| タイトル：スペーシャリスト会報 Vol.81 | 発行日時：20013年9月19日12時2分18秒 |
| ┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 20013年9月19日 ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.81 発行元：スペーシャリストMM事務局 http://www.capnet.jp/spatial/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ INDEX ：＊ニュース・ラウンジ ＊企画委員会・各支部活動報告 ＊リレーエッセイ＜空間連携＞ ＊コラム ＊空間情報関連便利グッズ / 書籍の紹介 等 ＊測量協会イベント情報のお知らせ ============================================================================ ■ニュース・ラウンジ 猛烈な暑さだった夏もようやくピークを越え、朝晩は少し過ごしやすくなったところと 思います。また東京オリンピック2020も決定し、なんとなく世間に元気が戻ってきたか？ と感じられるところです。今月は住田の担当ですので、前回に引き続きG空間情報関連に ついて紹介いたします。 前回のニュース・ラウンジ（５月）で総務省の「G空間×ICT推進会議」を紹介いたしま したが、最終的に以下の３つのプロジェクトに平成26年度以降取り組む、という骨子でま とめられました。報告書本文は以下URLで参照できます。 プロジェクト１： G空間オープンデータプラットフォームの構築 プロジェクト２： 世界最先端のG空間防災・減災システムの実現 プロジェクト３：「G空間シティ（仮称）」による成功モデルの実現 http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin01_02000105.html 総務省は上記「G空間×ICT推進会議」の議論の結果に基づき、３つのプロジェクトを平 成26年度予算概算要求に組み込みました。他省庁も同様にG空間関連事業を概算要求に組 み込んでいます。これらの中から総務省と国交省の主要な取組について以下に紹介いたし ます（いずれも公開URLより転載、金額の億単位以下は四捨五入で省略）。 総務省：G空間プラットフォーム構築事業⇒14億円 ：災害に強いG空間シティの構築等新成長領域開拓のための実証事業⇒24億円 国交省：電子防災情報システムの構築及びTEC-FORCE活動体制の強化⇒61億円＊ ：南海トラフ地震を想定した地図情報（2500 分の1 基盤地図情報）の整備 （優先課題推進枠分）⇒26億円（国土地理院、＊上記61億円の内数） ：南海トラフ地震を想定した地図情報（詳細地形）の整備（優先課題推進枠分） ⇒20億円（国土地理院、＊上記61億円の内数） ：イノベーションをもたらす地理空間（G空間）情報の整備活用の推進 ⇒4億円（国土政策局） 上記の他、経産省、文科省、農水省などもG空間関連事業を概算要求に組み入れていま す。これらの内容から伺えるとおり、G空間は今までに増して、来年度からは政府主導で 大きく動いていくことが感じられます。このような動きがある中、既に準備活動を始めて おられる方々も多くいらっしゃるかと思いますが、ここにきてようやく地理空間情報利活 用社会の実現に向けた取組が具体化される時期に来たと考えています。 ところで、本日9月13日はご存じのことと思いますが、平成25年度「空間情報総括監理 技術者」資格認定試験の合格発表の日です。今年はあらたに24名が合格し、SP会員も約 220名と200人を突破し、更なるパワーアップも期待されるところです。これだけの人数で すから、地理空間(G空間)情報のあらゆる分野のスペシャリスト（スペーシャリスト）が 揃っています。地理空間情報利活用社会の実現に向けて、あらゆる角度からSP会各位が活 躍することになると思います。