| タイトル：メルマガ Vol.6 | 発行日時：2007年5月15日21時50分26秒 |
| ┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 2007年5月15日 ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.6 発行元：スペーシャリストMM事務局 http://www.capnet.jp/spatial/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ INDEX ：＊ニュース・ラウンジ ＊報告記事 ＊リレーエッセイ＜空間連携＞ ＊コラム ＊空間情報関連グッズ/Webの紹介 ＊本の紹介 ＊イベント情報 ============================================================================ ■ ニュース・ラウンジ −海洋基本法− ＊ 今回は、4月20日に成立した「海洋基本法」について眺めてみようと思う。この法律 は民主党などと自・公の超党派議員から提案された議員立法で、「海洋基本法」と「海 洋構築物安全水域設定法」の２法案から成っている。従来の海洋政策が８省庁にまたが っていたものを海洋政策担当相の新設と内閣官房に海洋総合政策本部を設置し、海洋資 源開発、環境保全、海上輸送の振興と安全確保を実施して行こうというもので、EEZ（ 排他的経済水域）と関係する。 ＊ EEZ（exclusive economic zone）とは、国連海洋法条約に基づいて設定される経済的 な主権がおよぶ水域のことで、1994年に発効している。国際法ができるとお隣の中国で は'96年に海洋開発基本戦略をまとめ、韓国も同年関係部局を統合し2002年に海洋水産 発展基本法を制定している。そういう他国の動きに対して、日本のそれは遅いという感 じが否めない気もする。が、ともあれ7月から施行される予定である。 ＊ 日本の主張する沿岸200海里でのEEZ面積は、約447万平方Kmと国土の12倍に相当する。 自由な経済活動が可能な海洋面積が広くなるほど利用できる海底鉱物資源や漁獲資源も 大きくなるが、国境を接する国との紛争もなしとはいえない。それだけにEEZの治安維 持も重要になる。こうした「海」の資源管理、治安維持管理に“空間情報システム”な どを駆使した方法をスペーシャリスト達によって提案できないものだろうか？ ■ 報告記事 ＜第４回企画委員会＞ 第４回企画委員会が、下記の通り開催された。 日 時： 平成19年5月14日（火） 14:00〜17:30 場 所： 日本測量協会（本部）301会議室 参 加： 瀬戸島、住田、林、望月、津留、東田、廿楽（事務局） 議 事： 以下の議題について討議した。 【議題 �‖�量展】シンポジウムの進行について測量協会山本部長と確認する。当会より、 受付及び会場の責任者を各1名割り当て、協会より各3名配置する。配置、マイク、電気 演台等については5月29日に現地にて確認する（望月）。 【議題 ��測量展資料】測量展での発表に使用する資料の作成進捗、内容を確認する。 【議題 ��ロードマップ及び広報】表紙絵、見栄え（文字寸法）について協議した。問い 合わせ先を会長宛で追加する。 【議題 �ぁ惷�中写真の知識』】編集委員会の報告を行うとともに、地図センターと調整 した目次案について協議する。若干の修正を行い、再度地図センターと調整する。その 後、執筆担当を決めて各項目の方針を立て、次の編集委員会に臨む。 【議題 �ゼ＿麝縦蝓杣＿鵑�6月12日（火）に朝日航洋で開催するとともに、浅野社長との 意見交換会を行う。詳細については、会長と津留にて調整する。 （朝日航洋株式会社 津留宏介） ■ リレーエッセイ＜空間連携＞ ＜＜専門用語−−意味の違いと使い分け＞＞ 技術の進歩は新しい概念を生み、そこに新しい言葉ができる。日本語は特に造語能力が 高く、漢字・仮名・ローマ字を駆使して、どんどん新語が誕生する。従来との差別化のた めに造語したり、従来の言葉に新しい意味を与えたり、日々、言葉は変化していく。 意味の似た言葉を上手に使い分けることは、豊かな言語生活を楽しむのに不可欠である が、おなじみの専門用語で、意味の似た複数の言葉が通用している。「似た」というか、 私は基本的には「同じ」意味だと捉えている、そんな例をいくつか・・・。 � 々匐�写真 vs 空中写真 「空中写真」の方は、近接写真測量も含まれるのかも知れないけれども、地形図作成業 務のような場合、意味に違いはない。地理院では、厳密に「空中写真」のみが用いられ ている。 私はというと、自治体などで「航空写真」の方が受け入れられやすい感触を持ってお り、意識してこちらを常用している。「○○市 空中写真撮影業務」の計画書で、「航 空写真」とさりげなく書いていても、気づかれずに通ったりする。 �� DTM vs DEM これはしばしば議論の分かれるところである。2000年以降、伝統的なメッシュ標高のこ とをDEM、それ以外のTIN等の表現の方をDTM、という定義が定着しつつあるようだが、 メッシュ標高しか存在しなかった1980年代までは、DEMとDTMは全く同じ意味で使われて いた。