| タイトル：スペーシャリスト会報 Vol.154 | 発行日時：2019年10月17日12時11分49秒 |
| ┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 2019年10月17日 ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.154 発行元：スペーシャリストMM事務局 http://www.capnet.jp/spatial/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ INDEX ： ＊ニュース・ラウンジ（池田晃三） ＊リレーエッセイ＜空間連携＞（安藤港増） ＊新会員のコーナー（中野達人、高橋 健） ＊空間情報関連便利グッズ/書籍の紹介等（花村嗣信） ＊測量協会からのお知らせ（遠藤拓郎） ============================================================================ ■ニュース・ラウンジ 先月9月14日ドローン攻撃でサウジアラビアの石油精製施設が破壊されました。日本の 中東からの石油依存度は88％、サウジアラビアだけ見ても依存度は約40％とのことであり、 1970年代のオイルショックを思い出させる事件となっています。公開された衛星イメージ データを見ると、石油タンクに正確に攻撃がなされていることが分かります。 今回のような軍事攻撃用のドローンはともかく、我々が身近で見かけるUAVの世界にも 大きな変化が迫っているようです。 政府は平成27年（2015年）に「小型無人機に関する関係府省庁連絡会議」を開催し、 「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」や「小型無人機の更なる安全確保のた めの制度設計に関する分科会」を設置しています。平成30年12月の「小型無人機等に係る 緊急安全対策に関する報告書」では、安全な飛行を確保し利活用するというだけでなく 「テロ対策」としてラグビーワールドカップ、オリ・パラリンピックさらに、防衛施設に 係る措置についても記載されています。 この分科会の中で今年6月に「空の産業革命に向けたロードマップ2019」が決定されて います。前回から2年経過していることもあり新たな技術動向が反映されています。 新たなロードマップでは利活用分野として「警備業」が入ったことも大きな変更点と言 えます。技術開発関連では、2022年度には従来の目視内飛行から、レベル3の無人地帯で の目視外飛行、さらには有人地帯での目視外飛行（レベル4）を目指しており、機体の安 全性については国際標準化、国内規格化が進み、飛行に当たっての管制システムが実装さ れ国際標準化を目指しています。 農林水産業分野での多くの利活用施策の中で、農業分野では農地毎の作物の生育状況等 を広域的に確認、農薬散布面積を100万haに拡大、林業分野では2022年度までに全都道府 県・全森林管理局で森林被害の把握などにドローンを利活用することが特筆されています。 技術開発の場面では前のめりに開発が進んでいますが、我々の利活用の現場では引続き 「安全・確実に高品質の空間データ取得」が求められていることに変わりはありません。 なお、来年度国土交通省の予算要求予算の中でドローン関連に関する分析については、 先月号の花村嗣信委員のメルマガを参照願います。 （池田晃三：アジア航測） 令和元年11月号の担当は、岡本芳樹さんです。 ■リレーエッセイ＜空間連携＞ ＳＰ会の同期であり中部ＳＰ会でともに活動している中日本航空株式会社の小野さんか らバトンを受けました安藤です。先月開催されたInterGeoの視察に行ってきました。その 中でも特に印象的だった製品をご紹介させていただきます。 (1)BLK2GO(Leica Geosystems)：ライカジオシステムのハンドヘルドレーザスキャナ https://www.blk2go.com/ 詳細なスペックは近日公開とのことですが、実機を手に持つことができました。 とても洗練されたデザインで、持った感触は非常に軽く扱いやすいという印象でした。 (2)X7(Trimble)：トリンブルの地上設置型３Ｄレーザスキャナ https://buildings.trimble.com/field-technologies/scanning/x7-scanner スキャンしながら成果作成までを専用タブレットを用いすべて現地でできるとのことで した。実際にデモを見ましたが、スキャンの間に自動的に成果が作成されていました。 (3)UAV搭載型グリーンレーザ RIEGL(VQ-840-G)、アミューズワンセルフ(TDOT)、ASTRALiTe(edge)の３機種が気に なりました。国産で国内実績の多いアミューズワンセルフに一日の長があるイメージでし たが、他メーカも力を入れて新機種を展示していました。近い将来、レーザといえばグリ ーンレーザを指すようになるのかもしれません。 他にも様々な新製品・新機種が展示されていましたが、紙面の都合上ここまでにします。 