また、SP会も地理空間(G空間)情報コンサルタント集団と して、この取組に資するべく活動を行う必要があるとも考えています。引き続き皆様方の ご協力を頂きながら進んでいきたいと考えています。どうぞよろしくお願いいたします。 （住田英二：アジア航測） ＜編集よりお知らせ＞ 10月号は高さんの担当です。 ■企画委員会・各支部活動報告 ◇「ＳＰの会」関西支部 第18回会議 議事録（一部要約） 開催日時：平成25年8月7日（水）13:15〜14:00 開催場所：朝日航洋株式会社 会議室 出 席 者：内田（アジア航測）、森田（パスコ）、井畑（パスコ）、 村田（国際航業）、平田（国際航業）、藤井（写測エンジニアリング）、 船田（パスコ）、堀（朝日航洋）、前出（事務局） 以上９名 欠 席 者：16名 議事録作成：堀（朝日航洋） １．報告・確認事項 �〜芦鵝並�17回支部会議）議事の確認 �◆屮好據璽轡礇螢好箸硫顱彜覯莪儖�会（7月）内容の報告 ２．討議事項 �（神�25年度技術士一次試験対策講座を終えて、その反省と今後の対応 ・平成25年度技術士一次試験対策講座を終えて、各講師が本年度の反省点と今後の 開催に向けての意見をアンケート結果に基づき、今後の技術士試験対策の対応に ついて討議する。 ・平成26年度の技術士一次試験対策講座は、基本的に実施する方向で検討する。 ・二次試験と一次試験の専門科目の対応については、上記平成26年度一次試験対策 講座も含め、次回の会議で検討するものとする。 ��第3回スペース・サロン＠Kansaiの開催に向けて ・次回講師（案）を支部長へ8月末までに、各社１名、提案内容を趣旨2，3行にま とめ、提出する。 ・発表者に対して、日本測量協会関西支部より交通費及び講師料が支払われる。 ・発表時間は、質疑込みで2時間とする。 ・平成25年12月4日開催とする。 ��その他 ・空間情報総括監理技術者試験対策の実施の可否について企画委員会に確認する。 ３．スペース・サロン＠kansai 15:00-17:00 「空間情報技術を活用した津波防災」西岡陽一氏（国際航業） 「土砂災害対策分野における空間情報技術の活用について」森田真一氏（パスコ） ４．次回予定 日時：平成25年10月2日（水）午後3時〜 会場：株式会社オリエンタルコンサルタンツ 議事録作成担当：村田氏 勉強会講師担当：白井氏 以上 （藤井雅雄：写測エンジニアリング） ＜編集よりお知らせ＞ 企画委員会及び各支部活動報告の議事録は、毎月10日迄に原稿を送付頂ければ、当月号 に掲載致します。なお、文字数によっては抜粋・要約する場合があります事を予めご了承 下さい。 ■リレーエッセイ＜空間連携＞ 2020年オリンピック開催地が東京に決定しました。招致委員会のプレゼンテーションの 素晴らしさもさることながら、東日本大震災、福島第一原発事故といった未曾有の大災害 から日本が一丸となって、力強く復旧・復興に立ち上がる姿が世界に伝わり招致成功に結 びついたように感じます。 開催計画では東日本大震災からの復興の一環として、オリンピック・パラリンピックの 開催および準備期間において32の被災地支援策を計画しているようです。 主な支援策は、以下の通りです。 ・サッカー予選会場の一つとして宮城スタジアムを使う。 ・聖火リレーに被災地の住民が参加して三陸海岸をリレー。 ・競技施設の建設や改修は被災地の企業を中心に発注する。 ・大会開催前の各国の合宿地として東北地方を中心に提供する。 ・被災地の中高生が大会の式典や文化イベントに積極的に参加する。 ・大会期間中に東北を紹介するイベントを都内各地で開催する。 東京オリンピックの経済効果は3兆円と予測されています。震災復興の強力な後押しとな って、東北地区に元気な息吹を吹き込んで欲しいと思います。 ”国際スローガン「Discover Tomorrow」” 東京招致成功を私たちのモチベーションにつなげて、明るい未来をつかみたいですね！ 次回は、当社の川崎で空間情報に携わる白川文夫さんにバトンをお渡しします。 （清水孝：アジア航測） ■コラム 【執筆順番（敬称略）】 2013年 9月号 千葉（ﾀｯｸｴﾝｼﾞﾆｱﾘﾝｸﾞ），永田（パスコ） 10月号 廣瀬（ヤフー），向平（パスコ） 11月号 鵜飼（中日本航空），野田（アジア航測） 12月号 根本（パスコ），�睛�（朝日航洋） 2014年 1月号 岡部（パスコ），堀（朝日航洋） 2月号 小田原（アジア航測），西村（ｻﾝｺｰｺﾝｻﾙﾀﾝﾄ） 3月号 〜H25年度新会員を予定 ◇コラム「データの保存・保管と活用」 一人ひとりがPCを使うデジタル時代の現在、地図や図面はデジタル化され、各社資料は Word/Excel等で作成される時代となり、アナログ時代に比較してその量は少なくなった。 また関係資料等もPDF等のデジタルデータとして簡単に保存可能となった。 しかし、問題も多い。膨大な中から目当てのデータを検索することもさることながら、 デジタルデータを何の媒体で保存するかである。私が入社した頃は汎用機で大きな磁気テ ープに記録していた、その後、PCが普及し８インチ・５インチ・3.5インチFD、HDD、 5インチ・3.5インチMO、DAT、CD-R、DVD-R、BDなど多くの記録媒体の変遷がある。その時 代の容量単価が安く使い易いメディアに保存されているが、磁気媒体などでは保存の限界 がある。メディアを移し替えるのも一苦労。また、記録時の媒体から読み出す装置も消え 去った。3.5インチFD程度なら何とかなるが、それ以前の媒体を読み取る装置は会社には 無くなっている。 今や、高密度なデジタルデータが短時間で取得・作成される時代であり、各種センサー が取得したデータ等の記録には高速書込出来るメディアを使い、記録時間の短縮と容量確 保に工夫がこらされている。この様に取得されたデータは、最終の成果データとして保存 するだけでも膨大な量である。 いま、「防災、減災」に関連し、過去に取得した各種データが活用され従来と異なる視 点で解析される例もある。東日本大震災でも、膨大な量の測量・調査データが作成・取得 されており、近い将来、新たな知見でこれを振り返り活用されると思うが、その時に活用 出来る生のデータはあるだろうか。もしかして残っているのは解析済みの成果や統計結果 だけかも知れない。民間測量成果なら尚更である。アーカイブとして、オリジナルなデー タの保存・保管も重要であろう。 ……計り知れない膨大なデータの行方はさておき、自社で蓄積したデータをどこに・ど のように、再利用可能にストレージするのかも喫緊の課題である。 こんな悩みは、私だけであろうか？..... （千葉一博：タックエンジニアリング） ◇コラム「地球温暖化」 今夏の日本列島はとにかく暑かった。高知県四万十市では、気温４１．０度の国内観測 史上最高を記録した。ついに４１度に達した日本の最高気温。私は昨年の秋から大阪より 陸奥仙台に震災復興業務に従事するため、単身赴任をしている。盆休みに帰阪したが、気 温のギャップに体がグッタリ。クーラー無しでは、とても過ごせない。仙台の梅雨明け前 の最高気温は、２５度、梅雨明け後は３０度、それに比べ大阪の最高気温３９度と１０度 近く温度差があるのだから仕方がない。仙台では家族と離れ、寂しい思いをしているが、 気温の過ごしやすさは快適だ。それにしても日本の夏はどこまで暑くなるのか。 地球温暖化抑制が唱えられて久しい。専門家によれば、熱を吸収しやすい二酸化炭素 ＣＯ２の大気中濃度が増えれば、最高気温は更新する。気温上昇は地球全体の傾向で、ど こでも史上最高気温の更新はあり得るといい、気温上昇を抑えるには、ＣＯ２排出量をど れだけ減らせるかが鍵となる。 私が携わっている復興まちづくりでは、復興住宅地の供給と併せて太陽光パネルの設置 用地を計画するなど、低炭素社会の構築に向けた取り組みが行われおり、まちづくり事業 の担う社会貢献度は大きい。今後も継続して、公共事業または民間開発を問わず、面的開 発においては、復興まちづくりでも既成市街地での再構築でもコンパクトシティの概念に 基づいたまちづくりの形成と併せたスマートシティの実現が望まれる。 私の自助努力としては、地道なエコライフの試みが求められるが、今年の大阪の夏の暑 さでは無理であった。