| タイトル：スペーシャリスト会報 Vol.175 | 発行日時：2021年7月20日21時32分48秒 |
| ┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 2021年7月20日 ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.175 発行元：スペーシャリストMM事務局 http://www.capnet.jp/spatial/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ INDEX ： ＊ニュース・ラウンジ（瀬戸島政博） ＊企画委員会・各支部活動報告（菊地隆、住田英二、小野貴稔、西村芳夫、岡本良徳、鵜飼尚弘） ＊新会員のコーナー（古家久武、横幕（工藤）容子） ＊空間情報関連便利グッズ/書籍の紹介等（林義政） ＊測量協会からのお知らせ（遠藤拓郎） ============================================================================ ■ニュース・ラウンジ 『歴史小説』と『歴史書』の違いに思うこと 司馬遼太郎や塩野七生などの長編歴史小説がお好きの方も多いと思う。堅苦しいローマ 史を読むよりは、『ローマ人の物語』(塩野七生)を通読する方が、分かり易く、面白い。 そして、これが長編歴史小説かと疑いたくなるほど、専門的な参考文献が巻末を飾ってい る。一方、歴史研究者の執筆する『歴史書』は専門的で個別的で読み難く高価で売れない。 歴史小説と割り切って読んでいるうちはよいが、作家の卓越した表現力によって、何時 の間にか史実と想像の世界が区別付かなくなる。そんな経験をお持ちの方もおいでになる のではないか。私は現在、『史学』を少し勉強中の老人学生でもあるが、史学界ではこれ が現在、大問題になっているようだ。 歴史学は科学の一つとして位置づけられることをご存知であろうか。科学とは知的な生 産であり、精神的な生産でもある。歴史学の生産材料は「史料」、「史料」と総称される 材料を加工して、有用なものを作り出す作業が歴史学のようだ。 歴史小説の優れた作品は読者に臨場感たっぷりに過去の世界を再現し、「史料」に素材 を求めた作品であっても「史料」には登場しない出来事や人物を作家が創造し、物語中に 挿入できる自由度がある。さらに、優れた作家においては、筆力(力量)が大いに関係して、 実在していない「史料」が恰も存在するように引用され、読者への臨場感や現実感を高め ることも多々ある。 それに対して、歴史書にはそれは許されない。存在の確証が無い限りは、推定であること を明示されなければならない。自己の議論を成立させるための「史料」が虚構ではなく、 実在しなければならない。すなわち、自己の議論の根拠を明示すること、明示できること が絶対的な条件となり、そのために多くの注を設け、他の研究者に検証の可能性を与えら れるようにすることであるようだ。そして、それぞれの「史料」が、何時、何処で、誰に よって、何のために作られ、残ったものかといった「史料批判」と「考証」が常に求めら れる。このような諸点が歴史小説との相違点のようだ。 私たちの日常的な業務は、このような歴史学の思考プロセスとは異なる世界かもしれないが、 計測結果から読み解ける「事実」と、それらから「考察・推定できる事柄」とを混同せず、 さらには根拠・理由を明確にすることなど、共通する点もあろう。 （瀬戸島政博：日本測量協会） 令和3年8月号の担当は、住田英二さんです。 ■企画委員会・各支部活動報告（一部省略）（敬称略） ◇東北支部 ■活動報告 SP会GM会合同打合せ ・令和3年5月31日、6月11日 ・場所 オンライン（測量協会のWEB利用） ■活動予定 第３回東北支部講演会の開催について ・日時 令和3年9月1日（水） 13:00〜17:00 ・場所 宮城県建設産業会館 ・参加人数 60名（予定） ※検討中の部分もありますので、詳細は決まり次第配信します。 ■その他 コロナ禍で遅れておりましたが、任期による支部長等の交代を進めております。 詳細につきましては別途支部の方々にお知らせします。 （菊地 隆 東北支部長：株式会社パスコ） ◇東京支部 ■実施報告 前回報告から進展なし ■活動予定 幹事会 １．日時：令和3年7月14日(水) 16時00分〜17時00分 ２．会場：オンライン ３．議題：情報交換会具体内容検討、その他 （住田英二 東京支部長：測量協会） ◇中部支部 ■活動報告 1.令和３年度点群データのオペレーティング（初級編） 講習会の開催 ・日 時：令和2年9月25日(金) 10：00〜17：00 ・場 所：岐阜大学工学部内教室 2.第63回定例会議を開催 ・日 時：令和3年6月24日（木）16:30〜17:30 ・場 所：WEB形式 �ゝ賃� ・現地見学会の開催 ・Ｇ空間ほっとセミナーの講師 等 �∧拔�会 ■活動予定 1.第64回定例会議 ・日 時：令和3年8月 ・場 所：WEB形式 （小野貴稔 中部支部長：中日本航空) ◇関西支部 ■催し等開催結果 １．技術士１次試験講習会 日時：6月5日（土） 会場：�蠧�本インシーク 受講者７名 ■今後の会議・催し等 １．スペース・サロン＠kansai 講師：村木広和 氏 国際航業�� 執行役員 テーマ：ＵＡＶを用いた公共測量と３Ｄ利用の考察 日時：7月20日（火） 15:00〜17:00 会場：日本インシーク（メイン），パスコ（サブ：Web中継） ２．幹事会 日時：7月20日 13:30〜14:30 ３．その他 ・９月頃総会に向けて、幹事会開催予定。 ・総会は本部の総会の予定をみて開催。スペース・サロンを同時開催。 （西村芳夫 関西支部長：日本インシーク） ◇中国・四国支部 ・活動報告 特になし ・活動予定 1.ＳＰ会中四国支部講演会 日時：令和３年７月２９日（木）１４時〜１７時 場所：広島工業大学 広島校舎 当日のプログラム １．スペーシャリストの会中四国支部の活動について ２．基調講演「ビッグデータ時代における衛星データ利用の挑戦」 山口大学 応用衛星リモートセンシング研究センター 教授／センター長 長井 正彦 氏 ３．防災・災害対応に向けた国土地理院の取組みと最近の状況 国土地理院 中国地方測量部 ４．航空レーザ測量成果を用いた森林境界案の作成 ５．測量業界と地域の未来を支える技術者として （岡本良徳 中国・四国支部長：復建調査設計株式会社） ◇九州支部 ・活動報告 １．「知っとーとセミナーin 九州＆イブニング・セミナー」 公社）日本測量協会九州支部との共催 ・日時：令和3年5月14日（金）14:40〜15:40 ・場所：リファレンス駅東ビル２階Y-1 会議室（33 名定員） ＊新型コロナウィルス緊急事態宣言の発令によりWEBへ変更予定 �々岷� ［演題］:「Ｉ CONSTRUCTION 最新の取組状況」 ［講師］:国土交通省 九州地方整備局 企画部 機械施工管理官 建設情報・施工高度化技術調整官（岩崎） ��Web 講演 ［演題］:「GNSS の現状と将来を考える」 ［講師］:穴井 誠二氏（衛星測位システム協議会（JGPSC） ・活動予定 １．「知っとーとセミナーin 九州＆イブニング・セミナー」 計画中 2. 女性技術者のバーチャル座談会原稿作成 （鵜飼尚弘 九州支部長：株式会社快適空間FC） ■新会員のコーナー 「スポーツ観戦の近未来」 この度スペーシャリストの会に入会しました朝日航洋の古家（ふるや）と申します。 平成６年の入社以来、固定資産税業務を中心に自治体を顧客として空間情報に取り組ん でまいりました。現在はコロナ禍で皆さんと直接お会いする機会がほとんどありませんが、 さまざまな情報交換を出来る日を楽しみにしています。 さて、いよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。私はスポーツ観戦 が大好きなのですが、今回はほとんどの競技が無観客での開催となりました。 