| タイトル：スペーシャリスト会報 Vol.63 | 発行日時：20012年3月15日12時51分9秒 |
| ┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 20012年3月15日 ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.63 発行元：スペーシャリストMM事務局 http://www.capnet.jp/spatial/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ INDEX ：＊空間情報総括監理技術者 技術認定登録更新の重要なお知らせ ＊ニュース・ラウンジ ＊企画委員会・各支部活動報告 ＊リレーエッセイ＜空間連携＞ ＊コラム ＊空間情報関連便利グッズ / Web & Blogの紹介 ＊測量協会イベント情報のお知らせ ============================================================================ ★★★重要なお知らせ★★★(平成23年12月〜平成24年11月・１年間掲載） 空間情報総括監理技術者 技術認定登録更新について ○「測量CPD」に登録済みでしょうか、ご確認ください。 →学習履歴台帳登録がなされていなければ、あなたの学習ポイントは登録できません。 CPDポイント数はゼロのままとなり、認定資格の登録更新はできません。 ○SUCCESS上で、あなたのCPDポイント数を必ずご確認ください。 →5年間に定められたCPDポイント数を取得できていない場合は認定資格の登録更新は できません。 ○認定資格の登録更新には、下表に示すCPDポイント数が必要です。 登録年 第1回更新時(5年) 第2回更新時(5年) H17年10月 25ポイント 40ポイント H18年10月 〃 〃 H19年10月 〃 〃 H20年10月 〃 〃 H21年10月 〃 〃 H22年10月 〃 〃 H23年10月 〃 〃 ○技術認定登録の有効期間は、登録更新年度から起算した5年後の該当年度末日とする。 例 平成23年度登録者は平成28年度末日(H29.3.31) ○登録更新の有効期限切れの方は、公開する認定技術者名簿から抹消されます。 ★詳細については(社)日本測量協会HP(空間情報総括監理技術者の「空間情報技術認定規 則」)をご覧ください。（事務局） ============================================================================ ■ニュース・ラウンジ 今、寺田寅彦が再評価 −私論：寺田寅彦から学ぶこと− 前回このコーナーで書いた「地理空間情報技術者70歳現役時代に備えて」については、 SPの会の中でも多少話題になったことを小耳に挟み、議論への一石を投じられて良かった と勝手に解釈している。大いに賛否両論の論議をしてほしいと望む次第であり、SPの会で は「何事も万機公論に決すべし」がそのモットーでもある。 今回は、前回とは多少異なる視点から私論を述べさせていただく。 最近、寺田寅彦に関する書籍が書店でよく目に入る。例えば、池内了・責任編集『寺田 寅彦−いまを照らす科学者のことば−』(河出書房新社、1,600円+税)、小山慶太・著『寺 田寅彦』(中公新書、903円)などが挙げられる。手前味噌であるが、前者の書評を月刊 『測量』４月号サーベイライブラリーに掲載すべく、その原稿を先日、編集担当に渡した ばかりである。 寺田寅彦は高知市出身で地元には資料館があり、私も城めぐりの途中に二度ほど訪れた ことがある。文理融合のわが国の代表格であり、東京帝国大学(現在の東京大学)の物理学 教授であるとともに、随筆家でもあり、文学者でもあった。「茶碗の湯」などの随筆は小 中学校生の頃に読んだ記憶のある人も多かろう。また、著書『天災と国防』には、あの有 名な“天災は忘れた頃にやってくる”を残している。 