| タイトル：スペーシャリスト会報 Vol.54 | 発行日時：20011年6月15日13時10分47秒 |
| ┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 20011年6月15日 ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.54 発行元：スペーシャリストMM事務局 http://www.capnet.jp/spatial/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ INDEX ：＊ニュース・ラウンジ ＊各支部活動報告 ＊リレーエッセイ＜空間連携＞ ＊コラム ＊空間情報関連便利グッズ / Web & Blogの紹介 ＊測量協会イベント情報のお知らせ ＊連絡事項 ============================================================================ ■ ニュース・ラウンジ 約3ヶ月前の3 月 11 日午後 2 時 46 分頃、マグニチュード 9.0（日本の地震観測史上 最大）を記録する地震が東北地方太平洋沖で発生した。地震に伴って発生した津波は東北 の太平洋沿岸地域に大被害をもたらし、数多くの死者・行方不明者を出した。また、津波 によって福島第１原発が被災し、高濃度の放射能が飛散するなど深刻な状況になった。そ して関東一円でいつまで続くか分らない計画停電が実施された。まるで連鎖反応である。 小生は先月に64歳を迎えた。この64年間に何度か大きな地震を体験したが、今回の地 震の揺れの大きさと長さには驚き、初めて机の下に身を隠した。都内に勤める小生の娘は 避難所に向かったが、その際に「「全員が携帯電話を忘れずに！」と上司から指示された そうだ。確かに携帯電話は有難い物である。その昔、公衆電話で家族の安否を知ろうとし たが、長蛇の列で諦めたことがある。今は待つことなく、携帯電話で連絡を取ることがで きる。しかし、今回の地震では音声通話ができなった。そこで携帯メールで家族の安否を 尋ねたところ、全員が大丈夫と返信が来た。メールで安否の確認を得たことは幸いである。 これはメールの送受信が時間的に早かったこともある。 近年、現在位置を知ることができるGPS携帯電話の普及が進みつつあるという。事故に あったときに位置情報を自動的に送信する緊急通報サービスや、消防や警察への通報時に 自動的に位置情報を送信するといった応用も検討されている。今回の地震発生時、鉄道が 不通になり、会社から自宅へ数時間かけて徒歩帰宅を余儀なくされた者が多かっただろう。 途中、自分がどの辺りにいるのだろうと不安になった者もいよう（小生もその1人）。被災 地では瓦礫の狭間で生き延びながら、救援を求めていた者も少なくなかっただろう。GPS 携帯電話が手元にあったならと思う。 だが、携帯電話そのものが水に弱く、携帯電話の充電池は長時間持たないという弱点が ある。これらの弱点に対して、防水機能のある携帯電話が増えている。また、燃料電池の 開発によりかなりの時間が持つようになるという。しかし、そうであっても、災害時には 全国から安否を確かめる電話が殺到するため、携帯電話による音声通話が使いづらくなる というだけでなく、メールも使いづらくなる。衛星携帯電話も使用が集中すれば同じこと だろう。災害時に対応できる携帯電話が安価で登場することを早急に望む。 ちなみに、災害発生後の翌月の4月6日に東大駒場キャンパスで「東北関東大震災・復興 に向けて我々ができること」のテーマの下、�〆２鵑凌椋匯�の空間情報が果たした役割、 �∈８紊良�興に向けて空間情報が果たす役割、�Ｉ�興の道のり（今後の防災対策、復興対 策の空間情報はどのように活用できるか）について座談会が開かれた。この座談会にはス ペーシャリストの会の住田氏（アジア）、坂下氏（パスコ）、大伴氏（朝日）が出席した と聞く。まさに、災害時の空間情報の果たす役割は計り知れないほど大きいものがある。 更なる空間情報技術の開発・発展を願わざるを得ない。 （高 泰朋：朝日航洋） ＜編集委員会よりお知らせ＞ ７月号は瀬戸島さんの担当です。 ■企画委員会報告 日時：平成23年5月17日（火）13:30〜15:30 場所：日本測量協会3F 301会議室 出席者：瀬戸島、住田、池田、鈴木、中舎、津留、秋山、大伴、村木、大友、神原、早川、 廿楽（事務局） 1. 