| タイトル：スペーシャリスト会報 Vol.75 | 発行日時：20013年3月15日17時9分27秒 |
| ┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 20013年3月15日 ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.75 発行元：スペーシャリストMM事務局 http://www.capnet.jp/spatial/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ INDEX ：＊ニュース・ラウンジ ＊企画委員会・各支部活動報告 ＊リレーエッセイ＜空間連携＞ ＊コラム ＊空間情報関連便利グッズ / 書籍の紹介 等 ＊測量協会イベント情報のお知らせ ============================================================================ ■ニュース・ラウンジ 「４月からの『改正高年齢者雇用安定法』の施行について思うこと」 すでに読後の会員も多いことと思うが、1月26日発行の『週刊東洋経済』には「65歳定 年の衝撃−人事・給与・採用が変わる！」が特集されていた。本年４月から「改正高齢者 雇用安定法」が施行され、企業は希望者全員を65歳まで雇用しなければならない。雇う側 と雇われる側、それぞれがどんな対策をとるべきか、について特集されている。 かつては55歳だった法定定年年齢が、1998年に60歳に引き上げられて15年間が経過した。 ついに「65歳定年」時代をわが国では迎えることとなった。僅か15年という短い期間に勤 労年齢は10年延びたことになる。また、これに連動するかのように4月以降、老齢年金の 支給開始年齢が段階的に65歳まで引き上げられる。再雇用を希望しなければ、無収入の期 間が生じてしまう可能性があるため、60歳定年者のほとんどが再雇用を希望するようにな ると予想されている。 さて、４月からの「高年齢者雇用安定法」の改正により、定年に達した従業員について、 65歳までの雇用確保が全ての企業に義務化される。企業側は原則、希望する全員に対し、 �〆童柩僉↓�定年引き上げ、�Ｄ蠻�廃止、いずれかの措置を取らなければならない。 2004年の法改正により、既にこうした雇用確保措置は導入済みであるが、これまでは企 業側は労使協定で定めた基準により、再雇用する社員の選別することが許されていたが、 ４月の改正では、それができなくなることが大きな違いのようだ。この改正によって、上 記の継続雇用をしない選別行為が禁止となる以外にも、義務違反には企業名公表のペナル ティも生じるようであり、企業にとって賃金負担増が懸念されている。同時に40代から50 代の給与ダウンや新卒採用の抑制など、各世代の蒙るインパクトも大きそうである。 翻って、私たち技術者はこのような時代を迎えるにあり、どう対処すべきなのであろう か。60歳以上の技術者には更に就業機会が増え、自己の技術的な活躍分野は広がることに なるだろう。40代・50代あたりの技術者は給与の伸びは期待できない中でも自己の技術研 鑽に励みながら活躍分野を広げていくことが求められよう。 そのように考えると、私たちは「空間情報総括監理技術者」として有資格だけに満足し ていては、果たしてこれからの時代を乗り切れるだろうか。芥川龍之介風に表現すれば、 “ただ、ぼんやりした不安”を皆さんは持たないだろうか。 今後、年金支給の更なる年齢引き上げは必須となろう。2013年現在では65歳以上は4人 に1人だが、17年後の2030年には3人に1人となり、人口の3人に1人が年金受給者、残りが 支える社会というのは極めて考え難い。従って、雇用確保のためにも、私の持論(？)であ る“70歳現役技術者時代”が到来しよう。スペーシャリストの会の多くの会員が「70歳現 役バリバリの空間情報総括監理技術者」として八面六臂の活躍をしてもらうためにも、当 会として「空間情報技術者70歳現役時代に向けたビジョンづくり」などに着手していくべ きと考える。ただ、2030年には80歳になっているはずのわが身には、遠き雷鳴の如き事柄 になるのかも。 （瀬戸島政博：日本測量協会） ＜編集よりお知らせ＞ ４月号は林さんの担当です。 ■企画委員会・各支部活動報告 ◇「スペーシャリストの会」企画委員会（１月）議事録 日 時：2013.1.29tue 13:30-15:30 場 所：日本測量協会 3F 303室 出席者：瀬戸島、住田、林、望月、秋山、池田、大伴、田中、藤井、岡本、村木、 大友、大山、廿楽 欠席者：鈴木、高岸、神原、早川、中舎、津留 １．報告事項 �� 各支部活動報告 ・関西支部 藤井氏：12/5関西支部会議を開催した（議事録参照）。 ・東北・中部：報告なし ・東京支部 住田氏：技術士取得支援セミナーを４月上旬ごろに開催する。 （資料４参照）。 �� メールマガジンの記事等について ・パスコに送付後数日後に掲載される。 �� 日本測量協会主催「地理空間情報技術セミナー」について（資料７参照） ・会員社のメンバーは無料 ・講師のCPDは３ポイント �� 第32回イブニングセミナー(3/12)について（資料13参照） ・村木氏 ＵＡＶの話題 ・11/14,15,16 Ｇ空間エキスポでも現れるか。 ・Ｇ空間エキスポへのＳＰの会 企画について（資料９参照） �� 日本測量協会 公開講座（2/13）について（資料12参照） ・イブニングセミナーは専門的、公開講座はもう少し一般的だ。 ２．討議事項 �� 「測量」スペーシャリストの会コーナー 分担執筆の確認と企画（資料２参照） ・第11弾テーマは「防災・減災」 ・第１回は恩藤典子氏(アジア)〜2013.3号 ・第２回は下境敏広氏(パスコ)〜2013.4号 ・第３回は高貫氏(朝日航洋) 〜2/10原稿 ・第４回は西村智博氏(国際航業)〜3/10原稿 ・第12弾テーマは「続・地域に生きる技術」 廿楽氏からの手配 ・そろそろ本にしよう。 �� 写測学会 北信越支部セミナー 講師派遣の確認（資料３参照） ・H25年度は５回開催とのこと ・第１回は村木氏 5/31fri ・第２回は花村嗣信氏(国際航業) 演題『（仮題）インフラ維持更新時代における空間情報の役割』 （主として、道路関連施設を対象として） 7/26fri ・第３，４回は、パスコ、アジア の順 �� 住田氏：新規出版物の提案検討（資料４，５参照） ・メンバー選別案 パスコ：佐々木・川口 国際：長谷川・大友(大谷) 朝日：秋山・○○ 中日本：中舎・鈴木 朝日：榛原・広野 �� Ｇ空間EXPO2013 について ・資料８，９参照 �� (仮称)地理空間情報専門技術者の会 設立にむけて（資料５参照） ・Ａ課程Ｂ課程の合格者、全国に４〜５千人に上る ・会社から２人ずつ程度、設置準備に協力いただく ３．その他 �� 資料６：空間情報総括監理技術者要件、H24年度上期で322件 �� 資料10：別冊「測量」 空間情報技術で知る日本の城郭 以上 （大山容一：国際航業） ＜編集よりお知らせ＞ ３月12日に開催した企画委員会の議事録は次号に掲載します。 企画委員会及び各支部活動報告の議事録は、毎月10日迄に原稿を送付頂ければ、当月号 に掲載致します。なお、文字数によっては抜粋・要約する場合があります事を予めご了承 下さい。 ■リレーエッセイ＜空間連携＞ 共同研究でご一緒した中日本航空の鵜飼さんは、積極果敢に研究に取り組まれる姿勢が 印象的でしたが、スキーが趣味とのことで合点がいきました。 スキーには比ぶべくもないですが、健康のため通勤時に一駅分歩くことを始めたところ、 持ち前の方向音痴がまたぞろ発現しました。新ルート開拓を目論んで、ひと角違う場所に 足を踏み入れ、それから２度か３度曲がると、そこはもうワンダーランド。不安な心持ち のまま前進すると、案の定目的地とは違う方向へ歩いています。そんな空間認識に疎い輩 にも強い味方となるのは、スマホの地図アプリです。迷走はなくなるし、おまけに店探索 の振りをすればスマートにさえ見えるかもしれません。ただし、積年の悩みがかくも簡単 に解消するのが悔しいので言い足しますが、スマホも単なるナビ機能だけではつまらない。 情緒あるルートを紹介するとか、健脚コースやちょい飲みコースを提案するとか、敢えて 迷子にさせるゲーム性だとか、彷徨を楽しめるものに進化するといいですね。 次回は、スマホを始めIT技術を先駆的に活用している弊社の内田さんにつなぎます。 （下村博之：パスコ） ■コラム 【執筆順番（敬称略）】 2013年 3月号 水野（パスコ），名草（国際航業）（ここからH24年度新会員） 4月号 小澤（国際航業），�盍咫閉�日航洋） 5月号 盛田（パスコ），西野（パスコ） 6月号 中野（朝日航洋），宮坂（中日本航空） 7月号 江��（中日本航空），田丸（パスコ） 8月号 村上（朝日航洋），多田（ﾀｯｸｴﾝｼﾞﾆｱﾘﾝｸﾞ） 9月号 千葉（ﾀｯｸｴﾝｼﾞﾆｱﾘﾝｸﾞ），永田（ＧＩＳ関西） 10月号 廣瀬（ヤフー），向平（パスコ） 11月号 鵜飼（中日本航空），野田（アジア航測） 12月号 根本（パスコ），�睛�（朝日航洋） 2014年 1月号 岡部（パスコ），堀（朝日航洋） 2月号 小田原（アジア航測），西村（ｻﾝｺｰｺﾝｻﾙﾀﾝﾄ） 3月号 〜H25年度新会員を予定 ◇コラム｢書けなくなったホワイトボードマーカー｣ 昨年入会した水野と申します。株式会社パスコで空間情報関連業務のプロジェクトマネ ジメントの傍ら、組織能力の開発に関する仕事をしています。 皆さんの職場には必ずホワイトボードがあると思います。そこにあるマーカーが書けな い、あるいはかすれているという経験をお持ちではないでしょうか。こういった場面に遭 遇すると、ほとんどの人が同じ行動をとります。 １本目：キャップを閉めて元に戻す。 ２本目：少しイライラしつつ、キャップを閉めて元に戻す。 ３本目：不満を口にしながら、キャップを閉めて元に戻す。 