年々技術動向が変わる分野なので、これからも意味する範囲が揺れ動いていくで あろう。1996年頃、「DSM」が登場した。次はどんなモデルが出てくるだろうか。 �� 地図 vs GIS vs 空間情報 「同じ意味だ！」と喝破するといっぱい反論が来そうであるが、互いに共通する部分も 多く、使い分けのしかたがまだまだ個人レベルの判断・主張に頼っている感がある。だ からこそ、「同じ意味だ」と一度言い切った方が気持ちの整理ができる。測量のことは 詳しくないお客さんに説明するとき、その方が受け入れられやすい。「『○○GIS』っ て、GISのところを地図に置き換えて『○○地図』と思えば、だいたい合ってますよ。 『空間情報』ってのも、みんないっしょですよ」と説明すると、ああそうなんですか、 と基本的には納得してくれる。ただし、すぐそのあとで、従来の「地図」と違うところ は・・・と、さりげなく新しい技術動向を付け加えるのが、空間情報総括監理技術者の 面目です。 【次のエッセイスト】 �螢僖好海遼招遒気鵝△茲蹐靴�お願いします。望月さんとは、砂 防で、森林で、いろいろなところで遭遇します。某○○協での報告会の時、答えに窮して いる私に、「がんばれーっ」て、こっそりエールを送っていただいたときのこと、今でも 忘れません。あのときは、ありがとうございました。（国際航業�蝓�大山容一） ■ コラム ＜ＧＩＳを考える＞ 共用ＧＩＳと言う名称を最近良く耳にする。少し前は統合型ＧＩＳで、さらに前は全庁 型ＧＩＳだったような気がする。いずれにしても各部門が個別業務のために作成した作成 時期も縮尺も異なる地図をなんとかＧＩＳに搭載して利用できないかと言う試みである。 個別に地図作成する費用の合計より、工夫して作ればコストは下がりますよ！と言うのが セールストークである。 ところがＧＩＳ導入に直接反対しないまでも、現在使っている地図様式と全く同じでな ければ使えない！となると折角のＧＩＳ導入話が頓挫する。さらに、近年の緊縮財政が追 い風（向い風？）となり金食い虫システムの烙印を押されたＧＩＳは棚上げ、とお決まり のパターンをたどる事になる。 日本でＧＩＳが導入され先進的自治体や東京ガスのようなユーティリティー企業がチャ レンジを始めてすでに２０年余年、阪神大震災後の復旧支援での活躍で注目を浴びて既に １０年が経過しているのに日本でのＧＩＳ利活用があまり進展しているように思えないの は気のせいでしょうか？ まもなく地理空間情報活用推進基本法が成立し地図情報の流通も促進されることが予想 されるので、とりあえず気を取り直して再チャレンジといきますか。 （アジア航測�蝓�池田晃三） ＜地域間格差＞ 先日、平成18年度「国土交通白書」が公開されたが、国民の６割以上は、「地域間格差 を感じる」「格差は拡大している」と考えており、「自分の住む地域の将来に対する不安 が地方ほど強い」という結果も明らかになり、国土交通省は地域活性化に向けた取組を進 めるとしている。 統一地方選では、1000億円を出してオリンピックを誘致しようという超巨大都市もあれ ば、10億円の交付金のために核最終処分場に名乗りを上げて小さいまちを二分した町もあ った。この町は昭和34年に２つの町が合併してできたが、役場は隔年単位に相互の町に動 くという珍しい形態であった。長年の苦労の末、昭和60年に庁舎位置を確定し、農林漁業 とサーフィンや観光の町として振興を図っていたが、神戸を結んでいたフェリーの廃止や 第三セクターによる鉄道の赤字なども影響し、町財政の運営は極めて厳しく、交付金に関 わる賛否は致し方ない結果なのかもしれない。 北海道では破綻した市の再生、長野県では「地域振興の全国的なお手本」とまで言われ た大規模なスキー場の閉鎖問題などが報じられる中、都市部においても、大規模な再開発 が進行する地域もあれば、中心市街地の空洞化問題、高度成長期につくられた住宅団地の 超高齢化や老朽化、地域の足となっていたバス路線の廃止など、都市内においても地域間 格差は顕在化しているのである。 都市は生き物であり、時の流れに応じて変貌していくものであるが、つい数年前までは、 「ふるさと創生」や「国土の均衡ある発展」と言っていただけに、「財政難だから仕方な い」という一言で、「弱肉強食型都市（列島）構造？」が加速されることを危惧する今日 この頃である。 ＜付録：16大都市＞ 読者の多くは、日本は「７大都市」とか「８大都市」とか学校で習われたのではないか と思うが、制度や条件こそ違うが、今は「16大都市」（平成18年度国土交通白書）である。 北は札幌から・・・・・南は福岡まで、さあ１分以内に回答してみて下さい。 （株式会社パスコ：林 義政） ■ 空間情報関連便利グッズ / Web & Blogの紹介 ○ ネット図鑑「Nippon Style」（ http://www.nipponstyle.jp ）; 日本のものづくり の歴史がわかるフリーのネット図鑑。現在の収録数は1300点余で約190社のメーカーが 協力したそうだ。例えば軽自動車のはしりスバル360（富士重工業）の発売は昭和33年 （1958）で、当時の出来事を見るとインスタントラーメンが初めて発売され、東京タワ ーが完成している。スペーシャリストが自分史を書く時の技術製品とその世相背景を調 べるにはもってこいのDB。