┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
2025(R7)年4月15日(火)
◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.220
発行元:スペーシャリストMM事務局
https://spatialist.sakura.ne.jp
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*ニュースラウンジ 廣野貴一
*リレーエッセイ<空間連携> 鈴木英夫
*新入会員のページ 今野宏樹、川辺英春
*空間情報関連/書籍紹介 越智貴政
*企画委員会 議事録(抄)
*人財育成懇談会 議事録(抄)
*日本測量協会・SPの会事務局からのお知らせ 遠藤拓郎
*編集後記 近藤弘崇
■ニュースラウンジ
西暦から1925を引くと昭和の年数になるという計算は覚えやすく頻繁に使っていました
(西暦の下二桁に12を足すと平成の年数、18を引くと令和ですね)。
今年2025年-1925年は昭和100年にあたります。1925年12月25日未明の大正天皇崩御を受
けて同日昼に元号「昭和」が発表されました。「昭和元年」は12月25日からわずか1週間
しかなかったのですね。「昭和」は、中国の「四書五経」の「百姓昭明(ひゃくせいしょ
うめい)、協和萬邦(きょうわばんぽう)」から取ったもので、「国民の平和と世界各国の
共存と繁栄を願う」という意味だそうです。当時、日本の人口は約6,000万人と2025年1月
現在1億2359万人の約半分でした。そして、急速な経済成長、第二次世界大戦後の目覚し
い復興、家族構成やライフスタイルの変化、文化の多様化を経て、平成へと繋がったこと
は皆さまご存じのとおりだと思います。
最近、仕事の関係で引越した荷物整理の際に、昭和の記録が様々な記録媒体で現れました。
印画紙、ネガ、VHSテープ、8mmテープ等々。今年は、昭和から平成にかけて広く使われた
VHSテープの映像が見られなくなる「2025年問題」が指摘されている年だそうです。
令和元(2019)年に、国連教育科学文化機関(ユネスコ)がVHSなど磁気テープに保存さ
れた情報が失われる危険性への注意を喚起する「マグネティック・テープ・アラート」を
発表しました。一般的にVHSテープの寿命は約20年、長くても30年ほどであることに加え
て、再生機器や部品は急速に姿を消しており、令和7年ごろに映像が見られなくなる危険
があるというものです。保有している磁気テープ類に限らず写真類も当時の貴重な記録が
見られなくなる前にデジタルファイルへ変換しておきたいと思ってはいるのですが実現
できていません。
そのようなサービスも増えてきたようなのでいつかはまとめて整理したいと思います。
(廣野貴一:アジア航測株式会社)
○令和7年5月号の担当は、早川和夫会長です。
■リレーエッセイ<空間連携>
朝日航洋の高下桂さんよりバトンを引き継いだ同じく朝日航洋の鈴木です。
私は入社当時から衛星リモートセンシングに係るスペクトル画像解析を皮切りに、航空写
真のデジタル化に伴い、広い意味でのデジタル画像の解析業務に携わってきました。その
後ほどなく航空レーザ計測が始まると、3次元点群データの解析にも関わるようになり、
いつの間にかドローンを使った写真測量&LP計測まで経験して今に至ります。
時代とともに高精細になってきた空間情報データに刺激されつつ、今でも深層学習や機
械学習などのAIの利活用を始めとして、次々と進化する新しい計測技術と解析技術に興味
が尽きません。そんな状況にあって、データの計測解析ツールとして、オープンソースソ
フトウェアにも注目しながら実際に使いつつ、ふと気づくとオープンデータを一部の業務
に利用して大変重宝している環境にあります。
弊社も運営に参画している「G空間情報センター」の配布する3次元点群データを例にと
ると、公開済みの静岡県や東京都に続いて、つい最近は山梨県のデータも公開されました。
3次元点群データの他にもオルソ画像や衛星画像、その他多くを含むデータカタログを見
るだけも大変なほどの盛りだくさんであることに驚かされます。これらの利用でやはり気
になるのがデータの鮮度ですが、今後ますますデータ量が増えて普及が進めば進むほど、
データ鮮度も上がって行くであろうと期待をしています。
世はDXとかデジタルツインが謳われる中にあって、我々空間情報技術者としても、誰も
が同じ土俵で「オープン」に利用できるこのようなデータの存在を意識して、社会課題の
