スペーシャリスト メールマガジン バックナンバー

タイトル:スペーシャリスト会報 Vol.193 発行日時:2023年1月16日

┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
2023年1月16日(月)
◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇  vol.193
                    発行元:スペーシャリストMM事務局
                    https://spatialist.sakura.ne.jp/
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*ニュースラウンジ              秋山幸秀
*リレーエッセイ<空間連携>         平田顕三
*新入会員のページ              真壁勝彦
*空間情報関連便利グッズ/書籍の紹介等    中舎 哉
*各支部活動報告              各支部 支部長  
*日本測量協会からのお知らせ         遠藤拓郎
*編集後記                  大山容一

■ニュースラウンジ
 新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
年末に文科省に答申があった件をニュースとして記します。
 当社の関東の空間情報事業本社は川越の南大塚駅東側にあります。駅名の由来は駅の
北1,500mほどにある大きな塚(山王塚古墳)にあります。明治12年に行政が入間川
の南北にある古墳群の2つの大塚村を北大塚村(坂戸市)と南大塚村としたことで
南大塚という地名が生まれました。
 山王塚古墳は古墳時代後期に作られた日本で一番大きな上円下方墳(じょうえん
かほうふん)でした。(下方部の一辺63m、高さ1m、上円部直径47m、高さ約4m)
 国内には約16万基の古墳があります。コンビニエンスストア数が約6万店なので、
多さがしれます。古墳の形状では、円墳が最も多く、続いて方墳となります。ほかに
日本式といわれる前方後円墳、前方後方墳、双円墳、帆立貝形古墳などありますが、
上円下方墳は珍しく、国内では6基しか認定されていません。
 山王塚古墳は1958年に川越市指定史跡に指定され、1969年に埼玉県選定重要遺跡
に選定され、2022年12月に川越市により国史跡の認定が答申されました。ほかの
上円下方墳が国史跡に認定される中、地元にとってはある意味、悲願の国指定史跡
の認定と言えます。
 日本書紀によると大化2年(646)に薄葬令が出て陵墓工事による民衆の犠牲を軽減
するため王臣と庶民の身分に応じて作ってよい陵墓が制限されて小型化してきている
時期の大型古墳であるため権威と高い地位にあった豪族の塚と考えられています。
一説では造成の60~100年後に先祖伝来のこの地を治めていたのは入間宿祢広成で、
改名前の名前が物部直(あたい)です。 支配豪族は武藏国造笠原使主(かさはらの
おぬし)⇒物部兄麻呂⇒・・・⇒物部直(あたい)=入間宿祢広成と続きます。さらに
宿祢はアマテラスの孫のアメノホヒの17代目の子孫とされていたので当時権威がある
一族でした。 それで宿祢の2~3代前の物部氏が祀られていたものと推定されています。
入間宿祢広成は799年に造東大寺次官になり、冠位は従五位下で貴族に列せられた
ことで前述の記録が残っていました。
 川越市と研究者が文献を調査し、十三回の発掘調査をまとめ価値があることを証明
して文部科学省に答申し、官報による告示で正式に国史跡に認定されることになり
ました。祝・国史跡の裏に、多方面の調査研究が積み重なったことが垣間見える
ニュースでした。
                      (秋山 幸秀:朝日航洋㈱)

○令和5年2月号の担当は、大山容一さんです。


■リレーエッセイ<空間連携>
 植木健一さんよりバトンを受け継ぎました平田顕三です。皆さんの中にも11月下旬
から寝不足になりながらも「FIFA World Cup Qatar2022」大会に熱狂された方が
いらっしゃるのではないでしょうか。私もそのひとりで大会後半(試合開始が0時以降)
はかなりきつかったです。
 こうしたスポーツの祭典にもいくつかの空間情報に関連する技術が取り入れられて
います。FIFA(国際サッカー連盟)が今大会で導入している「半自動オフサイド判定
技術」は、カメラとセンサーを使って選手やボールの位置関係やシュートした時間等
のデータを基に半自動的にオフサイドを見分けるというものです。私なんかは全部
判定しちゃえばいいのに・・・なんて思ったりもしますが、こうしたシステムはあくま
でも補助的な位置づけのようです。
 これらのVAR(Video Assistant Referee)技術は「最小限の干渉、最大限の利益」と
いう理念のもとに運用され、「明確かつ明白なエラー」や「重大なミス・出来事」が
修正される方法を提供することをめざしているとのことで、今大会でも「開幕戦」を
はじめ多くのゴールが取り消される一方で、話題となった日本の逆転ゴールが
認められたりしています。
 こうした適切な判定のもとで戦う我らがサムライブルー(SAMURAI BLUE)にハラハラ
ドキドキしながら「ドーハの歓喜(グループリーグ対ドイツ戦)&歓喜再び(グループ
リーグ対スペイン戦)」での後半の攻撃的な試合展開を見ていて、ふと自分も守りに
入らず攻めることも必要かもなぁと思ったりした大会でした。
                      (平田顕三 : 国際航業株式会社)

