スペーシャリスト メールマガジン バックナンバー

タイトル:スペーシャリスト会報 Vol.39 発行日時:20010年2月15日14時29分7秒
┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
20010年2月15日
◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.39

                    発行元:スペーシャリストMM事務局
                     http://www.capnet.jp/spatial/
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛

INDEX :*ニュース・ラウンジ      
    *リレーエッセイ<空間連携>  *コラム
    *イベント情報   *測量協会イベント情報のお知らせ
*連絡事項 *国際活動 
============================================================================
■ ニュースラウンジ
地理空間情報社会を支える技術の一つが「時系列な変化把握技術」
最近、空中写真や地図などを用いた判読・読図などの技術力不足や後継者不足について
よく耳にする。アナログで定性的で主観的な技術として若い技術者層には映るようである。
災害大国日本では、毎年何らかの自然の災いがある。発災直後に力を発揮するのがこれら
の技術であるが、業界を見渡しても高齢化や技術者不足であることは否めない。
一方、地理空間情報活用推進基本法により各種の地理空間情報の整備と流通が進むなか、
これまでの空中写真や地図なども加えた多様な地理空間情報を活用した時系列な変化把握
技術が求められている。そこでは、例えば多種のデジタルデータを重ね合わせた画像を用
いた判読や解釈、新旧の多時期のオルソ画像を用いた変化解析など、[デジタル判読+デ
ジタル解析+専門的解釈]の複合した技術対応(これを「広義のデジタル判読」と呼ぶ)
が必要となる。そのためには、定性的で主観的であったアナログ判読から「広義のデジタ
ル判読」への転換を図り、若い技術者層の育成に努めることが急務とされる。
国土交通省は、全国の主要都市の自然災害に対する安全性が分かる地図作りに乗り出す
ことが新聞に報じられた(2010年1月6日付、読売新聞記事)。この記事によると、過去の土
地造成の歴史や地震、洪水などの被災履歴を調べ、5万分の1の地形図に反映させ、イン
ターネットで公開するようだ。首都圏の人口集中地区から開始し、10年間で30万人以上の
都市を網羅するという計画である。国土地理院が保管する明治期の地図、終戦後の米軍写
真やそれによる資料などを活用して、100年前と50年前の土地利用分類図を作成し、現在
と比較するようである。それによって、高度成長期に開発した宅地などでの旧地形を知り、
防災に配慮した土地開発や適正な土地取引を促す狙いであることを同省国土調査課が発表
している。
地理空間情報社会を支える技術の一つが「時系列な変化把握技術」であり、元々われわ
れが得意としてきた技術領域に再び光が差し込んできた。      (瀬戸島政博)

<編集委員会よりお知らせ>
 3月号は林さん担当です。


■企画委員会報告
「スペーシャリストの会」企画委員会(1月)議事録
日時:平成22年1月19日(火)13:30〜15:45
場所:日本測量協会3F 301室
出席者:瀬戸島、住田、林、津留、秋山、鈴木、池田、白井、大伴
欠席者:神原、北原、高、望月、田中、早川、大友、高岸、井畑

議事
1. 前回議事録の確認 

2. 報告事項
(1) 中部地区空間情報総括管理者技術者の会(仮称)活動報告
(2) MM誌の記事等について
(3) 第14回イブニングセミナー(3/12)への参加要請
3次元計測の研究会を立ち上げているスパーポイントリサーチの河村さんから
    話題提供をいただく。
次回は6月8日に商業用高分解能衛星
 7月7日にモバイルマッピングの話題提供を予定している。
(4) 公開講座―地図と文化講座―(2/16)への参加要請
星埜さんから伊能図の話題を提供いただく。
(5) 月刊「測量」新企画―気軽な測量資料館めぐり―取材会社の推薦
1月号の「東邦資料館」のような内容を、隔月で連載を予定している。
資料館のようなものを持っている会社を自薦他薦でもよいので教えていただきたい。
(6) 応用測量論文集の論文募集
論文を募集している。既に6、7件の応募があったとのこと。
投稿された論文は査読を行うので、査読付きの取り扱いとなる。
今回から論文集はCDで配布する。6月には作成予定。
発表は9月に開催されるG空間EXPOで行う。

