タイトル:スペーシャリスト会報 Vol.214 | 発行日時:2024年10月16日 |
┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 2024(R6)年10月16日(水) ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.214 発行元:スペーシャリストMM事務局 https://spatialist.sakura.ne.jp ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ *ニュースラウンジ 大山容一 *リレーエッセイ<空間連携> 本間亮平 *空間情報関連/書籍紹介 橘 菊生 *企画委員会 議事録(抄) *人財育成懇談会 議事録(抄) *日本測量協会・SPの会 事務局からのお知らせ 遠藤拓郎 *編集後記 大山容一 ■ニュースラウンジ(添付あり) この夏(2024.7)、5年ぶりに運転免許を更新しました。5年もたつと社会情勢や 交通事情はさまざまに変わり、道路交通法や種々のルールが変更されています。 更新時に配布される「交通教本」では冒頭ページに「トピックス」として、この 5年間に変更されたルールがわかりやすく説明されています(添付ご参照)。前回の 更新時(2019.8)には、交差点の信号機で右折信号(→)の時はそこでUターンも 可能、となりました。中央分離帯のある幅広の道路が増え、反対車線に見つけた スタバに入りたくなった時、次の信号、Uターン禁止じゃなかったっけ、などと 迷うことも多かったので、このルール統一には感謝しています。 さて、このたびの更新で、どういうわけか免許証の色が青に変わり、講習も1時 間、ルールの変更点を十分に確認することができました。今回のトピックスをい くつか記します。 ① 妨害運転(あおり運転)に対する罰則の創設 東名高速道路で発生したあおり運転がらみの悲惨な交通死亡事故等を契機として、 一発取消し(25点・35点減点)を含む厳しい罰則が創設されました。 ② 自動運転技術の実用化に対応するための規定の整備 「自動運行装置」を使用する場合も道路交通法上の「運転」に含まれることが、 初めて明文化されました。すなわち、自動運転による事故もあなたが運転した事故 ですよ、というわけで、システムの異常だなどという言い逃れはできないというこ とです。 そして、一定条件下での自動運転を可能にする「レベル3」「レベル4」の定義が 明確化されました。構造の規格統一が進んでいる高速道路などでまずは始まるで あろう実用化に、法整備が先行している形です。 ③ 携帯電話使用等対策推進のための規定の整備 スマホ・ケイタイの「ながら運転」による事故が多発したことにより、ながら運転 で交通の危険を生じた場合に、一発免停(6点減点)になることと罰則強化されました。 ④ 「危険運転」の項目細分化と厳罰化 飲酒や薬物の影響により死傷事故を起こした場合の罰則が強化されるとともに、走 行中の車の前で停車するなどの通行妨害行為が「危険運転」に加えられました。連日、 そんな動画が報道されていた時期がありましたね。 科学技術の進歩が交通ルールにも変化をもたらす。危険な行動がエスカレートする と罰則も厳しくなる。より安全な社会に向けて、日々年々、ルールも進化している ようです。現場や業務出張で運転される方も多いと思います。5年という節目で、 自分の運転技術や安全に対する姿勢を、見直す良い機会となりました。 皆さんもどうぞ、ご安全に! ( 大山容一 : 国際航業㈱ ) 〇令和6年11月号の担当は、大伴真吾さんです。 ■リレーエッセイ<空間連携> 株式会社エイテックの木村光晴さんよりバトンを引き継いだアジア航測の本間です。 私は主に点群処理やxR関連の研究開発に取り組んでいます。 点群処理は、会社がMMSを導入した2010年あたりから本格的に取り組んでおり、こ れまで、位置合わせやフィルタリングといった処理から、道路の縁石といった特定 の地物の抽出手法を開発してきました。どのような方法で取得した点群であっても、 点群はレーザスキャナからの距離などによって密度が異なり、計測ノイズが存在し、 レーザスキャナから見て照射した物体の後方にある物体は点群として取得できない など、クセの強いデータです。