┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
2025(R7)年12月15日(月)
◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.228
発行元:スペーシャリストMM事務局
https://spatialist.sakura.ne.jp
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*ニュースラウンジ 小松崎弘道
*リレーエッセイ<空間連携> 越智貴政
*新入会員のページ 長澤 順、寺田光宏
*空間情報関連/書籍紹介 廣野貴一
*人財育成懇談会 議事録(抄)
*日本測量協会・SPの会 事務局からのお知らせ 遠藤拓郎
*編集後記 近藤弘崇
■ニュースラウンジ
最近では、クマ出没、被害のニュースが日々報道されています。クマたちも全国へネット
ワークが広がっているかのように“クマによる被害が全国で相次ぐ”事態になっています。
クマは、千葉県・香川県・愛媛県・九州・沖縄県を除いた36都道府県に恒常的に分布し
ており、2025年度全国でクマによる人身被害が197人、犠牲者が13人(11/20現在、環境省
まとめ)と過去最多になっています。全国で出没し、人里、農地、住宅地、市街地の学校・
保育園・商業施設などでも「アーバンベア」が急増しています。東京都でも目撃情報多発し、
ツキノワグマの生息域では、40年間で2倍に個体数が増えています。これから冬眠に向け
エサを探すなどの動きが活発化しており、山間部で主食のドングリなどが不足している状
況で、民地の柿木を狙ったケースも目立ちます。
クマは、記憶力も凄く執着心も強く、ツキノワグマでも狂暴化しています。特に、ヒグマ
は知能が高く、好奇心旺盛、高学習能力があり、成長の過程で警戒心も備わるなど個性のバ
ラツキがあるといわれています。
印象に残るヒグマ事件としては、先ずは、国内で最悪とされる1915年の三毛別羆事件で、
小説(「羆嵐」著者:吉村昭)にもなりました。次に、1970年の福岡大学ワンダーフォーゲ
ル同好会ヒグマ襲撃事件です。最後は、近年の事件として、牛を襲い続けたヒグマ(コード
ネーム「OSO18」)事件です。
筆者もクマと3度遭遇の経験あり、最初は、栃木県のダムで対岸にクマを遠方で目撃、次
に、直接出会わなかったものの一番恐ろしかったのが、北海道で三角点まで向かう登山道で、
クマの唸る声と強烈な獣臭を確認、クマが笹の中に隠れていましたが10m程度の距離に潜ん
でいたと考えられます。最後は、秋田県で、河川沿いの林道を走行中の車内から林道下に
クマ発見、猛ダッシュで河川を渡り対岸へ逃げて行きました。
クマ対策も重要度を増し、今年の9月1日に改正鳥獣保護管理法が施工、10月15日「緊
急銃猟制度」が新設、10月15日に仙台市で全国初の「緊急銃猟」による駆除が発表されま
した。11月6日には国家公務委員会規則を改正、11月13日警察官職務執行法により警察官
による「ライフル銃」によるクマの駆除が開始されました。
我々に直結する、「空間情報技術」も活用されています。国・都道府県・自治体にて、クマ
マップ(地図・マップシステム等)による目撃情報を公開、スマホアプリでも配信されてい
ます。測量技術では、行動調査を目的としたGNSS発信機搭載型の首輪、最新技術として、
遠隔操作で安全性の高いカメラ付きドローンによる犬の鳴き声や銃の発砲音で威嚇、追い
払いなど活用されています。一般的な対策グッズでは、鈴、電子ホイッスル、クマスプレー
なども市販されていますが、偽物も流通しているのでご注意ください。
空間情報技術者として、測量・調査作業でクマの生息地に踏み込むことが多いと思います
が、多方面からの情報収集、クマ対策を充分実施した「安全管理」をお願いいたします。
ご安全に!
