スペーシャリスト メールマガジン バックナンバー

タイトル:スペーシャリスト会報 Vol.68 発行日時:20012年8月15日10時2分40秒
┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
20012年8月15日
◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.68

                    発行元:スペーシャリストMM事務局
                     http://www.capnet.jp/spatial/
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INDEX :*空間情報総括監理技術者 技術認定登録更新の重要なお知らせ
    *ニュース・ラウンジ      *企画委員会・各支部活動報告
    *リレーエッセイ<空間連携>  *コラム
    *空間情報関連便利グッズ / 書籍の紹介
    *測量協会イベント情報のお知らせ
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★★★重要なお知らせ★★★(平成23年12月〜平成24年11月・1年間掲載)
お知らせ その1:
◇空間情報総括監理技術者 技術認定登録更新について
○「測量CPD」に登録済みでしょうか、ご確認ください。
 →学習履歴台帳登録がなされていなければ、あなたの学習ポイントは登録できません。
  CPDポイント数はゼロのままとなり、認定資格の登録更新はできません。
○SUCCESS上で、あなたのCPDポイント数を必ずご確認ください。
  →5年間に定められたCPDポイント数を取得できていない場合は認定資格の登録更新は
できません。
○認定資格の登録更新には、下記に示すCPDポイント数が必要です。
  
登録年  第1回更新時(5年)  第2回更新時(5年)
H17年10月  25ポイント     40ポイント
H18年10月    〃         〃
H19年10月    〃         〃
H20年10月    〃         〃
H21年10月    〃         〃
H22年10月    〃         〃
H23年10月    〃         〃
○技術認定登録の有効期間は、登録更新年度から起算した5年後の該当年度末日とする。
    例 平成23年度登録者は平成28年度末日(H29.3.31)
○登録更新の有効期限切れの方は、公開する認定技術者名簿から抹消されます。
詳細については(社)日本測量協会HP 空間情報総括監理技術者の「空間情報技術認定規則」
をご覧ください。

お知らせ その2:
◇登録事項変更届出について
登録事項に変更が生じたときは、すみやかに「登録事項変更届出」の手続きを行って下さ
い。様式は下記のホームページに掲載してあります。
URL :http://www.jsurvey.jp/gissv/touroku.htm
                          (事務局)
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■ニュース・ラウンジ ― 技術士試験制度の見直しについて ―
 先日、平成24年度の技術士第二次試験(筆記)が終わったところであるが、かねてより
話題となっていた技術士試験が平成25年度より見直されることとなった。多くの会員は、
既に技術士資格をお持ちであるが、これからめざす方、総監や他分野をめざされている方、
若手の指導に携わられている方など、試験内容の急な変更には戸惑いも多いことかと思う。
試験制度の見直しに至った背景については、様々な憶測が飛び交っているが、多くの優秀
な技術者の技術士資格の取得を促し、技術士制度の更なる普及・拡大を図ることが、その
目的とされている。
 変更の詳細は、文部科学省の発表資料をご覧頂くこととして、第二次試験について、主
なものをここでは紹介する。
【総合技術監理部門を除く技術部門】
1.筆記試験(必須科目)
 択一式(20問出題15問解答)へ変更(150分→90分)
 これまでの「いわゆる○○一般」であるが、「技術部門」全般にわたる論理的考察力と
課題解決能力を問う問題から、「技術部門」全般にわたる専門知識を問う問題に変更
(平成27年度からはいわゆる足切制度を導入)
2.筆記試験(選択科目)
 課題解決能力を問う記述式問題が新設(210分→240分)
 これまでは、「選択科目」に関する専門知識と応用能力を問う問題で6枚以内であった
ものが、「選択科目」に関する専門知識と応用能力を問う問題で4枚以内と「選択科目」
に関する課題解決能力を問う問題3枚以内(出題課題は2問程度)に変更
 分野によって問題数に大きなバラツキがあったものを回答数の2倍程度の問題数に統一
3.技術的体験論文
 廃止。願書提出時の業務経歴書を技術的体験についてより詳細に記載できる形に変更
 (プロフェッショナル・コンピテンシーなど)
4.口頭試験
 試験時間を原則20分程度に変更(現行45分程度)
 経歴の確認、応用能力及び課題解決能力、技術者倫理(実務を踏まえた試問重視)、技
術士制度の認識について問う
【総合技術監理部門】
 技術的体験論文を廃止。願書提出時の業務経歴書を技術的体験についてより詳細に記載
できる形に変更。口頭試験を原則20分程度に変更
 このように、かなり大幅な変更内容となっており、善し悪しなど、会員の皆様にも様々
な意見があることと思う。
 我々SP会では、2009年に「測量系技術者のための技術士合格への道(測合格)」を作
成したが、制度見直しに対応した改訂版作成も検討しなくてはいけないだろう。
                  (林 義政:スペーシャリストの会副会長)
<編集委員会よりお知らせ>
 9月号は住田さんの担当です。

