スペーシャリスト メールマガジン バックナンバー

タイトル:スペーシャリスト会報 Vol.201 発行日時:2023年9月13日

┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
2023年9月13日(水)
◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇  vol.201
                    発行元:スペーシャリストMM事務局
                    https://spatialist.sakura.ne.jp/

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*ニュースラウンジ              大伴真吾
*リレーエッセイ<空間連携>         田原修一
*空間情報関連/書籍紹介           橘菊生
*各支部活動報告               各支部支部長
*日本測量協会からのお知らせ         遠藤拓郎
*編集後記                  大山容一

■ニュースラウンジ
 前号に続きインパクト絶大な生成系AIの話題です。
 プレゼンやレポートをMicrosoft PowerPointなどを使って作成する際に、画像や
イラストを使用する画面が多いと思います。インターネット上でフリーで使える素
材を探しても「これじゃない」ということが多くないですか?
 このような場面で活躍するのが画像生成系AIです。
 手軽に使えるものはたくさんありますが、中でも作成してほしい画像のイメージ
を日本語で入力できるMicrosoft Image Creatorがお奨めです。このサービスは
WebブラウザEdge上で動作するもので、Microsoftのアカウントが必要になりますが、
用意するものはこれだけです。Edgeを起動、Image Creatorとキーワード検索、サイ
トに移動し、ここで作ってほしいイメージを文章で記述、作成ボタンをクリックす
ると画像を作ってくれます。
 試しに「測量士が活躍している場面」と入力、作成してもらうと、ヘルメットをか
ぶった男性と女性がそれぞれ測量機材を使って作業している写真画像を4枚返してく
れました。ちなみにこの場合、人物が外国の方の写真だったので「日本の測量士...」
と指示したところ、人も背景も日本のシーンになりました。
 作成指示文の最後に、「イラストで」とすると、なかなか楽しいイラストを作成
して返してくれました。
 どのような画像が作成されたのかが気になる方は、ぜひご自身でお試しください。
なお、生成された画像は、それぞれのサービスごとにライセンスが設定されていま
すので、それに従って再利用してください。
 今回は画像生成系AIを紹介しましたが、いずれにしても生成系AIは使う人の使い方
が重要であることをお忘れないように。
(実はこの原稿を全部ChatGPTに書かせようとしていた大伴真吾 朝日航洋株式会社)

〇令和5年10月号の担当は、廣野貴一さんです。

■リレーエッセイ<空間連携>
 パスコの青山さんよりバトンを引き継ぎましたパスコの田原と申します。早いもの
で、来月、私が空総監に合格してから初めての資格更新を迎えます。合格した時には
何も考えておりませんでしたが、この5年間で私の人生は大きく変わりました。
1.今までと異なる業務
 私は、これまで下水道の設計等の業務しか担当していなかったのですが、合格後は
下水道設計以外の業務を担当することが増えました。私にとっては下水道の設計以外
の業務は全く未知の領域で不安でした。しかし、周りの方々に支えられて勉強させて
いただき、異なる技術分野での交流ができてよい経験が出来たと思いました。
2.初の一人暮らし
 空総監に合格してから「ジョブローテーション」なる言葉が流行始めました。私に
は関係ないキーワードと思っていましたが、東京から大阪への転勤の辞令がありま
した。私は50年間実家暮らし(結婚後は二世帯)で、一人暮らしはしたことが無く
不安でした。しかし、大阪で初の一人暮らしをしてみると中々快適な生活でした。
3.人生初の入院
 大阪で2年目の春を迎えるころ両手足が思うように動かせなくなってきました。原
因は頸椎椎間板ヘルニア(首のヘルニア)でした。人生初の入院生活で不安でした。
 しかし入院してみれば栄養管理された病院食も意外に美味しく、早寝早起きの規
則正しい生活のお陰で体重、血圧、血糖値などが正常値になり、完全な健康体で退
院できました。
4.二度目の転勤
 頸椎椎間板ヘルニアで手術前に自宅療養中に上司から一本の電話。それが名古屋
への異動の辞令でした。この原稿を書いている8月22日現在、まだリハビリ中で名
古屋には赴任しておりません。

 名古屋にはほぼ知っている人がいないため不安です…。しかし、これまでもいく
つも不安がありましたが、結局、経験してみる楽しい、良い経験ばかりでした。
そんな気持ちで、これからの名古屋の生活も楽しんでいきたいと思います。
                      (田原修一 : 株式会社パスコ)
 
