| タイトル：スペーシャリスト会報 Vol.174 | 発行日時：2021年6月16日19時30分53秒 |
| ┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 2021年6月16日 ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.174 発行元：スペーシャリストMM事務局 http://www.capnet.jp/spatial/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ INDEX ： ＊ニュース・ラウンジ（中舎 哉） ＊リレーエッセイ＜空間連携＞（湯川典子） ＊新会員のコーナー（小野木康介、田中勝哉） ＊空間情報関連便利グッズ/書籍の紹介等（秋山幸秀） ＊企画委員会議事録概要 ＊測量協会からのお知らせ（遠藤拓郎） ============================================================================ ■ニュース・ラウンジ 「またかその話題」ということになりますが、新型コロナウイルスの感染力の強い変異株 の流行により、新型コロナの脅威は衰える気配がなく、政府は、５月３１日に期限を迎え る９都道府県に発令中の新型コロナウイルスの緊急事態宣言を、６月２０日まで延長する と決めました。東京などで４月２５日から適用された３度目の宣言は約２カ月にわたるこ とになります。 「測量・地理空間情報イノベーション大会２０２１」もこのような社会情勢を踏まえた形 で、６月１４日〜６月２０日の期間でＷＥＢ開催されます。この中でスペーシャリストの 会のセッション企画がありまして、今回は「高リスク時代の安心安全な人材育成」という テーマで、パネラーの発表・ディスカッションのスタイルで行われる予定です（本原稿作 成時点６月８日）。 私もこの企画のパネラーメンバーを仰せつかりまして、準備を進めています。その内容 を少しご紹介します。 本セッションの背景は、最近のニュースラウンジでも取り上げられています「在宅勤務」 「オンライン会議」「デジタル庁創設を盛り込んだ「デジタル改革関連法」」「DX（デジ タルトランスフォーメーション）」「Project“PLATEAU(プラトー)”」「３Ｄ都市モデル」 「３次元ハザードマップ」等、社会情勢の急激な変化に対応していく測量技術者・空間情 報技術者の世代別に見た人材育成についてがテーマとなっています。 その中で「主として新人や若手技術者について」、以下のような骨子で発表をしたいと 考えています。 「企業にとって人材育成とは、俯瞰できる視野に立ち企業に貢献できる、良質な人材を育 てていくことであり、また、生産性を向上し利益を最大化するため、人材を企業内の適材 適所に配置し従業員に最大限の能力を発揮してもらうことが、最大の目的であると思われ ます。 従業員に、成長を実感できる環境を提供し仕事への高いモチベーションを維持できなけ れば、優秀な人材が去ってしまうことになるのは明らかではないでしょうか。 一方、少子高齢化により労働力の確保が一段と厳しくなっている今、採用した人材のス キルを社内でいかに高めることができるかが経営戦略のカギとなっていると考えます。」 測量・空間情報分野でも人材育成の大きな課題は、中堅・若年層の人材を育てることに あると考えられ、そこで求められる技術者の人材育成とはどうあるべきなのかの観点で、 技術者一人一人のスキルマップを作成し、各自の伸ばすべき点を確認し年次ごとの教育方 針を計画的に設定できるような、教育計画のお話が出来るように検討中です。 （中舎 哉：中日本航空株式会社） 令和3年7月号の担当は、瀬戸島政博さんです。 ■リレーエッセイ＜空間連携＞ アジア航測の澤陽之さんからバトンを受けました湯川(恩藤）です。名古屋在勤です。 澤さんとは、若い頃、一緒に土砂災害現場へ行ったことが思い出されます。澤さんは、コ ロナが人間の活動の場を変えていくのでは、と述べていました。