| タイトル：スペーシャリスト会報 Vol.87 | 発行日時：20014年3月19日23時23分19秒 |
| ┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 20014年3月19日 ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.87 発行元：スペーシャリストMM事務局 http://www.capnet.jp/spatial/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ INDEX ： ＊ニュース・ラウンジ（鈴木浩二） ＊企画委員会・各支部活動報告（中舎哉） ＊リレーエッセイ＜空間連携＞（大久保充) ＊新会員のコーナー（西川大亮，千田玄） ＊空間情報関連便利グッズ/書籍の紹介等（鈴木浩二，池田晃三，田中邦一，大橋明彦） ＊測量協会からのお知らせ（廿楽実） ============================================================================ ■ニュース・ラウンジ いよいよ３月も大詰め、ＳＰ会の皆様におかれましては、日々納品・検査対応とご活躍 のことと存じます。私事ですが、２月末に４件の納品が集中し、毎日の移動でそろそろ腰 が悲鳴を上げそうな今日この頃です。 毎年のことですが、年度末における納品・検査の集中は、受注者のみならず発注者にも 大きな負担となっているのを感じます。そんな中、先月末に国土交通省から地方自治体の 公共事業の発注方式に関して「複数年契約や複数工事の一括発注」などの採用を促すとい うニュースが流れました。この背景には、震災からの復興事業の本格化、景気回復による 人手不足、入札不調の解消があるようです。当面は、モデル事業からの実施となるようで すが、年度末に拘束されない事業が徐々に浸透すれば、ビジネスモデルも変化し新しいビ ジネスチャンスが生まれることでしょう。我々、測量業界としても、積極的にアピールし たいところです。 震災からの本格的な復興ということで、本稿を執筆している翌日（３月１１日午後２時 ４６分）で、既に３年目を迎えることとなります。震災からの教訓を踏まえ、今後発生す る様々な災害に対する備えや、より強靭な国土づくりへ、国家事業が進められることでし ょう。過去の経験から、災害の教訓は直接被害を受けてた地域においても、徐々に形骸化 してしまう傾向にあります。被災地への思いや、震災直後に躍起になって策定したＢＣＰ、 安否確認等、今一度深く考えてみる良い機会と思いながら本稿を書いています。 私も震災当時は関東地方に住んでいたので、交通網被害や電力供給等、日常生活や業務 がままならない状況は記憶に新しいところです。ただし、乾電池や米、ペットボトルの水 やロウソク等が一斉に店頭から無くなったことは記憶から薄れつつあります。 現在住んでいる東海地方においても、東海・東南海・南海の連動型地震が懸念されてい ます。今後数十年の間で、いつ発生してもおかしくない、発生しないかも知れないという 状況で、何を備えるべきか？ 先日、地域の集まり（町内会）でも、地震に対する最低限の備えの講習会がありました。 講習会が終わって、さっそくホームセンターに行って、家具倒壊防止のつっかえ棒や消火 器等を購入してきました（流されやすい性格なので）。震災当時に、本当に苦労した乾電 池は徐々に充電式に切り替えています。 近年は、地震だけではなく豪雨や降雪等、仕事を含めた我々の生活環境に大きなダメー ジを与える災害も頻発しています。４月になって落ち着いたら、企業人としての企業存続 や空間情報の高度利用のみならず、一般市民として改めて災害に対する備えを見直してみ ようと思っています。 (鈴木浩二：中日本航空） ＜編集よりお知らせ＞ ４月号の担当は早川和夫さんです。 ■企画委員会・各支部活動報告 ◇「スペーシャリストの会」企画委員会（平成26年3月）議事録 日 時：平成26年3月4日（火）13:30〜15:30 場 所：日本測量協会3Ｆ 301室 出席者：瀬戸島、住田、林、望月、早川、秋山、池田、村木、津留、岡本 大橋、中舎、田中、廿楽（事務局） 欠席者：鈴木、神原、大友、藤井、大山、大伴 議事項目 １．前回議事録の確認 ２．報告事項 （１）各支部活動報告 �‥豕�支部報告（住田、口頭） ４月中旬に技術士２次試験セミナーを開催する予定。 対象者はSP企画委員の会社に呼びかけ、測量及び情報分野の受験者を中心に行いた いと考えている。