技術立国を標榜する日本ならではのものと言えよう。 （田中邦一） ○ 古今東西製品情報（ http://www.seihin.com/ ）；先に「技術立国を標榜する日本」 と紹介したが、測量業界は最も特許申請が少ない業界といわれて久しい。このサイトは、 発明に興味がある千葉県船橋市の関澤哲さんが立ち上げたもので、中身がこぼれにくい 水平維持スプーンとか鼻息の風力で発電で光るピアスなど等アイディア商品に満ちあふ れている。アイディア商品・製品のDBである。このサイトで刺激を受け、空間情報に役 立つヒントを考えるベースとしてアクセスしてみてはいかがですか？ ちなみにサイト 内の検索ウィンドに「測量」と入れて検索すると、等高線ような凸凹のあるシンクなん てのが検索されます。（田中邦一） ■ 本の紹介 ＊ 「砂の文明・石の文明・泥の文明」松本健一 著（PHP新書） 本書は風土とそこに生活する民族が持ち得た性質から、世界を３つのカテゴリーに分け て分析する。販路の拡大や自然の法則を発見するという「外に進出する力」に長じた欧 米の“石の文明”、品種改良や改善あるいは相互扶助システムの創設など「内に蓄積す る力」に長けたアジアの“泥の文明”、情報を集め「ネットワークする力」に長けたイ スラムの“砂の文明”を考察し、ハンチントンの言う「文明の衝突」は起こらないし、 「泥の文明」が生んだアジア的思考に、西洋文明を超える力が秘められていると、著者 は語る（田中邦一） ■ イベント情報 ☆（社）日本測量協会の年次総会が5月22日（火）16:00〜東京ドームホテル（東京都文京 区後楽1-3-61）で開催される。問合せ先：（社）日本測量協会 総務部（電話：03- 3815-5751) e-mail: soumu@jsurvey.jp http://www.jsurvey.jp/ ＊ 動体計測研究会ならびに総会が5月23日(水) 14:00〜東京大学生産技術研究所で開催 される。主催は動態計測研究会（ARIDA)。問合せ先：動体計測研究会事務局 東京大学 生産技術研究所安岡研究室：〒153-8505 東京都目黒区駒場4-6-1（電話:03-5452-6407） E-mail:chiwa@iis.u-tokyo.ac.jp ＊（社）日本写真測量学会の第47回通常総会が5月29日(火) 14:00〜開催される。場所: 東京大学生産技術研究所 D棟6階 大セミナー室(〒153-8505 東京都目黒区駒場4-6-1) 問合せ先：（社）日本写真測量学会事務局：〒112-0002 東京都文京区小石川1-3-4 測 量会館内（電話；03-5840-6606） E-mail: jsprs_information@nifty.com http://jsprs.iis.u-tokyo.ac.jp/contact.html ☆ 全国測量技術大会2007が、6月20−22日に横浜市西区みなとみらい1-1-1の「パシフィ コ横浜」で開催される。主催は（社）日本測量協会 （社）全国測量設計業協会連合 会（中）日本測量機器工業会 （財）日本測量調査技術協会。問合せ先：社団法人日本 測量協会 会員業務センター 全国測量技術大会 事務局（電話：03-5684-3356） e-mail: geoforum@jsurvey.jp) http://www.jsurvey.jp/geoforum2007.htm ＊ デジタル写真測量講習会- 高精度三次元測定技術の現状と展望−が6月28−30日に東 京大学 生産技術研究所 会議室で開催される。主催は動態計測研究会（ARIDA)。問合せ 先：動体計測研究会事務局 東京大学生産技術研究所 安岡研究室：〒153-8505 東京都 目黒区駒場4-6-1（電話:03-5452-6407） E-mail:chiwa@iis.u-tokyo.ac.jp ＊ 空間情報計測と利用に関する講習会が、2007年7月3日、東京大学生産技術研究所で開 催される。主催は日本写真測量学会。問合せ先：（社）日本写真測量学会事務局：〒 112-0002 東京都文京区小石川1-3-4 測量会館内（電話；03-5840-6606） E-mail: jsprs_information@nifty.com http://jsprs.iis.u-tokyo.ac.jp/contact.html ■ 編集後記 β版から数えて6巻目を送り出せそうです。津留さん提案のリレーエッセイならびにコラ ムは皆さんの協力よろしくを得て原稿が集まりますが、Webやブログ、本の紹介はもっと積 極的に書いてください。編集長が根をあげています。ニュースラウンジは書き手が変わる と切り口も異なったものとなると思い、来月は瀬戸島会長にバトンタッチします。またこ のメールマガジンの記事に対する意見や感想もぜひ聞かせてください。（田中邦一） ──────────────────────────────────────── All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club 掲載記事の無断転載、転用、編集はご遠慮ください。 ──────────────────────────────────────── |
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