| タイトル：メルマガ Vol.8 | 発行日時：2007年7月15日1時16分17秒 |
| ┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 2007年7月15日 ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.8 発行元：スペーシャリストMM事務局 http://www.capnet.jp/spatial/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ INDEX ：＊ニュース・ラウンジ ＊報告記事 ＊リレーエッセイ＜空間連携＞ ＊ちょっと、ちょっとコーナー ＊空間情報関連グッヅ/Webの紹介 ＊本の紹介 ＊イベント情報 ============================================================================ ■ ニュース・ラウンジ −企業中期事業計画にみる空間情報コンサルタントへの一層の期待− ７月２日(月)の日刊建設工業新聞や日刊建設産業新聞にアジア航測�蠅涼羇�事業計画 「未来地図2010」が報ぜられていた。同社の中期事業計画の詳細は、上記紙面や同社ホー ムページ(http://www.ajiko.co.jp/)を参照してほしい。 とくに、現在の事業環境を踏まえて、「空間情報コンサルタントとして豊かな暮らしと 未来を創造する・・」という経営ビジョンには親近感と大いなる期待を抱く。スペーシャ リストの会は、その組織規模は小さいけれど、同様の崇高なビジョンを掲げ、「空間情報 のコンサルティングをめざして」現在進行形である点では、同社の経営ビジョンとベクト ルはほぼ同じと考えられる。 空間情報コンサルタントは、これまでの建設関連コンサルタントとは異なり、地理空間 情報の取得（測量）から、その分析（解析）、さらにはその利活用まで含めた、いわば、 「三位一体の技術体系が図れるユニークな技術者」と考えることができよう。それらを担 う牽引車が、空間情報総括監理技術者であり、多様な地理空間情報分野の専門家を横断的 に有する「スペーシャリストの会」の果たすべき大きな役割が改めて認識できる次第であ る。 （日本測量協会：瀬戸島政博） ■ 報告記事 < 企業トップとの意見交換> 浅野社長との意見交換会 ”空間情報力を高めるには！” 平成19年6月12日（火）朝日航洋株式会社 埼玉県3号館1F会議室で浅野社長とスペーシ ャリストによる意見交換会がおこなわれました。会議は、浅野社長の次の挨拶により開催 されました。 「本日は、空間情報のトップ技術者と話せるのでワクワクしております。皆さんに期待 とお願いがあります。『日本を元気にして下さい！』この業界も以前と比較して少し弱っ ているように見えます。特に若い優秀な人が憧れてどんどん入り、米中など海外に勝てる 技術を開発することが重要であると考えます。そして国内だけでなく、是非アジアに進出 して仕事をして下さい。」 瀬戸島会長からは「我々（スペーシャリスト）も発展途上であるけれど、後に続く人達 にも啓蒙普及や情報発信、人材育成に力を注いでいくつもりです。個々の企業というより 業界全体を考えています。」という返答があり、1時間半に渡って意見交換を行いました。 そして、引き続き2時間に渡って朝日航洋の社員を含めた懇親会を行いました。 意見交換の場では、先ずは月間『測量』に掲載された浅野社長の「不都合な真実へ空間 情報力で立ち向かう」から、空間情報力をどのように高めていくか、特にトップ技術者に は基本的な技術以外の能力（情報管理、地財など）が』求められること。業界全般では基 礎的な技術が脆いこととその危機感を持つ必要性について。また、企業として人材に投資 するには忠誠心が高い中高年は効果があることなどが議論されました。業界に対しては標 準を定め、その上で各々の創意工夫の必要があり、官に対しても受身ではなく積極的に意 見を発信していくことがあげられました。 懇親会には約30名の参加があり、乾杯後、自己紹介を行いました。時間も酔いも回って 盛況になってきた頃には、朝日航洋の若手技術者からスペーシャリスト達へ「技術士の試 験合格の秘訣や勉強の仕方について教えてください！」などの質問が出て、活発な会話が なされました。 (朝日航洋株式会社：秋山 幸秀） ■ リレーエッセイ＜空間連携＞ ＜わかる地図＞ 突然ですが、とても方向音痴なんです。街中では・・・ "街中では"というのは、30年近く続けている山登りでは、地形図とコンパスさえあれば、 たいていの場合は迷わない自信があるからです。