セミナーの詳細が決まればアナウンスする。 ��中部支部報告（早川、口頭） 4/25（金）に「中部SP会」と「G空間ほっとセミナーin中部」を開催する。 �螢僖好害�本さん、ヤフー�袗∪イ気鵑鮃峪佞箸靴鴇靴�CPDポイントを発行する。 （２）MM誌の記事等について 4月に正式に発足する「ジオメトリストの会」も同様なMM誌を配信する予定である。 （３）「空間情報技術事例報告集」への投稿要請 これまで2編が投稿されて、現在査読中である。投稿数が少ないので、新技術で公 開できない事例以外で、ある程度公開してもよいものは積極的に投稿してほしい。 ３．討議事項 （１）月刊「測量」スペーシャリストの会コーナーの分担執筆（毎号）の確認と企画 第13弾：「維持管理」第5回 担当花村氏のタイトルを確認する。（大山・大友） 第14弾：「続・技術は人に宿る」の未定な担当及びタイトルを各責任者が確認する。 （２）日本写真測量学会北信越支部セミナー講師派遣の確認（林） ・平成26年度の第1回5月30日 C枠でSP会メンバー廣瀬典和（Yahoo）氏が講演するため、A枠（SP会担当）での講 演者を人選する必要がある。 ・平成26年度の第2回7月25日、今井靖晃（国際航業（�蝓� ・平成26年度の第3回9月26日、畠 周平（アジア航測（�蝓� 以上の第2,3回のタイトルを林氏に連絡する。 （３）2013年新規出版物の進捗（住田副会長からの提案の細部等） 執筆事例解説作成は３月１０日目途に実施する。今後、ワードレベルでの校正を行 い、印刷の打合せに入る予定。 （４）「測量・地理空間情報」プレ・イノベーション大会(仮称)（瀬戸島） 平成26年7月14日（月）10時〜17時、測量年金会館での予定。 第1セッション：GMの会から4件の発表で測量技術事例について、 第2セッション：SP会と日測協から2件の発表で「人材育成」最前線について、 メーカー発表：「測量機器」最前線について3件の発表、 第3セッション：SP会を中心に5件の発表で「ビジネス」最前線について の計画で、今後人選等を進める。 （５）新年度新規出版物の計画 「測量系技術士のための合格への道」の改訂版を出版する。前の出版物をベースに して、平成26年度の技術士試験の問題を参考にして、作成することとする。 ４．その他 （１）SP会会費納入方法の変更のお知らせ（田中） 払込手数料の軽減のため、SP会のメインバンクを2013年12月に、郵貯銀行文京春日 支店の（普通預金）から同行（当座預金）に変更、同時に個人名からSP会会長名に 変更した。 （２）次回予定 平成26年5月20日(火)13：30〜15：30 日本測量協会3Ｆ会議室（301室） 以上 （中舎哉：中日本航空） ＜編集よりお知らせ＞ 企画委員会及び各支部活動報告の議事録は、毎月10日迄に原稿を送付頂ければ、当月号 に掲載致します。なお、文字数によっては抜粋・要約する場合があります事を予めご了承 下さい。 ■リレーエッセイ＜空間連携＞ 東日本大震災から、丸３年が経過しました。当時私は神奈川に赴任しており、仕事中に 地震が発生しました。いつ終わるかもわからない大きな揺れにただひたすら恐怖を覚えた ことを記憶しています。しかし、自分が受けた揺れよりも更に衝撃的だったのが津波の被 害にあった町の様子です。それまで当たり前にあった命や生活、環境が一瞬にして無とな る。震災後に南三陸町に行く機会がありましたが、沿岸は一面がれきの山で、ここに市街 地があったとはとても想像できないような有様でした。会社の先輩が地元の方に聞いた話 では、夜になると仮設的に復旧したコンビニの中に子供たちがはしゃぐ姿を見ることがあ ったそうです。「多分、一瞬で命を落とした子供たちが、自分の死に気づかず遊んでいる んだろう」という言葉を聞いて、子を持つ親として涙が出ました。同時に、自分は大阪で 阪神淡路震災を経験し、また防災に関する仕事をしているにも関わらず、災害に自分たち が巻き込まれることをまだ現実的なものとしてとらえずに何の備えもしていない無責任さ を恥ずかしく思いました。将来南海地震が発生すると言われていますが、私はもしもの時 にどうすれば大切な人が命を落とさずにすむか、ということを第一に、災害に対する備え を考えていきたいと思っています。最後に、東日本大震災でなくなられた方々のご冥福を お祈りします。 「空間連携」について書くようにご助言をいただきましたが、ハードルが高いのと執筆 日がちょうど３月11日でしたので、時事ネタにさせていただきました。リレーも締切りも 守らず、大変申し訳ございません。 