〇これから空総監の更新をして、令和5年10月号のご担当の
 アジア航測株式会社 宮本藍介さんにバトンを渡します。

■空間情報関連便利グッズ/書籍の紹介 等

書籍名:「偽情報と独裁者: SNS時代の危機に立ち向かう」
著 者:マリア・レッサ
訳 者:竹田 円
発行所:河出書房新社
発刊日:2023年4月26日
定 価:2,420円

 著者は1963年10月、フィリピンのマニラ首都圏パサイ市生まれのジャーナリストの
女性。2021年にロシアのジャーナリスト、ドミトリー・ムラトフとともにノーベル平
和賞を受賞しています。本文には、このノーベル賞授賞式から三か月も経たないうち
にロシアがウクライナを侵略し、2014年にクリミア半島に侵攻し併合したという記述
があります。実は、ロシアによるウクライナ戦争の情報戦のような内容が書かれてい
ると思って購入した書籍でしたが、この件に関する話題はありませんでした。
 内容に戻ります。本書は3部構成で、第一部が1963年~2004年、第二部が2005年~
2017年、第三部が2018年~現在という構成になっています。第一部は生い立ちなどが
中心で、アメリカに移住しプリンストン大学に入学し、演劇などに傾倒していた時期、
第二部ではプリンストン大学卒というキャリア?を捨ててフィリピンに帰国し、CNN
に就職し、ラップラーというオンラインニュースウェブサイトを立ち上げていく過程
が中心です。ラップラーでは、様々なニュースや統計分析データを提供し、この活動
は社会に称賛されます。しかしながらロドリゴ・ドゥテルテ大統領の汚職と不正を暴
いたことにより次第に弾圧を受けるようになり、さらに第三部では当初非常に期待し
ていたフェースブックとの相乗効果のようなものが実は虚像であり、実際にはフェー
スブックが世界中の大衆操作の基盤になっていることが明らかになっていく…とい
う展開となります。
 最後にこのような事態に対し、民主主義政府、欧州連合、国連に対し、第三者機関
による人権影響評価の実行と公表、データ保護法による市民のプライバシー権の保護、
偽情報のアップストリームを遮断することでメディアの自由を保護すること、ジャー
ナリストの安全に重点的に取り組む国連事務総長特使を創設することなどを要求して
います。
 もはや何が本当で何がフェークニュースなのか判断するすべがないような状況で、
できることは、とにかく出ている話を鵜のみにしないということ、あとは情報元への
制限の制度化しかないのかと考えさせられました。
                      (橘 菊生:株式会社パスコ)

〇令和5年10月号の担当は、早川和夫さんです。

■各支部活動報告 
■北陸支部
【活動報告】
〇第3回定例会議
 ・日 時:令和5年7月19日(水)14:00~15:00
 ・場 所:測量協会北陸支部(富山)+Web併用
 ・参加者:6名
 ・主な議題
   1)SP会北陸支部の活動についての意見交換
【活動予定】
〇第4回定例会議、第1回総会
 ・日 時:令和5年10月27日(水)13:30~15:00
 ・場 所:石川県地場産業振興センター(金沢)+Web併用
 ・主な議題
   1) 総会
   2)SP会北陸支部の活動についての意見交換
〇G空間ほっとセミナー(SP会中部支部との共催)
 ・日 時:令和5年10月27日(金)15:30~18:00
 ・場 所:石川県地場産業振興センター(金沢)+Web併用
                  (山下智 北陸支部長:パスコ)

■東京支部
【活動報告】
 幹事会開催
 日時:7月5日16:00-17:00
 場所:国際航業㈱本社会議室(新宿)
 議題:SP全国大会準備状況、本部・支部横断型研究会の検討状況、について情報共有
【活動予定】
 幹事会
 日時:10月13日 16:00-17:00
 場所:朝日航洋㈱本社会議室(川越)
                 (住田英二 東京支部長:(公社)日本測量協会)

■関西支部
【催し等開催結果】
1. 第35回スペーシャリストの会関西支部幹事会
  日時:8月18日(金) 16:00~17:30
場所:(株)パスコ 大会議室
議事項目:①前回議事録確認(第34回幹事会)
②企画委員会報告について(令和4年度第5回)
③部会活動報告および予定について 
④横断的な研究会・懇談会の関西支部推薦者
⑤その他
【今後の会議・催し等】
1. 第10回関西支部総会
  日時:10/26(木) 13:30~14:30
  場所:(株)パスコ 大会議室
2.第26回スペースサロン@Kansai
  日時:10/26(木) 15:00~17:00
場所:(株)パスコ 会議室
演題:3次元測量データの作成方法と設計への活用方策
講演者:内部講師3名「かんこう 遠藤氏、黒澤氏」「日本インシーク 今西氏」
                 (河野哲也 関西支部長:(株)パスコ)