3. 検討事項
(1) 月刊「測量」スペーシャリストの会コーナーの分担執筆(毎号)について
第5弾「現場主義」の2、3月号原稿は入手済み。
第6弾のテーマについては「環境への取り組み」とする。
(2) 新たな出版計画について(2件)
  『地理空間情報コンサルへの道(仮)』
地理空間情報コンサルティングのコンセプト発信を目的とする。
技術的な内容については現時点での考え方をまとめ、出版後、第2版等により修正加
筆することを念頭に置く。
G空間エキスポ会場で販売する。
  『測量系実務者のための提案要請書の読み方(仮)』
本書のねらいは総合評価方式への対応で、メインは"第2章 提案要請書の基本事
    項"である。
第3章は事例集とし、ある提案要請書に対して、複数の方の、その提案要請書の
    読み取り方を紹介する。
(3) 東京地区での活動方針
誰もが参加しやすい情報交換の場を設けたい。案として、スペーシャリストの会
    企画委員会メンバーを中心に、"地理空間情報コンサルティング研究会"を立ち上
    げる。
情報交換の場は、イブニングセミナーのように、話題提供、議論、その後懇親会
    のスタイルとしたい。
(4) 空間情報総括監理技術者資格の浸透と活用
資格の浸透普及を行うために、広報活動推進部会(仮称)を設ける。メンバーは
    林さんに検討いただく。
日本測量協会では、3月下旬に、計画機関向けに他の資格も含めた資格者名簿を
    作成(4000部)し配布(3000部)する。

4. その他
     次回 平成22年3月16日(火)15:30〜17:30 日本測量協会3F 301室

■『地理空間情報コンサルへの道(仮)』執筆について
 −地理空間情報時代のイノベーターをめざす−

(1)出版趣旨
・「地理空間情報コンサルティング」の提唱者として、SP会からそのコンセプトを発信する
 書籍としたい。
・「地理空間情報コンサルティング」についての考え方は、今後の事業や技術の進歩
 よって大きく影響されることが多いと考えられ、現時点での考え方を本書にまとめる。
 今後、本書の修正・加筆など視野に入れる。
・9月18日〜21日に開催される「G空間EXPO」の会場で販売を予定する。
・第1章は、瀬戸島・住田・林の会長・副会長で協議しながら執筆する。
・第5章は、SPの会会員・非会員を問わず、主旨に適合する企業等に執筆を依頼する。
・執筆期間:5月中旬

(2)目次(案)及び編集責任者(案)
                                 [頁数(目安)]
                                    [143]
はじめに     [瀬戸島]                 1ページ
監修者の言葉   [村井]                  1ページ
「スペーシャリストの会」について   [瀬戸島]       1ページ
本書の構成   [瀬戸島]                  1ページ
編集責任者および執筆者   [瀬戸島]            1ページ

第1章 地理空間情報コンサルとは  [編集責任者:瀬戸島・住田・林]   [19]

1.1 地理空間情報社会と新たに求められる事業領域            [10]
1.1.1 地理空間情報社会とは  [瀬戸島・住田・林]      5ページ
1.1.2 新たに求められる事業領域 [瀬戸島・住田・林]     5ページ

1.2 地理空間情報コンサルとは                     [9]
1.2.1 地理空間情報コンサルとその役割  [瀬戸島・住田・林] 4ページ
1.2.2 地理空間情報コンサルの多層化   [瀬戸島・住田・林] 2ページ
1.2.3 地理空間情報コンサルと建設コンサルとの違い  [村井] 3ページ

第2章 地理空間情報コンサルに求められる技術 [編集責任者:津留]  [28]

2.1 要素系技術  [編集責任者:津留(日測協)]            [12]
2.1.1 概要            [津留(日測協)]   1ページ
2.1.2 測量・計測関連技術     [津留(日測協)]   6ページ
1) 測量関連技術 [津留(日測協)]  3ページ
2) 計測関連技術 [村木(イメージワン)]  3ページ
2.1.3 通信・ネットワーク関連技術 [神原(五星)]    5ページ

