スペーシャリスト メールマガジン バックナンバー

タイトル:スペーシャリスト会報 Vol.36 発行日時:2009年11月16日16時10分4秒
┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
2009年11月16日
◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.36

                    発行元:スペーシャリストMM事務局
                     http://www.capnet.jp/spatial/
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INDEX :*ニュース・ラウンジ      
    *リレーエッセイ<空間連携>  *コラム
    *イベント情報   *測量協会イベント情報のお知らせ
*連絡事項
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■ニュース・ラウンジ  「空間情報総括監理技術者」資格の浸透
 「空間情報総括監理技術者」資格は、測量の技術領域が空間位置と関係づけられた様々
な情報を扱う技術へと発展し、また、利用される領域が国土から社会生活にいたるまでの
広がりを見せていることを背景にして、空間情報の関連事業の企画・提案・監理の能力を
有する技術者を社会的に認知するための制度として、平成17年に(財)日本測量協会によっ
て創設されたが、G空間社会という言葉が使われるようになった今日、時代の先端を行く
資格の創設であったといえよう。
 ところが、である。その資格の浸透は残念ながら十分とは言えない。
そのような中ではあるが、「空間情報総括監理技術者」資格が要件とされた業務件数は、
平成19年度から高まり、昨年度は約70件の業務に活用されるようになっている。活用され
た主な業務として、都市計画基本図作成、市街地整備計画、道路整備計画、地理空間情報
(データ)整備、統合型GIS構築、ハザードマップ、基盤地図情報の作成などがある。発
注機関別では、市区町村が全体の約2/3、国・都道府県が約1/3となっている。これは、測
量協会の働きかけとともに、会員の皆様のご尽力によるところが大きいのではないだろう
か。現在、スペーシャリストの会企画委員会では、平成21年度上半期の活用状況の調査を
行っており、まとまり次第、報告する予定である。中間集計では40件を超えており、順調
に推移しているものと思われる。
「空間情報総括監理技術者」は、今年度の合格者を合わせると117名になった。これまで
一つの目標であるといわれてきた「有資格者数100名」を突破した。先月のメールマガジ
ンで、瀬戸島会長が近畿地方整備局で測量系CPDの加点のお話しをされているが、これは、
測量系CPDポイント100以上の技術者についてのことである。測量系CPDの登録者数は、現
在、約12,000人となっているが、この100以上のポイントを有する技術者の数は200名以下
と推察される。このことからも、数は小さいものの有資格者数が3桁になったということ
は、・・・ということである。
先の「スペーシャリストの会総会」でも少しお話しする機会を得たが、今年は「資格の浸
透とそのための広報活動」を積極的に推進していくので、会員各位の絶大なる協力と積極
的な取り組みをお願いしたい。
(林義政:パスコ)

<編集委員会よりお知らせ>
 12月号は住田の担当です。


■企画委員会報告
  委員会は開催されませんでした。


■リレーエッセイ  
スポーツの秋。今日(10日)からバレーボールの5大メジャー大会の一つ、ワールドグ
ランドチャンピオンズカップ2009が始まります。この大会はオリンピックの翌年に大陸の
チャンピオンを集めて行われる大会です。
ところで、バレーボールは日本では「メジャースポーツ」かどうか?五輪だけでも、金メ
ダルを3回、銀,銅を数多く獲っているのですから、球技の中ではメジャーなのでしょう
か!!でも、最後の五輪のメダルはソウルですから、20年以上も前のことで、近年の国際
大会での低迷は国内の競技人口にも反映して、女子はまあまあですが、男子の中学校のバ
レーボール部の激減は、まさに「マイナースポーツ」への転落とも言われています。
しかし、実はこの大会で8年前に女子が銅メダルを獲っています。2001グラチャンでは、
初日、五輪3位のブラジルを3-0で下し、最終日には格上のアメリカを敗っての銅。監督
は悲運の名将・吉川正博氏(今はバレーボール界にいません。)でした。セッターはこの
時も竹下。彼女は、かつてジュニアの世界大会で金メダルを獲っています。はたして2009
グラチャンの結果は?来日の顔ぶれから言えば、メダルのチャンスは十分にあります。ご
多忙とは存じますが、在京の方は、東京体育館で、その他の方はテレビにて、観戦・応援
をお願いします。
http://www.ntv.co.jp/volleyball/outline/index.html
http://www.ntv.co.jp/wgcc/2001/
バレーボールの話なら、もう少ししたいのですが・・・。アジア航測(株)船越さんか
ら受け取ったバトンを、30年余り前に寮の二階で大変お世話になったパスコの坂下先輩
にお渡ししたいと思います。
                        (西村芳夫:アスコ)


