| タイトル：スペーシャリスト会報 Vol.82 | 発行日時：20013年10月15日18時35分50秒 |
| ┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 20013年10月15日 ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.82 発行元：スペーシャリストMM事務局 http://www.capnet.jp/spatial/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ INDEX ：＊ニュース・ラウンジ ＊企画委員会・各支部活動報告 ＊リレーエッセイ＜空間連携＞ ＊コラム ＊空間情報関連便利グッズ / 書籍の紹介 等 ＊測量協会イベント情報のお知らせ ============================================================================ ■ニュース・ラウンジ「2020年東京オリンピック開催に思うこと」 再び東京でのオリンピック開催には賛否両論があったが、9月18日に開催地が決定され ると、祝賀ムード一辺倒となった。進まない震災復興、原発問題、財政危機、デフレ経済、 高齢化など、暗く長い活力のない社会的なスパイラルからの脱却には良きインパクトを社 会経済全体に及ぼすとともに、清涼剤を飲み干した後の新鮮さをも感じてしまう。 前回の1964(昭和39)年東京オリンピックは、“もう戦後は終わった”という日本全体が 『坂の上の雲』に届くような勢いのある時代の開催であった。私たちの世界に眼を転じれ ば、このオリンピック直前には、伊勢湾台風(1959(昭和34)年9月)、38豪雪(1963(昭和38) 年1〜2月)、新潟地震(1964(昭和39)年6月)などの大規模災害発生とその防災対策、黒部川 ダム開発、高速縦貫道建設、東海道新幹線建設などに伴う建設ラッシュへの対応、そして オリンピック開場予定や周辺地域での大型土地開発事業への対応など、測量界では空前の 好景気が醸成された。 これらの先兵として空中写真測量技術が如何なくその実力が発揮され、測量界の主流事 業になったことは言うまでもない。当時、中学1年生だった私自身もオリンピックを契機 に、急速にスマートな社会へと変わりゆく時代の風を漠然と感じていたように思う。 さて、2020年の東京オリンピック開催までに、測量・地理空間情報分野ではどんな役割 が期待されるのであろうか。成熟期の安定した社会で、しかもほとんど競技開催地が東京 一極に集中する計画であり、前回のような広域にわたる新規投資は期待薄で、むしろ高度 な社会情報インフラの整備や“おもてなし”としての観光施設及びそのための環境整備な どに投資が集中するのではないだろうか。もちろん競技施設建設への投資もあろうが。そ して、前回との大きな違いとしてテロや大震災などからの「安全・安心」対策が絶対条件 ともなろう。 その意味では、私たちの身近な場である地下街あるいは地下空間のマッピングと情報化 は喫緊の課題であろう。地下街や地下空間のマッピングとなれば建築的な知識を持ち合わ せた地理空間情報技術者が先兵となって活躍するようになろう。地上・地下を問わず、 “誰でも、何処でも、容易に使える便利な地理空間情報”の整備とそのための事業促進が 必要な時代だ。これを契機に地理空間情報技術者の技術力や利活用能力は以前にも増して 高く求められよう。 先ずは11月14日(木)〜16日(土)に開催される「Ｇ空間EXPO2013(東京 日本科学未来館)」 から、その技術動向をウォッチングすることが考えられる。そんな中、来年早々には地理 空間情報専門技術認定者の任意団体として「ＭＤの会（ジオメトリストの会）」が発足す る。同認定者は現在4000名を超え、近い将来5000名に達しようとしている。 今後、「SPの会」と「MDの会」が連携を図り、2020年東京オリンピック開催を目途に地 理空間情報の整備・構築に貢献できるようにしたいものである。 （瀬戸島政博：日本測量協会） ※現在、このコーナーは会長・２副会長・評議員の４名で分担執筆していますが、会員が 200名を超えた今日、多様な視点からの執筆等を鑑み、本会総会時に再任・新任された 代表委員を加えたメンバーによる分担執筆として、継続的に掲載致します。 ＜編集よりお知らせ＞ 11月号は林さんの担当です。 ■企画委員会・各支部活動報告 ◇「スぺーシャリストの会」企画委員会 議事録（一部省略） 日 時：平成２５年９月１９日（木） １３：３０〜１５：３０ 場 所：日本測量協会３Ｆ ３０３会議室 出席者：瀬戸島、林、大山、秋山、池田、大伴、大友、中舎、岡本、田中、藤井、 村木、廿楽（事務局） 欠席者：住田、早川、津留、鈴木、高岸、望月 １．前回議事録確認 ２．報告事項 （１）ＳＰ総会の企画案検討 開催日は１０月１８日（金） 測量年金会館にて 〔内容〕２４年度報告、役員改選、２５年度事業計画案 測量ＣＰＤ２ポイント付与の講演会実施（だれでも参加参加可能。 ただし、会場の都合先着１００名まで事前登録とする） ２５年度の総会 予定稿の検討 今年２４名合格 ２１６名がスペ会員（２２０名） 会計報告を監査終了後加える （２）各支部活動報告 �ヾ慇昌拮�報告（藤井）（※前回ＭＭ参照） ��中部支部報告 第２６回支部会議開催 （７月３１日） 来年度の愛知県講習会を１−２回／年 開催予定 測量協会の講習会開催予定 テーマはＭＭＳとしたい 地理空間情報産学官中部地区連携協議会が開催された（９月３日）５名参加 �Ｅ豕�支部報告 執筆本の進捗状況の報告 技術士試験準備講座 ・・ １０月以降幹事会開催し協議予定 （３）メルマガ誌の記事について （４）空間情報総括監理技術者今年度結果について 今年度合格者は２４名（９０名書類審査合格 ７名欠席） ２５．８％ 最終合格率最低 （５）空間情総括監理技術者の更新について 更新審査にかかわる審査委員会が開催された ★更新ポイントに満たない場合の処置 測量協会で現在書籍での名簿は作成・配布をしていない。 発注者がシステムで見たときに表示上で区別される。 審査で認められないと１年間更新できないので、審査後に４０ポイント 取得してもサクセス上で１年間は更新されない。 （６）空間情報技術事例報告集への投稿要請 雑誌「測量」の表紙で案内しているが現在投稿なし （７）公開講座参加要請（古代の測量術と邪馬台国 野上道男先生） （８）第３５回イブニングセミナー（１１月１９日予定 テーマはＵＡＶを予定） （９）地理空間情報技術セミナー 全国１０か所で開催予定 無料 ＣＰＤ３ポイント （10）ＧＩＳネクスト掲載記事紹介（空間情報総括監理技術者と実務への活用） ３．討議事項 （１）月刊「測量」スペーシャリストコーナーの連載 第１３弾 維持管理シリーズ （２０１４年４月掲載開始予定） 執筆順は以下のように決定 �．僖好魁↓�朝日航洋 ��ＡＡＳ �っ翔�本 �ス餾檗´Υ慇昌拮瑤茲� （２）写真測量学会 北信越支部セミナー講師派遣について １１月はＡＡＳ相原さんに決定し今年度分は確定 今後、内容重複を避けるため事前に全体のタイトルを決めておきたい。 次回、これまでの一覧表を提示する。 （３）出版物について 住田さんの手元に原稿集約済 ・・ 校正中 ４．その他 地理空間情報専門技術者の会（ジオメトリストの会）を２０１４年初めに、 東京中心にスタートしたい。すでに５０００人近くの有資格者が存在 以上 （池田晃三：アジア航測） ＜編集よりお知らせ＞ 企画委員会及び各支部活動報告の議事録は、毎月10日迄に原稿を送付頂ければ、当月号 に掲載致します。なお、文字数によっては抜粋・要約する場合があります事を予めご了承 下さい。 ■リレーエッセイ＜空間連携＞「リニア中央新幹線」 ＪＲ東海より2013年9月18日リニア中央新幹線の詳細ルートが発表されました。開業は 2027年、東京・品川−名古屋間を最高時速500ｋｍ、最速40分で286キロを結ぶことになり ます。新大阪駅までの延伸は2045年（所要時間67分）を予定。残念ながら騒音対策や用地 取得手続きを簡略化するため、地上区間はわずか約40キロ（86％が地下）となり、地上で も大部分はコンクリート製の防音フードで覆われるため、車窓が楽しめる区間はわずかに なる予定です。 リニア中央新幹線は高速輸送を目的とするため、ルートはより直線的で時間短縮が見込 まれる、南アルプスを貫通するルートに決定しました。中でも最難関とされるのが、南ア ルプス直下での長大トンネル建設（約25キロ）、この地域の地層は「メランジュ」と呼ば れるタイプで崩れやすく、水が出やすいそうです。