2.2 応用系技術   [編集責任者:鈴木(中日本)]           [16]
2.2.1 概要            [鈴木(中日本)]   1ページ
2.2.2 都市計画関連技術      [井畑(パスコ)]    3ページ
2.2.3 道路関連技術        [大友(国際航業)]   3ページ
2.2.4 河川関連技術        [鈴木(中日本)]    3ページ
2.2.4 防災関連技術        [來山(復建調査)]   3ページ
2.2.5 環境関連技術        [望月(パスコ)]    3ページ

第3章 地理空間情報コンサルに求められる能力とは [編集責任者:秋山] [26]
3.1 概要    [瀬戸島(日測協)]           1ページ
3.1 監理技術  [瀬戸島(日測協)]           5ページ
3.2 企画・提案能力 [北原(地域みらい)]        4ページ
3.3 プレゼンテーション能力 [高岸(パスコ)]      4ページ
3.4 分析能力(問題発見・解決能力) [早川(帝国コンサル)] 4ページ
3.5 コミュニケーション能力  [田中(日大)]      2ページ
3.6 その他  (6)
3.6.1 技術者倫理  [大伴(朝日航洋)]         2ページ
3.6.2 関連法務等  [秋山(朝日航洋)]         4ページ

第4章 地理空間情報コンサルをめざして  [編集責任者:白井]     [21]
4.1 概要     [瀬戸島(日測協)]           1ページ
4.2 地理空間情報コンサルに必要な技術資格 (13)
4.2.1 測量系技術資格 [白井(国際航業)]         3ページ
4.2.2 システム・通信系技術資格 [神原(五星)]      3ページ
4.1.3 コンサル系技術資格  [早川(帝国コンサル)]      4ページ
4.1.4 総合監理系技術資格  [鈴木(中日本)]       3ページ
4.2 技術者育成に向けて (7)
4.2.1 技術者の育成方法  [林(パスコ)]         2ページ
4.2.2 世代別の技術者育成プラン [企画委員会作成]    5ページ

第5章 地理空間情報社会を生き抜くための注目技術 [編集責任者:池田  [42]
5.1 地理空間情報社会を生き抜くための技術条件とは [池田]   2ページ
5.2 スペーシャリストが選ぶ注目技術20選 [各企業に執筆依頼] 40ページ
・SPの会所属の有無に関係なく選定する
・20例の選定と各社担当者への執筆依頼 (20例×2ページ/例 =40ページ)
・執筆書式の決定、事例別の編集責任者の選定(SPの会会員から選定)

おわりに [瀬戸島]                     1ページ

参考文献(章別)  [事務局とりまとめ]           1ページ

■第7回 中部地区 空間情報総括監理技術者 活動報告
 開催日時:平成22年 1月13日(水) 15:00〜17:00
 決定事項:
 (1)平成22年度の測量協会主催への協力
   ・技術士1次試験講習は平成22年6月4日(金)実施予定。
   ・技術士2次試験講習は全2日の日程で行う。
      第1日目 平成22年4月 2日(金)
         講習内容:申込書の書き方・勉強方法
      第2日目 平成22年5月14日(金)
         講習内容:論文の書き方、各部門一般、専門論文の書き方、
              合格体験談
 (2)日本写真測量学会北信越支部の 空間情報セミナーへの講師派遣
       中日本航空の外山さんに依頼する。
 次回会合:
   中部SP会設立1周年を記念し、中部SP会の総会として実施
   講演:瀬戸島政博 会長、演題未定
        平成22年4月23日(金)15時00分から、場所は未定