■中部支部
【活動報告】
1. 第73回 定例会議の開催
 ○ 日 時:令和5年8月25日(金) 16:00~17:30
 ○ 場 所:日本工営都市空間株式会社+オンライン
○ 対面出席: 9名
○ WEB出席:7名
【活動予定】
1. 現地見学会について(9/8・9/9予定)
1 参加者少数のため中止
2. 第19回G空間ほっとセミナー
1 日時:2023年10月27日  時間 15:30~18:00
2 会場:中統ホール
3 SP会北陸支部と共催
3. 次回の定例会議(第74回定例会議)の予定
○ 日 時:令和5年10月27日(金) 14:00~15:00
○ 場 所:中統ホール+オンライン
           (安藤港増 中部支部長:CSGコンサルタント株式会社)

■東北支部
【活動報告】
◆7月12日
・日本測量協会東北支部 令和5年度支部業務報告会・講演会・懇親会
 会場:仙台ガーデンパレス
 SP会東北支部長出席
◆7月14日
・公開講座「イブニングセミナー」
 会場:日本測量協会東北支部会議室 SP会東北支部会員複数名参加
・SP会・GM会東北支部幹事会(東北支部空間情報活用講演会準備)
 会場:日本測量協会東北支部会議室
【活動予定】
◆9月5日
・公開講座「イブニングセミナー」
 会場:日本測量協会東北支部会議室 SP会東北支部会員複数名参加
・SP会・GM会東北支部幹事会(東北支部空間情報活用講演会準備)
 会場:日本測量協会東北支部会議室
◆9月15日
・「2023年度スペーシャリストの会東北支部空間情報活用講演会」開催
 会場:宮城県建設産業会館
 時間:13:00~17:00
 定員:100名
 基調講演:関西大学特任教授 山口則一氏
 特別講演:国土地理院東北地方測量部長 越智久己一氏
 会員会社講演:アジア航測、パスコ、国際航業、ナカノアイシステム      
(千葉一博 東北支部長:アジア航測)

■中国・四国支部
【活動報告】
1.SP会中四国支部講演会が無事に終了しました。
 日 時:令和5年8月3日(木)14時~17時
 会 場:広島工業大学 広島校舎
 定 員:60人     
 出席者:45人
【活動予定】
1.地理空間情報イブニング・セミナー(Webセミナー)
令和5年9月5日(水)16時~17時30分 参加
           (岡本良徳 中国・四国支部長:復建調査設計株式会社)

■九州支部
【活動報告】
・令和5 年8月23日(水) 幹事会
・「知っとーとセミナーin 九州~実践!3次元計測の基礎」開催
  無料講習会 9時30分~17時(座学、実地、実習)22名参加
  知っとーとセミナーは、天候の影響でスケジュールを変更したにもかかわらず、受講
  生にとって有益な情報共有ができる場となりました。
  今回の問題点、課題を整理した上で、次年度に向けたブラッシュアップしていきたい
  と考えています。
【活動予定】
・令和5年度講習会計画継続中
 ①「知っとーとセミナーin 九州(第10 回)」11月28日(火)14:30-16:40
 ②アドバンスセミナー((鹿児島:10月26日(木)) 古川講師
 ③次回幹事会 10月31日 
             (鵜飼尚弘:九州支部長:快適空間FC)


■日本測量協会からのお知らせ
◇「空間情報未来会議(スペーシャリストの会全国大会)」のご案内
日時:2023年11月9日(木)09:30~17:10(予定)  
  受講方法: 会場集合型(東京ほか全国9会場)、東京(メイン会場)から
  各会場にWeb配信します。
  ※要事前申し込み(SPの会会員先行受付中「メルマガ特別号(9月4日)」)
プログラム
 ◆ 9:30~10:45 令和5年度SPの会総会
  10:50~11:00 趣旨説明
 ◆11:00~12:00
  講演①:「金沢工業大学における教育・研究の振り返りと国際高専での挑戦」
       鹿田 正昭氏(金沢工業大学 前副学長、国際高等専門学校校長)
  13:00~14:00  
  講演②:「Beyond XAI:人と共に進化するAI」
       藤吉 弘亘氏(中部大学理工学部AIロボティクス学科 教授)
 ◆14:10~17:10
  SPの会発表「私たちの技術とその展望」
14:10~14:40 「空間情報とデータ駆動型社会の関係」村木広和氏(国際航業)
14:40~15:10 「地図と空間情報(仮)」廣瀬典和氏(ヤフー)
15:10~15:40 「ALBの今後の展開」大鋸朋生氏(アジア航測)
15:50~16:20 「文化財(建造物)への空間情報技術のこれから」
          西村正三(計測リサーチコンサルタント)
  16:20~16:50 「デジタルツイン、3D都市モデルの今後の展望(仮)」
                             岩崎秀司(パスコ)