でも街中では、ネット検索しプリントし た地図を片手に地下鉄を降り、いざ目的地に行かんとするものの・・・ ん？ ここはど こ？かくして、あっちこっち迷い歩き、ようやく約束時間ぎりぎりに冷や汗をかきつつ目 的地にたどり着くのです。やれやれ・・・ なぜ？ 思うに山では周囲の地形を見渡し、同時に等高線から読みとれる地形を頭の中 に描き、おなじ視点場からのイメージを比較することができます。たとえ吹雪や深い薮の 中でも、時間や手間をかければある程度は周りの地形がわかるものです。かたや街中では、 地図は真上から道路や建物を見下ろした平面図。でも、そんな視点で街を見ているわけで はありません。交差点からは見知らぬビルを見あげるばかり。しかも地図に書かれたコン ビニや銀行といったランドマークは、大抵見あたらないのです。 考えてみると、たとえ土地勘がある場所でも、頭の中で地図情報を平面図のイメージで 持っているでしょうか？ むしろ道のネットワーク関係と沿線の景観を概念的に関係づけ ているのが、頭の中の地図情報のような気がします。つまり街中では、人間の頭の中の地 図情報と平面図は、形態が異なるのではないでしょうか。とすると、頭の中の地図情報の イメージと合う、わかりやすい地図の形を考えてみる必要があるのかもしれません。 ちなみに、これまで出会った中で一番わかりやすい地図は、スイスで買ったアルプスの 1:2,5000地形図です。基本的な作りは日本と似ていますが、市街地とアルプ、山の露岩地 帯と氷河の色分けが、地形の陰影とともにとても自然に描かれており、直感的によくわか るように工夫されています。氷河にはクレバスまで標記してあるなど実用的であるだけで なく、額で飾っておきたいほど美しくもあります。地球温暖化で氷河の後退が叫ばれてい ますが、この地図を持って山に行ったらかえってルートを間違ってしまった、などという ことにならないことを望むこのごろです。 【おあとがよろしいようで】国際航業株式会社の大石哲さん、よろしくお願いします。大 石さんには、航空レーザ計測や航空デジタルカメラの関連でお世話になっています。これ からもいろいろとご指導をお願いします。（アジア航測株式会社：沼田 洋一） ■［ちょっと、ちょっとコーナー］ 「7月12日(木)付 建設通信新聞(５面)にスペーシヤリストの会の記事が掲載される」 6月20日にパシフィコ横浜で開催された全国測量技術大会での当会主催によるシンポジ ウム「空間情報のコンサンティングをめざして」のパネルディスカッションの内容が、建 設通信新聞７月12日5面に大きく報じられました。 地理空間情報の作製者意識、「利用者と同じ目線に」というタイトルの記事です。パネ ラーになられた当会メンバーの方々の発表コメントが報じられています。 スペーシャリストの会の宣伝として、また会活動の社会的貢献の両面からご理解頂ける 大変喜ばしい記事です。(瀬戸島政博) ■ 空間情報関連便利グッヅ / Web & Blogの紹介 ○ 未来からの風フォーラム（http://www.hiroshitasaka.jp/index.php）「プロフェッ ショナル進化論」の著者田坂広志の公式サイトで、坂田氏の作品を通じて、新しい時代 の生き方と働き方を学ぶコミュニティです。現在、12,000名のメンバーに対して、イン ターネットを通じ、毎週、「風の便り」を配信し、「風の対話」を放送しています。情 報過多、先の見えにくい時代のガイド役の一つとして如何でしょうか。 （株式会社五星 神原孝行） ○ 梅雨空で夕焼けはもとより月や星を見る機会に恵まれませんね。こんな時PCの上で プラネタリユムを映し出してみませんか？ つるちゃんのプラネタリユムからフリー版 をダウンロードできます。(http://homepage2.nifty.com/turupura/) 天文ファンには 楽しいサイトです。（田中邦一） ■ 本の紹介 ＊ 「ぼくの血となり肉となった500冊、そして血にも肉にもならなかった100冊」 立花 隆・著 文藝春秋 1,800円＋税 日本測量協会に勤務してから、近所で「知の巨人」こと立花隆に出会うことが多くなっ た。同じような体躯で、何となく親近感を持つ。同氏が週刊文春の「私の読書日記」に執 筆したものを本にしている。これまでに同氏の類書として、「ぼくはこんな本を読んでき た」、「ぼくが読んだ面白い本・ダメな本」があり、今回が３冊目だ。本書の前半は読書 論、後半は対談である。同氏が一番勉強した無名時代に読んだ本がとくに興味深い。何時 か機会があったら協会から出版している「空間情報」関係の書籍をプレゼントしたいもの だ。血の巨人には、血となり肉となるか、ならないのか。