| タイトル：スペーシャリスト会報 Vol.43 | 発行日時：20010年6月15日0時17分4秒 |
| ┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 20010年6月15日 ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.43 発行元：スペーシャリストMM事務局 http://www.capnet.jp/spatial/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ INDEX ：＊ニュース・ラウンジ ＊リレーエッセイ＜空間連携＞ ＊コラム ＊イベント情報 ＊測量協会イベント情報のお知らせ ＊連絡事項 ============================================================================ ■ニュース・ラウンジ 森林再生に関連した事業に注目 私は、現在、(社)日本測量協会で測量技術者の教育研修や会員普及などの事業を管轄し ている。最近では、会員普及の一環としてバラエティー番組「笑っていいとも」にも出演 し、将に汗顔の至りである。一方、測量技術者のための新たな教育研修として、測量と森 林に関するテーマを模索している中、森林再生に関連した事業やその必要性が俄かに活発 化してきた。 2000年頃から2007年までの前職時代に、森林CO2吸収源に関する新ビジネス開拓やそのた めの技術開発、空間情報を活用した里山林の利活用管理のための技術開発などを進めてい た。お陰で「航空から季節的に観測した葉色および樹冠高の変化に基づく里山林の代表的 な樹種区分に関する研究」で九州大学から2005年9月に二つ目の博士（芸術工学）号を取 得できた。 そのようなこともあって、森林再生などには以前から関心を持ち続けていた。最近の専 門紙にも頻繁に森林再生やそのための林建協働に関する記事が載せられている。森林再生 には、戦後の一斉造林による人工林が伐期を迎え、これまでの外材利用から国内材利用へ の転換、そのため路網整備、森林整備、森林の持つ多面的機能の向上など、生産面から環 境保全までの幅広い事業が関わってくる。その背景には、「森林・林業再生プラン−コン クリート社会から木の社会へ−(平成21年12月25日)」があり、10年後には木材自給率50％ 以上をめざす姿を明確にしている。このような国家事業は政権政党の栄枯盛衰とは別に、 どの政党にも支持され、重要視される。また、実際の事業推進という面でも、これまでの 森林施策単独では限界があり、林建協働による大きな始動が求められている。 事業背景とその必要性は徐々に整備されているが、そのための基盤技術の整備はこれか らとなる。今後、森林を舞台としたわれわれの技術領域の活躍の場が大きいように思える。 そのためにも空間情報総括監理技術者資格に加えて、技術士森林部門の資格ぐらいは欲し いものである。森林業界とよりよく会話できるようになるためにも。 （測量協会：瀬戸島政博） ＜編集委員会よりお知らせ＞ ７月号は林さんの担当です。 ■企画委員会報告 日時：平成22年6月15日（火） 13:00〜15:00 会場：日本測量協会 301号室（3F） 出席者：瀬戸島、住田、林、望月、白井、鈴木、津留、秋山、池田、村木、高岸、井畑、 大伴、早川、大友,廿楽（事務局） 欠席者：神原、北原、田中、高 □議事 １．前回記事録の確認 ２．報告事項 （1）「スペーシャリストの会」支部活動報告 1）中部支部報告 �ゝ蚕兒�2次試験講習会 4月2日（金）、5月14日（金）実施 ��技術士1次試験講習会 6月4日（金）実施 �Ｃ翩�支部総会 4月23日（金）開催 中部支部の定款を検討 「スペーシャリストの会」のロゴを提案, 測量協会ロゴの使用について協会内部で協議する。 2）関西支部 近日中に打合せを予定 3）東京支部 5月25日「地理空間情報コンサルティング研究会（仮）」開催 住田会長（東京地区支部長）他10名 幹事を各社から2名選出する予定 （2）MM誌の記事等について 6月号 6月15日発行予定 （3）第16回「地理空間情報イブニング・セミナー」への参加要請 日時 平成22年7月7日（水）16:00〜17:30 場所 日本測量協会 研修所 演題 モバイルマッピングの最新動向 講師 中嶋力也氏（トプコン） （4）公開講座−測量・地図の文化講座−への参加要請 日時 平成22年10月27日（水）16:00〜17:30 （年4回の初回） 場所 日本測量協会 研修所 演題 中国の測量 地図作成の歴史 講師 今村遼平氏（アジア航測） （5）空間情報総括監理技術者資格の浸透と活用 116件で前回調査66件から倍増した。 ３．討議事項 （1）月刊「測量」スペーシャリストの会コーナーの分担執筆（毎号）の確認 1) [6回シリーズ : 第6弾:「環境への取り組み」] �‖�1回佐野（アジア航測）、��第2回大橋（パスコ）、�Ｂ�3回平田（国際航業） �ぢ�4回秋山（朝日航洋）、�ヂ�5回長澤（鳥取大学）、�β�6回菊池（パスコ） 2) [6回シリーズ : 第7弾:「品質主義」] �‖�1回住田（アジア航測）、��第2回柴田（中日本航空）、��パスコ（人選中） �す餾盜匐函平輿�中）、�ツ�日航洋（大友）、�Ε織ぅ灰Α幣�川） （2）「地理空間情報コンサルへの道（仮）」執筆と進捗 1) 執筆スケジュール、構成に関して �〆能�原稿締め切りは、6月14日（測量協会 廿楽氏まで） ��各項ごとに各執筆責任者を記載する（文責の明確化） ��カラー全面印刷とする。 �ぢ�6章に予定した「技術20選」は削除。来年以降、別途検討する。 �ゥ織ぅ肇襪蓮崔詫�空間情報コンサルタントへの道」とする。 ４．次回SPの会企画委員会 平成22年7月7日（水）13:30〜15:30 日本測量協会301号室（3F） （高岸且：パスコ） ■リレーエッセイ 皆様はじめまして、大興計測技術の小川と申します。今回は先日見学する機会がありま した三内丸山遺跡についてお話ししたいと思います。 三内丸山遺跡は青森県にある遺跡で今から約5500年前から4000年前の縄文時代の集落跡 として発見された遺跡です。その発掘調査によって竪穴住居跡、大型竪穴住居跡、大人の 墓、子供の墓、掘立柱建物跡、貯蔵穴、捨て場および道路跡などが発見されて集落全体の 様子や食べ物、交易、技術および自然環境などについて知ることができたとのことです。 まず食べ物については主に木の実などの植物性の食料やムササビやノウサギなどの小動 物、そしてマダイやサメ類の魚類が食べられていたようです。 次に交易はヒスイ、黒曜石および琥珀などが現在の新潟や北海道や東北地方の各地より 舟で運ばれきたことより、各地域と活発に交流・交易がされていたとのことです。 また、自然環境では当時の平均気温は現在より2度から3度高く、水位も5mくらい高かく、 集落の船着場から容易に川を下って海に出て漁をしていたようです。さらに集落は墓と普 段生活をする住居とは厳密に区分していた他、まつりの場、貯蔵する場やゴミ捨て場など を作って集落を形成していたようです。 技術としては、漆器が発見されたことより摂取量の少ない漆を専門的な技術で精製して 漆器を作れるほど高い技術を持つ人がいた模様です。 いづれにしても、ここで説明した事柄は4000年以上も前の話しであり、約1500年間とい うあまりにも長い時間の流れの中、この地で生活が営まれてきた事実に大変な驚きを感じ たとともに自分の存在の小ささを改めて認識しました。 この長きに渡りこの地で生活が営まれてきた背景には縄文の人々が海や森の自然に感謝 すると共に自然と上手く共生し、自然そのものを維持管理してきた結果だとと言えます。 これらのことは現代の私たちが求めている豊かさでもあることより、先人の文化や生活 などを知ることで新しい知恵を教えてもらえたと感じています。そしてその知恵を自らの 活動に活かせるように日々取組んでいくように心掛けたいと思います。 次回も中部ＳＰ会メンバーである中日本航空株式会社の中舎さんにバトンをお渡しした いと思いますので、宜しくお願いします。 （小川孝之:大興計測技術） ■コラム MM開始時に設定されていた執筆順番に２1度加入者の方を加えて掲載しておきます。 これまでに執筆を忘れていた方からの投稿も受け付けております。 ●執筆順番 2007年1月号 神原（五星） 2月号 瀬戸島（国際）、住田（アジア） 3月号 高（朝日）、望月（パスコ） 4月号 津留(朝日)、土方(国際) 5月号 池田(アジア)、林（パスコ） 6月号 赤松(国際)、秋山(朝日) 7月号 内田(アジア)、大石(国際) 8月号 大友(国際)、北原(地域みらい) 9月号 木下(ランド)、楠(パスコ) 10月号 東田(国際)、沼田(アジア) 11月号 野村(国際) 12月号 福田(朝日)、村木(イメージワン)、早川（帝国）、畠(アジア) 2008年1月号 横山(大成ジオ)、渡辺(アジア)、鈴木（中日本） 2月号 与(パスコ)、及川(国際)、白井（国際） 3月号 大谷(国際)、大橋(パスコ) 、伊藤鋭二（パスコ） 4月号 大山容一(国際)、岡本(パスコ)、岩切（パスコ） 5月号 川口剛(パスコ）、黒台昌弘(ハザマ)、岩波英行（国際） 6月号 