3.11東日本大震災から早一年が過ぎ、その復興が遅々として進展しない焦燥感に加えて、 東京に住むものには東京直下型大地震への戦慄という新たな不安が増幅している。寺田寅 彦(1878(明治11)〜1935(昭和10)年)は57年間の人生なかで、数回に渡る浅間山の噴火、関 東大震災、明治29年、昭和8年の三陸沖大津波を目の当たりにしていた。したがって、書 き残した論文や随筆などには大災害への備えや処し方、対応など多く記されていると思う。 それらを再評価すべき時にあり、それだけに“天災は忘れた頃にやってくる”という言葉 には、今まで以上に説得力のある言葉であることを考えてみる時期でもあろう。それらの ことは、寺田寅彦に関する多くの書籍から学ぶことができると思うので、その方面の書籍 に任せることにしたい。 今回、私がこのコーナーで述べたいのは上記のこととは別で、寺田寅彦の研究スタンス について考えさせられることが多い点である。当時、現役の東京帝大物理学教授として、 研究の最先端テーマは量子物理学をはじめとする理論物理学であった。先輩・同僚・後輩 らの研究者は誰彼なく、この新しく台頭してきた理論物理学へ傾注した。寺田寅彦と同年 配のアインシュタインなど世界の物理学者は同じトレンドにあった。しかし、寺田寅彦は、 古典物理学の外には出ず、頑としてそれを守った。土佐人気質の頑固さと言えば分からな い気もしないが、現役教授としての立場からは勇気がいることではなかったか。 寺田寅彦の学位論文は尺八の音色の関する物理学的な研究（尺八の音響学）と聞いてい る。そして、物理学者と随筆家という高い能力が備わっていたから可能だったのかもしれ ないが、寺田寅彦随筆集の中で日常的な現象を対象に物理学的・地球物理学的な考察から 万人に分かり易く語りかけた。加えて、日常身辺の自然現象を日本人の目で見つめるとい う独自の研究スタイルを貫き通した結果から示唆に富んだ言葉を残した。 では、寺田寅彦のそのような研究スタンスの底流には何があったのだろうか。幾つかの 書籍を読んだくらいの私には皆目見当がつかないが・・・。唯一の手掛かりとして挙げれ ば、寺田寅彦は人に語りかける時の口癖があったと言われている。それは「ねえ君、不思 議だと思いませんか？」と言う言葉であった。日常的なささやかな疑問、かすかな疑問な どを持ち続けることが寺田寅彦の底流にはあったのではなかったと私には思えてならない。 「地理空間情報技術者70歳現役時代に備えて」にも繋がることであるが、私たちは年齢 や技術力の深浅でもなく、ささやかな疑問やかすかな疑問を持ち続け、枯らすことなく 滾々(こんこん)と泉が湧くがごとく常に考えていることが肝要なのだろう。そして、それ らの疑問についての対応を一途に求めていくことなのではないか。そんなことを寺田寅彦 の研究スタンスから学べるのではないだろうか。 （瀬戸島政博） ＜編集委員会よりお知らせ＞ ４月号は林さんの担当です。 ■企画委員会・支部活動報告 開催はありませんでした。 ■リレーエッセイ このメールマガジンが皆様に配信される頃には、「東日本大震災」から１年の時を刻ん でいることでしょう。 さて、この「東日本大震災」について、皆様は様々な体験をされているかと思います。 私事ですが、私と妻の故郷は「宮城県石巻市」 毎日の震災関連報道で耳にされている方も多い地名かと思います。震災当日、故郷には 私の両親、兄、叔父、叔母、いとこ、妻の場合も兄弟、叔父、叔母、いとこが居住してお り、各々の勤務場所、居住場所で「震災」に遭遇していました。 <２０１１年３月１１日 金曜日 午後２時４６分> 幼稚園児、小学生、中学生、高校生は授業等が終了し家路に就こうとしている時間帯。 仕事をしている方々は、金曜日と言うこともあり休憩前の時間帯で眠気も有る様な頃で す。家に居る人は、お茶でも飲んで寛いでいる時間帯でした。 