| タイトル：スペーシャリスト会報 Vol.60 | 発行日時：20011年12月15日8時53分6秒 |
| ┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 20011年12月15日 ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.60 発行元：スペーシャリストMM事務局 http://www.capnet.jp/spatial/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ INDEX ：＊ニュース・ラウンジ ＊企画委員会・各支部活動報告 ＊リレーエッセイ＜空間連携＞ ＊コラム ＊空間情報関連便利グッズ / Web & Blogの紹介 ＊測量協会イベント情報のお知らせ ============================================================================ ■ ニュース・ラウンジ 今年もあと２週間あまりとなり、振り返ってみると、我々に関わるものに限っても、自 然の驚異をこれほど感じた年はなかったのではないだろうか。主なものをあげてみると、 １月；九州霧島山系・新燃岳の噴火、オーストラリア水害、２月；ニュージーランド・ク ライストチャーチの地震、３月；東日本大震災、長野県北部地震、７月；新潟・福島豪雨、 ９月；台風１２号豪雨災害・紀伊半島、１０月；タイの水害など。とりわけ、未曾有の大 災害となった東日本大震災に際しては、ＳＰの会会員の多くが、何らかの形で対応にあた られたのではないだろうか。また、現在も復興に向けた支援に尽力されている方も相当数 おられることだろう。 このような中、先日、東日本大震災の被災地の復旧・復興支援の三法である“東日本大 震災復興特別区域（復興特区）法”、“津波防災地域づくり法”、“改正震災税制特別法” と復興庁創設が可決、成立した。このことによって、被災後９ヶ月、ようやく被災地支援 のための国の制度、財源、本部機能（復興庁）が整備されたことになる。原発問題という 極めて大きな問題を抱えた中ではあるが、復興計画・復興策の具体化・本格化や全国の津 波対策の取り組みが促進されることが期待される。引き続き、復興対応に追われる方も多 いと思うが、持てる力を十二分に発揮したいところである。 話は変わるが、我々、地理空間情報に携わるものにとって、日本版ＧＰＳの実現に向け た大きな１年でもあったのではないかと思う。昨年９月に打ち上げられた“みちびき”か らの測位信号を利用できるようになり、本年11月には、準天頂衛星について、2010年代後 半を目標に４機体制とし、将来的には７機をめざす方針が閣議決定された。一号機の打ち 上げそのものが危ぶまれた数年前を思うと、感慨深いものがある。“いつでも何処でも誰 でも簡単測位”の時代は、すぐそこまで来ているようである。 日本版ＧＰＳは、その品質・信頼性の検証とともに、活用については、研究会などで様 々な角度から調査・研究が進められており、日本版ＰＮＴ政策として、米国とはまた違っ た展開が期待される。 また、今月、陸域観測技術衛星２号「ＡＬＯＳ-２」の整備費が、2012年度予算編成で 重点配分する特別枠である「日本再生重点化措置」に盛り込む事業２５事業の中に選定さ れるなど、災害を契機に地理空間情報の重要性の認識が急速に高まった年であったと思う。 阪神淡路大震災でＧＩＳが、東日本大震災で衛星を含むリモートセンシング技術の重要性 が認識され、普及・拡大していくことに、少々複雑な思いもあるが、益々、空間情報総括 監理技術者の活躍が期待される時代になってきたと言っても過言ではないのではないだろ うか。 今年も１年、皆様には大変お世話になり、どうもありがとうございました。地理空間情 報技術のさらなる発展とＳＰ会会員の皆様の健康と一層の活躍を祈念します。良いお年を お迎え下さい。（林 義政：スペーシャリストの会副会長） ＜編集委員会よりお知らせ＞ 1月号は住田さんの担当です。 ■関西支部活動報告 開催日時：平成23年1２月9日（金）1４:３0〜1５:４0 開催場所：株式会社アスコ 本社9Ｆ会議室 大阪市西区江之子島1-10-1 出 席 者：内田（アジア航測）、西村（アスコ）、岩切（パスコ）、河野（パスコ）、 平田（国際航業）、藤井（写測エンジニアリング）、村田（国際航業） 前出（事務局） 欠 席 者：田中（パスコ）、吉岡（パスコ）、森（アジア航測）、森田（パスコ）、 船田（パスコ）、白井（朝日航洋）、大石（国際航業）、辻（アジア）、 相原（アジア） 順不同・敬称略 １．議題 （１）報告･確認事項 �〜芦鶺鳥�録の確認 �∧神�２３年度スペーシャリストの会総会内容の報告 （２）討議事項 �（神�23年度SPの会関西支部の主な活動の取組について （３）その他 ２．議事内容 （１）報告・確認事項 �〜芦鶺鳥�録確認 議事録内容は了承された。 第７回勉強会の内容が測量１２月号のテクニカル・レポートに掲載されたことが紹介さ れた。 �∧神�２３年度スペーシャリストの会総会内容の報告 総会に出席された西村氏より以下の内容を報告された。 ・会員数を増やしていき、空間情報総括監理技術者の活躍の場を広げていきたい。 ・図書刊行が少し遅れているが、今年度中には刊行する予定。 ・空間情報総括監理技術者は国土地理院の資格としてA区分に登録されている。 ・平成２３年度役員改選ではその場で新役員の資料提示があり採択された。新役員構成 は会長・副会長の変更はなし。委員に藤井関西支部長が就任。 また、会計監査報告内容で「支部活動で有効な利用方法があれば、企画提案により予算 確保ができるのかどうか？」との意見がでた。今後、企画委員会の中で、藤井支部長が、 有効活用の可能性に関して確認する。 （２）討議事項 �（神�23年度SPの会関西支部の主な活動の取組について 1) 主な活動の取組の説明 ・藤井支部長より、平成23年度SPの会関西支部の主な活動の取組について、 説明された。（資料-３参照） ＜資料構成＞ ・主な活動として、５項目（�＿餤蝶�催の予定、�∧拔�会の継続実施、�５蚕� 士一次試験対策講座の実施、�ご慇昌拮凜ぅ屮縫鵐亜Ε札潺福爾粒�催、��Web イブニング・セミナーの開催）で構成。 2) 主な活動について意見交換 ・活動の項目�△諒拔�会講師について会社内で検討する。 ・活動の項目��について、広報の関係で日程を決める必要があり、以下の理由 により６月９日（土）で会場等を調整することにする。 ・参加者は平日より土曜日の方が参加しやすい。受験申し込みに関する情報提 供も実施したいので申し込み期間内での開催が良い。中部のテキストを利用 させていただくことを配慮し、中部の開催の後が良い。 ・広報の中で「受験準備のための情報提供を実施します」との内容を記載すればどうか？ ・講座内容として、専門の事も触れる必要がある。 たとえば、建設・上下水道・情報工学・応用理学等の部門の過去問題等を紹介し、受験指 導の時間をとればどうか？開催内容の詳細は４月の第１１回会議で討議する。 ・活動の項目�い砲弔い董⊆＿鵤慣遒砲蝋峪佞魴茲瓩燭ぁ� ・活動の項目�イ砲弔い董�活動メモの内容どおり機材の都合がつく限り実施することで本 部は了承済み。本部の次回開催はまだ未定。（中部は第二回を本日実施している）また、 関西からWeb発信することも可能。Webでの開催は前回の関西が初回であった。 （３）その他 �ー＿鶲聞澆硫餤弔砲弔い� 次回会議は、４月１３日（金）�螢▲好害餤勅爾嚢圓Α� ■中部支部活動報告 □開催日時：平成23年12月9(金) 15：00〜16：30 □開催場所：�螢僖好鈎翩�事業部 9F会議室（名古屋市中区錦2-2-13 名古屋センタービ ル） □出席者：□早川和夫(帝国建設コンサルタント)、□外山康彦(中日本航空) 、□岡本芳樹 (パスコ)、■佐々木康博(パスコ)、□筒井胤雄(パスコ)、■柴田拓(中日本航空)、 □渡邊裕三(パスコ)、■大塚啓一(フジヤマ) 、□小川孝之(大興計測)、■前田 修(ダイム技術Ｓ)、□近藤泰徳(玉野総合Ｃ)、□梅村裕也(アジア航測)、■松岡 滋冶(中日本航空) 、□片桐雅一(中日本航空)、■内海巌(パスコ)、□正岡佳典(ア ジア航測) 、□白井直樹(国際航業)、□鈴木浩二(中日本航空)、□松永善晴(大 日Ｃ)、■坂口宏(アジア航測)、■湯川典子(アジア航測) 13名出席、8名欠 席 合計21名 □日本測量協会：■田代事務局長 □検討協議事項： 新入会員の自己紹介の実施 新メンバー、松永氏の自己紹介を実施した。 