〇令和5年2月号の担当は、国際航業内のリレーも飽きてきたので
 別の会社への展開を期待して、国際航業の西岡陽一さんにバトンを渡します。


■新入会員のページ
 皆様、はじめまして。株式会社パスコの真壁勝彦と申します。私は普段、市町村
向けの道路台帳業務を主な担当業務として従事しております。
 インフラの維持管理に重要となる道路台帳をはじめとしたインフラ台帳。決めら
れた順序で淡々と作業をこなすだけ。コンサル力を発揮する機会の少ない地味な業務
という扱いを受けているように感じます。
 しかしながら、逼迫する地方財政、電子化の遅れ、ストックの老朽化等々の社会
課題、国を上げたDX推進の追い風を受けて、インフラDX推進のベースとなりうる
インフラ台帳の重要性は年々増しているように感じます。台帳業務を通じて浮き彫り
になる行政課題を、限られた予算で空間情報技術を用いて効果的に解決を図る。まさ
に、空総監に求められる能力を最も発揮できる分野なのではないか?と改めて実感
しています。
 若輩者ですが、これからも測量業界発展の一助となるべく精一杯努めます。
どうぞよろしくお願いいたします。
                      (真壁勝彦 : 株式会社パスコ)

〇令和5年2月号の担当は、清成研二さん、市川富崇さん です。


■空間情報関連便利グッズ/書籍の紹介 等

◇3D地形図で歩く日本の活断層
 柴山元彦 著
 創元社 定価1,800円(税別) 

 年末の休日に書店に立ち寄りました。最近、3Dに関する情報を聞かない日はない
日常を過ごしている私としては、タイトルに惹かれ手に取りました。
 本書は「活断層ってなんだろう?」の章で活断層の基本的な解説があり、それから
全国34の活断層と世界の断層が5ヶ所紹介されています。日本の主要活断層分布
をみると、日本は世界でも有数の、活断層や断層が多い国であることを改めて認識
しました。防災系の空間情報の課題解決にも参考にできると思います。
 個人的には、岐阜県養老町・海津市にある養老―桑名断層帯(約60km)の紹介
ページの3D地形図に表現された断層地形を見たときに、何十年も前に卒論で、
養老山系の明治時代の砂防事業で建造された石積堰堤を調査したことを鮮明に思
い出しました。ぜひ、養老町辺りへドライブがてら行って見ようと思います。
 皆様も34断層を見て、仕事や近くにある、それこそ研究フィールド等の思い
入れがある土地であれば、現実世界の活断層を見るのも楽しいかもしれません。
                      (中舎 哉:中日本航空)

○令和5年2月号の担当は、山田 秀之 さんです。


■各支部活動報告

◇関西支部
■催し等開催結果
1. 関西支部総会
  日時:12月8日(水) 13:30~14:30
  場所:日本インシーク(メイン会場)、パスコ(サテライト会場)、Web併用
  出席者:32名(会場24名、Web8名)、欠席者委任状あり:29名 計61名
  「支部会員数:79名」
  役員改選:以下の通り総会にて承認される
   幹事新任1名:(株)かんこう 三輪佳充氏
   オブザーバー退任1名:(株)日本インシーク 西村芳夫氏
   その他役員全て再任:12名
2. スペースサロン@Kansai
  日時:12月8日(水) 15:00~17:00
  場所:日本インシーク(メイン会場)、パスコ(サテライト会場)
  講演共通テーマ:「施設管理における計測技術の活用」
  講演者:内部講師3名
   ①「簡易なRTK-GNSS計測の活用」
      (株)パスコ 渡邉祐三氏 (技術情報部会部会長)
   ②「水道の設備台帳整備と維持管理計画について」
      アジア航測(株) 谷口靖博氏
   ③「MMS(モバイルマッピングシステム)による3次元モデル
        及び3次元道路地図の作成検討」      
      国際航業(株) 尾崎祥太郎氏
■今後の会議・催し等
1. 幹事会
  日時: 1月26日(木) 16:00~17:00
会場:日本インシーク、Web併用
2.その他
  特になし
                     (河野哲也 関西支部長:パスコ)

