| タイトル：メルマガ Vol.20 | 発行日時：2008年7月15日16時8分42秒 |
| ┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 2008年7月15日 ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.20 発行元：スペーシャリストMM事務局 http://www.capnet.jp/spatial/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ INDEX ：＊ニュース・ラウンジ ＊報告記事 ＊リレーエッセイ＜空間連携＞ ＊コラム ＊空間情報関連グッヅ/Webの紹介 ＊本の紹介 ＊イベント情報 ＊国際活動 ＊ちょっと・ちょっとコーナー ＊連絡事項 ============================================================================ ■ニュース・ラウンジ 空間的思考力の育成と人材育成 先月のニュース・ラウンジでは、4月に閣議決定された「地理空間情報活用推進基本計 画」の�局瑤如⊃雄爐琉蘋�について言及されていることが取り上げられ、"「スペーシャ リストの会」の次のテーマとして早急に取り組んでいきたい"ということが瀬戸島会長よ り発信されたが、今回はその続編である。（少なくとも書き出しでは、そう思ってい る。） 基本計画の原文は、 〔４．人材の育成 地理空間情報の活用をするためには、それを担う人材を育成する必要 がある。人材育成にあたっては、"地理空間情報を整備・活用する技術を持つ人材"だけで なく、"空間的な思考を行える人材"、"地理空間情報の活用を企画できる人材"などの多様 な人材が必要となる。このため、国は、測量、ＧＩＳに関する技術及び地理空間情報の活 用方法について、資格に関する検討、講習会の実施、大学等と連携したカリキュラムの提 供及びテキストの作成等を行い、大学等や地域において地理空間情報の活用を担う人材の 育成を推進する。〕となっていて、「資格に関する検討」という項目も気になるところで はあるが、今回は続編であるので、このあたりは別の機会に委ねることとし、ここでは" 空間的な思考を行える人材"と"人材の育成"について少し考えてみたい。 空間的な思考という概念は、建築系の世界などでは古くからあるように思うが、国交省 主催の「平成19年度ＧＩＳセミナー」の中で、今井修氏（東京大学空間情報科学研究セン ター特任教授）は、空間的思考は2000年頃、アメリカの教育改革の中で"spatial thinking"という言葉で出てきたことを紹介されている。また、同氏は、「見たことや観 測したデータを対象として、それをデータに基づいて論理的に考え（空間的推論という）、 それを可視化するという一連のプロセスを空間的思考と呼ぶ」と説明されており、空間的 思考をどのようにして身につけるかなどＧＩＳを用いた思考の基本を講演されている。 一方、「現代的課題を切り拓く地理教育（平成19年9月：日本学術会議 地域研究委員 会）」と題する対外報告では、「学校教育における地域教育（地理教育を含む）」に関す る2カ年にわたる審議結果をとりまとめている。 この対外報告は、幅広い観点から地理教育に関わる課題を整理し、今後に向けた提言を 行っているが、急速に進む地理空間情報社会に対応できる地理教育やその人材育成につい ても、その重要性を指摘しており、"空間的な思考を行える人材"ということでは、「時間 的観点と空間的観点のバランスのとれた学習の推進」として提言されている。以下に、そ の一部を紹介する。 「ＧＰＳ付き携帯電話などが大量に普及すると「いつ」、「どこで」、「どういう所 で」に関する瞬時の理解は、日常生活のあらゆる面で必要となり、高度情報化社会に生き る人間の基礎的な条件になると考えられる。