「宮城県石巻市」では、今まで耳にしたことのない地鳴り、空気ごと押されるような耳 に感じる音圧、昭和５３年の宮城県沖地震とは比較できない上下左右動を伴う大きな揺れ が襲い、宮城県から東北一円を超え、北は北海道、南は関東を通り越し近畿地方まで到達 していたとのことです。 今回の震災は「地震」だけでなく「津波」を伴い、被害を増大させて居ました。 東日本大震災以降「津波」に関する報道や研究成果が様々発表されています。 震災当日「津波」に遭遇し、難を逃れた兄の証言、いとこの証言をここに記述します。 ◇兄の場合 １４時４６分地震発生、即停電になり災害情報を収集するのは「ラジオ放送」のみだっ たそうです。兄の勤務場所は仙台湾に面した「牡鹿半島」付け根にある事務所。他の職員 は地震への恐怖で腰を抜かしたり、頭を伏せたままで何も行動できなくなり「自己判断力」 が低下した人が多かったそうです。「ラジオ」からは、「津波に注意してください、３ｍ 程度の津波が来ます」と放送、１５時近くから「太平洋沿岸部には１０ｍを越す津波が来 るかもしれません、出来る限り高台に避難してください」と放送される津波深度が急に高 くなったそうです。兄は同僚と別々に通勤車で自宅方向に避難を始め、避難途中下水マン ホールから濁水が噴上げ、「これでは危ない」と自己判断し、車を空地に寄せ石巻市の 「牧山」に自力で登り始め、間一髪で津波から逃れたそうです。 ◇北上川内陸部居住のいとこの場合 １４時４６分地震発生、ちょうど孫を保育園に迎えに行こうとしていたときでした。停 電になり、携帯電話も不通、家族や保育園との連絡手段が断たれ、近所の方々と「ラジオ 放送」から流れる地震情報に耳を傾けていたとき集落から見える「北上川」の堤防を津波 が乗り越え、同時に堤防も一気に破壊され、集落方向に向かって濁流が見たことが無い速 さで向かって来たとのことでしたが、集落住民全員の自己判断で避難して無事だったそう です。 ◇太平洋側の牡鹿半島居住のいとこの場合 １４時４６分地震発生、かき養殖いかだでの作業を取りやめ、小型漁船にて牡鹿半島内 部の漁港へ一旦避難、しかし、１５時近くに「ラジオ放送」から流れる「津波」への注意 喚起を聞き、船を津波の来る方向の外湾へ避難させ、何度と無く押し寄せる津波を小型漁 船で切り抜け、地震発生から２日間、船と共に太平洋沖合いで過ごし、家は流されてしま いましたが、家族全員の命と船だけは助かったそうです。 この三者の証言で、スペーシャリストの皆さんに認知していただきたいこと。 少なくとも私の親戚は、自治体が配布している「ハザードマップ」を避難の参考にして いないことです。過去の災害を身体で感じていた事と、当日の「ラジオ放送」を判断材料 にして、自己認知判断での避難行動を取り助かりました。 ※他の親戚で３名は、適切な避難行動を取る事ができずに震災被害者となってしまいま した。 その中には報道されている「石巻市立大川小学校」の児童１名も含まれて居ます。 ◆震災後に、親戚が口々にしていたこと。 役所が作る「何とかマップ」ってやくにたたねー「ラジオのほうがよっぽどいいな」◆ この言葉を聞き、今まで自治体が作成していた「ハザードマップ」は利用されていなか ったことに、私は、スペーシャリストの一員として恥ずかしさと悔しさを感じました。 利用する場面が少なければよいものなのですが、利用されてこそ作成した意味のある 「ハザードマップ」でした。 災害後、様々な考えが頭の中で渦巻いていました。災害時には、瞬時に判読・判断でき るものでなければ被災者が多くなる。災害弱者と言われる、子供やお年寄りでも判読・判 断出来るものが良いのではないか。目は非難方向認知のために必要であるため、耳で聞い て判断できるものが良いのではないか。 震災前からも行っていましたが、震災後は、自身の子供たちに「地震」だけではなく、 他の自然災害や人災に関する話に関しても事あるごとに話し、自宅周辺や世間で起こりう る事象を具体的に表現して教えるようにしています。また、自分が今居る場所の「地形」 を目で見て認知するようにも教えています。 