次号は、同じ三重県出身で企画委員会でもご一緒させていただいている朝日航洋株式会 社の垣内力さんにバトンタッチしますので、よろしくお願いいたします。 （安藤港増：ＣＳＧコンサルタント株式会社） 令和元年11月号の担当は、垣内力さんです。 ■新会員のコーナー 「温故知新」 昨年度新会員となりました、株式会社パスコの中野と申します。 普段の業務では主に空間情報データの整備等をしておりますが、稀に、今でもマイラー 原図に墨入れ修正する、現役の製図技術者さん達と業務をご一緒する機会があります。 自分の父とほぼ近しい年齢の方たちが、素早く正確に、力強い道路線や美しい等高線、 細やかな記号までをペン１本から描き出すのを目の当たりにしていると、ＡＩやドローン 等の新技術や、自動化や効率化などのトレンドに目に奪われがちな自身を省みるとともに、 そもそも空間情報が「何を伝えるものなのか」という本来の役割を思い出し、青焼の刺激 臭漂う中で初心（正気？）に戻れる気がします。 ディジタル社会のもとで、今後も空間情報は飛躍的に発展し、次々と新しい技術も出て くると思いますが、本質を見失わず、その発展に少しは寄与できるよう努めます。 どうぞよろしくお願いいたします。 （中野 達人：株式会社パスコ） 「空間情報技術を活用した社会インフラのアセットマネジメント」 はじめまして。アジア航測株の高橋と申します。 現在、私は、空間情報技術を活用した社会インフラのアセットマネジメントに関連する 業務を行っています。今の日本のインフラは、戦後の高度成長期に整備されたものが多く、 建設から50年以上が経過している施設もあり、老朽化が顕著な施設も多くみられます。 近年の公共事業の予算は、増大する社会保障予算に押されて削減され、減少する予算の 中で増大する更新費用等を捻出しなければならない状況になっています。そのような中、 更新投資等を効果的・効率的に実施するためにアセットマネジメント手法を社会インフラ に適用し、マネジメントする手法の導入が進められています。それに合わせて、データの 可視化や分析を容易にする情報システムの開発やセンサを含む状態監視技術の開発などが 行われています。これから空間情報技術を活用したアセットマネジメントはますます加速 していくと思います。本会の皆様と協力して日本の社会インフラの維持管理に貢献できれ ばと思います。よろしくお願いいたします。 （高橋 健：アジア航測株式会社） ■空間情報関連便利グッズ／書籍の紹介 等 品名 ： 小型ＬＥＤライト（現地作業の安全対策） 価格 ： １０００円程度 現地作業を伴う業務では、安全対策への配慮が重要です。 特に、人命にかかわるような重大な事故は、何としても 回避しなければならないと思います。 測量や調査の仕事では、山地に入り込み、作業する場合があります。 このような作業では、転倒・滑落、熱中症、有害動物による被害などのリスク が考えられますが、比較的に見逃されやすいリスクとして、日没による 立往生（行動不能）があります。キャンプなどで幕営した経験のある 方は実感できるかもしれませんが、テントや寝袋などの装備なしで 山中で夜を過ごすことは、条件によっては死亡事故にもつながります。 小型ＬＥＤライトは、安価で高性能な製品が市販されており、日没のリスクには 大変有効なグッズになります。性能の目安としては、100ルーメン程度の明るさ、 ５〜６時間程度の照射が可能なもので、できるだけ軽量なものが良いと思います。 最近では、スマホが普及して緊急時に代替することも可能ですが、 バッテリーの消耗を避けるため、小型のライトを携行する方が安心です。 安全意識を喚起するためにも、山地での作業前に装備品としてのチェックを 習慣にすることをお勧めします。 事故の防止は重要です。事前にリスクを認識し、余裕のある工程で 事故を遠ざけるようにしましょう。 （花村 嗣信：国際航業株式会社） 令和元年11月号の担当は、西村芳夫さんです。 ■日本測量協会からのお知らせ ◇スペーシャリストの会総会・特別講演会・懇親会のご案内 日時：2019年10月23日（月）14:00〜 場所: 測量年金会館 (東京都新宿区山吹町11-1) ・特別講演� 〔酣函〃鯊◆〕諭憤貳娘卉痛／諭‘�本ドローンコンソーシアム 会長） 演題 ：「ドローン産業の過去・現在と近未来展望」 ・特別講演�◆｜羸遏〕宜� 様（日本技術士会 技術士制度検討委員会副委員長） 演題 ：「技術士制度改革について」 ◇スペーシャリストの会新メンバーのご紹介 10月10日現在、17名の方に入会いただきました。 まだ入会いただいていない9名の方にも是非入会していただきたく思っております。 