ＧＩＳが普及すると多種多様な情報を地図化 して考えるという日常生活のスタイルも形成され、地球上の位置に結びつけて地理的、空 間的に物事を考えることは、地球規模の課題を身近な問題として理解する上でも重要であ る。（中略）生活のあらゆる面において地理空間情報が重要になる時代が到来するゆえに、 「いつ」、「どこで」、「どういう所で」という問いかけは、生きるための必須の条件に なりつつある。（抜粋）」とされている。 このような中、「地理空間情報活用社会における空間的思考力の育成と人材育成」−米 国地理教育の実践と日本における課題−と題してのシンポジウム（主催：日本学術会議な ど）が、今月27日（日）：奈良会場、28日（月）：東京会場で開催される。国内からは、 秋山元秀氏、岡部篤行氏、今井修氏、岡本耕平氏、戸所隆氏、滝澤由美子氏、山口幸男氏、 碓井照子氏、湯田ミノリ氏の出席が予定されている。 国は、大学等や地域において地理空間情報の活用を担う人材の育成を推進するとしてい るが、それを牽引していく人材の育成も急務と考える。 スペーシャリストの会は、地理空間情報コンサルタントとして、そのような人材育成に おいても中心的な役割を担っていくことが期待されているが、このシンポジウムも、我々 自身の空間的な思考（力）を磨くには、良い機会ではないだろうか。 ＊参加費無料、事前申し込み不要、誰でもＯＫ。詳しくは、下記のＵＲＬにアクセスして 下さい。時間の許す方は、是非とも参加してみませんか。 <http://www.scj.go.jp/ja/event/pdf/54-s-1-3.pdf> （林義政：スペーシャリストの会副会長） ＜編集委員会よりお知らせ＞ ８月号は住田さんです。 ■報告記事 ＜ 企画委員会 ＞ 企画委員会は開催されませんでした。 ■リレーエッセイ ランドソリューション株式会社の木下牧です。 空間情報総括監理技術者の資格を取得後、建設関連業界から不動産関連業界（土壌汚染 関係）に転職しました。今回は、新しい会社での空間情報の活用について少しお話します。 現在、土壌汚染業界で「フェーズ�機廚噺討个譴訥敢困鮗損椶靴討い泙后�「フェーズ �機彡敢困箸牢蔽韻妨世Δ函△△訶效呂僚衢�者や使用履歴を登記簿謄本や過去地図等から 調べて、その土地の土壌汚染リスクの有無について評価するものです。 過去に有害物質 を利用していた可能性のある工場等があれば土壌汚染リスク有、なければ土壌汚染リスク 無といった評価です。 この調査で最も時間を要する作業が、過去の地図等に対象地を囲むことです。過去の地 図は、一番古い明治期の地形図から最新の住宅地図、空中写真を10年代程度、他には地質 図、用途地域図、標高区分図等を収集して加工します。 過去の地図から調査対象地を探 すのは非常に大変です。まさにGISを活用すべき調査です。 しかし、これまでは、年間1,000件の案件（1,000×13＝13,000の図面）についてGISを利 用することなく図面を作成していたようです。現在は地図データ等を整備して、GISを活 用しています。 何が言いたいかと言うと、GIS等の空間情報の活用は、まだまだ、世の中に浸透してい ないのだと感じたということです。言い換えると、空間情報系の技術者は、建設関連以外 でも十分活躍する可能性があると感じました。 業界は変わりましたが、私もスペーシャリストの会の一員として、空間情報の普及に微 力ながら努めます。 今後もよろしくお願いします。 次回は、国際航業（株）の島田さんにお願いし、快諾を得ています。 （木下牧：ランドソリューション�蝓� ■コラム MM開始時に設定されていた執筆順番を再度掲載しておきます。これまでに執筆を忘れて いた方からの投稿も受け付けております。2007年12月号より平成１９年度入会者について も担当を決めております。 ●執筆順番 2007年1月号 神原（五星） 2月号 瀬戸島（国際）、住田（アジア） 3月号 高（朝日）、望月（パスコ） 4月号 津留(朝日)、土方(国際) 5月号 池田(アジア)、林（パスコ） 6月号 赤松(国際)、秋山(朝日) 7月号 内田(アジア)、大石(国際) 8月号 大友(国際)、北原(地域みらい) 9月号 木下(ランド)、楠(パスコ) 10月号 東田(国際)、沼田(アジア) 11月号 野村(国際) 12月号 福田(朝日)、村木(イメージワン)、早川（帝国）、畠(アジア) 2008年1月号 横山(大成ジオ)、渡辺(アジア)、鈴木（中日本） 2月号 与(パスコ)、及川(国際)、白井（国際） 3月号 大谷(国際)、大橋(パスコ) 、伊藤鋭二（パスコ） 4月号 大山容一(国際)、岡本(パスコ)、岩切（パスコ） 5月号 川口剛(パスコ）、黒台昌弘(ハザマ)、岩波英行（国際） 6月号 佐々木(パスコ)、品澤(パスコ)、大堂（アジア） 7月号 菅原(パスコ)、高木(国際)、小川（アジア） 8月号 高岸(パスコ)、田中(日本大学)、織田（アジア） 9月号 筒井(パスコ)、長谷川(国際)、垣内（パスコ） 10月号 畠山(国際)、廣瀬(国際)、菊池（パスコ） 11月号 三浦(パスコ)、三島(パスコ)、北原（アジア） 12月号 南澤(パスコ)、森田(パスコ)、斉藤（アジア） 2009年1月号 島田（国際）、外山（中日本） 2月号 中野（アジア）、中本（パスコ） 3月号 藤井（アジア）、安野（アジア） 4月号 山田（パスコ）、渡邉（パスコ） ■コラム ＜本当に官から民へ、国内から海外なのか＞ 先日、行政アウトソーシングに関する講習会に参加した。行政の仕組み・地方公共団体 の業務組織等を民間企業の技術者が学び、提案内容／コンサルティング強化に活かしてい くという目的の下に開催された。しかし、私は地方公共団体の運営に関わるコストと収支 バランスを明らかにし、何にどれくらいのコストがかかっているかを民間企業並みに把握 することで、これからの世に向けて戦略的な事業を打ち出し、同時に説明責任を果たして いこうとする試み自体に興味を抱いた。 急速に進展する少子高齢化の中で、社会資本にかけられる予算は厳しさを増している。 既往市場パイが縮小する中で、大手通し、中央と地方のシェアの奪い合いに一喜一憂する だけでは閉塞感が募り、明るい未来が見えてこない。 そこで、企業は足元を固めつつも民間／海外進出という流れを加速させていくことは自 然の流れであろう。しかしながら、国内の官公庁においても、まだまだ我々が活躍できる 場を創出していけるのではないだろうか。マスメディアを偏った報道に終始させることな く大いに活用していきながら、住民に理解され、すんなり受け入れらるような生活感のあ る説明資料が作れるよう、空間情報を視覚的に、かつ、新たな視点で活用していくことを 自問自答している昨今である。 （高木 久：国際航業） ■コラム ＜防災・減災のためのアナログ力＞ 私は過去に２度の大きな地震に遭遇しています。1978年宮城県沖地震、高校の学校帰り でした。グラリと来た瞬間、憧れていた女学生は親友に抱きつき、私の恋は終わりました。 二つ目は1982年の日本海中部地震、地球物理学の講義中でした。秋田大学教授であった乗 富先生は懐中時計を取り出し、揺れ時間から震源地を推定されておりました。研究者とし ての姿勢に感銘を受け、いつかは先生みたいになりたいものだと思いました。2008年6月 に発生した岩手宮城内陸地震は大きな地震として三つ目になります。我が家で最も高価な 液晶テレビが倒れないよう必死に押えていましたが、「私よりテレビが大事なのね」との 女房の一言で我に返りました。 今回の地震において空間情報技術が活躍しました。レーザー計測による被災地の高精度 地形解析、ＧＰＳ測量による地表変動解析、衛星による土砂ダム分布の把握など、減災・ 防災の取り組みに空間情報技術の高い有効性が証明されたと思います。 