| タイトル：スペーシャリスト会報 Vol.86 | 発行日時：20014年2月17日10時22分44秒 |
| ┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 20014年2月17日 ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.86 発行元：スペーシャリストMM事務局 http://www.capnet.jp/spatial/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ INDEX ： ＊ニュース・ラウンジ（大山容一） ＊企画委員会・各支部活動報告（大山容一，早川和夫） ＊リレーエッセイ＜空間連携＞（辻求) ＊コラム（小田原寿，西村公志） ＊空間情報関連便利グッズ / 書籍の紹介 等（早川和夫） ＊測量協会からのお知らせ（廿楽実） ============================================================================ ■ニュース・ラウンジ 2014年１月９日から15日まで、安倍総理大臣は、オマーン、コートジボワール、モザン ビーク、エチオピアを歴訪し、「地球儀を俯瞰する外交」が今年も始まりました。近年、 日本からのＯＤＡ（政府開発援助）はアフリカ方面が積極的に行われており、かつて「顔 の見えない援助」と批判も多かった日本の海外援助も、昨今は「人材育成や技術移転を通 じて現地に雇用を拡大させ、自立的な経済成長が促される」との、日本らしい支援スタイ ルがアピールされています。 はるか遠方のアフリカ訪問が何なの？ といぶかる読者諸氏も多いかと思いますが、実 はこの私も、2007年ケニア、2011年モザンビーク、2012年ギニア、2013年エチオピアと、 安倍総理に先駆けて、訪れていました。援助活動のあるべき姿、活動結果の現地での評判 等々、肌で感じてきたところです。 日本も含めた先進諸国は、過去100〜200年の歴史を通じて、その時代時代の先進技術を 取り入れ、インフラを徐々に整備し続けてきました。人馬による輸送〜蒸気機関〜電気の 導入〜ITによる高度化と、その結果が今の社会です。一方のアフリカには、そういう歴史 なしにいきなり21世紀のエネルギー資源やインフラ設備が投入されつつあります。そのギ ャップを、援助する側もされる側も消化しきれていないという印象を持ちました。 モザンビークには世界有数の発電量を誇るダムがあり、日本にはないような巨大な送電 線が配されています。ところがその下に、電気もガスも水道もない、誤解を恐れずに申せ ば、1000年以上前と同じ生活が続けられています。毎日何時間もかけて水を汲みに行く、 薪で夕食の支度をし日没とともに眠る。ただし、Nokiaの携帯電話はちゃんと持っている。 こんなアンバランスなインフラの状況が、アフリカの各地で展開されています。 インフラ整備はかつての宗主国をはじめ、今は中国やインドからも盛んに行われていま すが、長期的な展望や援助国が帰ってからのメンテナンスのあり方などが問題なのか、せ っかく整備された施設が野ざらしで放置されています。朽ち果てた線路、陥没して通行不 能になった道路、水の出ない水洗トイレなど、私も毎日のように見てきました。 日本の援助スタイルの価値を実感した経験があります。ギニアの首都近郊の海辺には中 国資本による巨大な会議場が建っています。その近くに小さな漁港があって、魚市場が併 設され、水揚げの魚が売られ、市場は活況を呈していました。この漁港は10年ほど前に日 本の援助で作られた漁港で、それを示す記念碑が建てられています。今や、現地の人たち でしっかりと運営され、漁業・運輸業・商業・食料確保といった面で、この国の経済の一 端を支え、自立しているのを目の当たりにしました。 モザンビーク、エチオピア、ギニアでは現在、日本の援助で、地形図の作成・更新が進 められています。都市計画・交通計画等、インフラ整備のために不可欠な地図作りに携わ れることは、私たちもその道のプロとして誇っていいことだと思います。もっとも、遊休 地が広大に広がるこれらの地域では、都市開発も交通インフラ整備も、地図なんかなくて もそこそこ進めていくことができる、ということも実感しました。。そんな、意外な知見 も得られたアフリカ渡航でした。総理大臣としては小泉さん以来８年ぶりという安倍総理 のアフリカ訪問、その経験もしっかりと国政に活かしてほしいと切に望むしだいです。 （大山容一：国際航業） ＜編集よりお知らせ＞ ３月号の担当は鈴木浩二さんです。 ■企画委員会・各支部活動報告 ◇「スペーシャリストの会」企画委員会 議事録（一部省略） 日 時：2014年１月29日(水) 13:30〜15:30 場 所：日本測量協会３Ｆ 303号室 出席者：瀬戸島、住田、林、大山、望月、早川、秋山、池田、大友、岡本、藤井、 中舎、廿楽(事務局) 欠席者：鈴木、津留、神原、大伴、田中、村木、大橋 １．報告事項 １−１ 各支部活動報告 �� 中部支部報告（早川） ・測量協会講習会は、５月８日（木）に延期。会場は中統ホール ・４月下旬に、「中部ＳＰ会」の総会を行う。 ・JACICの技術者登録（Tecris）に「空間情報総括監理技術者」もデフォルト登録 とできないか。−＞海津氏らに伺ってみる。 �� 東京支部報告（住田） ・４月に、技術士試験対策講座を開催する予定。試験制度が変わって２年目。 １−２ 「ジオ・メトリストの会」代表委員会(1/28)報告 ・４月11日第１回総会開催にて発足の予定。 ・代表は、朝日航洋 鈴木氏。当面は東京中心の活動か。 ・入会資格は、地理空間情報専門技術者試験の合格者。 ・スペーシャリストの会と色分けができることを期待する。 １−３ その他の連絡事項 ・３月４日(火)16:00〜 イブニングセミナー「準天頂システム衛星〜」 ・北陸支部 「空間情報技術事例発表会」の発表者募集 ・空間情報技術事例報告集の報告文募集 ・話題提供 小学３年生の技術士補 ２．討議事項 ２−１ 月刊測量「スペーシャリストの会コーナー」執筆者分担と企画 ・第14弾テーマは「技術は人に宿る」（第５回は大友氏 2014.11.10原稿締切） ２−２ 写測学会 北信越支部 セミナー講師派遣の確認（林） ・第１回(5.30fri)： 今村政夫氏(朝日航洋) 確定 ・第２回(7.25fri)： 今井靖晃氏(国際航業) ★1/30本人了解です！ ３月２０日ごろまでに、おおまかなテーマを提示(ＨＰ掲載のため) ２−３ 2013年新規出版物の進捗（住田） ・第１章〜第３章 完成 ・第４章 分担執筆者からの原稿は集約済み。住田氏による解説を執筆中。 ・２月末頃、初校へ ２−４ 「測量・地理空間情報」プレ・イノベーション大会(仮称) ・2014年７月14日(月) 10-17 ＠測量年金会館 にて開催予定 ・主催は、日本測量協会 単独 ３．次回予定： 平成26年３月４日(火) 13:30〜15:30 ＠日本測量協会３Ｆ会議室 以上 （大山容一：国際航業） ◇第28回 中部空間情報総括監理技術者 議事録（一部省略） 開催日時：平成26年01月17(金) 15：00〜17：20 開催場所：�螢僖好鈎翩�事業部 10F会議室 出席者 ９名 欠席１６名 合計２５名 書記 早川和夫 検討協議事項： １．報告事項 （１）ＳＰ企画委員会の報告（2013.11.19） （２）来年度の愛知県講習会開催について （３）測量協会の講習について （４）地理空間情報産学官中部地区連携協議会 ２．検討事項及び検討結果 （１）月間測量の執筆者選考 第６回 続 技術は人に宿る ・締め切り2014.12.10 掲載2015.2月号は、 安藤港増（CSGコンサルタント）さんに決定した。 （２）ＭＭＳのタイトル検討 ・複数案を近日中に出して、田代事務局長と相談する。 （中部の会員が興味を引くようなタイトルにする） （３）3月実施予定の産学官連携協議会での空間情報の利活用事例紹介 下記の６案を国土地理院に提出し、相談する ・MMSで取得したアーカイブの民間活用 ・IRIデータの舗装維持管理計画への活用 ・航空レーザーデータの防災活用事例（地すべり等） ・GISデータを使用した公共交通計画の事例 ・画像系MMSの利活用事例 ・シングルビームを用いた海底立体地形モデルの作成 （４）4月の総会時に講演をいただく人（G空間ほっとセミナー） ・４月下旬に中部SP会の総会を行う。 ・講演者はSP会の副会長または企画委員の中で依頼する ・次回勉強会の発表者である白井さんに講演をして頂けるか打診する。 ・日程は講師及び会場の状況から近々に決定する。 ・当日のスケジュール案 １５：２０から１５：４０ 総会 １５：４０から１６：００ 準備及び受付 １６：００から１８：００ 講演 １８：１５から 懇親会 ３．その他情報および連絡 （１）地理空間情報総括監理技術者の活用と普及について ・現在愛知県の建設事務所の講習会を実施しているが、 他の自治体などにも講習会の実施や講師派遣をとおして、普及浸透を図る。 ・JACICの技術者資格に登録をしてもらう（企画委員会でも相談してみる） （２）講演情報 ・３月２６日に「中央リニア新幹線」に関する講演を予定している （３）月間測量への投稿 ・特に中部地方で表彰を受けた技術者の投稿をお願いしたい。 ・上記の対象技術者が在籍している会社は積極的に投稿を促す。 ４．メンバー勉強会 ・内海巌(パスコ) 題名「遺跡調査」 ５．次回勉強会（開催予定日：2014年4月下旬） ・発表：白井直樹(国際航業) 書記：坂口宏(アジア航測) 以上 （早川和夫：テイコク） ＜編集よりお知らせ＞ 企画委員会及び各支部活動報告の議事録は、毎月10日迄に原稿を送付頂ければ、当月号 に掲載致します。なお、文字数によっては抜粋・要約する場合があります事を予めご了承 下さい。 ■リレーエッセイ＜空間連携＞ 先の高本さんのエッセイにあった軍艦島は３年ほど前に訪れ、石見銀山のある島根は子 供の頃から馴染みのある地域でもあることから、情景を思い浮かべながら読みました。こ れら歴史的遺産を訪れる上でその歴史的背景を知っているか、知って興味を持てるかどう かでその楽しみが違ってくる。 振り返って学校で習う歴史はほとんど興味が持てる対象ではなく、当時は単に勉強の一 科目というだけで自分とは係わりの無い年代と出来事を覚えるだけの嫌いな科目であった。 それが３０歳を過ぎたあたりから時代小説を読むようになり、歴史に対する認識が大きく 変わった。そこには生きている人たちがいて、それぞれの想いがあって、それが積み重な って現在がある。様々なことを教わり、今に影響を与える。 現在の国内外の情勢に直結するにもかかわらず学校ではほとんど習わない近・現代史、 それを描いた小説で例を挙げると、山岡荘八「小説太平洋戦争」、ジョン・トーランド 「大日本帝国の興亡」はあまりにも何も知らなかった自分を思い知らされると共に、歴史 を知る重要性を強く認識したきっかけにもなった。これからも今に役立つ歴史を広く楽し く学んでいきたいと思う。 次は同じ関西支部、オリエンタルコンサルタンツの大久保さんにバトンをお渡しします。 （辻求：アジア航測） ■コラム 【執筆順番（敬称略）】 2014年 2月号 小田原（アジア航測），西村（ｻﾝｺｰｺﾝｻﾙﾀﾝﾄ） 3月号 （ここから「新会員のコーナー」）西川（パスコ），千田（国際航業） 4月号 酒井（朝日航洋），内川（パスコ） 5月号 西岡（国際航業），油井（パスコ） 6月号 安藤（CSGコンサルタント），白戸（アジア航測） 7月号 鈴木（朝日航洋），杉山（朝日航洋） 8月号 小杉（パスコ），江上（パスコ） 9月号 日當（パスコ），橋爪（フジヤマ） 10月号 村田（パスコ），小野（中日本航空） 11月号 今井（国際航業），大江（パスコ） 12月号 花上（中央測量コンサルタント），伊藤（国際航業） 2015年 1月号 森本（四航コンサルタント），尾崎（アジア航測） ◇コラム「ため池管理と田舎」 昨年度入会しました小田原と申します。職業柄、農業土木設計を主体に、空間情報を利 用したため池の氾濫解析やハザードマップ作成、水利施設のストックマネジメントなどに 取り組んでいます。 特に今年度は、ため池の一斉点検も行われて、多くの池を見てきました。農業用ため池 は日本全国になんと約21万箇所もあるそうです。管理が行き届いておらず、農山村の過 疎化進行を痛感させられるため池がある一方で、きれいに管理された美しいため池も多数 ありました。また、よくぞこんな山奥にこんなに大きな池を築造し管理したものだと、感 心させられたものも。 かつては、ため池をはじめ里地里山の管理がなされ、適度に人の手が入ることで農村景 観や生態系の保全にもつながっていたのですが・・。高齢化や離農で管理すら困難になり、 日本らしい田舎の光景が少しずつ失われていくのは惜しい限りです。 （小田原寿：アジア航測） ◇コラム「アナログ時代からクラウド時代へ」 砂防事業に従事し空間情報技術を活用するようになり、早20年以上の年月が経過しよう としている。気がつけば、小生もベテラン技術者の仲間入りをし、現在は将来を担う若手 技術者の育成に奮闘する日々を過ごしている。この間、インターネットに代表されるメー ル文化の普及やWindowsアプリの進歩等は、私たちコンサルタントの仕事を取り巻く作業 環境を大きく変化させた。中でもGIS、仮想プリンタ、複合コピー機の出現は、作業手法 を大きく変え、作業の効率化を可能にした。スマホ・タブレットの普及による“クラウド 時代”の到来は、ビジネスモデルのさらなる進化を加速させている。さて、このような便 利なツールを活用し、若手技術者の育成・指導を行っているのであるが、ふとアナログ時 代を懐かしみ、本当に便利になったなと実感する時がある。