スペーシャリスト メールマガジン バックナンバー

タイトル:スペーシャリスト会報 Vol.168 発行日時:2020年12月15日14時39分52秒
┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
2020年12月15日
◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.168

                    発行元:スペーシャリストMM事務局
                     http://www.capnet.jp/spatial/
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

INDEX :
*ニュース・ラウンジ(西岡陽一)
*リレーエッセイ<空間連携>(坂元光輝)
*新会員のコーナー(新名恭仁)
*空間情報関連便利グッズ/書籍の紹介等(池田晃三)
*測量協会からのお知らせ(遠藤拓郎)
============================================================================

■ニュース・ラウンジ

早いものでもう12月、師走です。会員の皆さまは、例年なら仕事納めに向けて走り回って
いるところですが、コロナ禍の今年は如何でしょうか。
コロナに明け暮れたこの一年。昨年までの10年はどんな年だったのかなと、少し振り返っ
てみました。国内では、猛暑のあとに大津波、民主党から自民党に政権が代わり、その後
は安倍首相の長期政権。元号は平成から令和に代わり新天皇が即位、2020年は東京オリン
ピック景気のはずが一転してコロナ禍。海外では、北朝鮮のミサイル問題やイスラム過激
派テロ、米国ではトランプ大統領が登場し大暴れ、中国の台頭で香港騒乱・・・そしてコ
ロナ禍。今年の漢字も、目まぐるしく変わる世相を反映していますね。さて、2020年の漢
字は「密」か「禍」か「病」か?鬼滅の刃でコロナ鬼を切って欲しいですね。

【自治通信社が選ぶ過去10年のトップニュース】
年度: 国内 / 海外 → 今年の漢字
2019年:令和へ代替わり/海外デモで香港騒乱 →令(令和)
2018年:オウム松本死刑囚らの刑執行/米朝が史上初の首脳会談 →災(災害)
2017年:天皇即位、2019年4月末に/北朝鮮、核・ミサイル開発加速 →北(北朝鮮)
2016年:天皇陛下、退位の意向/米大統領選でトランプ氏勝利 →金(リオオリンピック)
2015年:安全保障関連法が成立/世界各地でイスラム過激派テロ →安(安全保障関連法)
2014年:憲法解釈で集団的自衛権容認/ウクライナ危機 →税(消費税)
2013年:アベノミクス始動/スノーデン氏、米情報収集活動を暴露 →輪(東京五輪決定)
2012年:衆院選で自公が政権奪還/中国トップに習近平氏 →金(ロンドンオリンピック)
2011年:東日本大震災で甚大被害/北朝鮮の金正日氏が死去 →絆(東日本大震災)
2000年:尖閣沖で中国漁船衝突/北朝鮮が韓国・延坪島砲撃、4人死亡 →暑(猛暑)
【2020年:今年の漢字】予想
密(三密)、禍(コロナ)、病(病気)、厄(わざわい)、鬼(鬼滅の刃)
さて、話は変わりますが、今年12月の弊社の技術シンポジウム講演のなかで、ロンドンの
タクシー運転手とバス運転手の脳の比較の話がありました。タクシー運転手は空間的記憶
をつかさどる海馬後部が発達しているが、バス運転手はそうでもない。決められたルート
を日々走るのと、毎日違うゴールを目指して違う道を走るのでは、脳の鍛え方が違うとい
うことでしょうか。ちなみに、複雑な隘路の多いロンドンでは、カーナビに頼った運転が
出来ないため、タクシードライバーの免許を取得するのは世界一難しいと言われているそ
うです。ロンドンのタクシードライバーは、常に変化する最適なルートのナビゲーション
能力が求められるということでしょうか。
私たちも、空間情報技術者として大切な海馬後部を鍛え続けるために、常に好奇心を持ち、
新しい“コト”に取り組む必要がありますね。
では、皆さま、良いお年を。

                         (西岡陽一:国際航業株式会社)

令和3年1月号の担当は、池田晃三さんです。

■リレーエッセイ<空間連携>
 パスコの佐藤俊明さんからバトンを引き継ぎました同社所属の坂元光輝です。
 前号では、14歳の少年が図書館の本を頼りに独力で風力発電を実現した実話が取り上げ
られました。今回も文明のトレースをモチーフに、最近読んだ書籍から話題提供したいと
思います。タイトルは、「ゼロからつくる科学文明 タイムトラベラーのためのサバイバ
ルガイド」です。本書は、タイムマシンの故障で過去に取り残されてしまったタイムトラ
ベラー(あなた)のために、過去の世界で生き抜くためのサバイバル術と、あなた自身が
先駆者となって文明を「再発明」するためのマニュアルです。過去の世界で入手可能な材
料を使った様々な道具(例えば、自転車、船舶、飛行機、発電装置、計算機等)の組み立
て方や、有用な薬や化学物質の合成法等、多岐にわたる技術的知識と構築法が歴史的背景
と共にまとめられており、雑学本としても秀逸です。
 我々、空間情報技術者に関連する項目では、長さや時間、位置の基準の決め方、時計の
作成法、磁北の求め方、自分の位置(緯度・経度)の算出法等が取り上げられています。
既に確立された科学技術の恩恵の上にあぐらをかいている我々が、いざこれらの技術を再
発明する必要性に迫られたら・・・。ぞっとする話です(笑)。
 本書では、人類史において、様々な科学技術が過去幾度も発見、発明のチャンスがあっ
たにもかかわらず、長期間見過ごされてきた歴史が、ユーモラスかつシニカルに描かれて
います。象徴的な言葉を一つ引用したいと思います。「解決法はすべて簡単−それに到達
したあとは」。私たちも過去に学び、目前にあるはずのチャンスを逃さず確実にモノにし
ていきたいものです。未来の人類に引き継ぐために。
 次回は会社の同僚である小澤淳眞さんにバトンをお渡しします。