前回議事録の確認 3月2日に行われた会議の議事録確認を行った。 2. 報告事項 (1)各支部活動報告 ・中部支部 6月3日に技術士1次試験対策講習会を行う。参加者募集中。 6月9日17:30からイブニングセミナーin中部を開催する。今後も年1回の開催を行う 予定である。 ・関西支部 6月21日に技術士1次試験対策講習会を開催する。 ・東北支部 東日本大震災のためしばらく活動を休止する。 ・東京支部 空間情報総括監理技術者受験対策セミナーの開催など、今後の進め方について検討中。 (2)MM誌の記事等について 東日本大震災のため、しばらく発行を休止していたが5月から再開、今後は通常通りに発 行する。記事投稿者から画像付きの原稿が送付されてきたが、現在のMMはテキストで配信 を行っているため、対応できなかった。 (3)第22回イブニングセミナー 7月20日（水）16:00〜「公共測量の最新動向」（講師：日本測量協会測量専門技術教育部 長 白井康友氏） 次々回は、東日本大震災の地殻異常変動の前兆をGPSデータを使ってつかんでいたCSPジ ャパンに講演依頼を打診中。 (4)公開講座 6月16日（木）16:00〜「中国の測量 地図作成の歴史」（講師：アジア航測 今村遼平氏） 3. 議事検討 (1)月刊測量スペーシャリストの会コーナーの分担執筆（毎号）の確認 7月号まで原稿入稿済み 第8弾「リスク管理」執筆予定者 第1回 藤井（アジア航測） 第2回 松岡（中日本航空） 第3回 未定（パスコ） 第4回 未定（国際航業） 第5回 八木（朝日航洋） 第6回 近藤（玉野） (2)新出版企画について 9月に予定されていたG空間エキスポに向けて出版スケジュールを立てていたが、これが延 期となったため、10月のスペーシャリストの会総会に向けて出版するようにする。ただし、 当初計画は変更しない。 この本のポイントは、「課題と問題解決」にあるので、執筆者はこの点に留意すること。 執筆者はスペーシャリストの会のメンバーでなくても良い。 タイトルは仮であるので、変更しても良い。 村井先生から原稿をいただいたので、これを挿入する。 節編集担当者に原稿を送付する際に、章担当者にも送るようにする。 章担当者は各節の原稿の内容を概要に反映させる。 各節の原稿内容によっては章を変更することもある。 各節編集担当者は、各節の原稿の内容を見て、2〜3行程度の問題発見力、解決力のコメン トを書く。 4. その他 (1)スペーシャリストの会総会について 10月12日（水）14:00〜 測量年金会館 村井先生の特別講演会（測量協会主催、CPDポイント付き、誰でも参加可能）を予定してい る。 村井先生にて東日本大震災の津波に関する新聞記事等を集めた資料を作成いただいたので、 これを著作権などの問題に抵触しないようにスペーシャリストの会メンバーに提供するこ とを検討する。 (2)新潟での空間情報セミナーへの講師派遣について 金沢工業大学 鹿田教授から9月21日に新潟で防災関係をテーマとして開催を予定してい る空間情報セミナーへの講師派遣依頼に対し、アジア航測から人選し、講師を派遣するこ とになった。 (3)名刺について 中部支部にてスペーシャリストの会の名刺が必要となる場面があるので作成する。今後、 名刺が必要となる場合には、ここで作成したフォームを利用するようにする。 次回スペーシャリストの会企画委員会 7月20日（火）13:30〜15:30 日本測量協会3F会議室（301） ■ 中部支部活動報告 第15回 中部地区空間情報総括監理技術者 議事録 日時：平成23年5月26日(木) 14：30〜16：00 場所：�螢僖好鈎翩�事業部 9F会議室（名古屋市中区錦2-2-13 名古屋センタービル） 出席者：■早川和夫(帝国建設コンサルタント)、□外山康彦(中日本航空) □岡本芳樹 (パスコ)、■佐々木康博(パスコ)、□筒井胤雄(パスコ)、■柴田拓(中日本航空)、 □渡邊裕三(パスコ)、■大塚啓一(フジヤマ) 、□小川孝之(大興計測)、□前田修 (ダイム技術Ｓ)、■近藤泰徳(玉野総合Ｃ)、■梅村裕也(アジア航測)、□松岡滋冶 (中日本航空) 、■片桐雅一(中日本航空)、■内海巌(パスコ)、□正岡佳典 (アジア航測) 、□白井直樹(国際航業)、□鈴木浩二(中日本航空) 10名出席、 8名欠席、日本測量協会：田代事務局長は日測協総会出席のため欠席 検討協議事項： １．メンバーの勉強会 次回はパスコ筒井氏とすることとした。