次回は、同じ関西ＳＰの会の朝日航洋の堀さんにバトンをお渡しします。 （大久保充：オリエンタルコンサルタンツ） ■新会員のコーナー 【執筆順番（敬称略）】 2014年 3月号 西川（パスコ），千田（国際航業） 4月号 酒井（朝日航洋），内川（パスコ） 5月号 西岡（国際航業），油井（パスコ） 6月号 安藤（CSGコンサルタント），白戸（アジア航測） 7月号 鈴木（朝日航洋），杉山（朝日航洋） 8月号 小杉（パスコ），江上（パスコ） 9月号 日當（パスコ），橋爪（フジヤマ） 10月号 村田（パスコ），小野（中日本航空） 11月号 今井（国際航業），大江（パスコ） 12月号 花上（中央測量コンサルタント），伊藤（国際航業） 2015年 1月号 森本（四航コンサルタント），尾崎（アジア航測） ◇「趣味と技術革新」 自分は釣りが趣味なので、釣りの世界での技術革新の話をしたいと思います。具体的な 例でお話しするとわかりやすいので、釣り船で海にタイを釣りに出かけたと仮定しましょ う。海上で船長から『タイがいるのは水深〇〇ｍ』とアナウンスがありました。船長は魚 群探知機（ソナーの１種）で船底下の空間情報を把握しながら、釣り人にターゲットの居 場所を伝えているわけです。釣り人はそれを聞いて、その深度へエサを降下させます。昔 は、その時出す糸の長さを手で測り、所定の水深にエサを送り込んでいました。そこには 熟練した技術が必要だったわけですが、今は違います。リール（糸巻き器）に糸の放出量 をカウントする機能がついているほか、魚群探知機と無線でつながっており、リールに付 属のディスプレイに魚群探知機の情報が映し出されます。水面下の３次元情報はまさに手 に取るようにわかるわけです。これを確認しながら、スイッチＯＮでエサは所定の深度に 到達します。また、放出した糸の回収はリールに付属したモーターで巻き取るため、腕力 は必要ありません。さらにプログラミングされた小刻みな上下運動（誘い）がモーターの 作動により行われ、魚がかかればアラームが鳴り、巻き上げスイッチを入れて電動で巻き 上げます。さて、これはもう釣りといえるのでしょうか。アナログな私には、もうこれは バーチャルな釣りゲームと大差ないように感じられてなりません。過ぎたるは及ばざるが ごとしといいますが、技術を磨く余地も残しておいてもらわないと、趣味として成り立た ないのではないかという気がします。 （西川大亮：パスコ） ◇「「生きている地図」から「未来」へ」 20年前、Windows95が登場し、ほぼ同時期にインターネットが脚光を浴びた。それは情 報社会を変える引き金になった。当時、GISベースの業務アプリケーションを開発してい た私は、新しい世の到来に興奮を覚えた。そして、開発仲間と共に「生きている地図」の 実現を語り合った。それは例えばこんなものだ。 「PCの画面上では、調べたい場所の現時点の地図が表示されている。昨日変化した地形 はもちろん、工事している場所や渋滞状況も一目瞭然だ。さらに、工事中の箇所では、 『ご迷惑をおかけしています』の動画アイコンが頭を下げながら、工事期間を音声と文字 で告げている。周りを見渡そうと思えば、3D画像が表示され、その場所の現在只今の風景 に自分が溶け込んでいる」。見果てぬ夢だが、すこしでも実現したいものだと語り合って いた。しかし、驚くべきことに、現在これは夢ではなく、どんどん現実になってきている。 飛躍的に発展するICT技術が、夢を現実にしているのである。 ならば、次は「未来が見える地図」があって良い！ 私達スペーシャリストは、未来をデザインすることは責務である。 Spatialists, be ambitious. なのだ！ （千田玄：国際航業） ■空間情報関連便利グッズ / 書籍の紹介 等 ◇「列島自然めぐり 日本の地形・地質 −みてみたい大地の風景１１６−」 （解説：斉藤眞、下司信夫、渡辺真人 文一総合出版発行 定価：本体2,200+税） 帯に記載された「日本地質学会推薦」と「写真図鑑 兼 ガイド」という宣伝を見て手 を取った。「日本の地形・地質」というタイトルに対して、内容は日本全国のジオパーク 等、有名どころのガイドブックといった感じです。様々な業務で、地形表現をする前に、 地形の成り立ちを理解するための分かりやすい解説本にもなります。現地調査の前に、地 形を想定するのに役立ちます。家族旅行のお供にもお勧めです。 （鈴木浩二：中日本航空） ◇「地図が隠した「暗号」」今尾恵介 著（講談社＋α文庫） 2002年に上梓された「地図を楽しむ なるほど事典」が加筆改定された文庫本 この2月20日に第１刷発行されたばかりで本屋に平積みされていた。 