これからは長い冬を向かえる仙台で、気持ちを新たに冬場のエコに 励みながら、復興の進展に少しでも貢献できるように頑張りたい。 （永田忠之：パスコ） ■空間情報関連便利グッズ / 書籍の紹介 等 ◇「魏志倭人伝・卑弥呼・日本書紀をつなぐ糸」野上道男著（古今書院） 著者は、電子国土などを駆使して倭人伝を解析し、東は夏至の日の出の方向と言う「変 則方位」が使われ、距離も種々な検証から1000里は67kmと導き出した。帯方郡から女王国 までの距離、12,000余里も天文測量から導き出したと言う測量学的見地からの異色の科学 随筆、ぜひ一読をお奨めする。 （田中邦一：日本大学） ◇「こよみのページ」 夕方、日の入りの時刻が少しづつ早くなってきた。今日の日出没時刻を簡単に計算でき るサイトがある。 新暦と旧暦、月と星座の暦、日食・月食のシミュレーションなど暦の情報がなんでもそ ろっている。「暦と天文学の雑学」など読み物記事もあり、祝日月日一覧や月令カレンダ ーなどのデータ公開もしている。けっこう楽しいサイトだ。 http://koyomi.vis.ne.jp/directjp.cgi?http://koyomi.vis.ne.jp/sub/sunrise.htm （田中邦一：日本大学） ■測量協会イベント情報のお知らせ ◇スペーシャリストの会 特別講演会のご案内 主催:スペーシャリストの会 共催:(公社)日本測量協会 特別講演 � ‖式羹喙� 先生(SPの会顧問・東京大学名誉教授) 演題「電子基準点を用いた地震予測方法」 �◆‖写攅�和 氏(SPの会会員・(株)イメージワン) 演題「欧米で進む無人システム(Unmanned System)と 新たなセンシング技術」 日程:平成25年10月18日(金) 会場:測量年金会館 どなたでも参加できます。(事前登録、先着100名まで) 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/k-specialist251018.pdf ◇空間情報技術事例報告集の報告文募集 ☆応募締め切り：随時（投稿報告文が到着次第、速やかに査読） ☆掲載可となれば、日本測量協会ホームページ上の［測量情報館］に掲載 技術事例報告集では、新規性や独創性という視点とは別に、 (1)創意工夫性（何らかの創意工夫による業務改善への貢献など） (2)実用性（実務への応用性や実際に業務等に適用していく際の実用性など） (3)信頼性（技術事例報告の内容やその結果に対して、信頼性や実証性など） (4)今後の展開性（空間情報技術領域の中で、他技術領域への新たな展開や応用 の可能性、他技術との融合性や融合利用の可能性などを含めて今後の展開性） という視点から査読し、技術事例報告として採用致します。奮って、投稿ください。 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/kuukanhoukoku.pdf （廿楽実：日本測量協会） ■編集後記 2020年のオリンピック・パラリンピック開催都市が東京に決まりました。測量・地理空 間情報業界にとっても追い風になるでしょうか。 ちなみに昭和39(1964)年の東京オリンピックから遡ること四半世紀、昭和15(1940)年に、 幻の東京オリンピックが予定されていたことをご存じの方は多いかと思いますが、同じ年 に札幌冬季オリンピックや万国博覧会が予定されていたことは余り知られていないでしょ うか。結局全て返上・延期になりましたが、もし実現していたら相当賑やかな年になった でしょう。 (大橋) ──────────────────────────────────────── All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club このメールマガジンを紹介したい方は各自の責任で転送しても結構です。 ──────────────────────────────────────── |
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