| タイトル：スペーシャリスト会報 Vol.90 | 発行日時：20014年6月16日13時51分22秒 |
| ┏ Magazine from Spatialist Club ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ 20014年6月16日 ◇ スペーシャリスト メールマガジン ◇ vol.90 発行元：スペーシャリストMM事務局 http://www.capnet.jp/spatial/ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ INDEX ： ＊ニュース・ラウンジ（瀬戸島政博） ＊企画委員会・各支部活動報告（渡辺祐三，藤井雅雄） ＊リレーエッセイ＜空間連携＞（高貫潤一) ＊新会員のコーナー（安藤港増，白戸丈太郎） ＊空間情報関連便利グッズ/書籍の紹介等（住田英二） ＊測量協会からのお知らせ（廿楽実） ============================================================================ ■ニュース・ラウンジ 今、新たに「SPの会」に期待されることは・・・ 先般、何の気なしにクラッシック音楽を聴くことがあり、オーケストラとコンダクター の関係や役割等を興味深くながめていた。音楽よりもそちらの方が気になり始めた。もし かするとこの関係や役割は、私たちの周辺にもあるのではないかと思った。 この4月から発足した「GMの会」(地理空間情報専門技術者の会)は、地理空間情報分野 の基盤技術を構成している基準点測量、写真測量、GIS、応用測量、防災調査、環境調査 などの専門家集団である。「GMの会」は譬えるならばプロのオーケストラに匹敵する地理 空間情報分野の専門技術集団と言えよう。 すなわち、基準点測量を専門にする会員は弦楽器の演奏集団、同様に写真測量を専門に する会員は打楽器の演奏集団、GISを専門とする会員は吹奏楽器の演奏集団と言うように 置き換えられよう。弦楽器の演奏家らが連携した弦楽四重奏もあろうし、弦楽器・打楽器 ・吹奏楽器の横断的な連携で様々な演奏集団を構成していくこともできる。 「GMの会」が発足したことによって、これまで「SPの会」がその一翼を担っていた地理 空間情報分野の基盤をなす要素技術に関する新技術の動向把握やそれらの技術の啓発普及 等については、これからは「GMの会」の活動に期待されるところである。 では、「SPの会」は何をなすべきか? これまで果たしてきた役割に加えて、今、新たな 使命が私たちにはあるのではないか。「GMの会」が地理空間情報分野のプロのオーケスト ラ集団として機能すれば、「SPの会」はコンダクター(指揮者)として役割を果たしていか なければならないだろう。プロのコンダクターは得意とする楽器の演奏家としても一流と 聞く。 「SPの会」の会員も地理空間情報の基盤をなす要素技術である航空レーザ測量やデジタ ル写真測量、GIS、MMS、さらにはUAVなどに造詣が深い。それ以上に、防災や環境、都市 計画、上下水道、農林業など各種事業領域での地理空間情報の利活用を推進している高い コンサル力を持つ専門家集団である。それは、オーケストラのコンダクターの役割そのも のでもある。 多種多様なオーケストラ集団である「GMの会」と協働・連携しながら今までに無い利活 用という新たな交響曲を数多く創作していこうではないか。今、ようやくそのような環境 が整い、時節が到来しようとしている。「SPの会」では、その発足当初から「地理空間情 報コンサルタント」をめざし、すでにそれに向かう道程となる書籍も著してきた。そろそ ろ各種事業領域において地理空間情報やその技術を実務上で如何に植え付け、より高度に 利活用していく道を切り開いていこう。それには、測量とコンサルの両輪の上に拠って立 つ私たち「SPの会」でしかできないことである。 