■企画委員会・支部活動報告
◆平成24年度KIT空間情報セミナー(第2回SP会講演報告)
・日時:7月27日(金) 14:00〜17:30(講演16:30〜17:20)
・場所:金沢工業大学
・所属:株式会社パスコ コンサルタント事業部 防災技術部
・名前:横田 浩
○講演タイトル
 防災分野における計測・地理空間情報技術の活用
○講演概要
 防災分野では、現状の把握、将来の予知・予測、災害復旧、維持管理等の中で、計測・
地理空間情報の技術が活用され、その重要性が認識されている。一方、これらの計測・地
理空間情報技術は、衛星やコンピュータ等の分野の進展に伴い、目覚しい発展をみせてい
る。本講演は、近年大規模化し多発する自然災害に着目しつつ、防災分野(特に砂防分野)
における計測・地理空間情報技術の活用事例と今後の課題・展望について行った。
 参加者は、地元北陸測量業者、研究室の学生10数名で、全体50〜60名程度だったと思い
ます。
 講演は、時間が押していたため50分程度で行いました。基本的には、測量業界の多岐の
個別技術をお持ちの方だと思いましたので、あまり専門的にならない様に、考え方と事例
の紹介を中心とさせて頂きました。内容としては、必要とされる目標・目的に対して、ど
のような技術を活用し目標を達成したか(課題をクリアしたか)を中心に説明しました。
このため、前半は土砂災害とは何か、砂防事業では何を行っているかについて説明しまし
た。後半は砂防事業の目的を踏まえての計測技術の活用事例(衛星、航空レーザ、地上レ
ーザ)を紹介し、今後の課題と展望を少しだけ説明させて頂きました。
以上、簡単ですが報告とさせて頂きます。

■リレーエッセイ 
 写測エンジニアリング株式会社の藤井です。国際航業の花村嗣信さんからバトンを受け
ました。
 最近南アジアのバングラデシュの国に関心を持ち、GISを使ってバングラデシュの村
単位(約8万1,400)で地域分析をしようと考えました。そこで、バングラデシュに詳しい
関係者にヒアリングし確認したところ、そもそも村の区域図がなく、統計情報についても、
国の基本情報である国勢調査の人口データも村単位では、全ての村役場に出向かないと入
手できないということです。
 一方、日本では現在、総理府統計局のホームページからは主要な統計情報、国土地理院
のホームページからは主要な地形図情報などが、無料で労せず入手できるようになってい
るものの、日本でも20年程前には、一つの府県の市町村単位のデータでも、デジタルでデ
ータを整備することは、それだけで一仕事であり、時間も費用も相当要していたことを思
うと隔世の感じがあります。
 アジア経済研究所では、東アジア地域のおける近年の経済発展もあり、ようやく日本の
府県単位に相当する経済地理統計データを整備しようとする段階です。バングラデシュは、
米大手投資銀行ゴールドマン・サックスが、2007年に出した経済予測レポートで、BRICs
に次ぐ、急成長が期待されるとした11の新興経済発展国家群の一つであるNEXT11にも選ば
れ、高い経済成長の途上にあり、日本からもファーストリテイリング、YKK、ロート製薬、
大手ゼネコンなど企業が進出し、世界中からの投資が相次いでいます。
 日本国内の現在の閉塞感とは裏腹に、バングラデシュに限らず、特にアジア地域では、
これから大きく発展を遂げようとする段階にあることから、これらの国々の社会経済の発
展を支援するとともに、良好な生活環境を保全・形成していくためには、GISなどでき
め細かな地域分析を行うための地形図データ、区域データ、統計データが不可欠になって
きます。
 我々が、これらのデータを直接整備することは出来ないものの、これらに関連する仕事
をするものとして、国際的な共通基盤となるこれらのデータ整備の手法として、何かいい
方法がないものかと思います。
 次回は、SPの会・関西支部の岩切昭義さん(パスコ)にバトンをお渡しします。宜しく
お願いします。               (藤井雅雄:写測エンジニアリング)

