スペーシャリスト メールマガジン バックナンバー

タイトル:スペーシャリスト会報 Vol.85 発行日時:20014年1月14日13時0分29秒
┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
20014年1月14日
◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.85

                    発行元:スペーシャリストMM事務局
                     http://www.capnet.jp/spatial/
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INDEX :
*ニュース・ラウンジ(秋山幸秀)
*企画委員会・各支部活動報告(−)
*リレーエッセイ<空間連携>(高本佳典)
*コラム(岡部隆宏,堀秀樹)
*空間情報関連便利グッズ / 書籍の紹介 等(池田晃三,望月貫一郎)
*測量協会からのお知らせ(廿楽実)
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■ニュース・ラウンジ
 新しい年を迎え、早くも半月が過ぎようとしております。SP会の皆様も年度末に向けて
さらにエンジンがかかってきていることと推察いたします。
 今年は大きなスポーツイベントが2つあります。先ず、2月7〜23日まで、ロシアのソチ
で第22回五輪冬季競技大会が開催されます。各種競技でメダル獲得の期待が高まっていま
す。それから6月12日〜7月13日にはブラジルでFIFAワールドカップが開催されます。この
球技は日本ではサッカーと称していますが、世界的にはフットボールで親しまれています。
フットボールの起源は8世紀のイングランド説で、敗将の御首級(みしるし)を脚で奪い
合う様であったそうです。そして、レスリングや柔道などの格闘技やフェンシングの剣技
でも分かるように、夏のスポーツは戦いが昇華されたルールにより発展している傾向があ
り、冬のスポーツは狩猟と移動手段からの発展が顕著です。現在、五輪は平和の祭典と云
われていますが、大会が中止されている時は世界中が情勢不安なことが多く、紛争や戦争
がありました。開催されても他国侵攻に対する異議主張からボイコットをしたり、開会式
を欠席するなどの意思表示もありますが、スポーツ競技は互いに国内が応援で団結し、勝
利したり、健闘したりで国内不満のガス抜きに成り、国威を示す代理戦争的な部位があっ
て、勝利した国は国旗を掲げて国歌を斉唱し、参加者や観戦者に讃えられる「メダルの授
与」という儀式を行います。メダルを獲得した選手やチームは英雄となり、凱旋し余生の
生活保障がつく場合もあります。このあたりも代理戦争を呈していますが、現実世界で生
命やインフラや構造物などの被害が少ない分だけ人類の歴史的進化成長が伺える気がしま
す。
 SP会らしく空間情報として五輪開催地の位置関係を調べてみると、当初欧米で行われた
大会はその後、東アジアやオセアニアでの大会へと拡大しています。ここで、あえて開催
地の赤道からの緯度に注目してみます。冬季五輪の開催地の最高緯度は1994年のリレメン
ハル(諾)の61.1度、最低緯度は1998年の長野(日)の36.6度で、第一回のシャモニー・
モンブラン(仏)から第22回のソチ(露)までの平均緯度は46.7度になります。夏季五輪
の開催地の最高緯度は1912年・1956年のストックホルム(典)の59.2度、最低緯度は
1968年のメキシコシティ(墨)の19.3度となり、第一回のアテネ(希)から第30回ロンド
ン(英)までの平均緯度は43.0度でした。冬季と夏季で3.7度差、これは距離にして
約400kmになります。厳密には夏季・冬季の季節の違いや国に接する暖流のあるなしや標
高差などによる気象・海象と地形の影響も、更に都市が発達し易い緯度で大会が開かれる
という要素も混在していますが、それらの影響を含んだ上で約400kmの距離は赤道から両
極までが10,000kmであることから、その差は4%であり、冬のスポーツ都市までの絶妙な
空間距離を知ることができます。
 今回から代表委員5名がニュース・ラウンジに執筆参加いたします。
 平成26(2014)年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。
【参考(国名略語)】
ノルウェー(諾)、日本(日)、フランス(仏)、ロシア(露)、スウェーデン(典)、
メキシコ(墨)、ギリシア(希)、イギリス(英)
                             (秋山幸秀:朝日航洋)

<編集よりお知らせ>
 2月号の担当は大山容一さんです。


■企画委員会・各支部活動報告

 今月号は記事がありません。
 

<編集よりお知らせ>
 企画委員会及び各支部活動報告の議事録は、毎月10日迄に原稿を送付頂ければ、当月号
に掲載致します。なお、文字数によっては抜粋・要約する場合があります事を予めご了承
下さい。