私はコロナ禍により変化 した私の生活について書こうと思います。 そもそもは働き方改革の一環であり多様な勤務形態の一つであった在宅勤務が、半ば強 制となり、現時点で、私は週の約半分が在宅勤務となっています。在宅勤務により、これ までの通勤時間がなくなり、あらたな時間が生じました。リモートにより非効率化した作 業もありますので、純粋に時間が増えたわけではありませんが、この5月は意外なことに この時間をあてることができました。 うちの前を流れる川の土手に桑の木があり、梅雨前には実を付けます。これまでであれ ば、桑を横目に通勤していたのですが、今年は、通勤時間にあてていた1時間弱の時間で、 桑の実とりを楽しむことができました。季節ものですし、小鳥も狙っていますので、時期 をはずさないことが肝心です。桑を取りながら、早朝に釣りをしてから学校にくる恩師を 思い出しもしました。コロナにより、勤務地の選択が利便性の高い都会の一択でなく、自 然豊かな地方まで広がっていることも感じます。一方で、私達の生活は自然との関わりを 徐々に失ってきている面も否めません。桑をとる私の姿は、ウォーキングをする大勢の人 からは、もはや珍しい人として映っているようです。他人の目が気にならない”おばさん 力”が身についたこと、自然の中で生かされていることを実感できる仕事についたことを 幸せに思ったりするこの頃です。 次号はアジア航測同僚の坂口宏さんにバトンを渡します。 （湯川典子：アジア航測(株)） 令和3年7月号の担当は、坂口宏さんです。 ■新会員のコーナー 「いざ、社会人生活の後半戦へ」 このたび本会に入会しました、アジア航測の小野木（おのぎ）と申します。 平成８年から昨年末まで約25年間、国際航業にお世話になり、今年１月から当社へ転職 しました（ですので、会社名を見て「？」と思った方もおられたかもしれません）。 これまで上下水道、固定資産、公有財産など様々な分野の台帳整備やGIS の導入運用に 従事してきました。現在は下水道・簡易水道固定資産台帳整備を主務としつつ、アセット マネジメント全般にテリトリーを広げるべく格闘する日々です。 転職とあわせて、約３年半ぶりに関東での生活が始まりました。本来は旅行好きなので 遠近問わず様々な場所を巡りたいところですが、このご時世、近隣の散歩で気を紛らせて います（おかげで、新百合ヶ丘周辺の地理には大分詳しくなりました）。 私事ながら、今年で46歳になりました。働き始めたのが20歳、70歳までは働くとして、 社会人生活のちょうど中間地点です。少しだけ景色を変えスタートした後半戦、個人力を 高めるとともに、様々な人とのご縁を大切にしながら進んでいきたいと思っています。 皆様どうぞよろしくお願いします。 （小野木康介：アジア航測株式会社） 「歩くこと」 今年度よりスペーシャリストの会に入会させていただきました株式会社パスコの田中と申 します。よろしくお願いいたします。 在宅勤務をする日が多くなりました。歩くことが少なくなりましたので、出勤する日は駅 から遠回りして自宅に帰るなど、最近は、意識して歩くようにしています。 専門家の研究によると、歩くことは、人間の基本動作であるだけでなく、健康増進、気分 転換、コミュニケーション熟成など多面的な効果があるそうです。 歩くためには、その環境も重要です。世界の先進都市では、クルマ社会から歩く社会への 転換が進んでいるらしいです。日本でも「ウォーカブルなまちづくり」と称して、歩行者 を中心とした新しい取組が始まっています。 まちなかに限らず自分の住んでいる身近な場所でも、歩くことで新しい魅力の発見に出会 うことがあります。皆さまも素敵な場所を見つけに歩いてみてはいかがですか。 （田中勝哉：株式会社パスコ） ■空間情報関連便利グッズ／書籍の紹介 等 大正の広重が描いた全国名所図絵 吉田初三郎鳥観図集 −よみがえる100年前の日本− 解説 岡田直 ISBN978-4-398-14753-0 昭文社 定価3,520円 2021年5月1日発行 コンピュータなどの道具がまだない大正時代から昭和初期の画風が浮世絵から現代風に変 りつつある時代において、頭の中で座標変換を行うことにより日本の姿形を示した鳥観図集 です。