「今回の地震は予期せぬものだった」と言われております。しかしながら多少なりとも 地質学・地球物理学の知識があれば、奥羽脊梁山地の成り立ちからみて今回の地震発生は なんら不思議なことではないと思います。新しい地震断層が形成されたかもしれません。 あるいは豪雪地帯の厳しい風化浸食により活断層の痕跡が消え失せたかもしれません。 我が社では７月に新入社員が配属になりました。希望に胸を膨らませ空間情報技術の習 得に励むことでしょう。しかしながら空間情報技術を防災に真に生かすためには、地形の 成り立ちを洞察する力、地形地質から災害形態を想像する力など、いわゆるアナログ力を 併せ持つことが重要だと思います。いま必要なことはアナログ力の技術継承に向けた我々 中年技術者の頑張りではないでしょうか。 （菅原和宏：パスコ） ■コラム ＜私の砂防計測−計測はすべての基本！−＞ 1977年8月7日9時12分ころ、約30年間静穏を保っていた北海道の有珠山が突如大爆発し た。私が大学2年生の時だったと思う。有珠山が噴火して、山々は灰色一色になり、樹木 が弓なりになって倒れ、斜面には縦縞の細かい溝が幾筋もできた。あの荒れ果てた光景が 今でも私の目の裏に強烈に焼きついている。 その年、私は農学部林学科に移行し砂防研究室の先輩たちに指導されながら「ポール横 断」なる方法を覚えさせられた。荒廃した渓流の河道断面を50mピッチで何本も計測し、 周りに堆積している石礫の大きさもこまめに測ると同時に、段丘上に残った樹木の高さや 直径を調べて、さらにその木を鋸で根元から切って年輪数まで数えた記憶がある。それら の情報は先輩の持つ野帳の中に数字となって納まると同時に、渓流スケッチとしてまるで 空から見たように渓流のすべてが整然と描かれていた。そんな作業を雨が降るごとにやら されていたような気がする。いつの日か自分も調査のやり方を覚えるようになり、火山で 荒廃した渓流の土砂の動きが頭の中で描けるようになった。あの時のあの野帳は今はどこ にあるのだろうか。 しばらくして私は先輩たちと一緒になって有珠山でどのように森林が形成されてきたか について、どう調査し、どう計測したら良いかを連日話し合うようになり、その結果プラ スチックのたらいを10個河口周辺に置いてそこに水を張って、毎週水の中に入った植物の タネを調べようということになった。何人かでたらいを背中に担いで灰だらけの斜面をよ じ登り、たらいが飛ばされないように地面に埋め込んで水を張り、翌週から毎週有珠山通 いが始まった（確か毎週月曜日に行っていたような気がする）。調査はたらいの中に入っ ている種子を採取し、すべてを持ち帰って種子の同定をし、数を数えて重さを測って表に 整理した。種子についてはきちんと写真を撮り乾燥させてサンプル瓶にストックした。同 定に自信のない種子は研究室のプランターに蒔いて発芽させて確認したような気がする。 毎週有珠山に行くたびに体験できる新しい発見の喜びを今でも私は忘れない。 あれから30年。これまで私はいろいろなものを砂防の場面で測ってきた。そして、測っ た結果から土砂の移動や森林の形成過程を類推し、それら自然現象から人々の暮らしを守 るためにはどうしたらよいかを考え、具体的な対策施設を計画しデザインし、さらにはコ ンピュータまで使って災害の予測や情報の蓄積・伝達システムを作り上げてきた。だから、 私にとって計測は砂防の原点なのである。とくに、何をどのように、なぜ測るかというこ とを考えることは最も重要なことである。測ることによって何がわかるのか。つまり、自 分の課題に対する仮説を証明するためには何をどのようにして測るべきかを、しっかりと した考えを整理した上で実施することに大きな意味がある。 