報告事項 １．地理空間情報産学官中部連絡協議会WCの検証作業が発注された ・（Ａ）電子国土基本図(地図情報)の活用に係る検討業務 参加資格Ｃ、Ｄメンバーの 所属会社で参加した会社は無いようである。 ２．イブニングセミナーin中部 �々峪奸�北原部長(中部地測部長) ��開催日：平成23年12月9日（日本測量協会講習会の開催日に合わせる） ��セミナー会場：中統奨学館ビル「ＣＨＵＴＯホール」 �て睛董А碧霧局�長）東海地域の電子国土基本図（基盤地図情報）の整備と活用の仕組み 会議終了後にイブニングセミナーに参加する。 ３．その他 �］∈棔〃邊�「測量」スペーシャリストの会 テーマ「研究開発、技術開発」 6回シリーズ 第9弾 執筆者予定 前田修氏（ダイム技術S） 2012年7月号掲載予定（締切り5月10日） ��講習会 ＭＭＳサーベイヤーアカデミー（日本測量協会 主催） テーマ：移動車両による計測技術 モバイルマッピング 講 師：鈴木浩二氏（中日本航空）、早川和夫(帝国建設コンサルタント) 講習日：6月14,15日、場所：日本測量協会 会議室 検討事項 １．来年度の活動予定について ・愛知県土木事務所を対象とした講習会 来年度も継続的に実施していきたい。 ・移動体計測技術の最前線（航空機・車載型から人力まで） （日本測量協会中部支部 主催） 講習日：11月予定、中統奨学館ビル「ＣＨＵＴＯホール」 講師：鈴木浩二(中日本航空)、早川和夫(帝国建設コンサルタント) 人を多く集めるためのタイトルや内容は今後検討していく。本日は、「ＭＭＳ等につい て、実機や成果をみせてはどうか」、「中堅の企業でも購入できる機器をテーマにする」 等の案がでた。 別の講習会として、「総合評価の書き方」等の案が出ており、今後検討していくものと する。 ・空中写真に関する講習会をリニューアルする。 具体的な意見はなく、今後検討していく必要がある。 ・イブニングセミナーin中部の開催 具体的なタイトルが出ず、今後検討していくものとする。 ２．空間情報総括監理技術者の名刺作成について 申し込みの確認 ３．メンバー勉強会 渡邊裕三氏 題名：「かなり古いですがＯＤＡについて」 □次回会合： 平成24年1月27（金） 場所：MAST 時間：15:00〜17：00（予定） ■リレーエッセイ 『東日本大震災：復興への意識が薄れることのないように』 八州の山田均さんよりバトンを受け取りました、パスコの田中と申します。12月に入り まして、寒暖の日々を繰り返しながら、ようやく冬らしい寒さとなってきました。 今回は、下水道に関するお話しをさせていただきます。今年の7月に、国内の下水道事業 に携わられておられた（今は多数の方が現役を引退）メンバーによる懇親会に参加させて いただいた時のことです。隣あわせとなった知り合いの方（元国交省）から、「下水道に 対する国民の要望が時代の進行とともにどのように変化しているか知っている？」とにや りとしながら、語りかけてくれました。続けざまに、東京都内のことだけど、住民からの 要望が高かった「下水道整備」は、平成9年度あたりから、パタっとなくなってきている。 下水道は生活の表面には登場しなくなり、いつの間にか下水道整備は、「終わったもの」 や「存在して当たり前のもの」となってしまっていると力説されたのです。さらに、アル コールも程よく回ってきたのか、下水道行政に携わってこられた大先輩として、時代の変 化に察するところの味のあるお話しをいくつも聞かせていただきました。 それから5ヶ月が経過し、「いつの間にか下水道整備は・・・」という内容に、「いや、 下水道はまだまだこれから・・・」という違和感を持っていたところ、意識の薄れや忘れ さられるという点では同じと感じたことが、今朝のテレビで話題として取り上げられてい ました。少し違うかも知れませんが、東日本大震災の被災地復旧への国民の意識の薄れを テーマにした内容の報道でした。