■リレーエッセイ  
皆様初めまして、私は、リレーエッセイで、私を紹介して頂いた中崎さんと数年前に転
勤で岩手県盛岡の事務所で一緒に仕事をしていました。やはり雪国だけあって冬の寒さは
厳しい!と思って行ったのですが、雪国の住宅は窓が二重になっており、暖房器具のスイ
ッチを入れるとすぐ暖まります。室内にいる時は南国に住んでいるような感じでした。雪
国の冬の生活で学んだことで大切なことは、「夜は水抜きをして寝る。」「-2°になると
路面は凍る。」と言うことです。夜中には氷点下になり、水道管が凍り、破裂する可能性
があるそうです。しかし、寝る前に水を抜くのですが、全ての水道水が使えなくなり、夜
中にトイレに行くと流せるのは一度だけです。二度目は、外の元栓を操作しなければなら
ないと言うちょっとした辛さはあります。一度だけ水抜きを忘れて凍らせてしまいました。
水道屋さんが来るまで水道が使えず大変だった覚えがあります。また、「-2°になると路
面は凍る」と言うのは本当にピッタリ-2°になると固まります。日中は気温が上がり、路
面の雪は解け出すのですが、夕方になるとシャーベット状になり、夜にはアイスバーンに
なります。ボードに車外気温が表示される車を使っていましたが、見事に-2°で路面は氷
ます。皆様気を付けてください。そんな雪国生活でしたが、冬の休日の過ごし方は、朝起
きて窓を開け、天気がいいとスキーによく出かけました。東京での暮らしの中では考えら
れません。渋滞を避け、夜中に出て、現地の駐車場でリフトが動くまで車内で着替えをし、
待つと言うのが、私がスキー行くパターンでしたが、盛岡での生活では、朝起きて、自宅
でスキーウエアに着替え、すぐにスキー場に到着、リフト待ちも無く、数時間ガンガンに
滑って帰りに温泉に寄って、産地直売店で買い物、自宅に戻り夕食。時間に余裕があり、
このような生活が気に入っていました。東京から友人が来ると、温泉や観光地、その季節
の美味しいものを食べに連れて行く。そのような私の姿を見て友人は「藤川はすっかりモ
リオカンだな!」と言われていました。そのような生活でスキーが大好きになりました。
今年は、バンクーバー冬季五輪です!国連の潘基文事務総長は「五輪休戦」を呼び掛けて
いるようですが、私は社内で「五輪休暇」を呼び掛けています。私の注目する種目はやは
りスキーで特にモーグル競技に興味があります。「頑張れ日本!」
 それでは、まだ「スペーシャリストの会」では、新人で総会に一度参加しただけで他の
方と面識はありません。ここで途切れます・・・と言う訳にはいかないので、雪国の話を
しましたので白と言うことでアジアの白川さんにバトンをお渡ししたいと思います。突然
で申し訳ありません。
(藤川真司:パスコ)