今後の「Spatial Infomation」は様々な状況を想定して利用できる「認知できる空間情 報」として、広く一般に認知してもらえるような「空間情報」＋αを構築できるよう、ス ペーシャリストとして、アンテナを張り巡らせて行きたいと感じています。 （石森 伸：パスコ） 次回は、東北支部長の大津泰弘さんにリレーいただく予定です。 ■コラム ●執筆順番 2011年12月号 高本（アジア）、大島（パスコ）・・・ここからH23会員 2012年1月号 古川（パスコ）、近藤（パスコ） 2月号 木寺（日本測量協会）、田澤（パスコ） 3月号 南澤（パスコ）、堀川（パスコ） 4月号 荒井（東武計画）外立（ﾅｶﾉｱｲｼｽﾃﾑ） 5月号 辻（アジア）、真壁（アジア） 6月号 鈴木（パスコ）、相原（アジア） 7月号 清水（アジア）谷森（東武計画） 8月号 松永（大日ｺﾝｻﾙ）、佐藤（パスコ） 9月号 今村（朝日）、堀川（国際） 10月号 吉川（パスコ）菊池（パスコ） 11月号 嶋（アジア）、岩崎（パスコ） 12月号 坂口（アジア）、山田（国際） 2013年1月号 恩藤（アジア）岡本（復建調査設計）、時永（HRS） ■コラム 「東日本大震災から一年を迎えて」 あれから丸一年の今日（3/11）、このコラムを執筆しております。 まずは東日本大震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈り致します。 巨大地震の発生当時、私は職場である仙台駅付近のビルの６階で仕事をしておりました。 地鳴りのような音と共に揺れ始め、「いつものように直ぐに止むだろう。」と思ったのも つかの間、直ぐに立っていられないほどの大きさへ。これはマズイ！と、いの一番で非常 階段への扉を開けに走り、扉を押さえながら右に左に揺られること約３。「頼むから早く 止んでくれ！！」と心の中で叫ぶことしか出来ません。途中、数回の点滅から完全に照明 が消え、室内は薄暗くなりました。室内を見渡すと壁際に設置していた資料保管用のロッ カー数本が倒れており、椅子や袖机、パソコンのモニター、資料等が散乱しています。幸 い書類の詰まった重いロッカーの下敷きになった人もおらず一安心。揺れが収まったのを 確認して、近くの公園に慌てず速やかに避難し、頃合を見計らって順次帰宅しました。 停電だったこともあり、外からの情報が全く入らず、あの大津波で財産や多くの人命が 奪われたと知ったのは数日経ってからだったと記憶しています。辛うじてミネラルウォー ターはかなりの量をストックしていたため、飲み水には困りませんでしたが、平穏な毎日 に慣れきった私は、有事の際の備えを全くしておらず、ラジオの電池もなかったため、情 報を全く得られなかったのです。 当時、ガソリン不足で給油のために並ぶ車が数キロにも及ぶ中、駐車場で車のエンジン を掛けている人をチラホラ見かけ、「ガソリンの入手が困難なのに、エンジンをかけっ放 しで動かないなんて・・・」と思っていたのですが、あの方々はカーナビで情報を得たり、 携帯を充電したりしていたんだと後になって気付きました。 携帯やスマートフォンは非常に便利な機器ですが、電気がなければ全く役に立ちません。 今後、日本のみならず世界的にも右肩上がりで電気の消費量が増大していきます。津波に よる福島原発の事故を受け、脱原発と自然エネルギー創出の機運が高まる中、清水建設(株) では『ルナリング』という計画を進めていることを知りました。人類の消費エネルギーを 全て賄える太陽光発電を月で行おうという壮大なプロジェクト。「限りあるエネルギーを 節約しながら大事に使う。」から「ほぼ無限に近いクリーンエネルギーを自由に使う。」 へのパラダイムシフト。子供の頃に見たマンガや最新のＳＦ映画の世界が近い将来現実の ものになろうとしています。私が生きている間にそれを享受できるかは分かりませんが、 クリーンで安全なエネルギーの研究・開発を推進し、人類の明るい未来を実現して欲しい と願うとともに、街づくりに携わる技術者として、その一助となりたいとも思います。