それゆえに、どのような場所でも安定して処理できる 手法を開発することは難しいのですが、その難しさを解決することが開発の楽しい ところでもあります。 点群処理に関する研究開発に取り組む際は、類似した取組みに関する論文などを 参考にしますが、既往手法がそのまま利用できるケースは少なく、考えた処理を データに適用し、想定通りに動作していない部分を見つけ、その解決手段を考える、 という試行錯誤により手法を洗練させていきます。最も大事なことは、データや 処理結果を詳細に見ることと考えていますが、寝食を忘れて点群を食い入るように 見る日々を経て久しぶりに散歩すると、現実世界の情報量の多さや複雑さに感動し、 世界の美しさに幸せを感じます。 10月に入り過ごしやすい季節となってきましたので、休日は自然や都市の活気に 触れることで英気を養いたいと思います。 (本間亮平:アジア航測株式会社) 〇次回令和6年11月号の担当は、当社の山崎廣二さんにバトンをつなぎます。 ■空間情報関連便利グッズ/書籍の紹介 等 書籍名:「生と死を分ける数学」 著 者:キット・イェーツ 訳 者:冨永 星 発行所: 株式会社草思社 定 価:1,600円 皆さん、昔NASAの火星探査衛星が火星に突っ込んで爆発事件を覚えておられるでし ょうか。原因はSI(国際)単位系とアメリカの旧来の単位を取り違えたのが原因で、 数学以前の話かと思いますが、このようなエピソードにも触れられています。 全編を通して数式は出てきません。タイトルの「生と死を分ける…」というのが いささかセンセーショナルですが、直接生死にかかわるエピソードはさほど多くは ありません。法廷における数学(日本の司法制度は世界的に見ても異質だそうです。) や、臨床試験における偽の因果関係の推定、感染症から人々を守るための数学などの 話題が盛り込まれています。むろんデータの分析には当然数学が背景にあるわけ ですが、本質的なことがわかって道具を使わないと誤った結論に至ってしまうと いうのが全体を通してもメッセージのように感じられました。 帯に「感染症の蔓延から」という記載があったので、コロナの総括のようなことも 書かれているのかと思い購入しましたが、原書はコロナ流行前に刊行されており、 残念ながらコロナに関する内容はありません。 (橘 菊生:株式会社バスコ) 〇令和6年11月号の担当は、住田 英二さんです。 ■令和5年度 第6回「スペーシャリストの会」企画委員会(令和6年9月)議事録抄 日時:令和6年9月19日(木)13:30~15:50 場所:日本測量協会 第1会議室、WEB (1) 報告事項 ① 各支部活動報告(※9月号掲載) 中国・四国支部から(越智支部長) スペースポータル(SPの会中国四国支部講演会)終了後、現地視察(香川大学生の 案内による高松城下で「防災まちあるき!」)を実施した。SP会メンバーによる ユーチューブの配信。 URL:https://youtu.be/lF6fm069IBE ② 第4回人財育成懇談会議事概要(※8月号掲載) ③ 第4回最新技術動向の調査研究会議事概要(※9月号掲載) ④ その他 ・令和6年度空間情報総括監理技術者資格認定試験報告 ・令和5年度通期空総監活用物件調査 (https://spatialist.sakura.ne.jp/mailmaga/attached/job202409.pdf) 2023年度の活用物件数は、1490件と昨年までに比べて大きく増加した。 発注機関別では市区町村が多い傾向は例年と変わらず。 (2) 討議事項・要請事項 ① 月刊「測量」スペーシャリストの会コーナーの執筆毎号の確認(第34弾) 第35弾以降のテーマについて、別紙リストの中から、1人3テーマに投票する。 ② 2024年空間情報未来会議について ・後半のSPの会員発表のパネルディスカッションは7支部7名が15:20~16:50の90分間 で行う。各パネラーは持ち時間5分と短い時間となる。発表順は募集時の東北支部か らの北から順では無く、カテゴリ別に発表(測量業界系)-意見交換、 発表(人材育成系)―意見交換、発表(業務に関する)-意見交換、 最後にパネルディスカッションのまとめと今後に生かせる提言というプログラム 構成を考えている。 ・空間情報未来会議の申し込みは、既に受け付けており、まだの方は早めに 申し込んでほしい ③ その他 ・イノベーション大会プログラム委員の交代について 池田氏(アジア航測)から山田氏(アジア航測)への交代が了承された。 ・メルマガ編集担当の交代について 3年間担当して頂いた大山氏(国際航業)から近藤氏(パスコ)への 交代が了承された。 ・HP作成について 副会長の鵜飼氏を責任者として、関西支部のHP作成の実績がある関西支部加賀谷氏に 協力してもらうこととなった 次回の企画委員会は、令和6年11月20日(水)13:30~15:30 以 上 ■第5回 測量技術者のための人財育成懇談会(2024年9月)議事録抄 日時:2024年9月27日(金)15:00~17:00 場所:日本測量協会 第2会議室、WEB 1.各自のマイノートについて説明と議論 【マイノート3項目:①本来の役割・期待、②現状の課題、③理想的な姿をめざして】 ・上記3項目のち、①総論の箇条書き⇒文章化の説明、①・②の各論の箇条書きを説明 ・各自のマイノートについて5名が説明を行った。 【説明後の意見】(一部抜粋) ・分野を①実測、②航測、③システム系、④調査系、⑤コンサル系に5区分し、 各項目(①本来の役割・期待、②現状の課題、③理想的な姿をめざして) を整理する必要があるのではないか。 ・メンバーを該当分野に割り振り整理を進めても良いのではないか。 ・若手層(入社~30歳)の教育については教養期間を設け、その後、各自の適性に 応じて上記の①~⑤の分野に配置するような、人材育成プログラムも検討する。 ・仮に上記の教養期間を設けるのであれば、年齢による分類だけではなく、学部卒と 専門性の高い人材(修士、博士取得)では配慮が必要ではないか。 2.第6回目の懇談会に向けて ・本日の議論を受け、次回テーマ「③理想的な姿をめざして」の技術力・知識・ スキル、保有すべき資格、組織内での役割、職位と責任などの項目について、 「各論を箇条書き」する。 3.次回予定2024年11月25日(月)15:00~17:00 次回テーマ「③理想的な姿を めざして(各論)」 以 上 ■ 日本測量協会・SPの会事務局からのお知らせ ◇令和6年度 空間情報総括監理技術者資格認定試験の合格者発表 9月13日(金)日本測量協会ホームぺ―ジ上で発表しました。 今年度は20名の方が合格されました。おめでとうございます。 ◇スペーシャリストの会新メンバーのご紹介 10月15日現在、17名の方に入会いただきました。 高木 謹 東亜建設技術(株) 村山 貴裕 (株)ゼンリン 猿谷 享子 国土地図(株) 平野 友紀 (株)フジヤマ 福室 貴志 (株)日本インシーク 横井 伸之 朝日航洋(株) 今野 宏樹 国際航業(株) 石井 一徳 (株)パスコ 大辻 喜典 (株)パスコ 本川 淳平 (株)パスコ 藤井 孝文 大日コンサルタント(株) 東出 唯 (株)日本インシーク 中谷 龍介 (株)パスコ 高松 学 (株)パスコ 武田 英典 (株)松本コンサルタント 小段 應司 国際航業(株) 板原 大明 国際航業(株) ◇令和6年度(2024年10月~2025年9月) 会費納付のお願い 10月から令和6年度が始まります。皆様には9月30日に払込票をお送りいたしました。 (10月1日から郵便料金が変わるため) 会費納付にご協力ください。既にご納付いただいた方々、ご協力ありがとうござい ます。 ◇「2024年空間情報未来会議(スペーシャリストの会全国大会)」のご案内 日時:2024年10月31日(木)10:00~17:00 受講方法: 会場集合型(大阪ほか全国9会場)、大阪(メイン会場)から各会場に Web配信します。 ※詳細はHP参照(https://www.jsurvey.jp/sp20241031.pdf) 10月7日、令和6年度スペーシャリストの会総会資料、議決権行使書を会員の皆様 に送らせていただきました。 ご確認していただいて、お早めに議決権行使書のご提出をお願いいたします。 ◇令和6年度「空間情報総括監理技術者の認定登録更新」ご案内について 今年度更新対象の方々には、10月1日にご案内をお送りしております。 事務処理の都合上、更新手続きが可能な方(CPDポイントを満たしている方)に つきましては、今月中にお手続きをお願いいたします。 CPDポイントが更新の基準を満たしていない方につきましては、 令和7年3月31日までに、測量CPDポイントの登録および更新手続きを お願いいたします。 ◇「働きながら博士号取得をめざす人のための相談コーナー」 測量・地理空間情報技術者で将来、学位(博士号)を取得したいと考えている人 (会員以外でも可)などを対象に、博士号取得に向けて本格的な始動をするまでに 準備すべきことや取得までのプロセス、取得方法(課程博士か論文博士か)等々に ついて、個別に相談できるコーナーを本年4月より設置しました。アドバイザーは SPの会最高顧問の瀬戸島政博氏が担当します。 相談を希望される場合は、下記【メール記載内容】を【送付先】まで、メールに てご連絡をお願いいたします。 【メール記載内容】件名:「SPの会:博士号取得のための相談希望」 本文:①氏名(ふりがな)、②勤務先、③電話番号、④電子メールアドレス、 ⑤相談したい内容について 【送付先】spatialist@jsurvey.jp ◇転職・退職・死亡等により、氏名・所属・連絡先(メールアドレス)の変更が生じた SPの会会員の方へ。 変更後の内容をご本人または関係者の方から日本測量協会にお知らせください。 SPの会MM誌の配信やお知らせ等の連絡に支障が出ないようお願いいたします。 届け出様式は以下の場所にあります。 https://www.jsurvey.jp/gissv/youshiki.htm 様式2 空間情報総括監理技術者 登録事項変更届出 メールまたはFAXまたは郵送でお知らせください。 連絡先は以下の通りです。 メール:geoinfor@jsurvey.jp FAX : 03-5684-3366 〒112-0002 東京都文京区小石川1-5-1 パークコート文京小石川 ザ タワー 5 階 公益社団法人日本測量協会 測量継続教育センター 測量技術教育部 宛 ◇空間情報技術事例報告集の報告文募集 ☆応募締め切り:随時(投稿報告文が到着次第、速やかに査読) ☆掲載可となれば、日本測量協会ホームページ上の[測量情報館]に掲載。 技術事例報告集では、新規性や独創性という視点とは別に、 (1)創意工夫性(何らかの創意工夫による業務改善への貢献など) (2)実用性(実務への応用性や実際に業務等に適用していく際の実用性など) (3)信頼性(技術事例報告の内容やその結果に対して、信頼性や実証性など) (4)今後の展開性(空間情報技術領域の中で、他技術領域への新たな展開や応用の 可能性、他技術との融合性や融合利用の可能性などを含めて今後の展開性)という 視点から査読し、技術事例報告として採用致します。奮って、投稿ください。 詳しくは、https://jsurvey.jp/kuukanhoukoku.pdf ■刊行案内 *** 新刊案内 ***(※会員は10%割引でご購入いただけます) 『公共測量 作業規程の準則(令和5年3月31日改正版) 解説と運用 (基準点測量編、応用測量編)』(令和6年4月29日刊行) 定価4,400円(税込) //会員価格3,960円(税込) 詳しくは、https://www.jsurvey.jp/2.htm (遠藤拓郎:日本測量協会) ■編集後記 何ヶ月ぶりでしょう。友と10人余りでテーブルを囲み、ナマ中で乾杯したのは。 かつて14世紀のヨーロッパではペストが大流行し、カトリック教会中心の社会が 崩壊し、ルネサンスと近代科学の萌芽が芽生えました。これまでに世界で延べ2億 5000万人の感染者が確認され、500万人が死亡した、新型コロナウイルス禍は、 現代社会をどう変えていくでしょうか。感染もせず、仕事が続けられていることに 感謝し、これからも力強く生き抜いてまいりましょう。国内死者ゼロは、 2020.8.2sun以来、2021.11.7sunにようやく。 ・・・って書き始めた「編集後記」、上記は2021年11月15日(月)配信の第179号 でした。ああ、コロナ渦真っ只中だったんだなあと、懐かしく振り返っておりました。 今回第214号をもって私は編集長の役割を退き、近藤 弘崇さん(㈱パスコ)に引き 継ぎます。これからは当メールマガジンの一読者として、業界活動に、そして日々 の業務に、邁進していきたいと思います。ありがとうございました。 (編集委員長:国際航業㈱ 大山容一) --------------------------------------------------------------- All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club 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