■コラム
 MM開始時に設定されていた執筆順番に21度加入者の方を加えて掲載しておきます。
これまでに執筆を忘れていた方からの投稿も受け付けております。

  ●執筆順番
     2007年1月号 神原(五星)
        2月号 瀬戸島(国際)、住田(アジア)
        3月号 高(朝日)、望月(パスコ)
        4月号 津留(朝日)、土方(国際)
        5月号 池田(アジア)、林(パスコ)
        6月号 赤松(国際)、秋山(朝日)
        7月号 内田(アジア)、大石(国際)
        8月号 大友(国際)、北原(地域みらい)
        9月号 木下(ランド)、楠(パスコ)
        10月号 東田(国際)、沼田(アジア)  
        11月号 野村(国際)
        12月号 福田(朝日)、村木(イメージワン)、早川(帝国)、畠(アジア)
     2008年1月号  横山(大成ジオ)、渡辺(アジア)、鈴木(中日本)
        2月号  与(パスコ)、及川(国際)、白井(国際)
        3月号 大谷(国際)、大橋(パスコ) 、伊藤鋭二(パスコ)
        4月号 大山容一(国際)、岡本(パスコ)、岩切(パスコ)
        5月号 川口剛(パスコ)、黒台昌弘(ハザマ)、岩波英行(国際)
        6月号 佐々木(パスコ)、品澤(パスコ)、大堂(アジア)
        7月号 菅原(パスコ)、高木(国際)、小川(アジア)
        8月号 高岸(パスコ)、田中(日本大学)、織田(アジア)
 9月号 筒井(パスコ)、長谷川(国際)、垣内(パスコ)
        10月号 畠山(国際)、廣瀬(国際)、菊池(パスコ)
        11月号 三浦(パスコ)、三島(パスコ)、北原(アジア)
        12月号 南澤(パスコ)、森田(パスコ)、斉藤(アジア)
    2009年 1月号 島田(国際)、外山(中日本),正岡(アジア)
         2月号 中野(アジア)、中本(パスコ)、坂下(20年度)
        3月号 藤井(アジア)、安野(アジア)、窪田(パスコ)
         4月号 山田(パスコ)、渡邉(パスコ)、足立(アジア)
        5月号 橘(パスコ)、塚原(パスコ)、長澤(鳥取大学)
         6月号 廣野(アジア)、平田(国際)、横田(パスコ)
        7月号 柴田(中日本)、小更(パスコ)、阿部(パスコ)
         8月号 船越(アジア)、八木(朝日)、大塚(富士山)
        9月号 中谷(アジア)、吉川(アジア)、西村(アスコ)
         10月号 田中(パスコ)、吉岡(パスコ)
       11月号 藤井(写測)、中舎(中日本)
         12月号 五関(パスコ)、熊谷(パスコ)
    2010年 1月号 井畑(パスコ)、吉田(パスコ)
         2月号 小川(大興計測)、鵜殿(パスコ)、白川(アジア)

       3月号 中崎(パスコ)、富樫(パスコ)、坂田(パスコ)
       4月号 今里(パスコ)、河野(パスコ)、石森(パスコ)
      5月号 大鋸(アジア)、前田(タイム)
        6月号 大伴(朝日)、 近藤(玉野)
       7月号 金岡(パスコ)、西村(国際)
       8月号 石山(パスコ)、藤川(パスコ)
        9月号 梅村(アジア)、佐野(アジア)
        10月号 來山(復建)、内田(パスコ)


■コラム   <熱くなることから始まる>
 最近の歴史ブーム?!には驚かされる。少し前まではどちらかと言えばマニアックとも
思える「歴女」や「戦国乙女」と呼ばれた歴史好きな女性たちなどがクローズアップされ
て、少し別世界の出来事と感じていた。しかし、最近はNHKで「坂の上の雲」や「龍馬
伝」が放送されるようになって、その様相は大きく様変わりしたように感じる。
 特に、多くの書店が2つのドラマに関係する書籍を特設コーナーを設けて取り揃えてい
ることやそれらの書籍のタイトルの多さには驚かされる。(龍馬伝の関連書籍には英語の
タイトルもあるから驚きである)
また、この私までもが関連する書籍を手にとって読んでいるから驚きである。
 いずれにしても、あらゆる人々が明治維新や日露戦争の時代だけでなく、様々な時代の
歴史に惹きつけられて熱くなっている気がする。しかし、その熱意が多くの知識などを得
る機会に繋がり、結果として多様な知識などを得ているのだろうと思う。
 これらのことは、私たちの仕事に関しても同様なことが言えるのではないかと思う。
すなわち、将来に向けて仕事を自分のプラスとなるようにするためには、まず如何にして
熱くなることができるかがポイントになるのだろうと思う。
 少々逆説的ではあるが、私たちの仕事の楽しさや重要性などをより多くの人々に伝えて
いくことで、私たちの業界に情熱を注いでくれる将来の技術者を増やして、業界全体が更
に発展していくようになれば良いと感じた。
                        (小川孝之:大興計測技術)