そ の一方、「天災と国防」で寺田寅彦氏が述べているように、平時にこそ有事の備えを確り しなければならないのだと改めて考えさせられました。 （南澤栄二：パスコ） ■コラム 「趣味の世界も地理空間情報？？」 私は大学時代にサイクリング部へ入部して以来、趣味で自転車に乗っています。若い頃 は、テントを自転車に積んでの長距離サイクリングや、千葉から直江津へ抜ける360kmを １日で走破するイベントへの参加、鈴鹿サーキットや陸前高田の広田半島を一周するロー ドレースへの出場など自転車に乗る日々を過ごしていました。 今は家族中心の生活で、年に一度ロードレースに参加する程度になってしまいましたが、 競技に参加するとなると、それ相応にトレーニングを積んでおく必要があります。 トレーニングといってもただやみくもに自転車に乗れば良いわけではなく、筋力や新肺 機能を効果的に向上させる必要があり、そのトレーニングを支援するツールの一つとして、 サイクルコンピュータという、機材があります。これは、昨年12月のコラムでアジア航測 の高本様も紹介されていたものですが、自転車に取り付け、速度、走行距離、ケイデンス （1分間にペダルを回転させた回数）などを計るものです。 近年では、このサイクルコンピュータにGPSによるナビゲーション機能を搭載したもの も発売されており、速度計＋心拍数計＋ナビゲーションを搭載した自転車でのトレーニン グが主流となっています。 代表的な商品としては、米国ガーミン社が提供する「Edge800」という商品があり、面白 いのは、様々な市販の電子地図をアドオンさせるような仕様になっていることです。 例えば、米国ガーミン（GARMIN）社正規代理店である「株式会社いいよねっと」から「日 本登山地図TOPO10MPlus（昭文社「山と高原地図」のデータを加工）」や、株式会社ユウユ ウデイが販売する住友電工システムソリューション株式会社製の全国デジタル道路地図デ ータベースを活用した「GARMINGPS用 日本全国デジタル道路ナビ」などがあり、これらの 地図をユーザが選択できるのです。カーナビゲーション端末の場合は、一般的には地図を 選択するということが無いのではないでしょうか。 選択できる地図の価格は1万５千円〜2万円といったところです。 さらに、このサイクルコンピュータは、単に端末を自転車に付けて利用するだけでなく、 Yahooのルートラボで作成されたルートを端末に取り込んで、そのルートをナビゲーション させたり、ガーミンが提供する「Garmin Connect」というウェブ上のサービスへ走行記録 をアップロードし、他のユーザと共有したりと、インターネット上に確立されているサー ビスを利用することもできるのです。モノを提供するのみならず利活用の場面まで提供さ れており、非常に感心させられます。 次にパイオニアが開発中の商品ですが、こちらはトレーニングだけでなく、散歩的な使 い道を提案する「ポタナビ」（散歩的なサイクリングをポタリングといいます）があり、 これはドコモの3G回線を2年間無償（商品価格に含む）で利用できるようにし、「ポップ アップナビモード」と呼ぶテレビで紹介された周辺の話題のスポットや食事・休憩場所な ど、通信回線とGPSを生かして寄り道したくなるような情報を提供するなど、サイクリン グによる移動シーンに適した機材であるため、汎用的なスマートフォンよりも利便性が高 く、消費意欲を刺激させられます。 これらご紹介したサイクルコンピュータは、地理空間情報を活用した商品の一例ではあ りますが、趣味の世界だけでなく、仕事面でもそのビジネスモデルは大変参考になるもの であり、私も新たな商品開発のため日々自己研鑽に励まねばならないと思いながら自転車 に乗るのでした。 （堀川和利：パスコ） ■ 空間情報関連便利グッズ / 書籍の紹介 ○『小説帝都復興』 岳 真也・著 PHP研究所，定価：本体1,600+税 1923(大正12)9月1日の関東大震災により、帝都東京は下町を中心に多くが焦土と化し、 10万余の人命が失われた。発生翌日、大風呂敷という評判の元東京市長後藤新平が第二次 山本権兵衛内閣の内務大臣に就任し、帝都の復興を託される。 後藤は、震災後26日で帝都復興院を設置し、その総裁として厳しい財政状況下、スピ ード感を持って壮大な復興計画を推し進める。現在の状況と照らして、何故約90年前に出 来たことが、震災後1年を経てもできないのだろうかと考えたくなる。科学も技術も当時 と今では格段の進歩があるのに・・。科学や技術の進歩以上に、大風呂敷と揶揄されるよ うな強力なリーダーの存在、そのような人間臭さが早期復興には欠かせないことをこの小 説から学ぶことができる。 （瀬戸島政博） ○プロメテウスの罠 『明かされなかった福島原発事故の真実』 朝日新聞特別報道部 著 （株）学研パブリッシング 福島原発事故発生後２０１１年１０月から朝日新聞で連載が始まった同名記事の 書籍版である。報道で伝えられなかった当時の混乱状況を描写している。 放射線の不安の中、技術者としてどのように真実を追求し伝えるか？ 公務員の制約の中 でどのように公表するか？ 技術者の矜持と倫理を問われる内容である。 （池田晃三：アジア航測） ○『「55歳」からの一番楽しい人生の見つけ方』 川北義則・著 三笠書房 定価：本体571＋税 （知的生き方文庫） 今回は、ちょっと一休みに読む本の紹介です。仕事人間が大半の皆さん。たまには、こ んな本を読まれてはどうでしょう。55歳からどう生きるか。定年までがむしゃらに働くの もいい。生涯現役で仕事をする？趣味を楽しむ？ 本書には、最高の毎日が見つかる47の条件がまとめられています。「自分の時間を楽し む」、「悠々自適を楽しむ」、「心配いらず」、「孤独知らず」、「不満知らず」、 「執着知らず」の人生を送りませんか。 まだまだ若い！ でも40歳代の方も今から読んでおいても損はないと思いますよ・・・。 （林 義政：パスコ） ■測量協会イベント情報のお知らせ ○第26回地理空間情報イブニング・セミナー 「測量・コンサル業界のBCP」 −今すぐ取り組むリスク管理−- 講 師: 尼野 國貞 氏 （大同情報技術�蠎卍后� 日 時 平成24年3月27日（火）16時〜17時30分 会 場 日本測量協会 研修室 参加費 会員は無料、非会員は2,000円 CPDポイント 測量CPDを1ポイント発行 募集人員 先着50名 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/k-academy240327.pdf ○平成24年度 空間情報総括監理技術者資格認定試験の受験案内は、 （社）日本測量協会HPに4月2日（月）に掲載致します。 ○新刊図書 平成24年4月上旬刊行予定 「国土を測る技術の基礎」 高木芳隆 著 （廿楽:測量協会） ■編集後記 東日本大震災から１年が経過しました。3/11は各式典が開催され、各テレビ局でも多く の特集番組が放映され、改めて、震災当時の状況と今日までの経過を再認識しました。 今回の記事の中で、今後、技術者とは？という投げかけもありました。それぞれの企業 での方針等あろうかと思いますが、会社としてではなく、一技術者として議論できる場 のひとつがＳＰ会でもあるかと感じました。 （編集委員長） ──────────────────────────────────────── All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club このメールマガジンを紹介したい方は各自の責任で転送しても結構です。 ──────────────────────────────────────── |
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