近年はテレビ放送の画質も向上し、それなりの臨場感を持って観戦できるようになりま したが、今後のデジタル社会では、自宅にいながらスタジアムでの観戦を体感できるコン テンツが出てくるのではないかと考えています。 スタジアムで行われている競技をリアルタイムで配信し、VRグラスによってまさにスタ ジアムで観戦しているような画像と臨場感を得られるようなコンテンツです。サッカーな どの競技では、ボールの動きだけでなく全体を俯瞰してみたり、お気に入りの選手のオフ ザボールの動きなど、自分の思い思いの見方が出来たらいいなと考えます。実はそう遠く ない未来に実現されそうな気もしますね 。 皆様もコロナにも暑さにも負けずにこの夏をお過ごしください。 どうぞよろしくお願いいたします。 （古家 久武：朝日航洋株式会社） 「家電の進歩と維持管理」 このたび、スペーシャリストの会に登録させていただきましたアジア航測の工藤と申します。 仕事では河川分野を主に扱っています。よろしくお願いします。 さて先日、家でオーブンレンジを使っていたところ、上部のヒーターの留め具が落ちてし まいました。よく見ると、上面が錆びだらけ。慌ててめくった取扱説明書には「毎回拭い てください」との記述が。あまりお手入れをしていなかったことを大いに反省しました。 その後、レンジがないと食生活が成り立たない！ということで、慌てて家電量販店へ。最 上位機種には64ものセンサーが搭載され、温度の異なる食品の同時調理などもおまかせと のこと。技術の進歩に大変興味を惹かれましたが、使いこなす自信がないこと、価格もか なり高価なことから、今回は下位機種の購入となりました。 最近のオーブンは、以前のようにヒーターがむき出しになっておらず、上面もフラットで す。お手入れのしやすさにも進歩が見られます。インフラの維持管理が課題となる昨今で すが、まずは足元の維持管理に丁寧に取り組みたいと思います。 （横幕（工藤） 容子：アジア航測株式会社） ■空間情報関連便利グッズ／書籍の紹介 等 「牛車で行こう！ ―平安貴族と乗り物文化―」 著者：京樂真帆子：吉川弘文館 1900円＋税 本書は、牛車（ぎっしゃ）の専門書？です。牛車はテレビアニメ「おじゃる丸」や「源氏 物語」の世界で、現代社会には見られないものですが、リアルに牛車を極めていくことで、 平安時代の貴族文化とミヤコ（京都）の状況もわかる内容となっています。“1000年前の カーライフから読み解く平安貴族社会と都市文化”といった内容です。 本書では、牛車の乗り降りの作法、車種の違い（材質とグレード、仕様）、動力（牛の） 性能（スピード）、乗車マナーなど、私たちの知らない（少なくとも私は全く知りません でした）牛車を徹底的に研究しています。また、牛車から平安貴族の行動や日常生活など ともに、当時の平安京、左京域と右京域の特徴、大内裏での貴族の権限と移動ルート、西 山や北山の別荘など、都市生活が生き生きと再現されています。 牛車という一つのことを極めることによって、貴族文化や平安京の都市文化の特徴にまで 展開されている本書、たまには、こういった一冊、まったりと、一読されるのはいかがで しょう。 （林 義政：株式会社パスコ） 令和3年8月号の担当は、住田英二さんです。 ■日本測量協会からのお知らせ ◇令和3年度「空間情報総括監理技術者」認定試験の願書受付を開始いたしました。 詳しくは、https://www.jsurvey.jp/gissv/gissv.htm ◇転職・退職・死亡等により、氏名・所属・連絡先（メールアドレス）の変更が生じた ＳＰの会会員の方へ。 変更後の内容をご本人または関係者の方から日本測量協会にお知らせください。 ＳＰの会MM誌の配信やお知らせ等の連絡に支障が出ないようお願いいたします。 届け出様式は以下の場所にあります。 https://www.jsurvey.jp/gissv/youshiki.htm 様式２ 空間情報総括監理技術者 登録事項変更届出 メールまたはFAXまたは郵送でお知らせください。 連絡先は以下の通りです。 