| タイトル：スペーシャリスト会報 Vol.48 | 発行日時：20010年11月15日3時40分36秒 |
| ┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 20010年11月15日 ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.48 発行元：スペーシャリストMM事務局 http://www.capnet.jp/spatial/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ INDEX ：＊ニュース・ラウンジ ＊リレーエッセイ＜空間連携＞ ＊コラム ＊イベント情報 ＊測量協会イベント情報のお知らせ ＊連絡事項 ============================================================================ ■ニュース・ラウンジ 「総合的な技術監理について」 先月、このニュース・ラウンジで、瀬戸島会長から発せられたメッセージは、まだ皆さ んの記憶に新しいことと思うが、再掲させて頂くと、“・・・「地理空間情報コンサルタ ント」をめざし、更なる飛躍を考える時、１技術部門の1技術士だけを保有していればよ いのだろうか。勿論、地理空間情報分野の豊富な経験と技術力によって仕事ができること が基本的な条件であり、資格はそれに付随してくるものとする考えもあるが。 ・・・地理空間情報コンサルタントとして更なる飛躍をめざす人は、技術士資格について も�〕彖之蓮↓∋�業系、�４突�系（総合監理技術部門）の３技術士資格の保有がこれから の時代には必要と思う。・・・（一部略）” と、なかなか厳しいが・・・。 特に、監理系（総合技術監理部門）は、私見ではあるが、技術としての体系化に依然とし て改良の余地を持つ部分もあると思われるが、その重要性・必然性について、近年、急速 に高まっていると考える。この夏、偶然にも日本測量協会が実施している講習会に関わる 機会があったが、いわゆる「測量Ａ課程」の必修単位に、この総合技術監理そのものが含 まれているのである。 “技術が高度化、複雑化し、グローバルな関係がますます強まる現代社会では、多様な価 値観や世界的な課題の中で物事を捉えていくことが求められている。特に、過去の時点や 現時点では最善と思われていたことも、時代とともにその評価は変化し、社会的に大きな 負の遺産に変化するような場合もある。したがって、各種のプロジェクトや業務を遂行す るにあたっては、近視眼的にプロジェクトや業務内の適切管理を追求するだけでなく、将 来の社会変化や技術進歩なども意識しながら物事に相対することが今後さらに望まれてく るであろう。これは、その時点で全てを予見し、解決することができなくても求められる と考える。・・” これは、今年の総合技術監理部門の試験問題の一部であるが、まさしくこのとおりであ る。技術士資格の数はともかく、地理空間情報コンサルタントには、この総合的な技術監 理の考え方は、特に求められるのではないだろうか。これには、リスク管理や危機管理と いった視点も重要である。 折しも先月末、今年度の技術士二次試験（筆記）の合格発表があったが、(株)新技術開 発センターのデータでは、総合技術監理部門は、3,570人（受験者数）、667人(筆記合格 者数)、18.7％(合格率)であり、合格率はここ数年ではかなり低い値となっている。 追伸（お詫び） 今年は、SP会総会・懇親会、G空間にも参加できませんでした。9月より入院していたた めですが、失礼致しました。この号が出る頃には、元気になっていると思います。 （(株)パスコ 林 義政） ＜編集委員会よりお知らせ＞ １２月号は住田さんの担当です。 ■企画委員会報告 １０月は企画委員会は開催されませんでした。 ■リレーエッセイ【剱岳の高さは、いつのまに・・・】 はじめまして、朝日航洋の福田です。 3年前の2007年（平成19年）の夏休みに、好きな山登りをした話です。 目的地は、北アルプスの俊英「剱岳」。当日は、あいにくガスがかかっており、前日立山 から斜め方向に見えた剱岳の鋭い岩稜は見えなかった。出発する前に山小屋の人から登山 ルートの案内図をもらい、危険箇所について詳細に説明を受けた。確かに登ってみると、 急峻な岩場とガレ場が続くルートで、鎖場が数多くあり、一般ルートとしては国内トップ クラスの困難な山だ。 剱沢にある山小屋から3時間余りで山頂に着いたが、案の定、山頂もガスがかかって周り は何も見えなかった。山頂付近の岩に腰を下ろし、ふと小さな社（やしろ）の前に横たわ っている標識を見たら、標高は2,999ｍと書いてあった。 剱岳の標高については、その数年前に白馬岳に登った時、近くにいた登山パーティのガ イドが黒部川を挟んで対岸に見える剱岳を指差し、「むこうに見えるのは剱岳です。岩と 雪の殿堂でアルピニストの憧れの山ですが、残念ながら高さは3,000ｍに２ｍ足らずの 2,998ｍの山です。でも皆さん、今度剱岳に登る機会がありましたら頭の上に手を伸ばして、 そこから写真を撮れば3,000ｍの山に登ったことになりますよ。」