■コラム
  ●執筆順番
   2011年12月号 高本(アジア)、大島(パスコ)・・・ここからH23会員
   2012年1月号 古川(パスコ)、近藤(パスコ)
       2月号 木寺(日本測量協会)、田澤(パスコ)
       3月号 南澤(パスコ)、堀川(パスコ)
       4月号 荒井(東武計画)外立(ナカノアイシステム)
       5月号 辻(アジア)、真壁(アジア)
       6月号 鈴木(パスコ)、相原(アジア)
       7月号 清水(アジア)谷森(東武計画)
       8月号 松永(大日コンサル)、佐藤(パスコ)
       9月号 今村(朝日)、堀川(国際)
      10月号 吉川(パスコ)菊池(パスコ)
      11月号 嶋(アジア)、岩崎(パスコ)
      12月号 坂口(アジア)、山田(国際)
   2013年1月号 恩藤(アジア)岡本(復建調査設計)、時永(HRS)

■コラム 「少年の日の思い出」
 私が暮らしている地域はのどかな田園地帯が広がる田舎である。その昔、宝暦治水工事
が行われた地域でもある。周りには池や川が多い水郷地帯であり、30年ほど前までは、仕
掛けや網を使っての漁も盛んに行われていた。
 そんな地域であるため、私も含めた子供たちは、魚釣りや魚捕りをして遊ぶことが多か
った。(今でも釣りが趣味である。)今でも思い出深いのが「火振り」という魚捕りであ
る。「火振ぶり」とは、大雨が降ると川や池が増水して田んぼが水に浸かり、夜になると
フナ、コイ、ナマズなどの魚が田んぼに上ってくるため、カーバイトランプ(水に触れる
とアセチレンガスを発生するカーバイトを利用した灯具)と「うげ」(竹を台形錐状に編
んだ漁具)を使って魚を捕る漁のことである。夜にカーバイトランプを振りながら魚を捜
し歩くため、その名が付いたと思われる。(当然、田植え前にしかできない。)
 大雨が降ると、父が「今日は火ぶり行くぞ。」と言い、私が「僕も付いて行く!」と言
って、二人でカーバイトを買出しに行く。夜になるのがとても待ち遠しい。暗くなるのを
待って現場に行く。田んぼの中を静かに歩きながら魚を探す。魚の形をした黒い影を見つ
けるとわくわくする。30cm以上ある大物も珍しくはない。「うげ」を素早く被せて上部の
開口部から手づかみで魚を捕る。興奮する瞬間である。捕った魚は腰にぶら下げた「びく」
に入れる。入れ損なって逃がす魚も少なくないが、そんなことはおかまいなしに、どんど
ん次の獲物を見つけるために田んぼの中を一心不乱に突き進んでいく。時間を忘れて没頭
し、あっという間に夜が更ける。帰宅した後は、どれだけたくさん捕ったとか、大物を捕
った話に花が咲く。もちろん父に勝てたことは一度もない。そうしている中で満足感と心
地よい疲労感で眠りに落ちていく。
 今では「火振り」をすることはなくなり、する人もすっかり見かけなくなった。川魚を
捕って食べることが楽しみであり、それがごちそうでもあった時代のことであるが、今で
も、大雨が降るとあの頃を思い出し、懐かしく思うときがある。私にとって、古き良き、
少年の日の思い出である。         (松永 善晴:大日コンサルタント)