折りしも、東日本大震災発生からちょうど9ヶ月となる今 日（12月11日に原稿作成）は、テレビで、東京都内の年輩の男女数人のインタビューが放 映されていましたが、皆さん同じように「こうして東京で日常生活を送っていると発生後 のあの時の心の痛みや悲しみはどんどん薄れてきています」と申し訳なさそうではあるが コメントされていました。また、現実にボランティアの方々の数も日時の経過とともに、 減少をたどっているという報道に、5ヶ月前の記憶がまざまざとよみがえり、改めて「がん ばろう日本」を心の中で連呼し、自分自身の気持ちを切り替えたのでした。 最後に、東日本大震災により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げ、前述の意識 の薄れや忘れさられるということがないように、地理空間情報コンサルの下水道技術者の 端くれとして、未だ途上段階である復興に向けて、些細なことでもお役に立てればと切に 願う次第です。 次回は、福岡で何回か一緒にお仕事をともにしました弊社(株式会社パスコ)の坂田 直 貴さんに、バトンタッチしたいと思います。 （田中光男：パスコ） ■コラム ●執筆順番 2011年12月号 高本（アジア）、大島（パスコ）・・・ここからH23会員 2012年1月号 古川（パスコ）、近藤（パスコ） 2月号 木寺（日本測量協会）、田澤（パスコ） 3月号 南澤（パスコ）、堀川（パスコ） 4月号 荒井（東武計画）外立（ﾅｶﾉｱｲｼｽﾃﾑ） 5月号 辻（アジア）、真壁（アジア） 6月号 鈴木（パスコ）、相原（アジア） 7月号 清水（アジア）谷森（東武計画） 8月号 松永（大日ｺﾝｻﾙ）、佐藤（パスコ） 9月号 今村（朝日）、堀川（国際） 10月号 吉川（パスコ）菊池（パスコ） 11月号 嶋（アジア）、岩崎（パスコ） 12月号 坂口（アジア）、山田（国際） 2013年1月号 恩藤（アジア）、岡本（復建調査設計）、時永（HRS） ■コラム [最近の自転車事情] 私は現在広島市に在住しており入社以来、十数年、雨の日も風の日も凍えるような雪の 日もほぼ例外なく自転車で通勤しています。 幸い広島市内を流れる太田川の河川堤防上を利用して自歩道が整備されているため、ノ ンストップでストレスなく職場まで四季折々の景色・空気を感じながら通勤することがで きる環境があるのも理由のひとつです。 片道9ｋｍ弱の道のりを自転車で通勤していますが、毎朝ラフな出で立ちで自転車にまた がり家を出る父を見て、我が家の子供たちの目にはどのように映っているのだろうと心配 に思う今日この頃です。 この自転車通勤を始めたそもそもの一番の理由は満員の交通機関が好きではないという 理由でしたが、習慣として続けるうちに今では通勤の往復1時間が体力維持やリフレッシ ュの時間となるとともに、頭の中の考えを整理できる1日の中でもなくてはならない重要 な時間になっていると感じています。 ところで最近、環境に対する意識の変化等によりこの自転車が見直されちょっとしたブ ームになっています。東日本大震災発生時に帰宅困難者が多数出たこと等もこのブームに 追い討ちをかけているそうです。 自転車人口の増加にともない、自転車が加害者となる事故や悪質なマナーが目立つよう になり、先般警視庁より自転車の歩道走行は原則禁止とする通達が出されました。これま で走行が認められていたのは、道幅２メートル以上で「自転車通行可」の表示がある歩道 でしたが今後はこれを「道幅３メートル以上」に改めたうえで、それ以外は車道走行を原 則（１３歳未満と７０歳以上などを除く）とするといった内容です。 この通達については賛否両論あるようですが、新ルールをめぐっては自転車はもちろん 歩行者やドライバーも注意すべきことが増えそうです。 この最近の自転車ブームを受け、iPhone向け自転車専用アプリや各種自転車情報サイト ができたり、カーナビメーカー各社から自転車用の小型ナビが相次いで発売されています。 この自転車用小型ナビは従来の車載型ナビに代わり主流になりつつあるPND(Personal Navigation Device)と呼ばれる携帯が可能なナビゲーション用装置を自転車用に使いやす くしたもので、自転車に簡単に脱着が可能で、走ったコースの記録、平均速度や距離、消 費カロリーなどが記録しPC上のGoogleマップやGoogle Earthで簡単に奇跡が確認できる といった機能があり、ニーズに合致した地理空間情報技術の活用商品と言えます。 