と言って、周りの笑いを 誘っていたのを思い出し、いつのまに1ｍ高くなったのかと思った。下山直前に記念写真 として、体のヘソ前でカメラを構えて、ガスでほとんど見えない周りの風景を撮った(笑)。 山小屋に戻ったところ、食堂には「祝 剱岳測量100年」の横断幕が掲げられ、古くなっ た社（やしろ）の造営記念行事奉讃金の記念品として登山バッチやピッケル等が飾ってあ り、剱岳が測量されて以来100年目に当たることをはじめて知った訳である。 下界に戻って数日後、その経緯を調べてみたら、今から100年前の1,907年（明治40年） 7月に、参謀本部陸地測量部の測量官であった柴崎芳太郎らが周囲の三角点から前方交会法 により測量し、剱岳の標高は2,998ｍと算出したとのことである。その後、幾度かの測量で 値を異にしたこともあったが、最新の2004年(平成16年)のＧＰＳ測量で2,999ｍと算出され、 今日に至っているとのことである。 当時は、今みたいに登山道は鎖や梯子等によって整備されておらず、登山用具も粗末な なかで、「カニのタテバイ」や「カニのヨコバイ」といった難所をどのように登り降りし て測量していったのかを想いめぐらすばかりである。江戸時代の伊能忠敬といい、当時の 人々は幾多の困難にもめげず、いかにして正確に測ろうとしたのか、その使命感と情熱が 伝わってきて頭の下がる想いであった。 そもそも、「剱岳」という山名は、当時の測量時に山頂の一角に鉄製の刃を発見したこ とから名付けられたとも言われており、1,000年もの前に修験者によって登られていた事実 がわかり、「ワラジの時代によくぞ登った。」という驚嘆の声があがったとのことである。 その後、新田次郎原作の「剱岳（点の記）」の映画化が進められ、2年後の2009年 （平成21年）に公開され私も観たが、測量（空間情報）の世界に身を置く者の一人として、 自然のすさまじさの中での測量作業に感動したものである。 次回は、中日本航空の柴田さんにバトンタッチしたいと思います。 (福田 真：朝日航洋) ■コラム MM開始時に設定されていた執筆順番に２２年度加入者の方を加えて掲載しておきます。 これまでに執筆を忘れていた方からの投稿も受け付けております。 ●執筆順番 2010年 1月号 井畑（パスコ）、吉田（パスコ） 2月号 小川（大興計測）、鵜殿（パスコ）、白川（アジア） 3月号 中崎（パスコ）、富樫（パスコ）、坂田（パスコ） 4月号 今里（パスコ）、河野（パスコ）、石森（パスコ） 5月号 大鋸（アジア）、前田（ダイム） 6月号 大伴（朝日）、 近藤（玉野） 7月号 金岡（パスコ）、西村（国際） 8月号 石山（パスコ）、藤川（パスコ） 9月号 梅村（アジア）、佐野（アジア） 10月号 來山（復建）、内田（パスコ） 11月号 松岡（２２年度）、木村（２２年度） 12月号 森（２２年度）、落合（２２年度） 2011年 1月号 花村（２２年度）、河野（２２年度） 2月号 斉藤（２２年度）、福岡（２２年度） 3月号 片桐（２２年度）、船田（２２年度） 4月号 洲濱（２２年度）、木村（２２年度） 5月号 新井（２２年度）、鈴木（２２年度） 6月号 六浦（２２年度）、白井（２２年度） 7月号 下村（２２年度）、中村（２２年度） 8月号 下境（２２年度）、小野（２２年度） 9月号 大久保（２２年度）、内海（２２年度） 10月号 大津（２２年度）、村田（２２年度） ■コラム 「ＳＰ会への参加にあたって」 先日、「名々会」というパーティ（名鉄グループの名古屋大学卒業生の親睦会）に参加 し、グループ企業で活躍する先輩・後輩と楽しいひとときを過ごした。その会で、ゲスト 参加の名大副総長、佐分（さぶり）氏のスピーチがあり、引き込まれてしまった。要約す ると、「苦しい大学経営から脱却するため今後は『留学生』を増やす。そのため、英語で 授業を行う学部コースを新設し目玉とするとともに、『名古屋大学基金』を新設しその運 用益で留学生支援等を行いたい。基金は50億円を目標としており現在30億円近く集まった。 ここにおられる卒業生諸氏にも更なる御協力をお願いしたい･･･。」と、結局は基金協力 要請でもあったのだが、軽妙なトークで、その要請に応えたくなるような、大学のトップ セールスであった。 セールスといえば、TVやラジオの通販番組が興味深い。値段のお得さのアピールのみな らず、使い方や楽しみ方が分かりやすく説明され、消費者の潜在ニーズを喚起している。 消費者はつい「買いたくなってしまう」。 さて、運良くこの秋、私も空間情報総括監理技術者の仲間入りをさせてもらった。空間 情報技術は多くの可能性を秘めていることはいうまでもなく、これからも魅力的な新技術 が開発されていくと思うが、それを作る努力に加え、「つい買いたくなるような商品」と してどう説明し、どうセールスしていくのか。これも空間情報総括監理技術者の仕事の一 つだと思う。ＳＰ会先輩諸氏との交流をさせて頂く中で、いろいろな視点でこれを考える チャンスを頂いたものと思っている。地道に頑張っていきたい。 （松岡滋治：中日本航空） ■コラム ひらめき 今、住んでいる所は入間川のすぐ近くである。