■コラム   特技
 子供が小学生だった頃、宿題で、オトーサンの特技は?と聞かれた。
はて、特技?お酒は好きだが特技とはいえない。読書?分厚い本を10分で読めれば特技だ
が、そんな技はない。趣味ではなく、好きなことでもなく特技か、、、ちょっと、困った。
困ったあげく、仕事のことを考えた。地図をよく使うな。地形図の読図は当然できる。地
図は好きだし、見飽きない。そうだ、地図を読むこと、としよう。すると、ニョーボのや
つが、なかなか良い、と珍しくほめるではないか。
 考えてみると、これはなかなかの特技である。世の中、地図を読める人は案外少ないよ
うである。なにしろ、女はすべからく地図が読めないらしい。ウチのニョーボのやつもそ
うであるから、きっとこれは真実であろう。地図の絵づらは見れても、それを実空間に当
てはめることは意外とむずかしいようだ。そういえば、我が社の若い衆にも地図が読めて
いない輩がいるようだ。、、、、、こいつらほんとに地図屋か?
 地図を読むことは、記号化された空間情報を実空間に結びつけて認識する空間認識であ
る。土地や季節ごとの風物に関する知識や洞察力も必要である。さらに、道案内をするに
は空間スケールを時間スケールに置き換えることができる能力が必要になる。日頃当たり
前のようにこなしていることも、地形図を手に現地を歩き、空中写真を読み判読図を作り、
GISを駆使して解析をし、、、、、ン十年の精進のたまものであった。地図の読めない後
輩たち(地図屋?)にもぜひ確実に身につけてほしい特技だ。
 こう考えると、案外高度な知的能力なのだなあ。だんだんすごい特技のような気がして
きた。ちょっぴり得意である。ということで、私の特技(の一つ?)は地図を読むことで
ある。もっとも、地図を読める諸兄に自慢しても始まらないのだが。
                          (鵜殿俊昭:パスコ)


■コラム   −1995年1月17日−
先日もハイチで大きな地震が発生し甚大な被害が広がっているが、私にとってこの時期
になると思い出すのが、やはり阪神・淡路大震災の記憶である。
1995年1月17日未明、「地震だ!」そう思ったとたんに、ゴォーという地響きのあと、地
下から突き上げるような大きな衝撃がマンションに伝わり、身体の上にタンスが降りかか
ってきた。今度は左右に激しく揺れ、これでもかと容赦ない横揺れが続く。ようやく悪夢
のような揺れがおさまった後、家族に目をやると、タンスの上に置いていた衣装ケースが、
娘の横に落ちていた。いつもの寝場所なら顔面を直撃しているところであったが、その時
に限り母親に寄り添っていたため、幸いにも命拾いをした。家中の家具は倒れ、食器は床
に飛び散り、足の踏み場もないほど散らかった家の中を、電気がつかない真っ暗な中で
「一体何が起こったのかと」不安な時間が経過した。空が白んできてから電気がつき、テ
レビでは信じられない惨状が広がっていた。「えっ、阪神高速落ちとるで、三宮のビル倒
れている、長田で火事発生」、「すぐそこの駅は崩壊し、人が亡くなっている」...大き
な地震など関西では起こらないと多くの人(関西人)は信じていたのだが、この大地震を
起こしたのは当時では聞き慣れない『活断層』であった。
 昨年の夏2009年7月より国土地理院のHPでは、全国の2万5千分1都市圏活断層図がWeb
で閲覧可能(無料)となった。(http://www1.gsi.go.jp/geowww/bousai/menu.html)震
災前にこの情報を知っていれば、少しは用心したかもと考えたが、逆に地震発生後なので
あと100年は大丈夫と高をくくっている。 
あれから15年、大地震は起こらないと信じつつ、いまだにタンスの置いている部屋で寝て
いる次第である(住宅事情)。せめて、タンスの上に重いものは置かないようにと...。
みなさん地震にはくれぐれもご用心を。
(白川文夫:アジア航測)


■空間情報関連便利グッヅ / Web & Blogの紹介
地理空間情報でデータを扱っていると拡張子を変換したいことがある。ESRI社のshape
ファイルやGoogle EarthのKMLなど・・・。そんな時、アリゾナ大学の学生が運営するサ
イトZonum Solution( http://www.zonums.com/ )は、フリーウェアのコンバータが充実し
ている。shp2kml2.0はshapeファイルからKMLへのコンバータ、逆にkml2shpはを用いる。
shape変換のみならずCADのDXFやGPSデータのGPXへも変換可能な、便利なサイトです。 
        (田中 邦一:日大)