■コラム
 MM開始時に設定されていた執筆順番に21度加入者の方を加えて掲載しておきます。
これまでに執筆を忘れていた方からの投稿も受け付けております。

  ●執筆順番
     2007年1月号 神原(五星)
        2月号 瀬戸島(国際)、住田(アジア)
        3月号 高(朝日)、望月(パスコ)
        4月号 津留(朝日)、土方(国際)
        5月号 池田(アジア)、林(パスコ)
        6月号 赤松(国際)、秋山(朝日)
        7月号 内田(アジア)、大石(国際)
        8月号 大友(国際)、北原(地域みらい)
        9月号 木下(ランド)、楠(パスコ)
        10月号 東田(国際)、沼田(アジア)  
        11月号 野村(国際)
        12月号 福田(朝日)、村木(イメージワン)、早川(帝国)、畠(アジア)
     2008年1月号  横山(大成ジオ)、渡辺(アジア)、鈴木(中日本)
        2月号  与(パスコ)、及川(国際)、白井(国際)
        3月号 大谷(国際)、大橋(パスコ) 、伊藤鋭二(パスコ)
        4月号 大山容一(国際)、岡本(パスコ)、岩切(パスコ)
        5月号 川口剛(パスコ)、黒台昌弘(ハザマ)、岩波英行(国際)
        6月号 佐々木(パスコ)、品澤(パスコ)、大堂(アジア)
        7月号 菅原(パスコ)、高木(国際)、小川(アジア)
        8月号 高岸(パスコ)、田中(日本大学)、織田(アジア)
 9月号 筒井(パスコ)、長谷川(国際)、垣内(パスコ)
        10月号 畠山(国際)、廣瀬(国際)、菊池(パスコ)
        11月号 三浦(パスコ)、三島(パスコ)、北原(アジア)
        12月号 南澤(パスコ)、森田(パスコ)、斉藤(アジア)
   2009年 1月号 島田(国際)、外山(中日本),正岡(20年度)
       2月号 中野(アジア)、中本(パスコ)、坂下(20年度)
       3月号 藤井(アジア)、安野(アジア)、窪田(20年度)
       4月号 山田(パスコ)、渡邉(パスコ)、足立(20年度)
      5月号 橘(20年度)、塚原(20年度)、長澤(20年度)
       6月号 廣野(20年度)、平田(20年度)、横田(20年度)
       7月号 柴田(20年度)、小更(20年度)、阿部(20年度)
        8月号 船越(20年度)、八木(20年度)、大塚(20年度)
        9月号 中谷(20年度)、吉川(20年度)、西村(20年度)
      10月号 田中(20年度)、吉岡(20年度)

        11月号 藤井(21年度)、中舎(21年度) 
        12月号 五関(21年度)、熊谷(21年度)
2010年 1月号 井畑(21年度)、吉田(21年度)
     2月号 小川(21年度)、鵜殿(21年度)、白川(21年度)
     3月号 中崎(21年度)、富樫(21年度)、坂田(21年度)
     4月号 今里(21年度)、河野(21年度)、石森(21年度)
     5月号 大鋸(21年度)、前田(21年度)
     6月号 大伴(21年度)、近藤(21年度)
     7月号 金岡(21年度)、西村(21年度)
     8月号 石山(21年度)、藤川(21年度)
     9月号 梅村(21年度)、佐野(21年度)
     10月号 來山(21年度)、内田(21年度)


■コラム 利他の精神
 最近、身の回りで「利他」を冠する幾つかの言葉を散見したが、土木出身で計画を主たる
業務とする者にとって、このキーワードから新たな時代の到来の予兆を感じている。
本年9月の土木学会全国大会のテーマが、「これからの日本の社会と土木」〜利他行の土
木〜と設定された。元々、土木の歴史をみると行基や空海等の僧によって、土木事業が民
衆の手で行われてきた歴史があるが、全体討論会では、社会構造の転換期を迎えた今、こ
れからの社会に土木ができることは何か、もういちど原点に立ち返って、土木が果たす役
割・使命を認識し、確固とした視点を持つべく、土木の基本思想と考えられる「利他行」
(他人のための幸福を第一に考えること)の思想に焦点を当てて討論されている。
 この他、若手気鋭の計画学の学者達(藤井聡、西成活裕)は、環境問題や交通問題など
社会的ジレンマ(社会において個人の最適な選択が、全体として最適な選択とはならない
状況からくるパラドックス)の問題を含み、解決が困難な課題について、「利他行」の基本
精神となる「利他の精神」を根底においた手法により、解決を図ろうとしているが、今後、
社会資本の整備において、「人」と「社会」並びにその相互の要素が一層重要となることから、
「利他の精神」の役割が高まるものと考えられる。
 一方、上記の背景や地理空間情報や統計情報がホームページに公開される状況を踏まえ、
これからの空間情報の利用のされ方を推し量ると、現代の行基にあたる社会起業家達が、
空間情報を活用して、社会の課題を解決しようとする動きが予想されることから、今後、
我々は、このような分野でも「利他の精神」を持って、得意とする技術で貢献していくこと
が求められるようになるものと思われる。
【参考】
「土木計画学―公共選択の社会科学―」(藤井聡、学芸出版社)
「なぜ正直者は得をするのかー「損」と「得」のジレンマー」(藤井聡、幻冬舎新書)
「「渋滞」の先頭は何をしているのか?」(西成活裕、宝島社新書)
                 (藤井雅雄:写測エンジニアリング)