次回以降は名簿に従った順番で実施する。 ２．イブニングセミナーin中部 5月17日の企画委員会で、年2回程度の開催が可能かを問われたが、SP会から講師を選出 する関係上、年1回が限界と報告した。 その他、SP会企業に集合して勉強会を行う方法もCPDとして可能であるが、会議室を設け て講義形式とすることが必要。 ３．平成23年度愛知県建設事務所研修について 愛知県建設事務所研修は全事務所で1回終了し、今回の尾張建設事務所は2回目となる。 各社のトレンド技術の紹介や、台帳系の更新等今後事務所で必要な事項に着目した紹介 も良いのではとの意見が出された。 5月31日に早川氏、外山氏で事務所を訪問し、上記を踏まえた内容の調整を行う。 報告事項 １．Ｈ２３年度の講習会について 技術士１次試験の講習会について（６月3日：予定通り） 講師は、中部SP会から早川氏、岡本氏、中部技術士会から浜田氏（企画委員会報告済み）。 ２．イブニングセミナーｉｎ中部の実施について（６月９日：予定通り） 空間情報総括監理の更新のため、測量系CPDポイントが必要であり、SP会会員はなるべく 参加する（参加者CPDは2ポイント）。 ３．SP会のロゴ入り名刺 企画委員会で、SP会のロゴ入り名刺を作成する報告があった。今回の尾張建設のようにSP 会として活動する場合に使用する。 ４．その他 今年度のSP会総会は10月12日14時から測量年金会館で開催予定。 メンバー勉強会 パスコ岡本氏 ・技術士試験に合格した農業土木と個人経歴、技術士経験論文形式での業務紹介 ・住民公開を考慮した計画路線のVRシステム（機能や地形モデリング等）の紹介 次回会合： 平成23年7月29日（金） パスコ 中部事業部 時間：15:00〜17：00（予定） 次回の発表者：筒井胤雄氏 次回の書記：大塚啓一氏 以上 ■関西支部活動報告 「ＳＰの会」関西支部 第６回委員会議事録 開催日時：平成23年6月１0日（金）15:00〜17:00 開催場所：株式会社アスコ 本社9Ｆ会議室 大阪市西区江之子島1-10-1 出 席 者：内田（アジア航測）、森田（パスコ）、岩切（パスコ）、西村（アスコ）、 田中（パスコ）、平田（国際航業）、藤井（写測エンジニアリング）、 村田（国際航業）前出（事務局） 欠 席 者：大石（国際航業）、吉岡（パスコ）、森（アジア航測）、河野（パスコ）、 船田（パスコ）、白井（朝日航洋） １．議題 （１）報告･確認事項 �〜芦鶺鳥�録の確認（資料-1：参照） ��異動者の紹介 （２）討議事項 �（神�２3年度技術士一次試験対策講座の開催に向けて（資料-2：参照） �▲ぅ屮縫鵐哀札潺福爾覆匹亮損椶砲弔い董併駑�-3：参照） （３）第5回勉強会（担当者：田中氏、資料-4：参照） （４）その他 <配布資料> 資料-1：前回議事録 資料-2：技術士一次試験対策講座実施要領（案） 資料-3：サーベイアカデミー「地理空間情報イブニング・セミナー」について 資料-4：第5回勉強会資料（田中氏） ２．議事内容 （１）報告・確認事項 �〜芦鶺鳥�録確認 議事録内容は了承された。 ��関西地区から転出者の報告 1) 中本氏（パスコ）が東北へ異動 （２）討議事項 �ゝ蚕兒琉貅〇邯蛎从�講座実施要領（案）について 1) 実施要領（案）の内容について ・開催日時・場所、使用テキスト、対策講座の時間割・講師の各内容について 確認し、了承された。 2) 今後の対応について ・発表用PPTのレイアウトは昨年同様とし、各講師は6月20日午前9時までに 事務局に提出する。 ・各講師は、講習会当日は9時過ぎを目途に会場に集合する。 ・事務局は昨年同様の内容の講師依頼状を作成し、各社へ送付する。 3) その他 ・現時点で受講申し込み者は6名 ・受講申し込み者が10名以下の状態が続くようならば講習会の開催の是非につ いて検討が必要 �▲ぅ屮縫鵐哀札潺福爾覆匹亮損椶砲弔い� 1) イブニングセミナーの過去内容について ・過去の本部開催イブニングセミナーのCDを事務局で入手済み。希望者には貸 出可能。 ・イブニングセミナーの実施状況及び予定は資料-3を参照のこと。 2) 関西地区におけるイブニングセミナーの実施について ・6月9日に中部地区にて中部SP会の企画・運営によるセミナーが実施された。 ・関西地区でも、関西地区の協会各社への技術情報の提供を目的に、イブニン グセミナーの開催を計画する。 ・開催方法については、本部主催イブニングセミナーのWEBによる同時開催と、 関西支部による独自開催の方法がある。 ・本部主催イブニングセミナーのWEBによる同時開催の可否については、実施 体制を含め事務局から本部に確認する。 ・関西支部の独自開催については、年1〜2回程度を目標に、実施を計画する。 各社・各委員はイブニングセミナーのテーマを検討し、次回会議にて報告する。 ・イブニングセミナー等の開催公表は雑誌掲載、本部ML掲載の場合1.5か月程 度の時間が必要となるため、次回会議にて、テーマ及び開催時期等について検 討する。 （３）勉強会 第5回勉強会として、資料−4に基づきパスコ田中氏よる講義が行われた。 【内容】 ・下水道事業における現状と課題について ・下水道事業が目指す方向について ・持続可能な下水道事業実施のための事例紹介（長寿命化基本計画、合流改善計画、 不明水対策計画） ・今後の課題 （４）その他 �ー＿鶲聞澆硫餤弔砲弔い� ・次回会議は、8月１9日（金）午後３時から、�螢▲好害餤勅爾嚢圓Α� ・連絡事項については、随時事務局より報告する。 ・次回勉強会は岩切氏（パスコ）、次回議事録作成は西村氏（アスコ）。 以上 ■リレーエッセイ 『リスク管理の大切さ』 アジア航測の大鋸朋生です。同種の業務に携わっているというご縁で朝日航洋の鈴木寛 さんからバトンを受けとりました。スペーシャリストの皆様には同種分野に携わっておら れる方が他にもいらっしゃるかと思いますが、わたしは航空機を利用した調査のうち撮 影・レーザ計測に際して計画立案・データ処理を主たる任務とする部門に所属しており、 日々日本各地の天候推移に気をかけながら、お客様の必要とする仕様・目的に沿った計画 の立案に従事し、調査の実施後は-多くの場合、天候都合による工期逼迫の圧力に冷や汗を 流しつつ-データ処理を実施する作業工程に関わっております。 さて今回は-話を進める前に"お前こそ管理なんてできてないではないか"と言われてし まうのを覚悟の上で?別の内容を準備中でしたが不慮の事態に巻き込まれ、原稿にアクセス できなくなってしまったため、原稿の締め切り間際に開催されたある会議への出席を通し て経験したことを報告させていただくつもりだった予定を変更し、出張の帰路で遭遇した 不慮の事態に対してなされた迅速な対応事例を報告します。いずれも普段から教科書的知 識として知ってはいましたが、実際に体験するのは初めてです。航空機の乗り継ぎ便を待 つ中継地空港で、機体整備不良の判明により2時間近くの待機を経て当日中の出発は中止 となり、空港近傍に用意されたホテルでの滞在を余儀なくされましたが、あらゆる事態に 日ごろからの準備ができている航空会社の動き（以下、� 銑�がその場で感じ取れたこと） はさすがです。 �”塰�の発生を予防する 最善の努力をしても予定通りに出発できない便を待つ乗客の不満を解消することは不可 能ですが、そろそろ不安になってきたな？そろそろ誰かが騒ぎ出しそうだな、というタイ ミングで絶妙な中間報告と今後のアナウンスが入り、それでも騒ぎ出す客には、端から見 ていて「あれ？何処行った」と驚くほどの早業でどこかに連れだしているのか、何らかの モノか情報を与えているのか、とにかく不満が爆発しないように対処しています。 ��不安の連想を予防する 出発ゲート横のカウンターに立っている担当者たちは「どのような教育・研修を受けて いるのだろう？」と、思わず質問したくなるぐらいに表情を崩しません。当然喜んでいる わけでもなく、かといって怒ってはおらず、もちろん無表情でもない絶妙の表情です。淡々 と役割をこなしているという印象を受けます。 �Ｉ塰�を解消させる努力 どんなに抗議しても、状況が変わらないことは百も承知ですが、"憤懣やるかたない心情" を抱いて状況を受け入れることと"まあ、仕方ないか。彼らも努力しているのだし"と同 情するわけではないにしても、ある程度不満を緩和あるいは解消させて状況を受け入れる のとでは、結果として抱く不満の程度（および航空会社への印象）は全く異なりますから、 なるべく不満を減少させる方向へ誘導する努力が見え隠れしています。 おそらくこれらの努力の結果なのでしょうが、ごく一部の乗客が窓口でクレームを入れ て一時的にざわついたものの、代替機が用意できる翌日までの滞在先の確保と必要分の食 事券、生活必需品等が皆に配られ、わたしも無事にホテルへたどり着けました。 このようなスムーズな航空会社の対応の一方、甘い読みで原稿を準備していたわたしは、 書きかけの原稿が入ったPCを預かり荷物にしており、締め切りに間に合わなくなる危機を 招きました。