■本の紹介
松本健一・著:『海岸線の歴史』、ミシマ社、定価:本体1,800+税
 浮世絵に描かれた郷愁を強く感じさせられる海岸線は、どうやら当時の植林による人工
的な海岸景観であったようです。日本人の精神の歴史と海岸線の変遷を絡ませて語ってい
る面白い書籍です。 (瀬戸島政博:測量協会)

江戸の都市計画   著者;童門冬二   文芸新書
 著者は「上杉鷹山」などで知られる歴史小説家である。彼の略歴を見ると東京都の政策
室長であった。その意味では一味ちがった「都市計画論」だ。江戸城を築いた大田道灌は、
河口港を利用し富を増やす計画を遂行。徳川家康は、埋立地を拠点に「武士」の都を造っ
た。家康の入府後67年、明暦3年(1657)の大火で灰塵と化した江戸の復興を行ったのは、
“知恵伊豆”とよばれる松平伊豆守信綱。彼は天守閣再建は行わず、「政治都市化」を進
める。八代将軍、吉宗は元禄の華やかな後を受けて疲弊した財政のもとで、民の声を聞き
健全な都市の建設に励む。そのほか名奉行大岡の防災機能強化や鬼平が建議した「更生施
設」など興味が尽きない。(田中 邦一:日大)

地理空間情報工学演習 日本リモートセンシング研究会 編
      B5版 定価2、300円(税込) 会員価格2、070円(税込)  送料440円
                        (詳しくは、測量協会HPへ)
進化する自治体GIS   月刊「測量」別冊
      A4版 定価2、400円(税込) 会員価格2、160円(税込)  送料440円
                        (詳しくは、測量協会HPへ)


■測量協会イベント情報のお知らせ
●サーベイアカデミー「地理空間情報イブニング・セミナー(第14回)」16時より
 講師 河村幸二  (合) スパーポイントリサーチ代表
 日時 平成22年3月12日(金)16時〜17時30分 
 演題 3次元計測によるビジネスの創造
     −世界の動向を鑑み、日本のマーケット拡大の課題と方策を考える−
 内容
  今年2月に開催される世界大会 SPAR 2010での最新情報に、3次元計測のマーケット動
  向を欧米との比較をし、日本の関連産業界の活性化の課題と方策を考える。
  最近では単なる形状情報だけではなくて、色彩、材質、表面温度など、他のセン 
  サーからの情報とも融合し、付加価値をあげて客先の高度なニーズに対応する動きも
  活発化してきている。工夫次第でさらに用途が広がる。
  また既存設備の延命と、地球環境負荷低減のための改造にも役立ち、新たな雇用を生
  み出すことで、まさに時代の要請にこたえる技術である。
 参加費  会員(特別会員含む)は無料  非会員は2,000円
会場 会場 (社)日本測量協会 研修室(文京区小石川)
       CPD対象セミナー(CPD1ポイント発行)    
       問合わせは・ サーベイアカデミー事務局 03-5684-3360 

■サーベイアカデミー「地理空間情報イブニング・セミナー」(Vol.3配布)の講演が
   CD-ROMになりました。(申込期限 平成22年4月末)
    会員は無料 非会員は1回分、2,000円(今回は3回分6,000円)
      第8回 「建設行政における地理空間情報利活用の現状と課題」 
      第10回「TerraSAR-Xの利活用」
      第11回「特許権 測量業界にとっての価値」   
        詳しくは、http://www.jsurvey.jp/k-academy20100430cd.pdf

●日本測量協会 公開講座  15時より
   「測量・地図の文化講座」
   第3回テーマ「伊能図について」
   日時:平成22年2月16日(火)   15時〜16時30分
   講師:星埜由尚 ((社)日本測量協会副会長・元国土交通省国土地理院院長)
   会場:日本測量協会 研修室(東京都文京区小石川)
   参加費:会員は、無料 非会員は2,000円
   CPD対象セミナー(CPD1ポイント発行)
   申込は事前にメール(open-lc@jsurvey.jp)またはFAX(03-5684-3366)で
   登録が必要です。
                           (廿楽:測量協会)
        