(小松崎弘道:株式会社パスコ)
〇令和8年1月号の担当は、小林雅弘さんです。
■リレーエッセイ<空間連携>
中電技術コンサルタントの久保田さんからバトンを引き継ぎました、荒谷建設コンサルタ
ントの越智です。
スペーシャリストの会中四国支部は、2015(平成27)年11月25日の設立からおかげさまで
10年を迎えました。この節目の年に、支部メンバー有志で企画したイベントとして、
2025年11月27日に「SPの会中四国支部設立10周年記念フォーラム〜つながり・ひろがり・
未来へ〜」を開催しました。テーマは「中四国支部10年の歩みと未来を語る」。これまで
の活動を振り返りつつ、これからの10年をみんなで考える場としました。フォーラムの最
初は、「初心忘るべからず」ということで参加者全員の自己紹介からスタートしました。
そのうえで、歴代支部長として、平成27年~30度の來山さん(復建調査設計)、令和元年~
4年度の岡本さん(復建調査設計)、令和5年~6年度の私・越智(荒谷建設コンサルタント)
が、講演会やセミナーなどこれまでの取り組みを整理した資料をもとに活動報告を行いました。
10年分を時系列で振り返ってみると、歴史の積み重ねから得られる示唆に改めて気づかさ
れる場面も多く、感慨深い時間でした。続く意見交換では、「中四国支部における活動成
果をどう評価するか」「今後の支部活動の方向性とさらに活性化させるための工夫」「空
間情報総括監理技術者資格の取得支援とその価値をどう高めていくか」といったテーマに
ついて、参加者全員で議論しました。一人ひとりが、これまでの活動を通じて感じたこと
や、未来につなげたい思いを率直に語ってくださり、とても有意義な時間になりました。
中四国支部の会員数は、設立当初は11名でスタートし、その後9名まで減少した時期もあり
ました。しかし、現在は23名まで増えています。会員一人ひとりが活動方針に基づき、地域
でコツコツと連携しながら取り組みを続けてきた結果が、少しずつ「つながり」となり、
「ひろがり」を生み、次の「未来」へと確実につながっているのだと実感できる10周年でした。
これからの10年も、空間情報を軸に、地域・分野・世代を超えて人と人とがつながり、
新しい挑戦が生まれる場として、中四国支部の活動を育てていきたいと思います。
(越智貴政:荒谷建設コンサルタント)
次回令和8年1月号の担当は、復建調査設計の新宮圭一さんにバトンをつなぎます。
どうぞよろしくお願いいたします。
■新入会員のページ
今年度より空間情報総括監理技術者の仲間入りができました、株式会社アイ・サポート
代表取締役の長澤順と申します。
10年以上前からの憧れの資格で、合格できた時は夢のような気持でした。
これから会員の皆様と情報交換等できたらと思っております。
今後ともよろしくお願いいたします。
専門は上下水道GIS関連です。昨今、よく耳にする機会も多くなりましたが、上下水道
施設の老朽化が深刻です。上下水道GISを使って地中に埋まっている管路を見える化し、
老朽化問題の課題解決のお役に立ちたいと思っています。
また、会社としてはGISデータの作成を得意としています。膨大な数があり、データ
ベース化にお困りの方がいらっしゃいましたらお気軽にお声がけください。
(長澤 順:株式会社アイ・サポート)
このたび空間情報総括監理技術者として登録され、あらためて自分のこれまでの仕事と、こ
れからの役割を見つめ直す機会になりました。私は主に下水道分野において、測量や図面作
成、GISデータ整備などを担当してきましたが、近年は「成果物を作ること」だけでなく、
その後の活用まで意識するようになってきました。
空間情報は、現場の状況を「なんとなく」ではなく「見える化」してくれる心強い道具だと
感じています。一方で、専門用語や複雑な仕組みが多く、利用する側との間に壁があること
も痛感しています。技術者として、その壁を少しでも低くする説明や提案をしていくことが、
自分の役割ではないかと考えています。今後は、基礎的な測量技術を大切にしつつ、新しい
解析手法やクラウド環境なども積極的に取り入れ、現場の判断に役立つ空間情報の提供を
めざしたいと思います。スペーシャリストの会の皆様から学びつつ、自分も何か一つでも還
元できるような技術者に成長していきたいと考えています。
(寺田光宏:オリジナル設計)
〇令和8年1月号の担当は、中山裕紀さん、檀上拓也さんです。
