タイトル:スペーシャリスト会報 Vol.196 | 発行日時:2023年4月14日 |
┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 2023年4月14日(金) ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.196 発行元:スペーシャリストMM事務局 https://spatialist.sakura.ne.jp/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ *ニュースラウンジ 橘菊生 *リレーエッセイ<空間連携> 竹内大輔 *新入会員のページ 櫻井由起子、清水智弘、 *空間情報関連便利グッズ/書籍の紹介等 大伴真吾 *企画委員会議事録(概要) 遠藤拓郎 *日本測量協会からのお知らせ 遠藤拓郎 *編集後記 大山容一 ■ニュースラウンジ 4月に入り新年度が始まりました。目黒川沿いの桜もだいぶ散って川面に花びらが 浮かんでいます。前々回2020年10月と前回2022年1月にコロナの状況を書かせていた だきましたが、この話題はこれが最後となるように祈りつつ現在の状況をまとめて おこうと思います。 現在は第8波が終息に向かっているようですが、2020年10月は第2波が、2022年 1月は第5波が、それぞれ終息に向かっていた時期でした。以下、かっこの中が それぞれ2020年10月と2022年1月の数字です。国内の感染状況は集計方法が 変わったことにより出なくなりました。(5,600人、6,000人)、新規感染者は 9,500人(600人弱、1,300人弱)、累計の感染者は33,500,000人程度(83,700人 程度、1,737,000人程度)、7,400人以上(1,500人以上、18,000人以上)の方が 亡くなっているという状況です。 一方、JHONS HOPKINS大学の集計よれば世界的な感染者数は6億7千6百万人強 (34百万人弱、2億9千500万人弱)となっており、680万人強(100万人以上、550万 人近く)の方が亡くなったようです。報道は相変わらず増えた減ったで終始し、 状況の分析といったものはあまり見られません。 マスクの着用に関しても3月13日からは個人の判断で、ということになり、感染症 法上の位置づけについても5月8日から2類相当から季節性インフルエンザなどと同じ 5類へ移行されることとなりました。ゴールデンウィークの1週間から10日後に 罹患者の増加傾向が無ければ本当に終息かなと考えているところです。今回の パンデミックについて詳細な分析結果が出ることを期待しています。 話は逸れますが、今話題のChatGPT(無料版)に「コロナの5類への移行の影響」 と入れてみました。回答は、「「5類」という用語がどのように使われているかに よって、コロナの移行がどのように影響するかは異なりますが、一般的には以下の ような影響が考えられます。…日本において「5類」という言葉は、新型コロナ ウイルス感染症対策のレベル分類の一つとして使われます。レベル分類は、感染 拡大の状況や医療体制の逼迫度などを考慮し、都道府県ごとに設定されています。 1類は感染症の発生していない状態、5類は医療崩壊寸前の状態を表します。」 というものでした。コロナに関する情報量はかなりあると思うのですが、このような 回答が出てくることもあるようです。 もう一件、前回、準則の記載内容、特に空中写真測量の部分が現状と乖離している ことを述べさせていただきましたが、「作業規程の準則」が一部改正され4月1日から 施行されることになりました。まだ作業規程の準則のページが更新されていないよう なので確認はできていませんが、パブリックコメントの段階では「第3編地形測量 及び写真測量」と「第4編地形測量及び写真測量(三次元点群測量)」という章立てと なり、写真測量と点群測量という区分となっています。また、電子基準点のみを既知 点とした3級基準点測量マニュアル(案)、UAV搭載型レーザスキャナを用いた 公共測量マニュアル(案)、車載写真レーザ測量システムを用いた三次元点群測量 マニュアル(案)、航空レーザ測深機を用いた公共測量マニュアル(案)が取り 込まれているようです。空中写真測量の部分では、新規撮影はデジタル航空カメラ が前提となり、フィルムカメラに関してはスキャニングによるデジタル化が残され ています。このほか、GNSS/IMUデータの処理ではTightly Coupled方式が適用できる ことになっています。4月1日から施行ですのでご注意ください。 (株式会社パスコ 橘 菊生) ○令和5年5月号の担当は、西村芳夫さんです。 ■リレーエッセイ<空間連携> 日本インシークの今西実さんよりバトンを引き継いだ、日本インシークの 竹内大輔です。普段は、下水道のストックマネジメント計画などを行っている 下水道設計が専門で、下水道一筋の技術屋です。 ぶっちゃけたこと言いますと、空間情報総括監理技術者の資格を受験するまでは、 この資格のことはみじんも知りませんでした。いざ受験するとなってみると結構 下水道で携わってきた業務が、空間情報も係わっているものだと感じました。そこ から焦って必死こいて勉強して今があるのですが・・・。 自分でもよく合格したといまだに不思議に思っています。普段の職場では、空総監 の資格者だとは思わせないほど下水道に没頭しています。「なんちゃって空総監」と 呼ばれないように、空間情報に関することについては様々な分野に視野を持ち情報や 技術を取得していき、いつの日か、空間情報と下水道が結びついた大きなプロジェク トに係りたいと思っています。 (株式会社日本インシーク 竹内 大輔) ○令和5年5月号の担当は、株式会社日本インシークの沖津実郎さんにバトンを渡します。 ■新入会員のページ この度、SP会に入会致しました、朝日航洋株式会社の櫻井由起子と申します。 河川、砂防を中心とする防災分野におけるコンサルティングに従事しています。 近年、マーケティング分野で注目される「Z世代」。生まれた時からデジタル機器や インターネットが身近で、付加価値の高いものを求める傾向があるそうです。私はと いうと「X世代」の最終年生まれとのこと。成長とともにアナログからデジタルへの 変遷を経験してきた世代です。幼少期に使っていたフィルムカメラやカセットテープ、 黒電話は、それぞれに技術革新が起こり、いまやスマートフォン1台で事足りる時代に なりました。 いま私たちの業界では、DX推進という強く激しい追い風が吹いています。三次元 データやデジタル技術を活用してインフラ分野の高度化・効率化に取組んでいきます。 また、この取組みを牽引していくのは、やはり様々な技術の変遷を目の当たりにして きた「X世代」なのではと考えています。若い世代の新しい価値観も上手く取り入れて、 地理空間情報の付加価値化に貢献してまいります。どうぞよろしくお願い致します。 (櫻井由起子:朝日航洋株式会社) この度、スペーシャリストの会(関西支部)に入会しました、ジェイアール西日本 コンサルタンツ㈱(現在、西日本旅客鉄道㈱出向中)の清水智弘と申します。これまで 空間情報総括監理技術者を取得され、かつスペーシャリストの会に入会されている方々 と一緒にお仕事をさせて頂く機会も多くあり、そんな中で憧れを持たせて頂いた諸先輩 方と一緒に活動させて頂けること大変光栄に思います。 これからは、スペーシャリストの一員として、諸先輩方とのコミュニティを形成・ 拡張させて頂きながら、時には「憧れるのを辞めて」(笑)、自身の空間情報技術を さらに磨きつつ、鉄道ひいてはインフラ分野での地理空間情報技術のさらなる利活用 促進にくわえ、新たなサービスやビジネスの創出も含め、その一助となるべく精一杯 努めて参りたいと思っておりますのでどうぞよろしくお願いいたします。 まずは、みなさまと「リアル」でお会いできることを楽しみにしております! (清水智弘:西日本旅客鉄道㈱) 〇令和5年5月号の担当は、木下 浩さん、吉安征香さん です。 ■空間情報関連便利グッズ/書籍の紹介 等 「GIS[地理情報システム]のビジネス活用がよ~くわかる本」 著者:ESRIジャパン株式会社、 発行所:株式会社秀和システム 皆さんが日頃業務の中で整備したデジタルな測量成果、空中写真、あるいは、基盤的 な地図コンテンツが、オープンデータとして提供されはじめましたが、これらがどん なふうに活用されているか知っている方は、ほとんどいないと思います。 そもそもオープンデータとは、ここに置いてあるから、出典さえ書いて もらえば自由に使ってもいいですよというもの。なので、データを作った人も、 提供する人も、そのデータがどこでどのように使われているか、知る方法が なかったりします。でも、やっぱり気になりますよね。 そういう方のために、地図データは、実はこんな分野で、こんな使われ方を しているのですよということが、とてもやさしく教えてくれるのがこの書籍です。 内容は、GISの基本的な知識から始まって、利活用分野ごとに具体的な導入・ 活用事例を実際の表示イメージを使って紹介、後半には、GISをうまく使うための ポイント、これからのGISについて述べています。豊富な内容、まとめ方、さすが GISの第一人者、ESRIジャパンさんです。 GIS初学者、既にGISに携わっている方はもちろん、コンテンツを作る方も、 この書籍を参考に、GISの可能性やいろいろなビジネス展開を考えてみては どうでしょうか。 (大伴真吾:朝日航洋株式会社) 〇令和5年5月号の担当は、岡本芳樹さんです。 ■企画委員会議事録(概要) 令和4年度 第3回「スペーシャリストの会」企画委員会(令和5年3月) 議事録(概要) 日時:令和5年3月17日(金)13:30~15:30 場所:日本測量協会 第二研修室、WEB (1) 報告事項 ① 各支部活動報告(※3月号掲載) ② 令和5年度KIT空間情報セミナーについて -コロナ禍のためWeb開催としてきたが、令和5年度は会場開催を基本に調整している。 ③ 2023年全国大会について -大会名称は「空間情報未来会議(愛称:空間情報総括監理技術者の会 全国大会)」 とし、昨年は「プレ全国大会」だったが、今年は「全国大会」という位置づけで技 術的な発表を行う。 -スケジュールは、午前中に総会と特別講演(外部講師)、午後から講演(外部講師)、 と技術的な発表「私たちの技術とその展望(仮)」を予定。 -特別講演と講演、発表者については、今後検討する。 ④ 横断的な研究会・勉強会・懇話会設立について -調査委員会で検討した結果、「DXの利活用とか最新計測技術等」、「スキル、技術 能力の継承、リスキリング」の2つを研究会(勉強会)として立ち上げ、加えて、 「次世代技術者像・若年層との交流」をテーマにした交流会を立ち上げたい。 ⑤ その他 -実務者向けUAVを主体とした複合的な利活用事例集(仮称) 事務局から2/10に執筆者と執筆者が所属する企画委員に執筆要領等をメールした。 出版は11月の全国大会を予定する。 -空間情報総括監理技術者の活用実績(2022年上期確定)について 2022年上期は704件と、安定して活用されており、2022年通期も1000件の大台が見えたと いう状況である(2018年以降1000件越え)。 -「空間情報総括監理技術者をめざす人のための技術士取得支援セミナー (模擬面接講座)」の受講者(1名)が令和4年度技術士試験に合格。 (2) 討議事項・要請事項 ① 月刊「測量」スペーシャリストの会コーナーの執筆毎号の確認(第31弾) と第32弾のテーマについて検討 ② 2023年イノベーション大会SPの会セッションについて ③ その他 -SPの会メルマガについて 現在のメルマガはテキストのみで配信しているが、GMの会のメルマガのように写真とか 掲載して配信可能か。 →システム的にはメール添付(PDF)による方法であれば対応可能である。 →今後検討する。 -技術士会の全国大会 11/17-20 愛知・中部で開催 日本技術士会中部支部から、広告協賛のお願いがあり、日本測量協会と折半して、大会 要旨集にA4 1/2サイズの広告を掲載(5万円)する。付属的効果としてパネル展示、 機材展示も可能である。 今後は、支部活動で他の団体との積極的なコラボレーションも検討していきたい。 次回の企画委員会(令和4年度第4回)は令和5年5月19日(金)開催予定。 ■日本測量協会からのお知らせ ◇令和5年度「空間情報総括監理技術者」認定試験の受験案内を日本測量協会ホーム ぺージに掲載いたしました。 詳しくは、https://www.jsurvey.jp/gissv/gissv.htm ◇イブニングセミナー 「地理空間情報分野における AI(深層学習)の応用について」 講師:李 勇鶴 氏(株式会社パスコ 経営戦略本部 総合研究所) 日程/場所:令和5年5月19日(金)/ 東京都、仙台市・大阪市・福岡市(WEB) https://www.jsurvey.jp/k-academy20230519.pdf (東京文京区) https://www.jsurvey.jp/k-touhoku20230519.pdf (仙台・WEB) https://www.jsurvey.jp/k-kansai20230519.pdf (大阪・WEB) https://www.jsurvey.jp/k-kyusyu20230519.pdf (福岡・WEB) ◇令和4年度(2022年10月~2023年9月) 会費納付のお願い 令和4年度の会費納付がお済みでない方は、会費納付にご協力ください。 未納者の方には、4月3日に事務局からメールにてご連絡差し上げております。 年間3,000円です。 既に納付手続きをされている場合はご容赦ください。 郵便局の払込取扱票が紛失したなどの理由で振り込めない方は、以下のアドレスまで メールでご連絡ください。 振込票を送付いたします(振込手数料はSPの会で負担します)。 また令和4年度の会費が納入済みかどうか確認したい場合も以下のアドレスまで メールでご連絡ください。 メール:spatialist@jsurvey.jp または、郵便局に備付けの払込取扱票をご利用いただき、以下の郵便振替口座に お振込みいただくこともできます (その場合は振込手数料はご負担ください)。 