今、そして再び「SPの会」への期待が高まる時節が到来してきた。まさに”時は今”だ。 (瀬戸島政博：日本測量協会） ＜編集よりお知らせ＞ ７月号の担当は林義政さんです。 ■企画委員会・各支部活動報告 ◇「スペーシャリストの会」企画委員会（平成26年5月）議事録（一部抜粋・要約） 日 時：平成26年5月20日（火） 13:30-15:30 場 所：日本測量協会 301会議室 出席者：瀬戸島、住田、林、大伴、秋山、村木、早川、藤井、田中、中舎、池田、渡辺、 廿楽（事務局） 欠席者：望月、神原、岡本、津留、大橋、大山、鈴木 議事項目 １．前回議事録の確認 ２．報告事項 (1) 各支部活動報告（支部報告の詳細は過去の議事録を参照願います。） �‥豕�支部報告（住田） 技術士二次試験対策は、企業内研修よりも開催時期が早かったため好評であった。 ��東北支部報告（瀬戸島 議事録代読） イブニングセミナーは実施しづらい面はあるが、参加者が確保できれば開催可能。 �Ｃ翩�支部報告（早川、渡辺） 4月25日に開催した総会で、新役員の承認、会則変更（幹事を設ける）及び今年度 事業案の承認を受けた。新支部長紹介、挨拶（渡辺）。 �ご慇昌拮�報告（藤井） 会員が26名となり1年任期の幹事会（６名）を設ける考えがある。支部会則（作成 中）で位置づけてから設置する予定である。 (2) 空間情報技術事例報告集への投稿（瀬戸島） 現在、2件の投稿があり内1件の査読後訂正がかえってきたところである。 北陸支部では、事業報告会として技術発表会を行う予定としている。 ここでの発表事項を事例報告集に投稿する予定である。 (3) 公開講座（7月16日）の参加要請（瀬戸島） ３．討議事項 (1) 月刊「測量」SP会のコーナーについて 執筆者については、先の予定（累計84名）まで決まっている状況である。 今後、再整理するなどして、本として刊行する方向で考えていく。 (2) 日本写真測量学会北信越セミナー講師派遣について（林） アジアの畠さんの講演タイトルなど、林まで連絡下さい。 (3) 2013年新規出版物の進捗（住田） 「測量系技術者のための技術文章分析のコツ」の出版について、7月校正を経て 11月に刊行する予定である。 (4) SP会での今後の実施事項について（瀬戸島） 「測量・地理空間情報」プレ・イノベーション大会（7月14日）の参加申込は、 既に120名あり、キャンセル待ちの状態。 本大会のセッション３の司会を住田さん、セッション４を村木さんにて担当する ことを決定。予稿集については今年に限りSP会会員へ配布することを決定。 今後、ｅラーニングに展開する予定。 (5) SPの会総会（10月17日）について（瀬戸島） 13:30-14:00 報告等 14:00-15:00 SP会の企画 15:10-15:50 特別講演１ 15:50-16:50 特別講演２ 17:00- 懇親会 「SP会の企画」については、人材育成をテーマにしたパネルディスカッション などアイデアが出された。内容については、中舎さん、早川さんにて企画案作成 を依頼した。 ４．その他 ○後日送付される協会総会の案内に関し、委任状を返信してほしい（瀬戸島） ○シニア技術者層への研修と就業創出に取り組んでいく予定（瀬戸島） ○協会会員にフェロー会員を設ける予定（瀬戸島） ○「主要事業における空間情報の利用（仮）」について、専門分野領域に係ることは GMにて、利用分野に係ることはSPにて分担するイメージで進めたい。（瀬戸島） ○SP会会費未納者（8名）は，2名を除き事務局より督促する。なお、会費免除者につ いて総会にて会則の変更を審議する提案がなされた。（田中） ○測量協会関東支部報（Ｗｅｂ）に、ニュースラウンジなどSP会記事を掲載すること について了承した。（田中） ○次回の企画委員会は、7月16日（水）13:30〜。 