（瀬戸島政博） ＊ 「マネジメント改革の工程表」 岸良裕司著 中経出版 本体1600円＋税 TOC（制約条件の理論）に基づくCCPM（クリティカルチェーン・プロジェクトマネジメン ト）をベースにしたプロジェクト工程管理の実践ノウハウを解説したものである。人の心 理特性に着目し、経営とプロジェクトの関係、プロジェクトに潜む問題、どのようにして 参画者がワクワクするようなプロジェクトマネジメントを実践するかについて、わかりや すく書かれている。著者の奥様で絵本作家きしらまゆこ氏のイラスト，プロジェクトマネ ジメントを邪魔する「くれない虫（○○してくれない！）」，「ベキ虫（○○すべきだ！」 も楽しい（神原孝行) ＊ 「会社を辞めるのは怖くない」 江上 剛・著 冬舎新書 本体700円＋税 今春、転職したわが身には大変興味深いタイトルの書籍である。著者は26年間勤めた銀 行を辞めて作家に転進している。その原因は組織に対するぼんやりした不安からのようで ある。転職時には自分の足で立つという気構え、人脈、家族の支えが必要となることを著 者は強調している。今、新しい一歩を踏み出そうと考えている方、考えていない方、に係 らず一読をお勧めしたい。「あなたがいなくても会社は続いていく、それが現実」と著者 は語っている。（瀬戸島政博） ＊ 「地図に訊け」 山岡光治 ちくま書房 「地図に風が吹いている」、「太陽は北西45°から射している」という。確かに煙突記 号の「煙」は西からの風になびいている。同じように堤記号や針葉樹の記号のボカシは南 東側に落ちている。こんな話や昭和天皇は「地図」好きで、1/50,000地形図「那須岳」の 山名の間違いを見つけ国土地理院にクレームを寄せられたとか。文豪の森鴎外はドイツ留 学から帰ったのち「森林太郎立案 東京方眼図」を刊行し、その翌年に発表した小説「青 年」の主人公にこの「東京方眼図」をもたせ東京の街を散歩させている、等など著者の豊 富な経験と知識から地図作成の歴史やそれにまつわるエピソードがいっぱいに詰め込まれ た「本」である。（田中邦一） ■ イベント情報 ＊ 「GIS導入セミナー」（主催；ESRIジャパン）が 2007.7.20 東京都千代田区のESRIジ ャパン永田町オフィスで開催される。問合せ先： ESRIジャパン 業務管理グループ部 電話: 03-3222-3941 E-mail: gisinfo@esrij.com ＊ 企画展「地球と地図の大ロマン」（主催：国土地理院）が2007.5.29-7.22まで茨城県 つくば市の国土地理院 地図と測量の科学館で開催されている。問合せ先： 国土地理院 広報広聴室 電話: 029-864-1872 E-mail: kengaku@gsi.go.jp HP： http://www.gsi.go.jp/ibento.html ＊ 「空間情報デザインスクール」（主催： 地理情報システム学会 空間IT分科会、空 間情報科学研究センター） が、（初級）2007.7.23-25 / （中級） 7.26-27に 千葉県 柏市の東京大学柏キャンパス図書館1階メディアホールで開催される。 問合せ先： 空間情報規格スタジオ事務局 電話: 04-7136-4291 / Fax: 04-7136-4292 E-mail: sid_school@s-it.org HP：http://www.s-it.org/SID_School/index.html ＊ 「空間情報シンポジウム」が2007.7.12-8.1 の間に次の各都市で開催されている。 東京/大阪/名古屋/札幌/盛岡/仙台/福島/新潟/金沢/長野/静岡/広島/高松/福岡/長崎/那 覇 主催： 株式会社インフォマティクス、共催： 地理情報システム学会 問合せ先： 株式会社インフォマティクス 電話: 044-520-0850 / Fax: 044-520-0845 E-mail: info@informatix.co.jp HP:http://www.informatix.co.jp/sympo07/index.html ■ 編集後記 ついに懸念していたことが起こった。コラム原稿が届かなかったのです。従って7月号 は箱根駅伝で前走者の襷を受けとらないまま区間走を始めるように、見切り発刊すること にしました。毎回、「原稿を書いて」とお願いするのも疲れます。このメールマガジンの ミッションをもう一度みんなで考えて見ましょうよ。（田中邦一） ──────────────────────────────────────── All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club 掲載記事の無断転載、転用、編集はご遠慮ください。 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