佐々木(パスコ)、品澤(パスコ)、大堂（アジア） 7月号 菅原(パスコ)、高木(国際)、小川（アジア） 8月号 高岸(パスコ)、田中(日本大学)、織田（アジア） 9月号 筒井(パスコ)、長谷川(国際)、垣内（パスコ） 10月号 畠山(国際)、廣瀬(国際)、菊池（パスコ） 11月号 三浦(パスコ)、三島(パスコ)、北原（アジア） 12月号 南澤(パスコ)、森田(パスコ)、斉藤（アジア） 2009年 1月号 島田（国際）、外山（中日本）,正岡（アジア） 2月号 中野（アジア）、中本（パスコ）、坂下（２０年度） 3月号 藤井（アジア）、安野（アジア）、窪田（パスコ） 4月号 山田（パスコ）、渡邉（パスコ）、足立（アジア） 5月号 橘（パスコ）、塚原（パスコ）、長澤（鳥取大学） 6月号 廣野（アジア）、平田（国際）、横田（パスコ） 7月号 柴田（中日本）、小更（パスコ）、阿部（パスコ） 8月号 船越（アジア）、八木（朝日）、大塚（富士山） 9月号 中谷（アジア）、吉川（アジア）、西村（アスコ） 10月号 田中（パスコ）、吉岡（パスコ） 11月号 藤井（写測）、中舎（中日本） 12月号 五関（パスコ）、熊谷（パスコ） 2010年 1月号 井畑（パスコ）、吉田（パスコ） 2月号 小川（大興計測）、鵜殿（パスコ）、白川（アジア） 3月号 中崎（パスコ）、富樫（パスコ）、坂田（パスコ） 4月号 今里（パスコ）、河野（パスコ）、石森（パスコ） 5月号 大鋸（アジア）、前田（タイム） 6月号 大伴（朝日）、 近藤（玉野） 7月号 金岡（パスコ）、西村（国際） 8月号 石山（パスコ）、藤川（パスコ） 9月号 梅村（アジア）、佐野（アジア） 10月号 來山（復建）、内田（パスコ） ■コラム 最近のサッカー試合中継 オリンピックをしのぐとも言われている4年に一度のビッグイベント、サッカーワールド カップが南アフリカで始まりました。このコラムは開始前に書いていますので、直前の日 本チームの試合結果のように盛り下がったままなのか、はたまた、始まってみたらやっぱ り盛り上がったのかはわかりませんが（笑）。 さて、最近のサッカーの試合の中継では、試合の途中で実にいろいろな数字が紹介され ることはご存知でしょうか。例えば、「ショッツ・オン・ゴール」。これは、ゴールの枠 内に入ったシュート本数なので、注意して見ていれば誰でも簡単にカウントできます。 「ボール・ポゼッション」はボールを支配していた時間の割合。これもおおむねどちら のチームの支配率が高かったのかは、なんとなく感覚でわかりますが、ずばりパーセント 数で表示されます。このあたりの数字になると、誰がどうやって計算しているのか、気に なってきます。 最近では、このような数字の中に、特定の選手の走行距離が表示されるようになりまし た。この業界の方であれば、「おっ、カメラを使った動体計測技術を使っているな！」と すぐに想像することでしょう。どうやらその通りらしいのです。 わが日本チームも、今年、代表メンバー強化のために、埼玉スタジアムにフランス・SUP 社製のプレー分析システム「アミスコ」を導入したそうです。スタジアムの屋根部分に、 工事費約1000万円をかけて8台のカメラを設置、ピッチ上の選手を追尾し、走行距離やプ レーエリア、ドリブルやパスの方向、角度といった多角的なデータを数ミリ単位で収集で きるシステムとのこと。気になるランニングコストは、1試合のデータ解析費として50万 円程度かかるそうです。 ちなみに、私が出身地静岡県でサッカー小僧をやっていた頃は、鉛筆とサッカーコート の枠を書いた紙を用意し、ベンチやスタンドからマークした選手一人の動きを、鉛筆でか なりいい加減な軌跡を描き、その選手の動き具合をチェックするという方法をやっていま した。ですから、当時のテクノロジー（？）では、フィールドプレーヤーの数だけトレー スする人が必要で、その精度はとても問うべきレベルのものではありません。これを思う と、最近の空間情報計測技術のすごさが身にしみてよくわかります。 こんなセンスでワールドカップサッカーの中継をご覧いただければ、わが日本チームの 成績とは別に、興味深く観戦できるかもしれません。 （大伴真吾：朝日航洋） ■コラム 私は学生時代から合気道をやっており、現在も指導と自分の稽古をぼちぼちやっており ます。その指導の中で最近戸惑っていることがあります。それは稽古に来る人の情報量の 多さです。今は教習用や演武のＤＶＤが多く発行されており、多くの人がそれを見て稽古 に来るので、技法等が稽古する前から頭の中に入っています（体は動きませんが）。 私が覚え始めた頃は、そういった本もありましたが、先生の言うことをひたすら稽古す るのみで、細かな説明等はありませんでした。