名称: スペーシャリストの会 番号: 00160-4-586527 ◇転職・退職・死亡等により、氏名・所属・連絡先(メールアドレス)の変更が生じた SPの会会員の方へ。 変更後の内容をご本人または関係者の方から日本測量協会にお知らせください。 SPの会MM誌の配信やお知らせ等の連絡に支障が出ないようお願いいたします。 届け出様式は以下の場所にあります。 https://www.jsurvey.jp/gissv/youshiki.htm 様式2 空間情報総括監理技術者 登録事項変更届出 メールまたはFAXまたは郵送でお知らせください。 連絡先は以下の通りです。 メール:geoinfor@jsurvey.jp FAX : 03-5684-3366 〒112-0002 東京都文京区小石川1-5-1 パークコート文京小石川 ザ タワー 5 階 公益社団法人日本測量協会 測量継続教育センター 測量技術教育部 宛 ◇空間情報技術事例報告集の報告文募集 ☆応募締め切り:随時(投稿報告文が到着次第、速やかに査読) ☆掲載可となれば、日本測量協会ホームページ上の[測量情報館]に掲載。 技術事例報告集では、新規性や独創性という視点とは別に、(1)創意工夫性(何らかの 創意工夫による業務改善への貢献など)(2)実用性(実務への応用性や実際に業務等に 適用していく際の実用性など)(3)信頼性(技術事例報告の内容やその結果に対して、 信頼性や実証性など)(4)今後の展開性(空間情報技術領域の中で、他技術領域への新 たな展開や応用の可能性、他技術との融合性や融合利用の可能性などを含めて今後の展 開性)という視点から査読し、技術事例報告として採用致します。奮って、投稿くださ い。 詳しくは、https://jsurvey.jp/kuukanhoukoku.pdf (遠藤拓郎:日本測量協会) ■編集後記 2011年の原発事故から12年、人々の記憶は薄れているかもしれないけれど、いつまで たっても原発は危険だ。/ いやむしろ時間が経てば経つほど危険性は増す。/ コンク リートの劣化、人為的ミスの可能性の増大、他国からのテロやミサイル攻撃の可能性 など。/ なぜこの国を運営する人たちはこれほどまでに原発に固執するのだろう。 / ロシアによるエネルギー危機を契機にヨーロッパの国々では一時的に化石燃料に 依存しながらも、持続可能エネルギーへの投資が飛躍的に伸びているというのに。 / わが国では、なぜ未完成で最も危険な発電方法を推進しようとするのか分からない。 / 発電によってうまれる放射性廃棄物の処理の仕方が未解決で増えるばかり。/ 埋め る場所もない。/ 事故の汚染水・処理水も増えるばかり。事故のリスクはこれからも 続く。/ それなのに何かいいことがあるのだろうか。/ 世界一の地震国で国民を危険に さらし、自分たちの首もしめるというのに、そこまで固執するのはなぜだろう。 3月15日付東京新聞に、音楽家の坂本龍一氏(71)が寄せたメッセージ(全文)です。 4月4日にも彼の訃報に寄せて再掲されました。素朴な庶民感覚で、今日の日本政府へ の疑問が明確に示された文章だと私は強く共感したので、ここに書き抜いてきました。 そこには、次のような事実があります。 ① 福島原発事故現場では、溶融(メルトダウン)した炉心が露出したままで手が つけられず、実は何もメドが立っていない。昨今話題の「汚染水・処理水」は ここを通ってきた地下水。元本が減らないから永遠に利息を生み続ける。 ② 使用済み核燃料の貯蔵施設がミサイル攻撃された場合の対策など、国家レベル で想定されてもいなかった。経済産業省に聞くとそれは原子力規制委員会の所掌 だと。規制委では、ミサイル攻撃なんか想定外だと。飛んで来たらお手上げだと。 ③ そんな中、40年~60年という原発施設の耐用年数が、なし崩しに延長されつつ あり、さらに、敵基地先制攻撃のできる国に変貌しようとしている。 私たちの業界も、除染事業や津波浸水域調査などで復興に貢献してきましたが、 これらが水泡に帰してしまう、いやもっと大きなリスクが、確実に高まるような 政策が、国会で議論されずに、閣議で決定され続けています。 庶民が、怒らねばなりません。 (編集委員長 : 国際航業㈱ 大山容一) ──────────────────────────────────────── All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club このメールマガジンを紹介したい方は各自の責任で転送しても結構です。 ───────────────────────────────────―──── | |
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