◇イブニングセミナー
「AUVを用いた水ソリューションサービスの提供」
 講師:大本 茂之氏(株式会社エイト日本技術開発 技術本部 EJ イノベーション
   技術センターデータサイエンスグループ リーダー)
 日程/場所:令和5年11月30日(木)/岡山から配信、東京都・仙台市・大阪市(WEB)
 https://www.jsurvey.jp/k-academy20231130.pdf (東京文京区・WEB)
 https://www.jsurvey.jp/k-touhoku20231130.pdf (仙台・WEB)
 https://www.jsurvey.jp/k-kansai20231130.pdf (大阪・WEB)
 
◇転職・退職・死亡等により、氏名・所属・連絡先(メールアドレス)の変更が生じた
 SPの会会員の方へ。
 変更後の内容をご本人または関係者の方から日本測量協会にお知らせください。
 SPの会MM誌の配信やお知らせ等の連絡に支障が出ないようお願いいたします。

 届け出様式は以下の場所にあります。
 https://www.jsurvey.jp/gissv/youshiki.htm
 様式2 空間情報総括監理技術者 登録事項変更届出

 メールまたはFAXまたは郵送でお知らせください。
 連絡先は以下の通りです。
 メール:geoinfor@jsurvey.jp
 FAX : 03-5684-3366
 〒112-0002 東京都文京区小石川1-5-1 パークコート文京小石川 ザ タワー 5 階
 公益社団法人日本測量協会 測量継続教育センター 測量技術教育部 宛

◇空間情報技術事例報告集の報告文募集
☆応募締め切り:随時(投稿報告文が到着次第、速やかに査読)
☆掲載可となれば、日本測量協会ホームページ上の[測量情報館]に掲載。
 技術事例報告集では、新規性や独創性という視点とは別に、(1)創意工夫性(何らかの
 創意工夫による業務改善への貢献など)(2)実用性(実務への応用性や実際に業務等に
適用していく際の実用性など)(3)信頼性(技術事例報告の内容やその結果に対して、
信頼性や実証性など)(4)今後の展開性(空間情報技術領域の中で、他技術領域への新
たな展開や応用の可能性、他技術との融合性や融合利用の可能性などを含めて今後の
 展開性)という視点から査読し、技術事例報告として採用致します。奮って、投稿
 ください。
 詳しくは、https://jsurvey.jp/kuukanhoukoku.pdf
                       (遠藤拓郎:日本測量協会)

■編集後記
 東中野駅前の道路沿いに「ポレポレ東中野」という小さな映画館があります。社会
問題を扱う良質の映画が観れます。今回は、「ミャンマー・ダイアリーズ」。
 2021年2月1日、軍事クーデターが発生。10年ほど続いた民政が終わりアウンサンス
ーチー氏らは拘束されます。本作品は、10人の映画作家による短編映像と、一般市民
が撮影しSNSに上げた動画をつなぎ合わせたオムニバス作品です。
 街中でのデモ・集会、それに発砲し、殴打し、殺害する。民家に押し入り、逮捕・
連行する国軍・警察。それを市民が撮影してSNSに上げる。軍政への抵抗活動として
の「市民的不服従活動(CDM)」。街中で、家々で、鍋を一斉に打ち鳴らす抵抗パ
フォーマンス。自由経済の幸福を謳歌した10年を経て、特にZ世代の若者たちにと
って軍政は耐えられず、抵抗の中心となっていきました。
 世間・世界の関心はコロナ禍とロシア-ウクライナ戦争。ミャンマーはほとんど忘
れ去られている。悪化の一途をたどる軍事政権下の恐怖を詳細に記録した作品です。
このような事実を、まず知ることが大切であることを映像が物語っています。
 2021年後半には、街中での撮影はほぼ不可能になり、幾多の市民は山岳地に逃れ、
少数民族とともに武装勢力を形成していきます。先日の新聞記事に、これら武装勢力
が国軍を圧倒する戦果を挙げていることを伝えていました。一方で、建国の歴史に深
く関わっている日本国が、ある種のだんまりを決め込んでいるのは事実です。
 こういう話題を耳にするたびに思います。私たちが作る「地図」「地理空間情報」
の成果は、紛争・戦争が起きた際、両方の陣営に貢献しているという現実があります。
自分がどちらの陣営を支持しようとも。それが「インフラ」の宿命なのかも。
                (編集委員長 : 大山容一(国際航業㈱))

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