そういう私自身、車を運転する時にカーナビが付いていても使用せず、本能？で目的地 に向かおうとするタイプではありますが・・。 （高本佳典：アジア航測） ■コラム 「震災復興と七人の侍」 ３月１１日以降、測量士をはじめ多くの技術者が復興のために投入されてきた。 しかし、東北の知事は復興計画を進める上で改めて人材不足を訴えている。 復興計画を具体化すればするほど、技術者や専門家の人材難に被災自治体は直面せざるを 得なくなる。岩手県の達増拓也知事は１０日の復興構想会議で「人材不足が復興の最大の 障害になっている」と支援を求めた。12 兆円の巨大補正が東北の被災地に投入されるが、 管理技術者やハザードマップ作成者、都市計画プランナー等の人材が不足している。 今、私も東北にて復興計画策定に携わっている。実際、現地において被災地、被災者を 目のあたりにすると、当方もない仕事に携わっているという実感がある。 復興計画の住民説明会において、遅遅として進まない復興に対して、怒号が飛びかう状 況も出始めている。非日常の世界に飛び込んだ主人公が、いろいろな経験をする話は、映 画や小説の中ではあるが、実際に当事者になるとは思いもよらなかった。そのようななか、 震災復興に携わる人々と映画「七人の侍」の不思議な共通点を感じている。 映画「七人の侍」は黒澤明監督の代表作で、日本映画の代表作である。あらすじは、 戦国時代、盗賊と化した野武士が、農村集落を襲う、村人は何時襲ってくるか判らない 野武士から、村を守るため侍を雇うことを決める。出身も経歴も得意分野も異なる異色の 七人に侍が、いろいろな軋轢を乗り越えながら、英知を集結し、村人と協力して集落を要 塞化し、野武士の一団と戦う物語である。これを震災復興にあてはめると次のようになる。 1.野武士：地震と津波 2.七人の侍：測量士、技術士、空間情報総括監理技術者等 3.集落の要塞化：防潮施設の拡充、道路の嵩上げ、高台移転 4.刀と槍：GIS 等の空間情報技術 映画では前半部と後半部に分かれ、前半部では主に侍集めと戦の準備が、後半部では野 武士との本格的な決戦が描かれる。 志村喬が演ずる島田勘兵衛は、村人に村を守ってほしいと頼まれるが、最初は無理だと 一蹴、やるとしてもせめて七人の侍が必要だという。去ろうとする勘兵衛たちに対し、こ れまで百姓を馬鹿にしていた同宿の人足が、百姓の苦衷を分かっていながら行動しないこ とをなじり、百姓は侍に米を食べさせ、自身は稗で我慢していることを訴える。勘兵衛は その言葉を聞き、百姓の頼みを引き受ける。物語では、志願して参加する者、勘兵衛の人 柄に惹かれて参加するもの様々である。震災復興の業務においてもいろいろな会社がJVを 組み、出身や得意分野の異なる人々が集まり業務に従事している。そこには映画と同じく 様々な軋轢が生まれている。さしずめ勘兵衛の役は技術士や空間情報総括監理技術者が担 うことになる。 七人の侍のリクルート法 ・ 勘兵衛は、その強さと人柄、経験から勝四郎、菊千代のリクルートに成功する。 菊千代はもともと侍にあこがれている。 震災復興への応用 ・ 若い技術者から、あこがれの技術者がリーダーを務め、リクルートをする。 ・ 空間情報技術者にあこがれている若い人を誘う。 建物被災状況等さまざまな空間データが整備されつつある。これを生かして住民とともに 震災復興にあたるのは技術者の腕の見せ所である。しかし、最後は、映画と同じく次の言 葉で締めくくられることになろう。 「勝ったのは村人たちであり自分たちではない。」 （大島 正：パスコ） ■ 空間情報関連便利グッズ / 書籍の紹介 だまし絵のトリック 不可能立体を可能にする 著者：杉原厚吉 ＤＯＪＩＮ選書 定価 ：本体1400＋税 「世界一受けたい授業（ＴＶ）」でもおなじみの杉原厚吉先生の「だまし絵の仕組み」 が紹介された本。「不可能立体」とよばれるだまし絵、紙面には描けるけど、立体として は作れそうにない構造の絵のことである。