■リレーエッセイ<空間連携>
 今年の6月に富士山が世界遺産に登録され、日本の世界遺産登録は17件となりました。
 私が現在勤務している中国地方には、そのうち3件の世界遺産が存在しています。
 一つ目は「厳島」、二つ目は「原爆ドーム」、そして三つ目は「石見銀山」です。
 これらのうち世界遺産登録に関して言えば私の中で石見銀山が最も思い入れがあります。
 石見銀山は2007年6月に世界遺産に登録されましたが、それ以前の登録準備段階からG
ISのデータ整備に携わらせていただいたことがその大きな理由です。
 世界遺産への登録はユネスコでの審議を経て決定されます。当時この登録準備をされて
いた担当の方から審議の調査項目の中にGISの整備といった項目も入っていると教えて
いただきました。今でもそうなのかは分かりませんが、このときGISは幅広い分野にお
いて認知されたものなのだと改めて認識させられた記憶があります。
 一方で今年の9月には2015年の世界遺産登録に向けて政府は「明治日本の産業革命遺産 
九州・山口と関連地域」を推薦することを決定し、長崎県の軍艦島(正式名:端島)が脚
光を浴びています。最近では上陸ツアーができる程の人気とのこと。確かに私自身もあの
フォルムには何か興味をそそられるため、いつか訪れてみたいと思っています。
 次回は関西支部、弊社の辻さんにバトンをお渡しします。よろしくお願いします。
                            (高本佳典:アジア航測)

                            
■コラム
【執筆順番(敬称略)】
2014年 1月号 岡部(パスコ),堀(朝日航洋)
    2月号 小田原(アジア航測),西村(サンコーコンサルタント)
    3月号 (ここから「新会員のコーナー」)西川(パスコ),千田(国際航業)
    4月号 酒井(朝日航洋),内川(パスコ)
    5月号 西岡(国際航業),油井(パスコ)
    6月号 安藤(CSGコンサルタント),白戸(アジア航測)
    7月号 鈴木(朝日航洋),杉山(朝日航洋)
    8月号 小杉(パスコ),江上(パスコ)
    9月号 日當(パスコ),橋爪(フジヤマ)
   10月号 村田(パスコ),小野(中日本航空)
   11月号 今井(国際航業),大江(パスコ)
   12月号 花上(中央測量コンサルタント),伊藤(国際航業)
2015年 1月号 森本(四航コンサルタント),尾崎(アジア航測)

◇コラム「モータースポーツにおけるGPS技術の活用」
 最近では、趣味の世界においてGPS技術が盛んに活用されています。登山やサイクリン
グでの活用は言うに及ばず、ここではF1での活用事例をご紹介します。今やF1の世界では
ンジン性能や空力性能、タイヤ性能を競う場から、電子制御力を競う場と移行しつつあり
ます。その中でもGPS技術が大きな鍵となっていることをご存知でしょうか?なぜGPSを利
用してサーキット上のマシン位置をピンポイントで把握したいと思っているのか。これは
ギアシフトや、ブレーキバランス、最適コースラインなどをコントロールをするためです。
各コーナーに合わせてエンジン出力と車体制御をしたいからです。チーム側はGPSでコー
スポジションを知り、それぞれのコーナーに応じた最適なデータをリアルタイムで調整し
て、マシンにフィードバックできるというわけです。そこでちょっと気になるのがGPS技
術によるマシンコントロールはレギュレーション違反にならないのか。F1では、ブレーキ
バランスはドライバーがコントロールすることとなっています。しかし、あらかじめ最適
なブレーキバランスのプログラムを組んでおき、それをドライバーが呼び出す形ならドラ
イバーがコントロールしているということでレギュレーション上の問題はないそうです。
現実でも、ドライバーは、コーナーごとに最適なバランスにプログラミングされたマップ
を選んでいるそうです。こんな便利なGPSですが、我々航測業界と同様の技術的課題も抱
えています。それは、大きなオーバーハングがあるサーキットでのGPS計測。ご存知のと
おり、位置の確認には衛星の数が多ければ多いほど妥当な範囲内で精度は高くなりますが、
例えばイタリアのモンツァサーキット、日本の鈴鹿サーキットのように多数の樹木が存在
するサーキットでは、GPS情報取得が困難であるそうで、各F1チームはこの課題のブレー
クスルーに目下挑んでいる最中だそうです。スポーツ界からの計測技術進歩は大いにうれ
しい限りですが、私としては90年代の純粋なドライバー対決回帰を望むところでもありま
す..。
                              (岡部隆宏:パスコ)

◇コラム「趣味に活かす空間情報」
 新年明けましておめでとうございます。
 健全な精神、健康な体を維持するために、ゴルフを趣味とし、週1回の練習場通い、月
1回のペースでラウンドしています。朝5時に起床し、家を出るのは6時。眠い目をこすり
ながら目的地に車を走らせます。カーナビに行き先を設定し、後はカーナビ任せ、進行方
向に渋滞が発生している場合は、渋滞区間が表示される。なぜ渋滞が判るのか私の現在の
克服すべき課題です。
 ゴルフ場に到着し、次にお世話になる空間情報は、ゴルフナビ。この機器を軌道するだ
けで、現在の位置を特定し、ゴルフ場及びコースが表示されます。ラウンドが始まり、ド
ライバーを打つ前に現在の場所を登録、2打目の場所に移動し登録。すると、ドライバー
の飛距離が判り、ピンまでの残りの距離も判ります。その距離にあわせて次のクラブの選
択をしています。残り150ヤードと表示され水平距離であるため、高低差を目で判断し少
し下っているため10ヤード差し引き140ヤードと判断、7番アイアンを2打目で選択しフル
ショット。芯でヒット出来た場合は、グリーンにオン、パターでカップを狙う。カップに
近づいたところで、同伴者からOKといわれ、パーで終了する。理想のラウンドです。この
ようなラウンドを毎回実践出来るように、日々精進しているこの頃です。
                              (堀秀樹:朝日航洋)