解決に幅広く活用していくアイディアを創出したいという妄想が膨らむばかりです。
(鈴木英夫:朝日航洋株式会社)
〇次回令和7年5月号の担当は、住田英二さんにバトンをつなぎます。
■新入会員のページ
この度、空間情報総括監理技術者の資格試験に合格し、本会に登録させていただきまし
た、国際航業株式会社の今野と申します。
空間情報総括監理技術者の資格の取得にあたっては、諸先輩方にご指導いただきました。
この場を借りて心より感謝申し上げます。本会の先輩方、よろしくお願い申し上げます。
私はジャイロや加速度センサーを用いた自己位置推定やBluetooth・UWB等の技術を応用
し、高精度・リアルタイムに「人」や「モノ」の位置を屋内外をシームレスにトラッキ
ングする技術に携わっております。
世の中、少子高齢化により生産年齢人口が激減する激動の時代において、省力化・省人
化は喫緊の課題です。空間情報と先端技術を融合することで、未来の不安材料を少しでも
緩和できるよう、技術・サービス開発に努めて参ります。
先般、開幕しました「大阪・関西万博」でも弊社技術が活用されていますが、特に、日本
の主幹産業であります、製造業に弊社技術を多数導入いただき、利活用いただいておりま
す。
位置を取得すること自体は手段です。社会課題の何を解決するためには、どのような課題
解決のツールが必要かを常に考え、今後も多くの情報と知見から最適解を提供できるよう
経験を積み重ねて、頼られる専門家を目指していきたいと思います。ご指導ご鞭撻の程、
よろしくお願い申しあげます。
(今野宏樹:国際航業株式会社)
この度、新たにスペーシャリストの会に入会させていただきました、セントラル航業株式
会社の川辺英春と申します。本資格取得にあたり、多大なご協力を賜りました方々に、こ
の場をお借りして感謝申し上げます。また能登半島地震および豪雨災害において、空間情
報関係の皆様からも、復旧・復興に向けて多大な協力や支援を頂いているかと思います。
ありがとうございます。私は、地元石川県において、空中写真測量や道路台帳関係の業務
及びGIS関連のデータ整備業務を担当しております。私の自宅は、能登半島地震で液状
化被害があった内灘町西荒屋地区にあります。自宅は全壊判定となり、現在はみなし仮設
住宅でアパート生活をしています。私自身、発生時は別のところにいましたが、高齢の両
親の様子を確認に地元に戻ると、驚くような惨状で、その晩は避難所になっている小学校
に一泊しました。西荒屋地区の現状は、被災家屋の公費解体が進んでおり、道路や上下水
道は仮復旧の状態です。行政から出ている今後の計画では、今年度に液状化対策の測量・
調査を行い、次年度に設計の予定です。自宅を解体した方やその予定の方は、既に区外や
町外に新居をかまえた方もいますが、まだ悩まれたり、災害復興住宅の建設を待っている
方が多くいます。今回においても空間情報は発生時や災害復興等に大いに利活用されてい
ますが、GISが活用できる場面はまだまだあるようにも感じました。今後も研鑽を積み
、空間情報技術者として、社会貢献できれば良いかと思います。誰もがいつ被災者になる
かわかりません。最後に被災者として感じたことをお伝えします。助言になれば幸いです
。〇ハザードマップの確認しましょう。〇被災した時のための備蓄。特にトイレ関係は大
事です。〇火災保険等(地震保険)の確認をしましょう。〇みなし仮設のアパートは希望
物件がすぐに無くなります。早い行動と緊急に使える50万円ほどの貯金あると良い。
(川辺英春:セントラル航業株式会社)
〇令和7年5月号の担当は、石井一徳さん、大辻󠄀喜典さんです。
■空間情報関連/書籍紹介
書籍名:すごすぎる天気の図鑑 防災の超図鑑
著 者:荒木健太郎(雲研究者・気象学者)
発行日:2025年2月10日
発行所:KADOKAWA
定 価:1,485円(税込)
近年増加する自然災害に備えるために必読の一冊、「すごすぎる天気の図鑑 防災の超
図鑑」をご紹介いたします。2021年に出版され、子どもから大人まで幅広い読者に支持さ
れた「すごすぎる天気の図鑑」シリーズ。その待望のスピンオフ第2弾として、自然災害
と防災をテーマにした本書が登場しました。
近年の日本は毎年のように「異常気象」と言われる豪雨や台風、大雪などによる災害が頻
発しています。さらに猛暑も災害級と言われるまでになっています。また、2024年の能登
半島地震に続き、南海トラフ地震や首都直下地震、富士山の噴火など、今後も大きな災害
が起こることが想定されています。