書店のポップに「地図を勉強してみませんか？」とあったのでついつい手にとって しまった。 帯の宣伝によると、「東京はなぜ首都になれたのか？ 地図が明かす、 その土地の「過去」と「正体」、消えた町、鉄道廃線、旧道も見えてくる」 （池田晃三：アジア航測） ◇「Agisoft StereoScan」 デジタルカメラで撮影したステレオ画像を用いて簡便に3次元モデルを作成できるソフ トウェアがある。Agisoft社のStereoScanで、元々は有料だがフリーのダウンロードもで きる。操作も�＿菫�の選択、�▲皀妊觝鄒�と２ステップで簡単。入力画像はjpeg、MPO形 式に対応、出力はアナグリフ、テクスチャ付３次元モデル等々と多彩。入門用に利用さ れたらどうでしょう。 <http://www.agisoft.ru/products/stereoscan/> （田中邦一：日本大学） ◇「デジタル展覧会「京の鳥瞰図絵師 吉田初三郎」」（京都市ホームページ） ３月初旬に突如Googleのトップページに、京都市と思われる鳥瞰図に、街路に沿って Googleの文字が色づけされたロゴが現れました。これは大正・昭和期に活躍した鳥瞰図 絵師・吉田初三郎の誕生日（３月４日）を記念して掲出されたとのことです。 これとは別に、京都府のＨＰで、京都にちなんだ吉田初三郎氏の鳥瞰図22点及び関係 資料10点を見ることができます。 <http://www.pref.kyoto.jp/shiryokan/yoshida-index.html> （大橋明彦：パスコ） ＜編集よりお知らせ＞ ４月号の担当は大山容一さんです。 ■測量協会からのお知らせ ◇公益社団法人日本測量協会から重要なお知らせ 【空間情報総括監理技術者の認定登録更新】時には所定の測量CPDポイントが必要になり ます。 《更新条件》 ◆平成21〜23年度までの認定登録者は、25ポイント/5年間 ◆平成24年度以降の認定登録者及び第1回更新済みの認定登録者は、40ポイント/5年間 認定資格者の更新対象年度には、日本測量協会からご案内をお送りします。 また、測量CPDポイントが更新時に基準に満たない場合には、ポイントが基準に達する 年度まで更新はできません。当協会から発行される認定技術者名簿にもその間は未掲 載となります。 ◇地理空間情報イブニング・セミナー 第37回 世界測地系とVLBIについて ―「世界標準の測地座標系」と「電波星を利用した宇宙測位技術」― 講師:松坂茂 氏(公益社団法人日本測量協会測量技術センター主任研究員) 日程:平成26年5月20日(火) 会場:日本測量協会研修室(東京) 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/k-academy260520.pdf ◇空間情報技術事例報告集の報告文募集 ☆応募締め切り：随時（投稿報告文が到着次第、速やかに査読） ☆掲載可となれば、日本測量協会ホームページ上の［測量情報館］に掲載 技術事例報告集では、新規性や独創性という視点とは別に、 (1)創意工夫性（何らかの創意工夫による業務改善への貢献など） (2)実用性（実務への応用性や実際に業務等に適用していく際の実用性など） (3)信頼性（技術事例報告の内容やその結果に対して、信頼性や実証性など） (4)今後の展開性（空間情報技術領域の中で、他技術領域への新たな展開や応用 の可能性、他技術との融合性や融合利用の可能性などを含めて今後の展開性） という視点から査読し、技術事例報告として採用致します。奮って、投稿ください。 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/kuukanhoukoku.pdf （廿楽実：日本測量協会） ■編集後記 年度末、原稿を執筆された方には、大変ご多忙の中ご協力頂き、ありがとうございまし た。まだまだ寒暖の繰り返しがあり、花粉に悩まされる方も多いかと思いますが、体調管 理に十分気をつけて年度末を乗り切りましょう。 (大橋) ──────────────────────────────────────── All Rights Reserved, COPYRIGHT(c) Spatialist Club このメールマガジンを紹介したい方は各自の責任で転送しても結構です。 ──────────────────────────────────────── |
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