◇中部支部
【活動報告】
1. 第70回定例会議の開催
 ・日 時:令和4年12月14日(水)16:30~18:00
 ・場 所:日本工営都市空間株式会社・オンライン(ハイブリッド)
【活動予定】
1. 地理空間情報産学官中部地区連携協議会への参加と講演
 ・日 時:1月24日(火)14:00~16:00
 ・場 所:imy 会議室 6 階 第3 会議室
2. 第71回定例会議(対面、ハイブリッド)
 ・日 時:令和5年2月17日(金)16:30~17:30
                      (小野貴稔 中部支部長:中日本航空)

◇九州支部
【活動報告】
1.「知っとーとセミナーin 九州(第8回)11.25(金)14:30-15:30」
 ・近藤講師(アジア航測)「森林のレーザ計測と解析」の講演。
 ・参加者 約30名
2.支部総会
 ・日時:11月25日(金)13:00~13:30
 ・場所:リファレンス駅東ビル5階V-1 会議室
 ・出欠:出)鵜飼、小野山、上橋、坂田、重松 欠)横山
 ・年次報告、収支決算予算(案)、次年次計画、新規入会等
 (1)第1号議案「スペーシャリストの会九州支部会則(附則)」改正について
  第8条 本会の役員には、支部長(1 名)、副支部長(2名3名以内)、
     監査(2名)を置く。
 (2)第2号議案「活動計画について」
   第9回目:令和5年5月19日(金)予定 講演会
    ★「知っとーとセミナー in 九州 (第9回)」 14:40-15:40
    &「イブニングセミナー(Web:16:00-17:00)」
   第10回目:令和5年11月下旬予定 総会13:30、講演会14:30
    ★「知っとーとセミナー in 九州 (第10回)」14:30-15:30
    &「イブニングセミナー(Web)」16:00~17:00
【活動予定】
〇次回幹事会 2月7日(火) 15:30~
  第9回目講演会:令和5年5月19日(金)14:40?
  第10回目講演会:総会 令和5年11月下旬予定13:30?
                      (鵜飼尚弘:九州支部長:快適空間FC)

◇東北支部
【活動報告】
11月
 ●SP会東北支部としての活動は特になし
 ・11/25「イブニングセミナーへ」SP会個別会員複数名参加
12月
 ●SP会 東北支部としての活動は特になし
 ・12/2「地理空間情報勉強会in盛岡」
  (GMの会主催)へのSP会個別会員参加
1月
【活動予定】
 ●01/18 SP会・GM改東北支部 幹事打合せ
 公開講座(イブニングセミナー16:00~17:00)の後
                      (千葉一博 東北支部長:アジア航測)

◇中国・四国支部
【活動報告】
・SP会中四国支部総会が無事に終了しました。 
日時:令和4年12月2日(金)14時00分~14時45分
   会場:復建調査設計株式会社
   出席者:10人
   欠席者: 8人(委任状)
・特別講演会(DVD講習)が無事に終了しました。 
  日時:令和4年12月2日(金)15時00分~17時00分
   会場:復建調査設計株式会
   出席者:21名(30名中)
 【活動予定】
   特になし
              (岡本良徳 中国・四国支部長:復建調査設計)

◇東京支部
■活動実績
 幹事会、1月11日(火)16:00-測量協会会議室
 議事:技術士第二次試験勉強会、支部情報交換会、の件
 ・技術士第二次試験対策講座(毎年4月上旬開催)は次の通り開催予定。4月7日15:00~ 
  日本測量協会研修室。実施内容は例年同様とするがハイブリッド方式で開催する。
 ・支部情報交換会については来年度も今年度に引き続き見送る。
■今後の予定
 幹事会4月7日14:00-,日本測量協会研修室にて開催予定
                    (住田英二 東京支部長:日本測量協会)


◇北陸支部活動報告
【活動報告】
〇スペーシャリストの会北陸支部 キックオフミーティング
 ・日 時:令和4年11月30日(水)13:30~15:30
 ・場 所:Web
 ・参加者:13名(支部員12名中9名出席)
 ・主な議題
1)北陸支部設立の趣旨説明
  2)メンバー紹介
  3)支部活動について
  4)北陸支部役員(支部長、副支部長、監査)の選任
  5)その他

【活動予定】
  北陸支部会議(仮)今後開催予定

  (山下 智 北陸支部長:パスコ)