■コラム 「ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に関して思うこと」
 少し前の話になるが、SNS世界最大のFacebook(FB)が今年の5月18日に株式公開を
行った。公開前は勢いがあり、売り出し価格が38ドルであったが、公開初日から伸び悩み、
8月2日には過去最低(執筆時点8月13日)の19.82ドルと売り出し価格の約半値を記録して
しまった。このような状況を受け、人によってはSNSの終焉が来たと揶揄する者もいるが、
そもそも売り出し価格が高すぎたのだと私は思う。SNSの歴史としては、その定義によって
見方も異なるようであるが、ユーザが友人を発見できる仕組みを含むSNSに関しては、
1997年に開始されたSixDegrees.comがその始まりのようで、その後、様々なSNSが開設され
てきた。しかし、その根本的な機能などはあまり違いがあるようなものではなく、最近の
FBもSNSとしては材料出尽くしの感があり、このようなことが株価下落に表れているのでは
ないだろうか。
 さて、私はと言えば、現在、FBの一ユーザであるのだが、自らの話題を1ヶ月に一回ぐら
いのペースでしか載せておらず、決してヘビーユザーという訳ではない(と思う)。そも
そもSNSにさほど興味があったわけではなく、数年前までは、Mixiにはまっている我が娘
に対してこんな物のどこが楽しいのか、と疑問を抱いていたぐらいだった。そんな私がFB
に参加した理由も、あるiPhoneアプリを作る際にFBが利用できるかできないかを調査をす
るためであり、加入後はほとんどFBを利用することがなく、何か月も過ぎて行った。しか
し、去年の11月の中学の同期会に出席して以降、少し考えが変わった。私は、この同期会
で、卒業以来、つまり20数年ぶりで、その時参加していなければ一生会うことはないと思
えるような者ばかりに再会した。その時思ったことは、旧友に会うのも意外と面白いもの
だということと、FBで他の旧友を探せるのではないかということである。そこで実際に高
校、大学などの旧友をFB上で検索してみると、案外、FB上に参加しているということがわ
かり、何人かには実際に「友達」申請を出してみた。その結果、FB上で親交が復活し、こ
れをきっかけに10数年ぶりに実際に旧友に会うということがこれまでに数回起こっている。
親交が復活した旧友と話すことは、ものすごい時代になったということと、FBのおかげで
再会できたことへの感謝ということであった。このようなことからFBにはまっていってし
まう人の気持ちもわからないでもないと思うようになったのである。ところが、FBにはま
りかけた(?)頃に、とんでもない事件がアメリカで発生した。娘がFB上の「友達」から
削除されたことに激怒した父親が、削除した若いカップルを銃で殺害するというものであ
る。まったく信じがたい話ではあるものの、この事件は私のFBに対する考えを冷静にさせ
るには十分なものであった。その時、思ったことは単純で、要するに何事もはまりすぎて
も、はまらなすぎてもよくないということである。ツイッターなどもそうであるが、SNS
は、情報漏洩の危険性や暴言を吐いてしまう可能性などが常に存在する。このような危険
性を誰もが当初は認識しているのだと思うが、慣れすぎるとついついその危険性を忘れて
しまい、いろいろな問題が起こってしまうのだと私は考えている。今後も、私はFBを利用
するとは思うが、FBの危険性を意識しつつ、やりすぎることもなく、遠ざかることもなく、
ほどよくそれを利用していきたいと思う今日この頃である。
                             (佐藤俊明:パスコ)
■空間情報関連便利グッズ / 書籍の紹介
○新田次郎・著:『小説に書けなかった自伝』
  新潮文庫,定価(本体):550円(税別)
 『剱岳・点の記』の作家である新田次郎の自伝であり、気象庁技官と小説家の二足の草
鞋を履きながらの苦悶、小説を書くことの艱難辛苦など、内面史がよく分かります。とく
に、職場での皮肉や偏見などに耐えながら山岳小説を書き続けたことが克明に語られてい
ます。また、代表作が出来るまでの裏話なども触れています。しかしながら、『剱岳・点
の記』については全く触れられておらず、私たちには少々残念なところもあります。年譜
も載せられ、新田文学を知る上で便利です。          (瀬戸島政博)

■測量協会イベント情報のお知らせ
□第29回 地理空間情報イブニング・セミナー
  GPSからマルチGNSSへ
   ―マルチGNSSによるネットワーク型RTK配信への期待と現状―
 講師:細谷素之 氏 電子基準点を利用するリアルタイム測位推進協議会
            基盤技術ワーキンググループ座長
 日 時 平成24年9月18日(火)16時〜17時30分 
 会 場 日本測量協会 研修室
 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/k-academy240918.pdf 
                           (廿楽:測量協会)
■編集後記 
お盆を郷里で過ごされた方、夏休みの時期をずらして仕事されている方、東北の復興に
向けて引き続き、対応されている方、色々なお盆を過ごされているかと思います。そん
な中で、ふと思ったのが、今年は、オリンピックがお盆の前まで開催されていたことも
あり、そちらに気を取られて番組を見落としていたのかもしれませんが、戦争に関する
特集番組が少なかったような気がします。決して、忘れてはならない歴史だと、例年に
無く、再認識させられたのは、私だけでしょうか?      (編集委員長)

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