■お知らせ  CPDのポイントについて
 協会で開催しております、講習会・セミナー等に参加された方は、CPDの対象の場合、
受講書の発行日から6ヶ月です。
 それを過ぎますと、無効に成りますのでご注意ください。
                        (廿楽:測量協会)


■ちょっと・ちょっとコーナー
特にありません。


■国際活動   第19話 インド、アッサムでのワークショップ
 国際写真測量・リモートセンシング学会(ISPRS)の教育関係の技術部会Com. VIの下で、
スイスETHを定年退官したアーミン・グリュン教授と私が「Technology Transfer Carava
n」と称するグループを運営している。趣旨は、先端的な技術情報を途上国や若い科学
者・技術者に提供するのに、我々講師陣が現地に出張して出来るだけ多くの聴衆を対象に
することにある。13年前の1996年から継続してやっている。
 今回は、アジア工科大学院(AIT)に勤務するマンズールの出身地であるインドはアッ
サムのグワハテイでワークショップを開催した。以前からマンズールはワークショップを
希望していたのだが、諸般の事情で実現しなかった。講師陣は私とアーミン、マンズール
の他、考古学者のピーター・フックス(スイスETH)、ローライ社のアッキム・ヘルマイ
ヤー(ドイツ)の総勢5人である。現地では、昔村井研究室に在籍したナゲスワラ・ラオ
に20年ぶりに会えたのは嬉しかった。私は、「地理空間情報技術の現状と展望」を講義し
たが、その中でGPSを用いた地震予知の話も入れたところ、翌日の地方新聞に記事に取り
上げられた。アッサムでは地震があり、被害があったので、興味は高いのだった。マン
ズールのことも記事になったので、一族や友人などに対してマンズールは「錦を飾った」
ことになった。テレビ放映もあったと後から知らされた。
 ワークショップ終了後、カジランガ国立公園にサファリに出かけた。ミャンマーの国境
近くは自然が残り野生動物の楽園になっている。早朝5時半に象の背中に揺られて、サイ
を至近距離で見ることができた。ジープでもサファリをしたが、運よく、サイの交尾シー
ンを見ることもできた。これはめったに見られない幸運だそうだ。
 翌日アッサム茶畑にあるゲストハウスに泊まり、工場見学をした。アッサムは何十キロ
も茶畑が広がり、植民地時代のモノカルチャーがいかにすごかったかわかる。お茶の葉を
摘むところから、保存、粉砕、発酵、選別、包装まで一連の工程を見学した。工場長から
自慢のアッサムテイーを寄贈された。鍋で3分間ミルクと砂糖を入れてボイルするのが正
式な飲み方なのだそうだ。実際そのとおりにしたらとても美味かった。紅茶で美味しいの
に当たる確率は低いので、美味しいアッサムテイーに巡り合わせたのはラッキーであった。
 アッサムでは、疎林(大体30m間隔の樹木)の中に茶畑が広がる。あまり太陽光を与え
すぎない工夫だそうだ。朝は霧が深く、霧の中から日の出を見るのは幻想的だった。仕事
と遊びを兼ねた退職後のボランテイアとして最高である。
                        (村井俊治 2009.12.3)


■編集後記 
 立春の日に最低気温を記録する寒波が押し寄せています。東北・北海道の日本海側は連
日大雪、太平洋側は三寒四温と言った状況ですが着実に春に近付いているようです。私は
すでに花粉症を発症していますが皆様は大丈夫でしょうか? 心配された新型インフルエ
ンザも感染爆発には至らず季節性と同程度の状況にあるようです。 もうすぐ春です。 
御自愛ください。
                            (編集委員長)

────────────────────────────────────────
   All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club
このメールマガジンを紹介したい方は各自の責任で転送しても結構です。
────────────────────────────────────────
戻る
CGIの匠