■コラム 
環境白書を読む機会があり、排出量取引市場の動向が興味深かったのでご紹介します。
 環境税制と同様に価格メカニズムを活用することで、経済社会全体としてより少ない削
減費用で温室効果ガスの排出削減が行われることをねらった仕組みに、「排出量取引」が
あります。京都クレジット取引の本格化とEU域内排出量取引制度(EU-ETS)等の創設によ
り、世界の排出量取引市場は近年大きく拡大しています。世銀によると2007年には、取引
量が約30億トン(CO2換算)、取引額は2006年の約2倍の640億ドルとなっており、価格が
付いたCO2削減量という新たな価値の取引市場の形成が今、世界で始まっています。
現在の排出権取引市場は京都メカニズムに基づくクレジットを取引する市場、EU-ETS市場、
その他の各国・各地域の排出量取引制度による市場が存在している状態です。そのなかの
1つ京都メカニズムに基づく取引市場をご紹介します。
 京都メカニズムとは、市場メカニズムを活用して京都議定書を批准して先進国としての
削減約束を達成する仕組みである。第一は、先進国が途上国に投資して排出削減事業を行
うクリーン開発メカニズム(CDM)。削減分は投資国が自国の排出枠に加えることができま
す。第二は、先進国同士が共同して排出削減事業を行う共同事業(JI)。第三が、先進国同
士が排出枠を売買する国際排出量取引です。この取引市場ではCER(CDM発行クレジット)
取引が取引量の約9割を占め、CERの買い手は欧州と日本が90%以上のシェア、売り手は中
国が取引量の73%(2007年)、次いでインドが6%と、アジア全体で市場の約80%を占めてい
ます。また、登録済みのCDMプロジェクトの種類では、バイオマス、水力、風力等の再生
可能エネルギーにかかわる案件が多くなっています。
以上、何かのヒントになればと思い取り上げました。
(中舎 哉:中日本航空)

 編集の都合上、吉岡様については次回に掲載させていただくこととしました。
 

■空間情報関連便利グッヅ / Web & Blogの紹介
 特にありません


■本の紹介
 特にありません


■測量協会イベント情報のお知らせ
◎セミナー
■サーベイアカデミー「地理空間情報イブニング・セミナー(第13回)」16時より
講師 西村正三 氏 (株)計測リサーチコンサルタント取締役
日時 平成22年1月19日(火)16時〜17時30分
演題 「顧客満足度を高める3次元計測の成果」
 分かりやすく伝えるためのデータの処理・解釈のしかたについて考える
内容 
現在、写真測量・3Dレーザ計測などを土木・建築・機械・文化財分野へ適用し、3次元
形状を取得することは一般化してきている。計測の目的に応じた計測機器を選択し、また
計測データを一般の人々に分かりやすく伝えるために、内容をかみくだき、解釈を加えた
分かりやすい成果を提示することが我々技術者には求められている。
 これまでに適応してきた数々の「文化財計測の事例など」を通して、そのデータの処
理・解釈(ドキュメンテーション)のしかたについて考える。また高精度に形状を取得す
ることの可能な「3Dハンディスキャナ」についても紹介する。
参加費  会員(特別会員含む)は無料  非会員は2,000円
会場 会場 (社)日本測量協会 研修室(文京区小石川)
CPD対象セミナー(CPD1ポイント発行)
問合わせは・ サーベイアカデミー事務局 03-5684-3360 
■ サーベイアカデミー「地理空間情報イブニング・セミナー」の講演が
  CD-ROMになりました。
シリーズ第3弾 (申込期限 平成22年4月末)
 会員は無料 非会員は1回分、2,000円(今回は3回分6,000円)
     第8 回「建設行政における地理空間情報利活用の現状と課題」
     第10回「TerraSAR-Xの利活用」
     第11回「特許権 測量業界にとっての価値」
     詳しくは、http://www.jsurvey.jp/k-academy20100430cd.pdf

■日本測量協会 公開講座  15時より
   「測量・地図の文化講座」
   第3回テーマ「伊能図について」
   日時:平成22年2月16日(火)   15時〜16時30分
   講師:星埜由尚 ((社)日本測量協会副会長・元国土交通省国土地理院院長)
   会場:日本測量協会 研修室(東京都文京区小石川)
   参加費:会員は、無料 非会員は2,000円
   CPD対象セミナー(CPD1ポイント発行)
   申込は事前にメール(open-lc@jsurvey.jp)またはFAX(03-5684-3366)で
   登録が必要です。


■お知らせ  CPDのポイントについて
 協会で開催しております、講習会・セミナー等に参加された方は、CPDの対象の場合、
受講書の発行日から6ヶ月です。
 それを過ぎますと、無効に成りますのでご注意ください。
                        (廿楽:測量協会)


■ちょっと・ちょっとコーナー 
 特にありません


■編集後記 
 一気に寒くなってきました。新型インフルエンザは皆様の周囲に迫ってきていませんか?
家族に患者が発生すると強制的に自宅待機となる企業もあるようです。同僚が次々と自宅
待機・・などというときに備えて危機回避のためのコンティンジェンシープランニングが
必要となりそうです。 
                            (編集委員長)

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