いくつかの絵は目にしたことがある方も少なくないでしょう。今回、図集になったこ とで時代比較ができる興味深い資料となりました。特に必見なのは1923年関東大震災全地域 鳥観図絵で往時の被害状況を空間的視点で認識できます。1903年に発明された飛行機が描か れており、熱気球も1709年から使用されているためこれらを利用していたのではないかとも 考えましたが、一方で表現方法として地球が平坦である構図や、デフォルメされている地形 から、想像力で描いていることが伺えます。京都名所案内鳥観図などは、北海道から樺太ま で表示されており、別の鳥観図でハワイや台湾なども見える壮大な空間集約には驚きです。 また、この図集には当時の名所や地名などの記載があり、対応の観光案内説明文も付随し ていて貴重な資料といえます。相模川は馬入川と古い名称で記載されており、源頼朝が川に 入って落馬したことに因んだ由緒ある地名が残っていたり、聖徳太子の墳墓の記載があった りと、現在の知識から喪失している100年前の常識を垣間見ることもできる逸品です。 （秋山幸秀：朝日航洋株式会社） 令和3年7月号の担当は、林義政さんです。 ■企画委員会議事録（概要） 令和2年度 第4回「スペーシャリストの会」企画委員会（令和3年5月）議事録(概要) 日時：令和3年5月14日（金）10：00〜11：30 場所：日本測量協会 会議室、WEB 議事項目： (０)前回（3月）議事録の確認 (資料１) (１)報告事項 �ヽ道拮�活動報告(※5月号に掲載済み) �▲ぅ離戞璽轡腑鸞膕颪砲弔い� ・5月6日〜31日まで参加受付中、本日（5/14）現在約900名の申し込みがある。 ・SP会担当として6月14日13：30〜15：30「高リスク時代の安心・安全な人材育成」 総合司会は林副会長、シニア、中堅、若手向けのセッションを設ける。 ・SP会員については資料集を１冊ずつ配布する（会費納付済み者に限る） ��その他 日本測量協会 総会について ・総会成立のため、決議権行使書返送のお願い。 (２) 討議事項・要請事項 �〃邊�「測量」スペーシャリストの会コーナーの執筆毎号の確認(第27弾) ・第29弾 「地理空間情報と広報」を2022年5月号からスタートする。 ��SPの会女性技術者バーチャル座談会（要約版）について ・座談会のダイジェスト版を月刊「測量」に順次掲載する。 ・第4回掲載まで予定通り進んでおり、第5回掲載以降も準備を進める。 ��メーリングリストサービス導入について ・次回の報告事項とする。 �の疣�3年度スペーシャリストの会総会 特別講演会について ・今年の総会は対面かオンラインかまだ確定していないが、特別講演は実施予定。 ・次回の企画委員会（7月）で講演候補者を検討する。 �イ修梁� 1)空総監の受験資格について ・空間情報総括監理技術者試験の受験資格を令和８年度より、測量士と技術士または博士 に限定する（月刊「測量」4月号掲載済み）。 ・日本測量協会として技術士支援セミナーを開催する予定。 以上 議事録作成者：アジア航測株式会社 池田晃三 ■日本測量協会からのお知らせ ◇公開講座 「地図が伝える自然の営み」（第１回） 講師: 宇根 寛 氏 （一般財団法人日本地図センター主任研究員） 日程:令和3年7月9日（金） 場所: 東京、仙台（ＷＥＢ） 詳しくは https://www.jsurvey.jp/k-honbu20210709.pdf 東京文京区 https://www.jsurvey.jp/k-touhoku20210709.pdf 仙台市（ＷＥＢ） ◇転職・退職・死亡等により、氏名・所属・連絡先（メールアドレス）の変更が生じた ＳＰの会会員の方へ。 変更後の内容をご本人または関係者の方から日本測量協会にお知らせください。 ＳＰの会MM誌の配信やお知らせ等の連絡に支障が出ないようお願いいたします。 届け出様式は以下の場所にあります。 http://www.jsurvey.jp/gissv/youshiki.htm 様式２ 空間情報総括監理技術者 登録事項変更届出 メールまたはFAXまたは郵送でお知らせください。 