だまし絵はオランダの版画家エッシャーが有名 であるが、水が滝のように落ちて行っているのに、また元の場所に戻ってきて、また流れ ていく絵を、きっと皆さんもどこかでご覧になっているのではないだろうか。本書は、だ まし絵がなぜ錯覚を生み出すかという視覚のトリックの側面を眺めてみようとしている。 本来、数理的な課題であり、数式で解明されていくのが一般的とされているが、本書は、 ほとんど厄介な数式は出てこない。 世界錯覚コンテストの優勝者でもある杉原先生の「なんでも吸引四方向すべり台」（中 心が高く四方向へ降りるすべり台があるのに、一番高いはずのすべり台の真ん中の台に玉 が四方向から集まる）の組み立て方も巻末についているので、年末年始、ご家族で試して みてはどうですか。きっと不思議な世界が体験できます。 （林 義政：パスコ） ■測量協会イベント情報のお知らせ ○第25回地理空間情報イブニング・セミナー グリーンエネルギー事業における空間情報技術の活用 −分散型エネルギーが普及する時代に向けて- 講 師: 船橋 学 氏 （国際航業�蠹貽�本事業本部第一技術部） 日 時 平成24年1月31日（火）16時〜17時30分 会 場 日本測量協会 研修室 参加費 会員は無料、非会員は2,000円 CPDポイント 測量CPDを1ポイント発行 募集人員 先着50名 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/k-academy240131.pdf ○新刊図書 ・用地測量(改訂第1版) 発行日 平成23年10月23日 定価 一般 2,900円(税込) 協会会員 2,610円(税込) (送料440円) ・公共測量 作業規程準則 基準点測量記載要領 発行日 平成23年12月26日 定価 一般 5,000円(税込) 協会会員 4,500円(税込) (送料550円) ★空間情報総括監理技術者 技術認定登録更新の重要なお知らせ★ ○「測量CPD」に登録済みでしょうか、ご確認ください。 →学習履歴台帳登録がなされていなければ、あなたの学習ポイントは登録できません。 CPDポイント数はゼロのままとなり、認定資格の登録更新はできません。 ○SUCCESS上で、あなたのCPDポイント数を必ずご確認ください。 →5年間に定められたCPDポイント数を取得できていない場合は、認定資格の登録更新は できません。 ○認定資格の登録更新には、下表に示すCPDポイント数が必要です。 登録年 第1回更新時(5年) 第2回更新時(5年) H17年10月 25ポイント 40ポイント H18年10月 〃 〃 H19年10月 〃 〃 H20年10月 〃 〃 H21年10月 〃 〃 H22年10月 〃 〃 H23年10月 〃 〃 ○技術認定登録の有効期間は、登録更新年度から起算した5年後の該当年度末日とする。 例 平成23年度登録者は平成28年度末日(H29.3.31) ○登録更新の有効期限切れの方は、公開する認定技術者名簿から抹消されます。 ★詳細については、(社)日本測量協会HP(空間情報総括監理技術者の「空間情報技術認定規 則」)をご覧ください。（事務局） （廿楽:測量協会） ■編集後記 今年は大変な１年であったと思います。今号のメルマガでも執筆されておりますが、今後、 ますます、空間情報総括監理技術者が活躍する場面も多くなろうかと思います。さらに、 各支部での活動も活発になってきています。このメルマガがＳＰ会での情報共有できるツ ールと思っていただけるよう継続してまいりたいと思います。来年もメルマガでの執筆、 情報提供等、皆様のご協力をお願い申し上げます。それでは、良いお年をお迎えください。 （編集委員長） ──────────────────────────────────────── All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club このメールマガジンを紹介したい方は各自の責任で転送しても結構です。 ──────────────────────────────────────── |
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