今、私は土砂災害から人々の暮らしをどう守っていくかについて様々な場面のもとで行 動しているが、頭の中での発想は常に時空を越えてわいてきているような気がする。時間 的空間的に自分の知りたいことを頭の中に描いて、その現象スケールに対応した計測手法 をイメージした上で具体化する毎日である。これも長年の訓練の賜物だと思っているが、 やはり若いときに見た荒れ果てた山の姿の強烈さに呆然とした体験であり、先輩をはじめ とした私の周りの人たちから様々な計測手法を教えていただいたおかげだったと思う。私 の砂防はまさに計測がすべての基本なのである。 （小川紀一朗：アジア航測） ■空間情報関連便利グッヅ / Web & Blogの紹介 今月は特にありません。 ■本の紹介 今月は特にありません。 ■測量協会イベント情報のお知らせ ◎セミナー ・・ CPD対象セミナー �．機璽戰ぅ▲�デミー「地理空間情報イブニング・セミナー(第4回)」 日程 平成20年7月24日(木) 16時〜17時30分 講師 古橋大地氏 東京大学空間情報科学研究センター 演題 「グーグルアースとその利用の最前線」 内容 グーグルアース/マップの登場以降、急速に普及がすすむＫＭＬ形式データ。 2008年４月にはついにＯＧＣでの標準データ認定が行われ、名実ともに地理空 間情報のスタンダードとしてブレークする段階にきました。そのＫＭＬデータ の活用テクニックを中心に最新情報を交えてご紹介します。 �▲機璽戰ぅ▲�デミー「地理空間情報イブニング・セミナー(第5回)」17時より 講師 村井俊治、東京大学名誉教授 日時 平成20年9月25日（木）17時〜18時30分 演題 「高分解能衛星画像からの地図作成とその精度」 内容 一般に2.5mより高い分解能の衛星画像を高分解能衛星画像（HRSI）と呼んでい る。日本が打ち上げたALOS PRISMもHRSIの一つである。ALOSは、2万5千分の1 の地形図が出来るという"触れ込み"で打ち上げられた。国際的にも国内的にも、 果たしてALOSから2万5千分の１の地図が出来るか否かが議論され、話題になっ た。スイスのアーミン･グリュン教授と一緒にPIとして検証研究に取り組んだ 研究成果の「裏情報」を交えて真相に迫る。 参加費 � Ν�共 会員(特別会員含む)は無料 非会員は2,000円 会場 � Ν�共 (社)日本測量協会 研修室(文京区小石川) 問合先は サーベイアカデミー事務局 03-5684-3360 （廿楽：測量協会） ■出版物 ・・ 新刊図書 ●「実務向け地理空間情報の流通と利用」(6月10日刊行) 村井俊治 監修 スペーシャリストの会 企画編集 定価 2,500円 会員価格 2,250円 ●「公共測量 作業規程の準則」(6月10日刊行) 定価4,000円 会員価格3,600円 ● 測量関係法令集(5月30日刊行) 定価3,900円 会員価格3,510円 （廿楽:測量協会） ■国際活動 第７話 国際活動第7話 アーミン夫妻を桜見へ案内 このコラムで何度も出てきたスイスの連邦工科大学（ETH）のアーミン・グリュン先生 が、今年4月中旬に奥さんを連れて来日すると連絡を受けた。奥さんのグードルンは、腰 が悪くて手術をしたのだが、飛行機などの長旅はできなかった。同じような話があるたび、 断念してきた。私の家内の妙子は、夫妻をよく知っているので、来日できたら、案内を買 って出たいという｡アーミンは、夫婦共々桜見物と温泉の両方が楽しめる1泊旅行をしたい という。 来日は4月13日だから、次の日は時差などの調整に休養をとってもらい、15日、16日を1 泊旅行にした｡17日は、パスコで、講演が予定され、その日の夕方は藤野千和子さんの還 暦退職パーテイに出る予定が組まれた。4月中旬は、すでに東京圏内の桜は散っているか ら、桜見物には、東北地方に行かなければならない。桜は、一日暖かい日があると、急に 開花するので、4月初めに、インターネットを見ても正確にはあてにならない。