連絡先は以下の通りです。 メール：geoinfor@jsurvey.jp FAX : 03-5684-3366 〒113-0001 東京都文京区白山1-33-18 白山NTビル 公益社団法人日本測量協会 測量継続教育センター 測量技術教育部 宛 ◇重要なお知らせ ●【空間情報総括監理技術者の認定登録更新】時には、所定の測量CPDポイントが必要 になります。 《更新条件》 ☆平成24年度以降の認定登録者及び第1回更新済みの認定登録者は、40ポイント/5年間 認定資格者の更新対象年度には、日本測量協会からご案内をお送りします。また、測量 CPDポイントが更新時に基準に満たない場合には、ポイントが基準に達する年度まで更新 はできません。当協会から発行される認定技術者名簿にも、その間は未掲載となります。 今年度登録更新の方です。更新時に必要な測量CPDポイントは以下の通りです。 ※平成28年度認定登録者は、令和3年10月登録更新(第1回更新)・40ポイント/5年 ※平成23年度認定登録者は、令和3年10月登録更新(第2回更新)・40ポイント/5年 ※平成18年度認定登録者は、令和3年10月登録更新(第3回更新)・40ポイント/5年 ◇空間情報技術事例報告集の報告文募集 ☆応募締め切り：随時（投稿報告文が到着次第、速やかに査読） ☆掲載可となれば、日本測量協会ホームページ上の［測量情報館］に掲載。 技術事例報告集では、新規性や独創性という視点とは別に、(1)創意工夫性（何らかの 創意工夫による業務改善への貢献など）(2)実用性（実務への応用性や実際に業務等に 適用していく際の実用性など）(3)信頼性（技術事例報告の内容やその結果に対して、 信頼性や実証性など）(4)今後の展開性（空間情報技術領域の中で、他技術領域への新 たな展開や応用の可能性、他技術との融合性や融合利用の可能性などを含めて今後の展 開性）という視点から査読し、技術事例報告として採用致します。奮って、投稿くださ い。 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/kuukanhoukoku.pdf ■刊行案内 *** 新刊案内 ***（※会員は10％割引でご購入いただけます） 『公共測量 作業規程の準則 解説と運用(基準点測量編、応用測量編)』 『公共測量 作業規程の準則 解説と運用(地形測量及び写真測量編 三次元点群測量編)』（令和3年5月13日刊行） 『公共測量 作業規程の準則 基準点測量記載要領(基準点測量編)』（令和3年4月3日刊行） 『公共測量 作業規程の準則 基準点測量記載要領(水準測量編)』（令和3年4月3日刊行） 各種ラインナップ取り揃えております。 詳しくは、https://www.jsurvey.jp/2-1c.htm (遠藤拓郎：日本測量協会） ■編集後記 今月は、測量・地理空間情報イノベーション大会が開催されております。テーマとしては、 やはり注目度が高いUAV、コロナ禍の対応、DXとなるわけですが、こうして見ると、測量・ 地理空間情報のイノベーションは、新たな計測機器、ネットワークやデータインフラ、ソ フトウェア、それに環境、というように外的要因によって語られることが多くなっている なと感じます。測量のさまざまな理論はすでに研究しつくされていて、それはある意味、 測量が古くから人々の生活に不可欠であり、文明の発達や文化の発展とともに進化し続け てきた証でもあるのですが、ものを測る新しい考え方というのはないのだろうか？我々空 間情報技術者はとしては、そう問い続けなければならないと感じました。 （編集委員長：アジア航測 小林） ──────────────────────────────────────── All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club 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