本書の最大の魅力は、気象学者の荒木健太郎氏が災害の起こるしくみを科学的かつわか
りやすく解説している点です。豊富な写真やイラストを用いて視覚的に理解しやすい構成
となっており、災害発生のメカニズムから具体的な備えと対策方法、さらには災害発生後
の対処法まで幅広く網羅しています。特に積乱雲による集中豪雨の発生メカニズムや、緊
急地震速報が発表されたときのシチュエーション別対応など、実践的な知識が満載です。
正しい知識を身につけることで防災意識が高まります。本書は「その時」に備えるための
必携書です。日本で災害が起きない場所はありません。空間情報に携わる私たちだからこ
そ、災害のメカニズムと対策を理解し、自らの安全を確保するとともに、社会に貢献して
いきたいものです。
ぜひ本書を手に取り、防災への理解を深めてみてはいかがでしょうか。
(越智貴政:株式会社荒谷建設コンサルタント)
〇令和7年5月号の担当は、岡本芳樹さんです。
■令和6年度 第3回「スペーシャリストの会」企画委員会(令和7年3月)議事録(抄)
開催日時・場所:令和7年3月19日(水)13:30~15:30、日本測量協会 第1会議室・WEB
1.報告事項
1)各支部活動報告(追加報告のみ掲載)
・東北支部:9月のイベントは予定どおり実施。
・東京支部:技術士2次試験対策勉強会(Web)の受講対象者を全国に広げ(SPの会会員
所属企業)開催予定。
・北陸・九州支部:追加報告事項なし。
・中部支部:8月29日夏季現地見学会を他支部からも参加可能に(要事前連絡)。
・関西支部:技術士一次試験対策講座は測量協会と共催して引き続き開催。
・中国・四国支部:「スペースポータル」は今年度から年2回開催(セミナーと講演)。
2)第7回人財育成懇談会
・各自「マイノート」を作成し、今後必要な教育を整理。
・第8・9回で、今後必要な教育について情報収集を実施予定。
3)第7回最新技術動向の調査活動研究会
・株式会社ホロラボより「3D Gaussian SplattingとPhotogrammetry」に関する講演。
・SP会会員約30名がWeb参加。
・次回(4/22)はレフィクシア株式会社による「LRTK Phone」の講演を予定。
2.討議・要請事項
1)月刊「測量」スペーシャリストの会コーナー
・第36弾のテーマ:「プロフェッショナルの誇り」
・執筆者:朝日航洋、アジア航測、国際航業、パスコ(第5・6回の担当支部は事務局
が確認)
・第36弾終了後、書籍化を検討。
2)2025年イノベーション大会
・SP会セッションテーマ:「測量の未来を語る」
・発表者(各25分):【確定】朝日航洋(秋山・白井)、アカサカテック(安藤)
【打診】アジア航測(佐田)
・SPの会以外の講演予定
17日午前:国土地理院「精密重力ジオイド」、18日午前:GNSS測量の書籍執筆者によ
る講演、
18日午後:写真測量学会(タイトル・講演者確定)
・懇親会:東京・大阪で開催予定。
3)2025年スペーシャリストの会全国大会(空間情報未来会議)
・メイン会場は福岡を検討中(10/下旬、半日または1日)。
・測量協会九州支部の支援体制を考慮し、東京開催の可能性も議論。
・次回の企画委員会までに大会実行委員会で開催方針(案)を決定予定。
4)2025年度KIT空間情報セミナー
・開催日及び担当:第1回6/27(金)国際航業、第2回9/19(金)パスコ、
第3回11/28(金)アジア航測
・基本は対面形式、Web講演も可能。
3.次回予定
第4回企画委員会 令和7年5月19日(月)13:30~15:30、日本測量協会 会議室・WEB
■第8回 測量技術者のための人財育成懇談会(2025年3月)議事録(抄)
日時:2025年3月24日(火)15:00~17:00
場所:日本測量協会 第2会議室、WEB
議事テーマ:「技術者の学び直しとその現状」および今後のとりまとめに向けて
1. 話題提供
・人手不足の深刻化が進み、若手・シニア・女性技術者の活用が鍵となる。
・業界外の大手企業では、リスキリング休暇や博士号取得支援などが進んでいる。
・厚生労働省の「教育訓練給付制度」など、公的支援制度の活用も可能。
2. 学び直し実施機関の調査
・第7回会議の宿題として出された資料をもとに、調査対象機関と担当者を決定。
3. 今後の検討事項
・「技術者の学び直しとその現状」の議論は第9回で完結予定。
・第10回以降は「世代層別の人材育成」を議論し、全12回の懇談会を予定どおり終了
する。
・最終報告は表形式(総括表)でまとめ、SP会企画委員会に贈呈予定。