■空間情報関連便利グッズ / 書籍の紹介 等

◇「震災列島」石黒耀 著(講談社文庫)
 名古屋で地質会社を営む主人公は東海・東南海地震の連続発生を予測。そしてこの大災
害を利用して殺害された娘の復讐を実行するという小説です。
 興味深いのはこの小説が阪神大震災をもとに執筆され、上梓されたのが中越地震の前日
(2004年10月22日)だったということです。
 東日本大震災を経験した後でこの小説を読むと構想力に驚かされます。
                            (池田晃三:アジア航測)

◇「3Dプリンターが創る未来」クリストファー・バナット著(日経BP社)
 3Dプリンターの普及が新しい段階に突入している。本書は3Dプリンター技術のしくみ・
応用例、臓器の製造などのバイオプリンティング、さらに、地球環境問題の対策について
3Dプリンターがもたらす「産業革命」の全貌を判りやすく紹介している。
 http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/P85250.html
                             (望月貫一郎:パスコ)

◇「環境の科学と技術」日経エコロジー編著(日経BP社)
 PM2.5、エコカー、太陽光発電など、環境関係の科学や技術が話題となっている。
 本書は環境の科学や技術の基礎を理解するために、日経エコロジーで取り上げた記事を
再編して環境の初心者から専門家まで”知っておきたい基礎知識”を丁寧に紹介している。
 http://ec.nikkeibp.co.jp/item/books/219740.html
                             (望月貫一郎:パスコ)

<編集よりお知らせ>
 2月号の担当は早川和夫さんです。


■測量協会からのお知らせ

◇公益社団法人日本測量協会から重要なお知らせ
【空間情報総括監理技術者の認定登録更新】時には所定の測量CPDポイントが必要になり
ます。
《更新条件》
 ◆平成21〜23年度までの認定登録者は、25ポイント/5年間
 ◆平成24年度以降の認定登録者及び第1回更新済みの認定登録者は、40ポイント/5年間
  認定資格者の更新対象年度には、日本測量協会からご案内をお送りします。
 また、測量CPDポイントが更新時に基準に満たない場合には、ポイントが基準に達する
 年度まで更新はできません。当協会から発行される認定技術者名簿にもその間は未掲
 載となります。 

◇公開講座 「中国の古代測量術と邪馬台国」
  日程:平成26年1月29日(水)
  会場:日本測量協会研修室
  講師:野上道男 氏(東京都立大学名誉教授)
  詳しくは、http://www.jsurvey.jp/open260129.pdf

◇地理空間情報イブニング・セミナー
 第36回 準天頂衛星システムの現状について
  ―2018年に測位精度が大幅に向上し、衛星測位の環境は激変する― 
  講師 :田村栄一 氏(内閣府宇宙戦略室)
  日程:平成26年3月4日(火) 
  会場:日本測量協会研修室(東京)
  詳しくは、http://www.jsurvey.jp/k-academy260304.pdf

◇空間情報技術事例報告集の報告文募集
 ☆応募締め切り:随時(投稿報告文が到着次第、速やかに査読)
☆掲載可となれば、日本測量協会ホームページ上の[測量情報館]に掲載
技術事例報告集では、新規性や独創性という視点とは別に、
(1)創意工夫性(何らかの創意工夫による業務改善への貢献など)
(2)実用性(実務への応用性や実際に業務等に適用していく際の実用性など)
(3)信頼性(技術事例報告の内容やその結果に対して、信頼性や実証性など)
(4)今後の展開性(空間情報技術領域の中で、他技術領域への新たな展開や応用
   の可能性、他技術との融合性や融合利用の可能性などを含めて今後の展開性)
  という視点から査読し、技術事例報告として採用致します。奮って、投稿ください。
  詳しくは、http://www.jsurvey.jp/kuukanhoukoku.pdf

                            (廿楽実:日本測量協会)

■編集後記
 本年もよろしくお願いいたします。
 今月号では、オリンピックにF1、ゴルフと、スポーツに関する記事が並びましたが、
スポーツにおける地理空間情報技術の活用という視点で総括されたものがあると面白いで
すね。
 さて、今年から6年後の東京オリンピックに向けた施策が本格化するかと思いますが、
2014年は、JRの起点である東京駅が設置されてから100周年だそうです。元々東海道の
起点であった新橋駅と東北への起点であった上野駅を結ぶことを目的として設置されたそ
うですが、その100年後、2014年度中には東海道本線と宇都宮線・高崎線・常磐線の相互
直通運転が可能となる「上野東京ライン」が開通します。次の新幹線の延伸等も含め、首
都圏の都市機能にどう波及するのか興味深いです。
                                     (大橋)

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