最後の個人的な事例はいわゆるリスク管理とは異なるのだと思いますが、ま もなく開始される月刊「測量」での新連載「リスク管理」開始を目前にして、自らが目の 当たりにし、体験した一つの事例として報告させていただきます。次回は当社中部空間情 報部（名古屋）で活躍されている正岡佳典さんへ引き継がせていただきます。 ■コラム ●執筆順番 2011年1月号 花村（国際）、河野（パスコ） 2月号 斉藤（パスコ）、福岡（パスコ） 3月号 片桐（中日本）、船田（パスコ） 5月号 洲濱（パスコ）、木村（パスコ） 6月号 新井（アジア）、鈴木（朝日） 7月号 六浦（パスコ）、白井（朝日） 8月号 下村（パスコ）、中村（アジア） 9月号 下境（パスコ）、小野（国際） 10月号 大久保（アジア）、内海（パスコ） 11月号 大津（パスコ）、村田（国際） ■コラム 東日本大震災：被災当日の経験から感じたこと 私は仙台に住んでおり、3月11日は仙台市内にある社屋で仕事をしておりました。 14時46分、長時間に渡る揺れ、そして停電。地震が収まり机下からでてくると社内はぐ ちゃぐちゃでした。机上のPCモニターは倒れ、本棚からは書籍類が飛び出し、通路は足の 踏み場の無い状態となっていました。 この日、我が家では、小学2年生の娘が風邪のため、自宅に一人で居ました。妻は事務 所の保健師をしており、職業柄、職場を離れることができないため、私が娘の救出へ向か いました。 タクシーに飛び乗り家へ向かったのですが、停電のため信号機が機能しておらず、15時 前でしたが、仙台市内は既に交通渋滞となっていました。ラジオからは、津波警報が発令 されたことと避難を促すメッセージが繰り返し流れていました。 渋滞で車が動かなくなったため、私はタクシーを降り、残り数kmを走って帰りました。 自宅に戻ると、娘は食卓台の下に隠れていました（2日前にも大きな地震[震度4]があった ため、地震があった際には食卓台の下に隠れるよう、朝、娘に伝えていました）。 その後、娘に自転車乗車時のヘルメットを被らせ、家を飛び出し避難所へ向かいました （大きな余震が続いていたため、家屋倒壊の可能性も危惧していました）。 避難所（駅近くの小学校体育館）には、電車不通により行き場を無くした人達も来てお り、定員オーバーで入れませんでした。このことを妻にもメールで伝え（断続的でしたが メールは使えました）、結局、この日は家族4人が車で過ごしました。 津波被害のことは、車の中でラジオを聞き知りました(19時頃）。被害規模の大きさに驚 くとともに、そのことを4時間以上知らなかったことがショックでした。 この日の経験から、以下のことを痛感しました。 ・有事における停電の影響は大きい（早々の交通渋滞、情報難民の増加など） ・地震対策では、停電を前提とした初動体制づくりや避難計画も必要 ・停電しても使える情報端末の充実が必要（特に、普及している携帯電話） 情報端末としては、GPSやGIS機能などの更なる活用が求められると思います。今後は、 復旧･復興に向けての対応だけでなく、防災対策においても、地理空間情報技術の果たすべ き役割は大きくなるのではないでしょうか。 最後に、東日本大震災により亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、 被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。 （新井瑞穂：アジア航測） ■コラム 「計画停電」 東日本大震災後、東京電力管内１都8県を対象に、市町村別に５グループに分かれて、 各3時間の輪番停電を行って、ピーク電力の抑制をする「計画停電」の発表がありました。 突然の発表で、自分がどのグループに属するか調べても情報は少なく、停電予定時刻の直 前まで実施の有無はわかりません。計画的に停電が実行されても、鉄道や重要な施設の周 辺では、停電が実施されない場合もあります。各グループを縦断する鉄道は、正確な運行 情報の入手が困難で、駅の運行状況を調べる状態でした。自宅と勤務地のグループが異な る場合、運良く鉄道が動いて会社に着いても、会社が停電では仕事になりません。結局、 停電の無い自宅待機が安心です。生活も仕事も電気のない世界では機能しないため、全て 計画停電に左右されます。高度化した仕事は、PCの利用が不可欠で、簡単にアナログには 戻れません。仕事は、常に時間が限られているため、制限時間まで緊張感が続きます。