また、糸魚川静岡構造線や中央構造線 といった大断層を横切るルートであるため、大地震が発生した場合の地殻変動や土砂崩れ などによる危険性があり、「工事を始めてみないと分からない」とＪＲ東海でも予測がつ かない難航工事になる恐れもあります。 環境面でも、トンネル開口部の崩落による景観破壊や、大量の排出土砂の処理、地下水 脈の寸断などによる環境破壊、消費電力は新幹線の３倍など、環境に負荷なく安全に処理 できる解決策を考えなければならないところであり、スペーシャリストの立場として、経 済的にだけでなく循環的な自然環境を守るため、様々な空間情報を利用した対策が望まれ るところです（かなり、こじつけですが）。 次回はトンネルなどの地盤工学技術に精通した、復建調査設計(株)の來山様にバトンを 渡したいと思います。來山様、広島市光町の居酒屋で同席させて頂いてから数年立ちます が、どうぞよろしくお願い致します。 （白川文夫：アジア航測） ■コラム 【執筆順番（敬称略）】 2013年10月号 廣瀬（ヤフー），向平（パスコ） 11月号 鵜飼（中日本航空），野田（アジア航測） 12月号 根本（パスコ），�睛�（朝日航洋） 2014年 1月号 岡部（パスコ），堀（朝日航洋） 2月号 小田原（アジア航測），西村（ｻﾝｺｰｺﾝｻﾙﾀﾝﾄ） 3月号 〜H25年度新会員を予定 ◇コラム「測量屋さんの夏休みの宿題」 話題としてはもう季節はずれになってしまいましたが、お子さんの夏休みの宿題はどう されていますか？ 小学校６年の時、あれは今思うと測量だったんだ、という思い出があ ります。 祖父が使っていたというハンドレベルが残っており、これを使って近くにあるハイキン グコース東山一万歩コースを測ろうということになりました。長い棒状の板を買ってきて 白ペンキを塗り、目盛りを書いてスタッフに似せて製作。弁当も持っていざ出陣。「10m 毎に前後の目盛りを読んでメモしてこい。」という父の指令だったのですが。スタート地 点が急な坂になっており、どこに立っても空しか見えない、地面しか見えないで、一歩も 進めず退散。結局は10m内を分けて測れば良かったのですが、最初は理屈がわかっていな かったのですね。夏休みの間に延長6kmを測って、標高グラフをプロットしたものを黒板 一杯に広げて発表したのを覚えています。 子供の宿題を親が手伝うなんて、という考えの方もいるかと思いますが、私の経験から すると自分で考える知恵がつく小学校高学年から中学１年位（反抗期の前ですね）の頃、 親と一緒に何かを達成、賞をもらった体験はいい記憶になるようです。 私もこの体験にならって息子と学校の平板測量を試みましたが、アリダードの使い方や 平板の設置に悪戦苦闘してしまいました。SP会の皆様はどうでしょうか。 （廣瀬典和：ヤフー） ◇コラム「秋のＭＶＮＯ活用術？」 食欲の秋到来ですね。私の楽しみは、新そばをたべること！私の住んでいる東北地方で も山形や会津地方などお蕎麦が有名なところが多く、この季節はよく食べに出掛けます。 そこで、活用するのがやっぱりスマホ！お店の書き込み情報や位置情報がすぐにわかり、 目的のおいしいそばにありつくことができるので、本当に重宝します。 これらの情報を得るために必要なのが情報端末と情報通信費。この通信費が高い！！ 非常に便利で、素早く情報を入手することができるのはとても快適なのですが、月々にか かる情報通信料の高さは何とかならないのでしょうか？そこで、皆さんは「ＭＶＮＯ」と いう言葉をご存知ですか？知っている方も多いと思いますが、直訳すると「仮想移動体通 信事業者」というのだそうです。自社でモバイル通信のネットワーク設備などを持たずに、 通信サービスを提供している事業者で、主にNTTドコモの回線を使って、独自のパッケー ジで通信サービスを提供しているのです。調べてみるとこれがいろいろな業者やプランが あり、通信速度は遅いけど格安で使い放題のプランや、１日のデータ量に制限はあるけど 格安なプランなどいろいろとあります。本当にたくさんの事業者やプランがあり、より取 り見取りなのですが、これが一長一短あるのと、既存の携帯の契約をどうするのがいいの か？など考えているとなかなか決断できません。これらをうまく使うと、我が家の通信費 は月額で７千円くらいは削減できるだろうと踏んでいます。この浮いたお金で秋の味覚に すこしでも多くありつきたいと考えていますが、この分だと冬の味覚になりそうです。 （向平拓司：パスコ） ■空間情報関連便利グッズ / 書籍の紹介 等 ◇「地図から読む歴史」足利健亮 著（講談社学術文庫） 地図には過去の景観の残片が遺されている、と著者は言う。地名、道路、寺社の位置関 係と地形の実地見分から、聖武天皇の都、信長の城地選定基準、家康の江戸の町建設等な ど、地図から残片を拾い集め謎解きをしてくれる。お奨めの一書だ。 （田中邦一：日本大学） ◇「地図の散歩道」 「地図の散歩道」は日本地図センターが運営するブログで、“八重の桜”の鶴ヶ城落城 を地図で読む、“あまちゃんの”のふるさとの伊能図など、TVで話題の題材や世界遺産に 登録された富士山にまつわる話など面白い。一度アクセスしてみて下さい。 http://hiroba.jmc.or.jp/archives/cat_10026354.html （田中邦一：日本大学） ◇「地図で読み解く日本の戦争」竹内正浩 著（ちくま新書 税込924円） 測量目線では、タイトルを逆に捉え「戦争」で読み解く地形図作成の近代史といった内 容といえ、後半では、満州航空等での空中写真測量についても触れられています。国際関 係において如何に地形図が重要な情報であったかを考えさせられます。 （大橋） ■測量協会イベント情報のお知らせ ◇スペーシャリストの会 特別講演会のご案内 主催:スペーシャリストの会 共催:(公社)日本測量協会 特別講演 � ‖式羹喙� 先生(SPの会顧問・東京大学名誉教授) 演題「電子基準点を用いた地震予測方法」 �◆‖写攅�和 氏(SPの会会員・(株)イメージワン) 演題「欧米で進む無人システム(Unmanned System)と 新たなセンシング技術」 日程:平成25年10月18日(金) 会場:測量年金会館 どなたでも参加できます。(事前登録、先着100名まで) 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/k-specialist251018.pdf ◇地理空間情報イブニング・セミナー 第35回 最新のUAVイメージングソリューションのご紹介 ―測量・マッピング用自律飛行型固定翼UAV Trimble UX5/Gatewing X100のご紹介― 講師 :竹添明生 ジオサーフ�� 日程:平成25年11月19日(火) 会場:日本測量協会研修室(東京) 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/k-academy251119.pdf ◇空間情報技術事例報告集の報告文募集 ☆応募締め切り：随時（投稿報告文が到着次第、速やかに査読） ☆掲載可となれば、日本測量協会ホームページ上の［測量情報館］に掲載 技術事例報告集では、新規性や独創性という視点とは別に、 (1)創意工夫性（何らかの創意工夫による業務改善への貢献など） (2)実用性（実務への応用性や実際に業務等に適用していく際の実用性など） (3)信頼性（技術事例報告の内容やその結果に対して、信頼性や実証性など） (4)今後の展開性（空間情報技術領域の中で、他技術領域への新たな展開や応用 の可能性、他技術との融合性や融合利用の可能性などを含めて今後の展開性） という視点から査読し、技術事例報告として採用致します。奮って、投稿ください。 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/kuukanhoukoku.pdf （廿楽実：日本測量協会） ■編集後記 今年の空間技術総括監理技術者の合格者は24名でした。おめでとうごさいます。来年に はとうとう10期目の合格者が誕生しますが、10年があっという間に感じます。 季節外れの残暑に辟易しながらも、すっかり秋の気配で、今年度も折り返し下半期に突 入です。私のＭＭ編集もちょうど一年が経過し折り返し地点となりました。時の経つのが 本当に早いと感じますね。 (大橋) ──────────────────────────────────────── All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club このメールマガジンを紹介したい方は各自の責任で転送しても結構です。 ──────────────────────────────────────── |
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