                          (坂元光輝:株式会社パスコ)

令和3年1月号の担当は、小澤淳眞さんです。

■新会員のコーナー

「志士をたずねて三千里」

昨年度新しくSP会に加入させて頂いたアジア航測の新名(にいな)と申します。会社で
は主に研究開発に携わっており、写真測量や点群処理のアルゴリズム開発など行ってきま
して、最近では流行りのAIにも手を出しています。趣味は小説を読むこと、特に司馬遼
太郎が好きで、学生の頃は夢中で読み漁りました。当時京都に住んでいたのですが、司馬
作品に触発されて、京都から高知まで原付を駆って桂浜で海を眺めたり、真夜中の国道9
号線をクルマでひた走って萩で志士に思いを馳せたり、90ccのカブで舞鶴〜小樽の船に飛
び乗って函館の土方歳三終焉の地で合掌したりと、幕末にぞっこんな時期もありました。
いやぁ若かった。近頃年を重ねてから読み返すとまた違う受け止め方ができて新鮮です。
本に登場する地名を地図で探しながら読み進め、時には現地に行って地勢を観察すると、
これまた色々な発見ができて楽しさ2倍です(しかし昔の人は何と健脚なのか!)。お気
に入りは「花神」(大村益次郎の話)と「峠」(河井継之助の話)ですね。もちろん「国
盗り物語」「関ヶ原」など戦国時代モノも「坂の上の雲」も大好きですよ。・・・おっと
趣味の話ばかりしてしまいましたが、皆様どうぞよろしくお願いいたします。

                        (新名恭仁:アジア航測株式会社)

■空間情報関連便利グッズ/書籍の紹介 等

書籍名:「新型コロナに立ち向かう100の技術」
著 者:日経BP編
発行所:日経BP
定 価:本体価格 2,400円+税

 本書はタイトルにあるように、新型コロナウィルスの国内での大規模な発生から半年も
たたない2020年8月の段階で人々の経済活動推進や生活向上に資する技術についてWebアン
ケートを行い取りまとめたものである。前半は医療分野に関する技術が中心であるが、そ
の後「生活が変わる」、「仕事が変わる」、「移動が変わる」、「場所が変わる」、「基
盤が変わる」などのテーマで技術が紹介されている。「仕事が変わる」の中では、フォト
グラメトリー、ドローンによる外装点検などなじみのある用語が出ている。「移動が変わ
る」では安全に移動するための技術として接触確認アプリ(COCOA)の解説や、東京都の
新型コロナウィルス感染症対策サイトがCodeforJapanにより1週間で構築され、公開され
たソースコードは台湾や米国サンフランシスコ市の対策サイトにも利用されていることが
紹介されている。
 幅広く最新の技術動向が例示されているため初めて聞く技術用語もあり、新たな発見が
あった。 これまで自分自身が関わってきた技術分野をコロナというキーワードを通して
他分野との関連で見直すことができるかもしれません。

                        (池田晃三:アジア航測株式会社)

令和3年1月号の担当は、西岡陽一さんです。

■日本測量協会からのお知らせ

◇令和2年度 空間情報総括監理技術者資格認定試験の合格者発表
 11月20日(金)日本測量協会ホームぺ―ジ上で発表しました。
 今年度は16名の方が合格されました。おめでとうございます。

◇スペーシャリストの会新メンバーのご紹介
 12月11日現在、13名の方に入会いただきました。
 まだ入会いただいていない3名の方にも是非入会していただきたく思っております。

 阿部 博明  (株)パスコ
 高本 啓司  NECプラットフォームズ(株)
 橋 栄一  (株)パスコ
 野口 卓  (株)パスコ
 滝沢 進  (株)パスコ
 阿部 亮吾  国際航業(株)
 小野木 康介  国際航業(株)
 古家 久武  朝日航洋(株)
 横幕 容子  アジア航測(株)
 津田 勝啓  (株)ウエスコ
 徳田 庸  アジア航測(株)
 伊東 大悟  (株)パスコ
 山下 真哉  (株)パスコ