余 計なことはせず、停電までにできる仕事のことだけを意識して実行します。大量の業務を 正確に処理する自動処理作業も、影響を受けてしまう遊びの少ない計画生産です。少しギ クシャクしますが、計画的に停電させた人的業務の見直しが考えられます。 私の学生時代は、クーラーの普及率も低く、天然クーラーを利用していました。夏休み に帰省する首都圏は暑く、クーラーの熱交換機から出る熱気と外気温のため、お隣がクー ラーを使用すると使用しない訳には行きません。バブル景気の頃から冷房普及率も高まり、 深夜営業の店も増えて、昼夜なく安心して豊かな生活ができる社会となってきましたが、 強冷房車の運行や24時間営業のお店が増えるほど、安心で豊かな社会生活も行過ぎている 感じがします。無駄なエネルギー消費を少なくする社会を真剣に考える必要があります。 家庭では、テレビの明るさ調整、冷蔵庫と温水洗浄便座の温度調整を見直すことで、普段 に比べて30%以上の節電が可能となります。オフィスでは、スーパークールビズに取り組み、 夏場の最大電力消費量を15%削減する計画を進めています。昨年は、ラニーニャ現象により 厳しい残暑が続きました。2011年の夏、自然に調和した人間が本来持ち得ている身体機能、 知恵と最新技術を利用して乗り切りたいものです。 計画停電当初は、情報が錯そうしましたが、地デジの普及に伴い、文字放送による計画 停電と鉄道の情報入手が可能となりました。また、フリーソフトでは、計画停電までの時 間を知らせてくれるものもあります。 （鈴木 寛：朝日航洋） ■空間情報関連便利グッズ / Webの紹介 ＊ニックネーム「ちずらぼ」さんのHPです。駒大地理学科卒業のちずらぼさん、プロフ ィール紹介で「地図の事いろいろやってます」と書いているように、ブログでは帰宅難 民の視覚化とか、国土地理院のアイディンティティとか、毎日地図や測量のことをブロ グに書いているユニークなブログ （日大：田中 邦一） http://plaza.rakuten.co.jp/chizulove/diary/20110606/ ■測量協会イベント情報のお知らせ ○第22回地理空間情報イブニング・セミナー 公共測量の最新動向 「作業規程の準則」の一部改正及び東日本大震災に伴う基準点の復旧測量 公共測量「作業規程の準則」が平成20年3月31日に全面改正され、その後、衛星測 位システムや電子基準点を活用した効率的かつ高精度な測量方法の開発などにより、平成 23年3月31日には同準則の一部が改正されました。また、東日本大震災の復旧・復興事業 に伴い位置の基準となる基準点の迅速な復旧が望まれています。このセミナーでは、同準 則の一部改正について、また、同準則に基づく「東日本大震災に伴う基準点の復旧測量」 などの概要について紹介します。 講 師: 白井康友（(社)日本測量協会測量専門技術教育部部長） 日 時 平成23年7月20日（水）16時〜17時30分 会 場 日本測量協会 研修室 参加費 会員は無料、非会員は2,000円 CPDポイント 測量CPDを1ポイント発行 募集人員 先着50名 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/k-academy230720.pdf ○平成23年度「空間情報総括監理技術者資格認定試験」のご案内 詳細は（社）日本測量協会HPに掲載してあります。http://www.jsurvey.jp （廿楽:測量協会） ■編集後記 ６月号の記事は、東日本大震災に関係した内容が多く寄せられました。これまで各地方 からも行政、教育機関、民間企業など多くの方が東北地区への支援に携わっていることを 良く耳にします。今後も引き続き、体験談と併せて、空間情報を活用した復興、都市計画 等、空間情報コンサルティングとしてSP会会員が活躍する場面もこのメルマガでも紹介で きれば良いと個人的に感じています。 （編集委員長） ──────────────────────────────────────── All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club このメールマガジンを紹介したい方は各自の責任で転送しても結構です。 ──────────────────────────────────────── |
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