面白いことに、ほとんどの人が「元に戻す」という行動をとります。そして、次にホワ イトボードを使う人も同じ行動を繰り返すのです。この悪循環を断ち切るためには、「書 けなくなったマーカーを再選択不可能にする行動」が必要です。（例：捨てる） 我々は書けなくなったマーカーの取り扱いについて、学校で教育されたり、職場で訓練 されたりしていません。それなのに、ほとんどの人が「訓練されているかのように」同じ 行動をとるから不思議です。書けなくなったマーカーのように、自然に身につく方法はな いものか・・と感じた出来事でした。 （水野博史：パスコ） ◇コラム｢測量技術者｣ 出張の新幹線の中で新聞を開くと広告欄に｢2014年問題(windowsXPのサポート終了)」 のキャッチコピーを見かけました。1999年携わっていたＧＩＳの2000年問題対策に追われ たことを思い出し、相変わらず我々ユーザーはソフトウェアーに振り回されるなと思いま した。これは、パーソナルコンピュータ（ＰＣ）が普及し、生活の一部になったためであ ることが起因しています。ウィンドウズ3.1の登場に伴い、ＰＣが職場に普及し、ウィン ドウズ95の登場で一般に広がり、今では5万円くらいで買えるようになりました。価格の 変化と反比例するかのように、処理速度やメモリー、ＨＤＤ容量が進歩しました。 測量機器もこのＰＣの進歩に比例して変化し、ＧＰＳ測量や航空レーザ、地上レーザ測 量が一般的に利用されるようになりました。このような時代に生きる測量技術者は、何を 学習し何を身に着けることが、真の測量技術者と言えるのかを考えさせられます。 （名草一成：国際航業） ■空間情報関連便利グッズ / 書籍の紹介 等 ◇「集合知とは何か−ネット時代の「知」のゆくえ」西垣 通 著（中公新書 本体820円） MM71号のニュースラウンジで、イタリアでの地震予知専門家の実刑判決について記され ていますが、本書の冒頭でこれが取り上げられており、専門家の意見（専門知）よりもネ ットで集めた「みんなの意見」の方が案外正しいのではないか、ということを、情報学や 哲学、脳科学など、様々な見地から横断的に分析しています。 ネットによる知の集積は、云うまでもなく近年の検索エンジンの多様化やソーシャルメ ディアの普及により発達していますが、災害時に（専門家では無い）人々が発信した情報 の集積が有効であったと云われたこともあり、更に関心が高まったのかと思います。地理 空間情報の分野では「オープンストリートマップ」プロジェクトが代表的ですが、専門知 と集合知が無意味に対立したり、集合知を過大に評価し、無条件に礼賛したりするのでは なく、集合知とは何かを冷静かつ客観的に分析することにより、専門知の信頼性等にどの ように関係していくのかを考えていく必要があると感じました。 （大橋） ■測量協会イベント情報のお知らせ ◇第33回 地理空間情報イブニング・セミナー 「デジタルアーカイビング「時間軸」を重視したデータ取得と処理の事例」 講 師：佐野一英氏 (合)アミューズ・ワンセルフ 日 時：平成25年5月28日（火）16時〜17時30分 会 場：日本測量協会 研修室 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/k-academy250528.pdf ◇デジタル写真測量利用促進の会 第2回DPユーザー会・応用事例発表会 日 程：平成25年4月15日(月) 13時20分〜17時00分 会 場：測量協会 研修室 主 催：デジタル写真測量利用促進の会 共 催：(社)日本測量協会 (一社)日本写真測量学会 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/k-degital-dpe250415.pdf （廿楽実：日本測量協会） ■編集後記 ３月は引っ越しシーズンですが、引っ越しの機会に普段捨てられないモノを捨てる方も 多いかと思います。「もったいない」感覚が浸透しているのか、モノに対する執着心が強 いのか、使い捨てを前提としたモノ以外は、捨てることが苦手な国民性なのかもしれませ ん。かくいう私も、間違い無く「キャップを閉めて元に戻す。」たちです。 道具や機器の機能や利便性が高くなることは、新たな発見や発意・発明のきっかけにも なる反面、本来持っている能力や身についていた技術、習慣が失われることもあります。 時にはその機能が無かった時代にどうしていたか振り返り、「故きを温ねて」みること も大事ですね。 (大橋) ──────────────────────────────────────── All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club このメールマガジンを紹介したい方は各自の責任で転送しても結構です。 ──────────────────────────────────────── |
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