきます。
 我々の業務の中でも、時系列の変更や記載において改元対応を行う必要があります。
新しい時代が始まるこの時期に、伝統を見直し温故知新的に心機一転をはかるのもよいか
もしれません。
                        (秋山 幸秀:朝日航洋株式会社)

令和元年5月号の担当は、大山容一さんです。

■リレーエッセイ<空間連携>
 基準点測量の作業規定準則のWGなどで30年近くお世話になる国際航業の大石様からバト
ンを受け取りましたパスコの三島です。
 出張などで時間が余ったら、ご当地の郷土資料館などに見学に行くのですが、セオドラ
イト、レベルなどが展示されているコーナーでは多くの場合、明治以降の近代的なインフ
ラ整備の礎になったと紹介されています。私は北海道の出身で帰郷したときなどを利用し
て、道内の各市町村の郷土資料館は、ほぼ制覇しました。北海道では伊能忠敬以来、お雇
い外国人技師などが指導する近代的な測量によって開拓が推し進められ、各地の郷土資料
館に測量機材が展示されています。
 2年ほど前にニュージーランドを一周したときも各地に郷土博物館があり、訪れてみると
古式豊かなセオドライトと測距用の測量鎖などが展示されていました。昨年アイスランド
を旅行したときも郷土資料館には測量の展示コーナーがあって、強風と厳寒のなかで三角
網を結合させたことが紹介されていました。どちらも国も近代化には測量による正確な地
図作り、区画整理などが必要であり、その礎となる三角点の整備が急務だったことが紹介
されていました。
 さて、我が国の北海道に話を絞ると、北海道開拓記念館でも、もちろん北海道の開拓に
使用された測量機器の展示コーナーがありました。将来、これらの測量コーナーにTSとGN
SSなどの測量機材が展示されていくのか、と思いをはせたものです。
 今年2月に久しぶりにこの開拓記念館を訪れると模様替えされており、それはそれで北
海道の開拓の歴史がこれまでと違う角度から紹介されており、合点がいったのですが、測
量機材の展示がなくなっていました。寂しい限りです。
 次号は、測量、コンサルなど多角的に活躍されるパスコの岡本様へバトンタッチします。
よろしくお願い申し上げます。

                         (三島研二:株式会社パスコ)

令和元年5月号の担当は、岡本芳樹さんです。

■新会員のコーナー

「地図好きの休暇」
はじめまして。カナエジオマチックスの浜出です。
地図好きが興じて大学では地理学科に進み、測量・調査業界に足を踏み入れて、地形地質
調査や空間データベース構築などに従事してきました。
休暇を利用しての国内旅行が趣味ですが、移動手段はなるべく鉄道を選択するようにして
います。車窓から観察される風景のなかには、自分が住んでいる地域では見ることができ
ない地形も多数あります。気になる地形を見つけた時に、昔なら時刻表から列車の走行位
置を割り出して、紙の1/25,000地形図や地質図で確認していたものです。今ではタブレッ
ト端末があれば、現在位置から周辺の地形地質まで瞬時に確認ができます。昔と比べると
味気なくなりましたが、これも「地理空間情報活用・・・・」の成果ですね。
今後も「G空間社会」の発展に微力ながら尽力させていただく所存です。今後ともよろし
くお願いします。

                    (浜出 智:(株)カナエジオマチックス)

「視野の広い技術者を目指して」
(株)パスコの塩谷と申します。スペーシャリストの会に入会できたことを大変光栄に思
います。先日、息子と一緒に映画「ドラえもん のび太の月面探査機」を観ました。内容
は、月面探査機が捉えた白い影が大ニュースとなり、のび太はそれを「月のウサギだ!」
と主張しますが、みんなから笑われてしまい、、そこでドラえもんのひみつ道具を使って
月の裏側へ行き、不思議な少年と出会うというものです。その中で、「定説/異説」の話
がありました。有名な話として、「天動説/地動説」があります。コペルニクスが地動説
(異説)を唱えてからニュートンが「万有引力の法則」を証明するまで、天動説が定説と
して多くの人々に信じられてきましたが、これを受けて一般的な概念や先入観にとらわれ
ることなく、多角的な視点から物事を考える大切さを改めて感じました。
私は入社して以降16年間、航測業務に従事して参りました。空間情報を整備することが
主な役割でしたが、元号が「令和」に改められる5月から空間情報を利活用する分野へ異
動となります。これを専門知識の幅を広げるチャンスと捉え、空間情報を利活用する要求
に対して多角的な視点から広範囲な技術を駆使できるスーパーバイザーとなれるように、
より一層精進して参りますので宜しくお願い致します。
                         (塩谷 優太:株式会社パスコ)

「より身近になった空間情報技術」
国際航業株式会社の光広と申します。よろしくお願いいたします。
九州の事業所に在籍し、GIS構築や導入、運用支援を中心とした事業を担当しています。
私事ですが、先日、自家用車にドライブレコーダーを装着しました。このドライブレコー
ダーの技術がここまで進んでいるのかと、遅ればせながら驚きを隠せませんでした。
数年前までは、高価なMMS機材を用いないと実現できていなかったことが、ほんの数万
円で走行画像が位置情報とともに記憶できており、カーナビやスマートフォンで簡単に確
認することができるようになっており、身近で誰もが経験できる空間情報技術の普及が加
速していると感じました。
私は空間情報を取り扱うコンサルタントとして、これらの技術を活用したより良い社会、
災害や防犯などに迅速に対応できる社会づくりへ貢献できる技術者として今後も精進して
まいりたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