そうかと 言って、ホテルや旅館の予約や交通手段を段取りしなければならない。問題はどこに桜を 見に行くかである。 どうやら三春の滝桜は早すぎるらしい。郡山、福島あたりが見所らしく、そのあたりで 温泉がないか、調べたり、旅行会社に聞いたりした。結局、磐梯熱海の温泉に宿泊して、 郡山と会津若松で桜見をする計画を立てた。 心配したグードルンは、初めての日本にやってきた。旅行前日の14日は、夫婦で浅草見 物をしたという。15日は、ドームホテルに、夫婦をピックアップして、新幹線で郡山に行 った。1時間強で着くからありがたい。グードルンは、駅に降りた途端に脚がうまく動か ない。しばらく休憩してから歩き出し、ほっとする｡予定は、全くフリーにしている。ま ずアーミンはラーメンを食べたいという。アーミンのラーメン好きは知っていたので、郡 山駅付近のラーメン屋を調べていた。カウンターに座り、味噌ラーメンを注文。目の前で 料理するので、グードルンは興味津々。タクシーで開成山公園に行き、桜見物、満開でラ ッキー。おまけに快晴でとても暖か。私の動物的勘はまだ健在。高校生の生徒達が英語会 話に声をかけてくれ、一緒に写真撮影。大きな公園を一周して、二人とも満足の様子。 ローカル電車で磐梯熱海駅に行き、ホテル「華の湯」に投宿。グードルンはタタミの部屋 が初めてで、珍しそう。風呂好きのアーミンと15の湯に全部入る。 翌日ローカル線で会津若松へ。鶴ヶ城は、みごとな桜だった。石垣とお壕に垂れ下がる 桜は日本の美そのもの。写真好きのアーミンは何枚写真を撮ったことか。グードルンの体 調に合わせて帰りの新幹線以外はすべてフリー。郡山も会津若松も我々夫婦は行ったこと はないから、ぶっつけ本番だった。この日も快晴で暖かな絶好な日。桜と温泉の旅は成 功！外国人に、日本の良さを知ってもらった。 (村井俊治 2008.5.5) ■ちょっと・ちょっとコーナー 今月は特にありません。 ■スペーシャリストの会 連絡事項 「地理空間情報活用社会における空間的思考力の育成と人材育成」−米国地理教育の実践 と日本における課題−と題してのシンポジウム（主催：日本学術会議など） 7月27日（日）：奈良会場、28日（月）：東京会場で開催される。国内からは、秋山元秀 氏、岡部篤行氏、今井修氏、岡本耕平氏、戸所隆氏、滝澤由美子氏、山口幸男氏、碓井照 子氏、湯田ミノリ氏の出席が予定されている。 国は、大学等や地域において地理空間情報の活用を担う人材の育成を推進するとしてい るが、それを牽引していく人材の育成も急務と考える。 スペーシャリストの会は、地理空間情報コンサルタントとして、そのような人材育成にお いても中心的な役割を担っていくことが期待されているが、このシンポジウムも、我々自 身の空間的な思考（力）を磨くには、良い機会ではないだろうか。 ＊参加費無料、事前申し込み不要、誰でもＯＫ。詳しくは、下記のＵＲＬにアクセスして 下さい。時間の許す方は、是非とも参加してみませんか。 <http://www.scj.go.jp/ja/event/pdf/54-s-1-3.pdf> （林義政：パスコ） ■編集後記 ミャンマー大水害、中国四川の大地震に続き、国内でも岩手・宮城内陸地震が発生。 未だに不明の方々が一刻も早く発見されることをお祈りしております。ところで、荒砥沢 ダム上流部の巨大な地滑りをみるにつけ人の力の無力さ、自然の偉大さを感じないわけに はいきません。 （編集委員長） ──────────────────────────────────────── All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club このメールマガジンを紹介したい方は各自の責任で転送しても結構です。 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