今稽古中に「〜は理屈的におかしくないで すか？」等の質問をされても、なかなか適切な回答ができないことがよくあります。 似たようなことは仕事でもあります（普通の人が色々な情報を持っており、こちらも相 当準備しておかないと説明しきれない時があります）。これからは仕事でも私生活におい ても、体で覚えた技術を維持向上しつつ、多くの情報を有効に利用していきたいと思いま す。 （近藤泰徳：玉野総合コンサルタント） ■空間情報関連便利グッヅ / Web & Blogの紹介 梅雨時には「今日は雨が降るのか気になる」出雲地方では「弁当忘れても傘忘れるな」 と言う諺言があるくらいだ。そんな時に役立つのが国交省防災情報提供センターが公開し ている「リアルタイムレーダー」各機関の観測データを組み合わせ動画で3時間の観測を 閲覧すると降雨有無を自分で予想できて面白い。 （田中 邦一：日大） http://www.jma.go.jp/jp/bosaijoho/radar.html#a_top 気象庁でもレーダー観測結果をアメダスの雨量データで補正し、短期間の降雨予測を 「レーダー・降水ナウキャスト」で公開している。10分間雨量を1時間先まで予測してい るので防災面にも役に立つので、あわせて利用するとよい。 http://www.jma.go.jp/jp/radnowc/ （田中 邦一：日大） ■本の紹介 再現 江戸の景観 清水英範・布施孝志 著 鹿島出版会 定価：2,200円 先生たちの講演は何度か聴いたことがある。それが本になった。江戸絵図を基礎資料に 江戸の都市景観をビジュアルに再現し、広重や北斎が描いた風景画と再現された景観から 絵のモチーフの誇張や構図のデフォルメを検証している。絵図と現代地図を重ねるための 幾何補正、建造物の高さの検証など方法論も詳しく紹介されていて面白い。講演で見た再 現画像がカラーだったが、この本では白黒なのがもの足りない。 （田中 邦一：日大） ■測量協会イベント情報のお知らせ ◎セミナー ★サーベイアカデミー「地理空間情報イブニング・セミナー」16時より 第16回「モバイルマッピングの最新動向」 講師 中嶋 力也 氏 （(株)トプコンポジショニングビジネスユニットアジア中東マーケティング部） 日時 平成22年7月7日（水）16時〜17時30分 会場 日本測量協会 研修室(東京都文京区小石川) 参加費 会員は無料、非会員は2,000円 CPDポイント 測量CPDを1ポイント発行 募集人員 先着40名(狭い会場になりますので早めにお申し込みください） 詳細はHPに掲載してあります。http://www.jsurvey.jp ★サーベイアカデミー「プロポーザルに強くなるための実習講座」 ー プレゼンテーションの基本から、論理的文章の書き方等を演習や実習を通じて、 ノウハウを伝授する ー 日程 6月22日（火）・7月21日（水）・8月24日（火）・9月15日（水） ／月1回・計5回／ 講師 村井俊治（サーベイアカデミー校長・東京大学名誉教授） 募集人員 10名 申込期限 4月30日（金） 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/k-academy20100514.pdf ■平成22年度「空間情報総括監理技術者資格認定試験」のご案内 詳細はHPに掲載してあります。http://www.jsurvey.jp 受験願書の受付：平成22年6月1日（火）〜6月30日（水）まで ■新刊図書 ★測量関係法令集（22年版） 定価3,900円（税込）会員3,510円（税込）送料550円 「国際舞台に立つ」村井俊治 （スペーシャリスの会顧問） 自費出版 定価 1,000円(税込み) （廿楽:測量協会） ■お知らせ CPDのポイントについて 協会で開催しております、講習会・セミナー等に参加された方は、CPDの対象の場合、 受講書の発行日から6ヶ月です。 それを過ぎますと、無効に成りますのでご注意ください。 （廿楽:測量協会） ■編集後記 間もなく全国的に雨の季節となります。 気象庁の３か月予報によると全国的に気温・ 降水量ともに平年並みか平年より高い・多いという予報のようですが、このところの異常 な気候変化を考えると今年もどうなるか不確定な状況です。マクロからミクロまでの気象 変動を空間情報としてとらえることができたとしても、いまの技術で気象を変化させるこ とはできません。とにかく被害を最小限にするよう配慮して安心・安全な生活を確保しま しょう。 （編集委員長） 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