■日本測量協会からのお知らせ

◇イブニングセミナー
「治山事業におけるUAV、地上レーザ計測から取得した三次元データの活用」
 講師:平元 万晶 氏(国土防災技術北海道株式会社 技術業務部 )
 日程/場所:令和5年3月17日(金)/ 東京都、仙台市・大阪市・(WEB)
 https://www.jsurvey.jp/k-academy20230317.pdf (東京都文京区)
 https://www.jsurvey.jp/k-touhoku20230317.pdf (仙台・WEB)
 https://www.jsurvey.jp/k-kansai20230317.pdf (大阪・WEB)

◇転職・退職・死亡等により、氏名・所属・連絡先(メールアドレス)の変更が生じた
 SPの会会員の方へ。
 変更後の内容をご本人または関係者の方から日本測量協会にお知らせください。
 SPの会MM誌の配信やお知らせ等の連絡に支障が出ないようお願いいたします。

 届け出様式は以下の場所にあります。
 https://www.jsurvey.jp/gissv/youshiki.htm
 様式2 空間情報総括監理技術者 登録事項変更届出

 メールまたはFAXまたは郵送でお知らせください。
 連絡先は以下の通りです。
 メール:geoinfor@jsurvey.jp
 FAX : 03-5684-3366
 〒112-0002 東京都文京区小石川1-5-1 パークコート文京小石川 ザ タワー 5 階
 公益社団法人日本測量協会 測量継続教育センター 測量技術教育部 宛

◇空間情報技術事例報告集の報告文募集
☆応募締め切り:随時(投稿報告文が到着次第、速やかに査読)
☆掲載可となれば、日本測量協会ホームページ上の[測量情報館]に掲載。
 技術事例報告集では、新規性や独創性という視点とは別に、(1)創意工夫性(何らかの
 創意工夫による業務改善への貢献など)(2)実用性(実務への応用性や実際に業務等に
適用していく際の実用性など)(3)信頼性(技術事例報告の内容やその結果に対して、
信頼性や実証性など)(4)今後の展開性(空間情報技術領域の中で、他技術領域への
 新たな展開や応用の可能性、他技術との融合性や融合利用の可能性などを含めて今後
 の展開性)という視点から査読し、技術事例報告として採用致します。
 奮って、投稿ください。
 詳しくは、https://jsurvey.jp/kuukanhoukoku.pdf

■刊行案内        
*** 新刊案内 ***(※会員は10%割引でご購入いただけます)
 『女性地理空間情報コンサルに訊け!(スペーシャリストの会編)』
 (令和4年7月28日刊行)定価2,000円(税込)//会員価格1,800円(税込)
 『点群データの取得と処理(ジオメトリストの会編)』(令和4年7月28日刊行)
 定価2,300円(税込)//会員価格2,070円(税込)
 詳しくは、 https://www.jsurvey.jp/2.htm
                            (遠藤拓郎:日本測量協会)

■編集後記
 UAV(=Drone)の実利用がめざましく進んでいるニュースが日々、飛び交っています。
平和国家を標榜する日本ではタブー視されている、軍事面での利用です。
 イラク製のUAVをロシアが大量に調達して、ウクライナ国内に自爆攻撃を仕掛け、
市民を殺害しインフラ施設を破壊しています。ウクライナも負けていません、NATOから
の大量の兵器援助を受けて、むしろ優位に反撃しています。北朝鮮はUAVを挑発的に
韓国国内に飛ばし、その一部はソウル市内でも目撃されたとか。
 一方、たびたび世界世論を味方につけて「正義」を標榜する米国においても、いや
むしろ、米国の軍需産業こそがUAV兵器の最先端といえるでしょう。すでに2006年時点
で、2001年9.11テロへの報復と称して、アフガニスタンの複数のテロリスト幹部の殺
害を、米国内からの遠隔操縦のUAVで実行していました(12/29東京新聞記事より)。
 欧米人や中東人が絡むと、いつも憎しみの連鎖で殺し合いが繰り返されています。
「リベンジ」は誰かが先にやめなければ終わらない。それを声高にできるのは、この
77年間、ひとりの兵士も手を血で染めていない日本人だけなのに。ナントカ攻撃能力、
なんて言ってる場合ではありません。
 会社で初めてUAVを見たのは、2010年代前半でした。あれを見た瞬間、思ったもの
です。あぁ、これが、80年前に発明されていたら、神風特別攻撃隊の6000名を超える
若人らの命を無駄にせずに済んだものを。そう、映画「永遠の0」を観た直後でした。
 原子力も、航空機も、赤外線レーザも、GPSも、火薬も、そして測量技術全般も、
これら全て軍事力の発展とともにあったというのは、歴史的事実です。そして、
21世紀にもなって、同じ価値観でいることは、愚かなことだと悟らねばなりません。
                     (編集委員長 : 国際航業㈱ 大山容一)

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