アウトドアーの好きな私が、入間川の河 原でBBQをやらない訳がない。会社や近所の人たちとBBQをかさねていくうちに、料理がマ ンネリ化してくる。あるとき、カレーが食べたいという意見が出て、凝り性である私は本 格カレーとナンが良いと主張してしまった。言いだしっぺの私は、このあと「本格的なナ ンをいかにして焼き上げるか」という難題に立ち向かう羽目となった。 本格的なナンは、タンドール（炭の入ったつぼ）で、短時間で焼き上げる。これを、ア ウトドアーで実現するのに思案した。あるとき、ナンの食感を思い出した。裏は、カリッ、 表はサクサク、フワフワっていう感じである。このとき、タンドールにこだわっていた私 はひらめいた。そして、ぶっつけ本番でナンを焼くことを決めた。 当日用意したものは、炭と大きめのフライパンである。まず、フライパン全面に火が当 るように炭を広げてフライパンをのせる。ほどよく火が入ったところで、ナン生地を掘底 の形に広げてペタッと貼り付ける。ここからがミラクルである。みんなが見ている前で、 なんとフライパンをひっくり返した。私は、ナンを炭火の直火で焼くことを決めていたの である。 私のひらめきは、以下の通りである。タンドールでナンを焼く時は、ナン生地をタンド ールの上の方の反り返った部分にペタッと貼り付ける。ナン生地は、粘性があることと張 り付いた面が瞬時に焼けることから、タンドールの底には落ちない。表面は、タンドール 内の700℃（遠赤外線）の熱にさらされ、そしておいしく焼きあがる。このことから、 �［¬未鮟峪�に焼く。�▲淵鵑詫遒舛覆ぁ��Ｉ縮未�700℃（遠赤外線）で焼く。の3項目の みを抽出し、これをアウトドアーで実践すれよいと考えたのである。この方法は、実は家 庭（炭無し）でもできる。「�Ｉ縮未�700℃（遠赤外線）で焼く」を家庭にある何か？で 代替すればよい。家庭で本格的なナンを食べたい人は、この何か？について思案し実行し ていただければ幸いである。 （木村 了三：朝日航洋） ■空間情報関連便利グッヅ / Web & Blogの紹介 今月は特にありません。 ■本の紹介 今月は特にありません。 ■測量協会イベント情報のお知らせ ●サーベイアカデミー「地理空間情報イブニング・セミナー」15時より スペシャルバージョン 第19回「ヘリ搭載レーザ測量の今」 �．悒螢棔璽鵐薀ぅ澄爾領鮖砲藩�用例 ヘリコプター搭載型の空中レーザ計測システム(LIDAR)は如何にして誕生し、 どのような利用がなされてきたかを振り返って検証し、今後の応用利用など を紹介する。 ★講 師: 秋山幸秀 氏 (朝日航洋(株)東京空情支社) �▲悒螢譟璽況彗�システムSAKURAのご紹介 既に稼動開始から3年目を迎えたヘリレーザ計測システム「SAKURA」について、 そのプラットフォームであるヘリコプターの機動性とともに、国内初の連続波形 記録方式（Full Wave Form Digitizing）による航空レーザ計測システムとしての 特徴・能力など実例を交えてご紹介する。 ★講 師: 近藤雅信 氏（中日本航空(株)調査測量事業本部） 日 時 平成23年1月19日（水）15時〜17時30分 会 場 日本測量協会 研修室 時 間 講演 ��15:00〜16:00 ��16:00〜17:00 質疑応答等17:00〜17:30 参加費 会員は無料、非会員は2,000円 CPDポイント 測量CPDを2ポイント発行 募集人員 先着50名 詳細はHPに掲載してあります。http://www.jsurvey.jp ●測量協会・公開講座 中国の測量地図作成の歴史 第2回テーマ 「魏・晋・南北朝時代・・・・地図作成の原理{制図六体}出る」 講 師 今村 遼平 氏（アジア航測(株)） 日 時 平成23年1月27日（木）16時〜17時30分 会 場 日本測量協会 研修室(東京都文京区小石川) 参加費 無料 CPDポイント 測量CPDを1ポイント発行 募集人員 先着30名 詳細はHPに掲載してあります。http://www.jsurvey.jp （廿楽 実:測量協会） ■新刊コーナー◇◆ 今月は特にありません。 ■お知らせ 今月は特にありません。 ■編集後記 １１月号より編集委員長を池田さん（アジア航測）から引き継がさせていただきました、 国際航業の白井です。今後、私からの執筆のご依頼等のご連絡をさせていただきますが、 皆様、何卒、ご協力の程、宜しくお願いいたします。 長く感じた夏からあっという間に秋が終わるかのように感じます。これから、ますます 寒くなりますので、皆様、風邪などひかれぬようお気をつけください。 （編集委員長 白井直樹：国際航業） ──────────────────────────────────────── All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club このメールマガジンを紹介したい方は各自の責任で転送しても結構です。 ──────────────────────────────────────── |
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