■空間情報関連/書籍紹介
『沈没船博士、海の底で歴史の謎を追う』
著 者:山舩 晃太郎
出版社:新潮社
本書は、水中考古学の一分野である船舶考古学に魅せられ、英語が不得意ながらも米国で学
び、世界を飛び回って成果を挙げている研究者の自伝です。水中考古学は日本ではあまり馴染
みのない学問ですが、約60年前に誕生し、現在では世界各地で水中調査や発掘が行われている
とのこと。水中では土砂に埋まることで無酸素状態が保たれ、当時の船舶技術や文化、歴史を
知るための「タイムカプセル」となっているとのことです。
調査結果は、局地的な座標を正確に測定して図に表す必要があります。しかし、水中では
GPSやトータルステーションが使用できないため、従来は多数の基準点を設置して三辺測量を
行っていました。著者は、当時注目されつつあったフォトグラメトリ技術を活用することで、
作業の大幅な効率化に成功しました。オーバーラップさせながらスケールバーと共に写真を撮
影し、3Dモデルやオルソフォト、実測図を作成。さらに、出土物や船体材料の位置をGIS上で
管理する技術は、私たちが日頃実施している内容と非常に近いと感じました。
著者が苦労を重ねながらも恩師や仲間の協力を得て水中計測手法を確立した結果、フォトグ
ラメトリの有効性に懐疑的だった研究者たちもその成果を目の当たりにし、称賛する様子は読
んでいて大変爽快でした。海外や水中ならではのエピソードや工夫も豊富に紹介されており、
興味深く読み進められます。ご参考になれば幸いです。
(廣野 貴一:アジア航測株式会社)
○令和8年1月号の担当は、早川和夫会長です。
■企画委員会議事録(抄)
■第12回 測量技術者のための人財育成懇談会(議事録抄)
日時:2025年11月27日(木)15:00~17:00
場所:日本測量協会 第2会議室・WEB
◇議題
・世代層別人財育成(シニア層①・②)最終確認
・最終報告書の収録・公開方針
・月刊『測量』執筆企画
◇議事概要
1.活動総括
2024年1月開始の懇談会は今回で最終回。シニア層①・②の人財育成案を確定し、
報告書と執筆企画を検討。
2.人財育成案(シニア層①・②)
各グループ成果を「役割→課題→理想像」の流れで確認。修正事項を整理し最終案を確定。
3.最終報告書(案)
・資料編:本懇談会の活動成果(教育・研修機関調査一覧、議事録)、空間情報総括監理技術者
試験関連資料、SPの会資料を収録。
・附録:『わが社の人財育成プラン』実践ノート(デジタル版)。
・公開方針:「全面公開」で一致(SPの会の社会貢献活動と業界発展を鑑み)。
・展望:瀬戸島座長から最終報告書(案)を踏まえ、「人材獲得に向けての戦略・戦術の策定」、
「第3の技術者の育成=技術経営者(仮称)」、「技術者の多様型対応のための支援等」を提示。
4.月刊『測量』執筆
懇談会メンバの中から執筆希望者を募り執筆企画(案)を作成。月刊『測量』総合委員会等の
審議を経て執筆内容や掲載号を決定。執筆は報告書を活用しつつ、新たに図表の制作や校閲・
再執筆を行う。
5.閉会挨拶
瀬戸島座長より、人材育成の骨組みを構築した成果と活動を通した「共に学ぶ喜び」への言及、
謝辞をもって本懇談会は終了。
■日本測量協会・SPの会事務局からのお知らせ
◇第12回最新技術動向の調査活動研究会外部講演(Web)のご案内
・日時:令和8年1月27日(木)15時~16時
(16時以降引き続き研究会を行いますので、ご退室をお願いします)
・講師:ソラテクノロジー 梅田 昌季(うめだまさき)様
・テーマ:未定( 空間情報技術を用いた研究会での講義(マラリア対策)の件など)
・視聴URL:
https://jsurvey.webex.com/jsurvey/j.php?MTID=mbdd129dd19d82db9483ab544b142eb2b
ミーティング番号: 2516 133 2147
パスワード: HMhehm7*2?4
※SPの会会員限定です。
◇「実務者向けセミナー ~現場で活きる三次元計測技術と活用事例
/進化する三次元計測と解析技術~ 」受付開始
日時:大阪開催:令和8年2月10日(火)(難波御堂筋ホール)
東京開催:令和8年2月26日(木)(品川フロントビル会議室)
受講方法:会場対面
参加方法:事前登録制
参加費:無料
詳細:
大阪開催:https://www.jsurvey.jp/k-honbu20260210.pdf