・懇談会参加者向けの配布形式として、巻子本や折本の可能性を検討。
4. 次回予定
第9回 2025年5月26日(月)15:00~17:00 テーマ:「技術者の学び直しとその現状」
■日本測量協会・SPの会事務局からのお知らせ
◇令和7年度「空間情報総括監理技術者」認定試験の受験案内を日本測量協会ホームぺージ
に掲載いたしました。
詳しくは、https://www.jsurvey.jp/gissv/gissv2025-03.pdf
◇測量・地理空間情報技術者のための技術士取得支援セミナー(中核講座)
ハイブリッド型(対面集合[福岡会場]+リアルタイム配信) 2025年6月26日
https://www.jsurvey.jp/gissv20250626.pdf
社内等で技術士に興味のある方、将来空総監の受験を検討されている方等にご受講を勧
めてください。
◇「測量・地理空間情報イノベーション大会2025」資料集について
6月17日、18日に東京会場(対面)ほか、サテライト会場にてWeb開催いたします。
今年度も資料集につきましては、SPの会会員(会費未納者を除く)の皆様に送付いた
します。
各会場の受講者、講演者には別途会場でも無料配布されますので、会から資料集の送
付が不要の方は、
SPの会事務局(spatialist@jsurvey.jp)までご連絡ください。
◇「働きながら博士号取得をめざす人のための相談コーナー」
測量・地理空間情報技術者で将来、学位(博士号)を取得したいと考えている人
(会員以外でも可)などを対象に、博士号取得に向けて本格的な始動をするまでに
準備すべきことや取得までのプロセス、取得方法(課程博士か論文博士か)等々に
ついて、個別に相談できるコーナーを本年4月より設置しました。アドバイザーは
SPの会最高顧問の瀬戸島政博氏が担当します。
相談を希望される場合は、下記【メール記載内容】を【送付先】まで、メールに
てご連絡をお願いいたします。
【メール記載内容】件名:「SPの会:博士号取得のための相談希望」
本文:①氏名(ふりがな)、②勤務先、③電話番号、④電子メールアドレス、
⑤相談したい内容について
【送付先】spatialist@jsurvey.jp
◇転職・退職・死亡等により、氏名・所属・連絡先(メールアドレス)の変更が生じた
SPの会会員の方へ。
変更後の内容をご本人または関係者の方から日本測量協会にお知らせください。
SPの会MM誌の配信やお知らせ等の連絡に支障が出ないようお願いいたします。
届け出様式は以下の場所にあります。
https://www.jsurvey.jp/gissv/youshiki.htm
様式2 空間情報総括監理技術者 登録事項変更届出
メールまたはFAXまたは郵送でお知らせください。
連絡先は以下の通りです。
メール:geoinfor@jsurvey.jp
FAX : 03-5684-3366
〒112-0002 東京都文京区小石川1-5-1 パークコート文京小石川 ザ タワー 5 階
公益社団法人日本測量協会 測量継続教育センター 測量技術教育部 宛
■刊行案内
*** 新刊案内 ***(※会員は10%割引でご購入いただけます)
『実務者のためのGNSS測量ハンドブック』(令和7年1月23日刊行)
定価3,300円(税込) //会員価格2,970円(税込)
詳しくは、https://www.jsurvey.jp/2.htm
(遠藤拓郎:日本測量協会)
■編集後記
4月になりました。新年度のスタートです。
日本全国、桜前線真っ只中にあると思いますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
今年の桜は3月末の異常な寒暖差もあり、開花は日本列島を南から北へ横断するかたち
で進み、思いのほか、長い期間楽しめるものとなりました。
普段から、日本全国の現場を駆け巡る我々技術者は、2回以上満開を楽しめる機会
に恵まれる方(恵まれた方)も多いのではないでしょうか。
桜は季節の変わり目に一瞬だけ花開き、散っていくためか、昔から日本人の心を
つかんでやまないと言われています。
皆様それぞれに桜の思い出があるのではないでしょうか。
入学式、卒業式、入社式、ご栄転、ご退職、ご結婚、ご出産など。
私は3月末の業務納品後に高知県の四万十川のほとりで、今は亡き上司と花見をした時
のことを懐かしく思います。
ひどく疲れた風貌なのですが、皆満面の笑みでした。
(編集担当:近藤弘崇 パスコ)
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