メール：geoinfor@jsurvey.jp FAX : 03-5684-3366 〒113-0002 東京都文京区小石川1-5-1 パークコート文京小石川 ザ タワー 5 階 公益社団法人日本測量協会 測量継続教育センター 測量技術教育部 宛 ◇重要なお知らせ ●【空間情報総括監理技術者の認定登録更新】時には、所定の測量CPDポイントが必要 になります。 《更新条件》 ☆平成24年度以降の認定登録者及び第1回更新済みの認定登録者は、40ポイント/5年間 認定資格者の更新対象年度には、日本測量協会からご案内をお送りします。また、測量 CPDポイントが更新時に基準に満たない場合には、ポイントが基準に達する年度まで更新 はできません。当協会から発行される認定技術者名簿にも、その間は未掲載となります。 今年度登録更新の方です。更新時に必要な測量CPDポイントは以下の通りです。 ※平成28年度認定登録者は、令和3年10月登録更新(第1回更新)・40ポイント/5年 ※平成23年度認定登録者は、令和3年10月登録更新(第2回更新)・40ポイント/5年 ※平成18年度認定登録者は、令和3年10月登録更新(第3回更新)・40ポイント/5年 ◇空間情報技術事例報告集の報告文募集 ☆応募締め切り：随時（投稿報告文が到着次第、速やかに査読） ☆掲載可となれば、日本測量協会ホームページ上の［測量情報館］に掲載。 技術事例報告集では、新規性や独創性という視点とは別に、(1)創意工夫性（何らかの 創意工夫による業務改善への貢献など）(2)実用性（実務への応用性や実際に業務等に 適用していく際の実用性など）(3)信頼性（技術事例報告の内容やその結果に対して、 信頼性や実証性など）(4)今後の展開性（空間情報技術領域の中で、他技術領域への新 たな展開や応用の可能性、他技術との融合性や融合利用の可能性などを含めて今後の展 開性）という視点から査読し、技術事例報告として採用致します。奮って、投稿くださ い。 詳しくは、https://jsurvey.jp/kuukanhoukoku.pdf ■刊行案内 *** 新刊案内 ***（※会員は10％割引でご購入いただけます） 『公共測量 作業規程の準則 解説と運用(基準点測量編、応用測量編)』 『公共測量 作業規程の準則 解説と運用(地形測量及び写真測量編 三次元点群測量編)』（令和3年5月13日刊行） 『公共測量 作業規程の準則 基準点測量記載要領(基準点測量編)』（令和3年4月3日刊行） 『公共測量 作業規程の準則 基準点測量記載要領(水準測量編)』（令和3年4月3日刊行） 各種ラインナップ取り揃えております。 詳しくは、https://www.jsurvey.jp/2-1c.htm (遠藤拓郎：日本測量協会） ■編集後記 静岡県熱海市伊豆山で発生した土石流では、多くの方が亡くなり、またはいまだ行方不明と いう痛ましい災害となりました。心よりご冥福とお見舞いを申し上げます。 長い降雨の影響はもちろんですが、上流の盛土が原因ではないかという分析も聞こえる中で、 やはりひとつひとつの工事における災害シミュレーションは今後求められる課題だと感じ ました。設計時に地形モデル、土工モデル、地質モデルをしっかり構築し、天候、植生な どの環境要因も加味できるパラメトリックな全体モデルでシミュレーションが可能になれ ば、今回のような災害を予見できるのかもしれません。そのような空間情報技術を駆使し た防災・減災への取り組みが、我々に求められています。 （編集委員長：アジア航測 小林） ──────────────────────────────────────── All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club このメールマガジンを紹介したい方は各自の責任で転送しても結構です。 ──────────────────────────────────────── |
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