東京開催:https://www.jsurvey.jp/k-honbu20260226.pdf
◇スペーシャリストの会新メンバーのご紹介
12月8日現在、新たに1名の方に入会いただきました(合計22名)。
佐藤 昌岳 (株)パスコ
◇「働きながら博士号取得をめざす人のための相談コーナー」
測量・地理空間情報技術者で将来、学位(博士号)を取得したいと考えている人
(会員以外でも可)などを対象に、博士号取得に向けて本格的な始動をするまでに
準備すべきことや取得までのプロセス、取得方法(課程博士か論文博士か)等々に
ついて、個別に相談できるコーナーを本年4月より設置しました。アドバイザーは
SPの会最高顧問の瀬戸島政博氏が担当します。
相談を希望される場合は、下記【メール記載内容】を【送付先】まで、メールに
てご連絡をお願いいたします。
【メール記載内容】件名:「SPの会:博士号取得のための相談希望」
本文:①氏名(ふりがな)、②勤務先、③電話番号、④電子メールアドレス、
⑤相談したい内容について
【送付先】spatialist@jsurvey.jp
◇転職・退職・死亡等により、氏名・所属・連絡先(メールアドレス)の変更が生じた
SPの会会員の方へ。
変更後の内容をご本人または関係者の方から日本測量協会にお知らせください。
SPの会MM誌の配信やお知らせ等の連絡に支障が出ないようお願いいたします。
届け出様式は以下の場所にあります。
https://www.jsurvey.jp/gissv/youshiki.htm
様式2 空間情報総括監理技術者 登録事項変更届出
メールまたはFAXまたは郵送でお知らせください。
連絡先は以下の通りです。
メール:geoinfor@jsurvey.jp
FAX : 03-5684-3366
〒112-0002 東京都文京区小石川1-5-1 パークコート文京小石川 ザ タワー 5 階
公益社団法人日本測量協会 測量継続教育センター 測量技術教育部 宛
◇空間情報技術事例報告集の報告文募集
☆応募締め切り:随時(投稿報告文が到着次第、速やかに査読)
☆掲載可となれば、日本測量協会ホームページ上の[測量情報館]に掲載。
技術事例報告集では、新規性や独創性という視点とは別に、(1)創意工夫性(何らかの
創意工夫による業務改善への貢献など)(2)実用性(実務への応用性や実際に業務等に
適用していく際の実用性など)(3)信頼性(技術事例報告の内容やその結果に対して、
信頼性や実証性など)(4)今後の展開性(空間情報技術領域の中で、他技術領域への新
たな展開や応用の可能性、他技術との融合性や融合利用の可能性などを含めて今後の展
開性)という視点から査読し、技術事例報告として採用致します。奮って、投稿くださ
い。
詳しくは、https://jsurvey.jp/kuukanhoukoku.pdf
(遠藤拓郎:日本測量協会)
■編集後記
「クラウドストレージの空き領域が不足しています。」
スマホユーザなら、一度は目にするアラートではないでしょうか。
先日、知人から課金しても良いから直して欲しいと頼まれたので、見ると数千枚の写真が
要因でした。クラウドストレージの容量は5GB。対して本体の容量は512GBもある高価なデ
バイスです。アーカイブする写真は本体に保存、共有したい写真だけをクラウドストレー
ジに保存することを提案したところ、何を共有するべきか即決できないとのこと。
結局、データ整理で半日付き合うことに...
デバイス操作ができるのとデータ整理ができるのは全く別の問題です。
整理ができない人はミニマリストから学びましょう。
ミニマリストは、自分にとって本当に必要な物だけを選び、それ以外の余分な物を手放す
人やライフスタイルを指します。物質的な所有物を最小限に抑えることで、物理的な
スペースだけでなく、精神的なゆとりや自由を得ることを目的とします。
ミニマリストのモノの分別の基準は「自分にとって必要か」「生活を豊かにするか」
「ときめきがあるか」だそうです。
さすがに、ミニマリストの境地に達するのは、凡人には難しいかも知れません。
年末は大掃除だけでなく、データ整理も忘れずに行いましょう。
それでは皆様、良いお年をお迎えください。
(編集担当:近藤弘崇 パスコ)
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