荒木 義則 中電技術コンサルタント(株) 久原 千賀子 朝日航洋（株） 土橋 康輝 (株)パスコ 内山 勝博 (株)パスコ 植木 博文 （株）ナカノアイシステム 佐藤 匠 国際航業（株） 宮川 誠 東日本総合計画(株) 若林 稔幸 (株)パスコ 武田 大典 (株)パスコ 伊達 裕樹 (株)ウエスコ 中村 尚 パシフィックコンサルタンツ(株) 堀 大一郎 国際航業（株） 検崎 仁美 国際航業（株） 多田 和樹 京都イングス 野口 英之 アジア航測（株） 新名 恭仁 アジア航測（株） 小野山 裕治 国際航業(株) ◇第59回イブニングセミナー 「デジタル道路地図（DRM) 〜ナビゲーションを支える地図の技術開発」 講師: 織田 和夫氏 (一般財団法人 日本デジタル道路地図協会 研究開発部 部長) 日程:2019年11月15日（金） 場所: 東京、仙台（ＷＥＢ）、大阪（ＷＥＢ） http://www.jsurvey.jp/k-academy20191115.pdf (東京) http://www.jsurvey.jp/k-touhoku20191115.pdf (仙台／ＷＥＢ) http://www.jsurvey.jp/k-kansai20191115.pdf (大阪／ＷＥＢ) ◇転職・退職・死亡等により、氏名・所属・連絡先（メールアドレス）の変更が生じた ＳＰの会会員の方へ。 変更後の内容をご本人または関係者の方から日本測量協会にお知らせください。 ＳＰの会MM誌の配信やお知らせ等の連絡に支障が出ないようお願いいたします。 届け出様式は以下の場所にあります。 http://www.jsurvey.jp/gissv/youshiki.htm 様式２ 空間情報総括監理技術者 登録事項変更届出 メールまたはFAXまたは郵送でお知らせください。 連絡先は以下の通りです。 メール：geoinfor@jsurvey.jp FAX : 03-5684-3366 〒113-0001 東京都文京区白山1-33-18 白山NTビル 公益社団法人日本測量協会 測量継続教育センター 測量技術教育部 宛 ◇重要なお知らせ ●【空間情報総括監理技術者の認定登録更新】時には、所定の測量CPDポイントが必要 になります。 《更新条件》 ☆平成24年度以降の認定登録者及び第1回更新済みの認定登録者は、40ポイント/5年間 認定資格者の更新対象年度には、日本測量協会からご案内をお送りします。また、測量 CPDポイントが更新時に基準に満たない場合には、ポイントが基準に達する年度まで更新 はできません。当協会から発行される認定技術者名簿にも、その間は未掲載となります。 次年度登録更新予定の方です。更新時に必要な測量CPDポイントは以下の通りです。 ※平成26年度認定登録者は、令和元年10月登録更新(第1回更新)・40ポイント/5年 ※平成21年度認定登録者は、令和元年10月登録更新(第2回更新)・40ポイント/5年 ◇空間情報技術事例報告集の報告文募集 ☆応募締め切り：随時（投稿報告文が到着次第、速やかに査読） ☆掲載可となれば、日本測量協会ホームページ上の［測量情報館］に掲載。 技術事例報告集では、新規性や独創性という視点とは別に、(1)創意工夫性（何らかの 創意工夫による業務改善への貢献など）(2)実用性（実務への応用性や実際に業務等に 適用していく際の実用性など）(3)信頼性（技術事例報告の内容やその結果に対して、 信頼性や実証性など）(4)今後の展開性（空間情報技術領域の中で、他技術領域への新 たな展開や応用の可能性、他技術との融合性や融合利用の可能性などを含めて今後の展 開性）という視点から査読し、技術事例報告として採用致します。奮って、投稿くださ い。 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/kuukanhoukoku.pdf ■刊行案内 *** 新刊案内 ***（※会員は10％割引でご購入いただけます） 『実務者向け UAV利活用事例集』＜重版入荷しました！＞ Ａ５判 １５２頁 定 価 ２７００円(税込) 会員価格２４３０円(税込) 送 料 ４５０円 令和元年７月２６日刊行 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/2-1a.htm (遠藤拓郎：日本測量協会） ■編集後記 台風19号が日本列島に甚大な被害をもたらしました。尊い人命が失われるとともに、土地 家屋やインフラが破壊され、多数の方が被災されています。こころより、お悔やみとお見 舞いを申し上げます。 テレビを見ていて、気象や河川の情報や避難を促すアナウンスが今までより詳細かつ具体 的になったと感じました。しかし、それでもこれだけの人的被害が出るということは、 まだ足りないことや遅れることがあるということだと思います。河川の氾濫危険度と浸水 想定範囲をもっと早く正確に伝えられないか、帰宅や避難をもっと強力に指示できないか など、できそうなことを実現する意思を、持ち続けなければならないと感じます。 （編集委員長：アジア航測 小林） ──────────────────────────────────────── All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club このメールマガジンを紹介したい方は各自の責任で転送しても結構です。 ──────────────────────────────────────── |
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