◇実務者向けセミナー〜UAVを用いた新たな計測技術とその利用〜
  日程:令和3年2月5日(金) 
  場所: 品川フロントビル(東京)
 詳しくは、近々HPに掲載予定

◇公開講座
「DEMから合成される地形解析画像による地形判読(第2回)」
 講師: 横山 隆三 氏 岩手大学名誉教授
 日程:令和3年1月22日(金)
 場所: 東京(WEB)、仙台(WEB)、大阪(WEB)
 https://jsurvey.jp/k-honbu20210122.pdf (東京/WEB)
 https://jsurvey.jp/k-touhoku20210122.pdf (仙台/WEB)
 https://jsurvey.jp/k-kansai20210122.pdf (大阪/WEB)

◇転職・退職・死亡等により、氏名・所属・連絡先(メールアドレス)の変更が生じた
 SPの会会員の方へ。
 変更後の内容をご本人または関係者の方から日本測量協会にお知らせください。
 SPの会MM誌の配信やお知らせ等の連絡に支障が出ないようお願いいたします。

 届け出様式は以下の場所にあります。
 http://www.jsurvey.jp/gissv/youshiki.htm
 様式2 空間情報総括監理技術者 登録事項変更届出

 メールまたはFAXまたは郵送でお知らせください。
 連絡先は以下の通りです。
 メール:geoinfor@jsurvey.jp
 FAX : 03-5684-3366
 〒113-0001 東京都文京区白山1-33-18 白山NTビル
 公益社団法人日本測量協会 測量継続教育センター 測量技術教育部 宛

◇重要なお知らせ

●【空間情報総括監理技術者の認定登録更新】時には、所定の測量CPDポイントが必要
 になります。
《更新条件》
☆平成24年度以降の認定登録者及び第1回更新済みの認定登録者は、40ポイント/5年間
 認定資格者の更新対象年度には、日本測量協会からご案内をお送りします。また、測量
 CPDポイントが更新時に基準に満たない場合には、ポイントが基準に達する年度まで更新
 はできません。当協会から発行される認定技術者名簿にも、その間は未掲載となります。

 次年度登録更新予定の方です。更新時に必要な測量CPDポイントは以下の通りです。
※平成27年度認定登録者は、令和2年10月登録更新(第1回更新)・40ポイント/5年
 ※平成22年度認定登録者は、令和2年10月登録更新(第2回更新)・40ポイント/5年
 ※平成17年度認定登録者は、令和2年10月登録更新(第3回更新)・40ポイント/5年
 まだ、空間情報総括監理技術者資格認定試験 事務局(geoinfor@jsurvey.jp)に更新
 登録申請がお済みでない方は、 お早めにお手続きをお願いいたします(年度末になり
 ますと、年度内に更新が完了しない場合があります)。

◇空間情報技術事例報告集の報告文募集
☆応募締め切り:随時(投稿報告文が到着次第、速やかに査読)
☆掲載可となれば、日本測量協会ホームページ上の[測量情報館]に掲載。
 技術事例報告集では、新規性や独創性という視点とは別に、(1)創意工夫性(何らかの
 創意工夫による業務改善への貢献など)(2)実用性(実務への応用性や実際に業務等に
適用していく際の実用性など)(3)信頼性(技術事例報告の内容やその結果に対して、
信頼性や実証性など)(4)今後の展開性(空間情報技術領域の中で、他技術領域への新
たな展開や応用の可能性、他技術との融合性や融合利用の可能性などを含めて今後の展
開性)という視点から査読し、技術事例報告として採用致します。奮って、投稿くださ
い。
 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/kuukanhoukoku.pdf


■刊行案内        
*** 新刊案内 ***(※会員は10%割引でご購入いただけます)

 『空間情報工学概論(実習ソフト・データ付き)改訂版』<最新の内容に改訂>
 A5判  264頁
 定 価 3666円(税込)
 会員価格3290円(税込)
 送 料  460円
 令和2年3月26日刊行

 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/2-1a.htm

                           (遠藤拓郎:日本測量協会)

■編集後記
IoTという概念が生まれてから、業務の関係で言葉だけは耳にすることはありましたが、
実際に体感することはあまりありませんでした。テレビのレコーダーの場合は、外出先か
ら録画予約ができるので、これは便利です。先日、エアコンを買い替えたところ、スマホ
に連携できるというのでやってみました。寝室からスマホで翌朝のタイマー起動を設定で
きるのは使えるなと。ペットを飼っている方なら、外出先から部屋の温度を確認して設定
もできるのでよいのでは。でもIoT冷蔵庫や洗濯機は、どう使えるのか?使ってみたら便
利に感じるのだろうか?そもそも私の期待する観点が違うのだろうかと戸惑うこの頃です。
コロナ禍により忘年会も自粛でさびしいですが、みなさまよいお年を。

                        (編集委員長:アジア航測 小林)

────────────────────────────────────────
   All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club
このメールマガジンを紹介したい方は各自の責任で転送しても結構です。
────────────────────────────────────────

戻る
CGIの匠