                         (光広 淳:国際航業株式会社)

■空間情報関連便利グッズ/書籍の紹介 等

◇書名:脳には妙なクセがある
 池谷裕二著 (扶桑社) 2012年8月2日 発行 本体価格:1600円+税

 テレビでもおなじみ、脳研究者である著者が、脳科学の最新知見を盛り込んだエッセイ
集である。仕事に行き詰った時、人間関係に行き詰った時に読むと、脳と体の因果関係の
説明から大したことではないと思えてくる。
はじめの巻頭言『・・・本書に限らず、私のアウトリーチ活動のテーマは一貫して、脳科
学の視点から見て「よりよく生きるとは何か」を考えることです。楽しくごきげんに生き
る―この目標を達成するために脳科学の成果が生きるのなら、筆者として、そして脳研究
者として、この上なく幸せです。』とあります。
この「楽しくごきげんに生きる」ための、とても人間的な脳の本性の「クセ」が理解でき
る書籍であり、週末に読んで気分転換するのに最適な一冊だと思います。

                        (中舎 哉:中日本航空株式会社)

令和元年5月号の担当は、金久保 豊さんです。

■日本測量協会からのお知らせ

◇イブニングセミナー
「創発的な都市イノベーションを支える G空間情報センターの取組」

日程: 2019年5月24日(金)
講師: 関本 義秀氏
  (一社・社会基盤情報流通推進協議会・代表理事/東京大学生産技術研究所准教授)

場所: 東京 http://www.jsurvey.jp/k-academy20190524.pdf
仙台(WEB) 近々日本測量協会HPに掲載予定

◇転職・退職・死亡等により、氏名・所属・連絡先(メールアドレス)の変更が生じたS
Pの会会員の方へ。
変更後の内容をご本人または関係者の方から日本測量協会にお知らせください。
SPの会MM誌の配信やお知らせ等の連絡に支障が出ないようお願いいたします。

届け出様式は以下の場所にあります。
http://www.jsurvey.jp/gissv/youshiki.htm
様式2 空間情報総括監理技術者 登録事項変更届出

メールまたはFAXまたは郵送でお知らせください。
連絡先は以下の通りです。
メール:geoinfor@jsurvey.jp
FAX : 03-5684-3366
〒113-0001 東京都文京区白山1-33-18 白山NTビル
公益社団法人日本測量協会 測量継続教育センター 測量技術教育部 宛

◇重要なお知らせ
●【空間情報総括監理技術者の認定登録更新】時には、所定の測量CPDポイントが必要
になります。
《更新条件》
☆平成23年度までの認定登録者は、第1回目更新は25ポイント/5年間
☆平成24年度以降の認定登録者及び第1回更新済みの認定登録者は、40ポイント/5年間
 認定資格者の更新対象年度には、日本測量協会からご案内をお送りします。また、測量
CPDポイントが更新時に基準に満たない場合には、ポイントが基準に達する年度まで更新
はできません。当協会から発行される認定技術者名簿にも、その間は未掲載となります。

次年度登録更新予定の方です。更新時に必要な測量CPDポイントは以下の通りです。
※平成25年度認定登録者は、平成30年10月登録更新(第1回更新)・40ポイント/5年
 ※平成20年度認定登録者は、平成30年10月登録更新(第2回更新)・40ポイント/5年

◇空間情報技術事例報告集の報告文募集
☆応募締め切り:随時(投稿報告文が到着次第、速やかに査読)
☆掲載可となれば、日本測量協会ホームページ上の[測量情報館]に掲載。
 技術事例報告集では、新規性や独創性という視点とは別に、(1)創意工夫性(何らかの
 創意工夫による業務改善への貢献など)(2)実用性(実務への応用性や実際に業務等に
適用していく際の実用性など)(3)信頼性(技術事例報告の内容やその結果に対して、
信頼性や実証性など)(4)今後の展開性(空間情報技術領域の中で、他技術領域への新
たな展開や応用の可能性、他技術との融合性や融合利用の可能性などを含めて今後の展
開性)という視点から査読し、技術事例報告として採用致します。奮って、投稿くださ
い。
 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/kuukanhoukoku.pdf


■刊行案内        
*** 新刊案内 ***(※会員は10%割引でご購入いただけます)

『マップユートピア −地球を測ったひとびと−』
B5判 141頁
定 価 648円(税込)
会員価格580円(税込)
送 料 450円
平成31年1月11日刊行

詳しくは、http://www.jsurvey.jp/2-1a.htm

                            (遠藤拓郎:日本測量協会)


■編集後記
新元号「令和」が発表になり、次回5月のメルマガが令和元年の発行となります。
実は私の母親の名前に「令」の字が使われておりますが、恥ずかしながらこれまでやはり
何か冷たいイメージがあり、「令」という字に美しいという意味があると知りませんでし
た。名づけた祖父母のセンスに、いまさら感服しております。
                        (編集委員長:アジア航測 小林)

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