例えば、国土地理院25,000地 形図（紙ベース）の余白を切り取り、メンディングテープでつなぎ合わせて作成した原図 を大切に保管していたことや、プラニメーターを使用して地図上で距離や面積を2回計測 していたこと、原図にトレースペンで土砂災害危険箇所や危険区域などを記入し、箇所番 号を透明シールで一つ一つ付番していたこと等である。かけだしの頃は、一度で流域界を 引くことができずに、何度もカラーコピーを撮り直したものである。今ではGISで作業を 行うことが一般となっているが、つい15年前まではトレースや付番を間違えると修正作業 に膨大な時間を要していた。アナログ時代からクラウド時代への変化を体験してきた私た ちベテラン技術者は、これらの経験を活かして、アナログ時代に培った一つ一つのスキル を、創意・工夫しKM（knowledge management）として体系化・継承するとともに、GIS世 代の若手技術者の長所を伸ばし個性を生かす人材育成に取り組んでいかねばならない。 （西村公志：サンコーコンサルタント） ■空間情報関連便利グッズ / 書籍の紹介 等 ◇「ザ・ゴール」エリアフ・ゴールドラット著（ダイヤモンド社） ―企業のゴール（目標）とは何かー 採算悪化を理由に、突然、本社から工場閉鎖を告げられた主人公アレックスが恩師ジョ ナ先生の助言を受けながら、工場の職員と知恵を絞りながら、改善をしていく物語です。 内容はストーリーの中にTOCという、全体最適化の改善手法の説明が織り込まれており、 空間情報の総括監理技術者に是非お勧めの１冊です。本書は厚さ4.5ｃｍもあり、一見抵 抗がありますが、物語風にアレンジされており、比較的読みやすくなっています。 （早川和夫：テイコク） ＜編集よりお知らせ＞ ３月号の担当は鈴木浩二さんです。 ■測量協会からのお知らせ ◇公益社団法人日本測量協会から重要なお知らせ 【空間情報総括監理技術者の認定登録更新】時には所定の測量CPDポイントが必要になり ます。 《更新条件》 ◆平成21〜23年度までの認定登録者は、25ポイント/5年間 ◆平成24年度以降の認定登録者及び第1回更新済みの認定登録者は、40ポイント/5年間 認定資格者の更新対象年度には、日本測量協会からご案内をお送りします。 また、測量CPDポイントが更新時に基準に満たない場合には、ポイントが基準に達する 年度まで更新はできません。当協会から発行される認定技術者名簿にもその間は未掲 載となります。 ◇地理空間情報イブニング・セミナー 第36回 準天頂衛星システムの現状について ―2018年に測位精度が大幅に向上し、衛星測位の環境は激変する― 講師 :田村栄一 氏(内閣府宇宙戦略室) 日程:平成26年3月4日(火) 会場:日本測量協会研修室(東京) 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/k-academy260304.pdf ◇空間情報技術事例報告集の報告文募集 ☆応募締め切り：随時（投稿報告文が到着次第、速やかに査読） ☆掲載可となれば、日本測量協会ホームページ上の［測量情報館］に掲載 技術事例報告集では、新規性や独創性という視点とは別に、 (1)創意工夫性（何らかの創意工夫による業務改善への貢献など） (2)実用性（実務への応用性や実際に業務等に適用していく際の実用性など） (3)信頼性（技術事例報告の内容やその結果に対して、信頼性や実証性など） (4)今後の展開性（空間情報技術領域の中で、他技術領域への新たな展開や応用 の可能性、他技術との融合性や融合利用の可能性などを含めて今後の展開性） という視点から査読し、技術事例報告として採用致します。奮って、投稿ください。 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/kuukanhoukoku.pdf （廿楽実：日本測量協会） ■編集後記 ソチ冬季オリンピックまっただ中です。開会式での各国の入場行進で映し出された地図 （一部が「雲」で覆われていた．．．）が話題になってました。 一方、かつてモスクワ五輪をボイコットした歴史を振り返ると、開会式後の安倍首相と プーチン大統領の会談などからは、時代の移ろいも感じます。 東京オリンピックの頃には「クラウド」は晴れているでしょうか。 (大橋) ──────────────────────────────────────── All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club このメールマガジンを紹介したい方は各自の責任で転送しても結構です。 ──────────────────────────────────────── |
|
| 戻る | |
| CGIの匠 |