以上 （渡辺祐三：パスコ） ◇「ＳＰの会」関西支部 第22回会議 議事録（一部抜粋・要約） 開催日時：平成26年6月6日（金）15:00〜17:00 開催場所：国際航業株式会社関西事業所 会議室 出 席 者：藤井、西村、森田、平田、井畑、船田、村田、辻、田丸、堀、千田、西岡、 前出（事務局）、以上13名 欠 席 者：14名 議事録作成： 辻 議事内容 １．報告・確認事項 �〜芦鷁餤諜鳥�録の確認 �◆屮好據璽轡礇螢好箸硫顱彜覯莪儖�会内容の報告 ��「スペーシャリストの会」関西支部幹事会準備会内容の報告 �な神�26年度技術士一次試験対策講座実施方針 ２．討議事項 （１）「スペーシャリストの会」関西支部幹事会の設立と委員について 準備会議議事録は了承。 （２）「スペーシャリストの会」関西支部会則（案）について （３）「スペーシャリストの会」関西支部の運営方針について 次回に討議する。 （４）次回以降スペース・サロン＠kansaiの運営方針について �々岷蕕六暗膸瓠∈篷椹瓩僚腓箸垢襦� �∈篷椹瓩旅岷薀董璽泙亙儿垢陵縦蝓� ��三島氏の講演内容と略歴等（会社名、職制で可）を6月11日までに前出事務局長に 連絡する。 �せ暗膸瓩旅岷虍駘僂浪饉夘蘆瓦把汗虻僂漾� �ズ篷椹瓩旅岷虍駘僂�SPの会企画委員会に申請（25,000円）し、残りは日本測量協会 関西支部が負担する。 �β�5回の講師はまずは大阪大学大学院工学研究科の福田准教授にお願いできるか確 認する。だめな場合に日程の変更、他の人選について検討する。 ３．第16回勉強会（担当：千田氏） 自治体へのシステム導入事例紹介。 次回予定 平成26年8月8日(金〉午後1時30分〜午後2時30分 �螢僖好慨慇昌�業部 議事録作成担当：堀川氏 以上 （藤井雅雄：かんこう） ＜編集よりお知らせ＞ 企画委員会及び各支部活動報告の議事録は、毎月10日迄に原稿を送付頂ければ、当月号 に掲載致します。なお、文字数によっては抜粋・要約する場合があります事を予めご了承 下さい。 ■リレーエッセイ＜空間連携＞ 最近の流行りもののひとつに「UAV：Unmanned Aerial Vehicle」を用いた技術がありま す。特に電動マルチロータヘリコプター（マルチコプター）から撮影された画像や映像を 目にする機会は、様々なメディアを通じて多くなりました。ソチ五輪のスノーボード競技 での選手を追尾するあの迫力ある映像や、北アルプス・立山連峰の麓で雪解けや大雨の後 にしか現れない幻の滝とされる落差約500mのハンノキ滝の映像など、低空空撮技術の登場 する場面には驚かされるばかりです。このマルチコプターの急速な普及には、強力で出力 の安定したブラシレスモータ、軽量で大容量を実現したリチウムポリマーバッテリー、加 速度センサーと三軸ジャイロによる機体姿勢制御システム、GNSSによる位置制御と自律航 法システム、これらの技術革新が背景となっています。これからの時代は、誰もが、簡単 に、無人航空機を飛ばせる時代になりつつあります。この技術は空撮だけでなく、人が立 ち入ることができない火山噴火の観測や災害調査、警備や危険区域の探査などにも応用さ れ始めています。百年前の人々が、現在のデジタル技術の普及を想像できなかったように、 私たちも百年後の技術の進化を今は想像すらできません。想像を超えた終わりのない技術 の進化が、そこにはきっとあるのでしょう。次回は当社の八木鋼治さんにバトンを渡しま す。 （高貫潤一：朝日航洋） ■新会員のコーナー 【執筆順番（敬称略）】 2014年 6月号 安藤（CSGコンサルタント），白戸（アジア航測） 7月号 鈴木（朝日航洋），杉山（朝日航洋） 8月号 小杉（パスコ），江上（パスコ） 9月号 日當（パスコ），橋爪（フジヤマ） 10月号 村田（パスコ），小野（中日本航空） 11月号 今井（国際航業），大江（パスコ） 12月号 花上（中央測量コンサルタント），伊藤（国際航業） 2015年 1月号 森本（四航コンサルタント），尾崎（アジア航測），油井（パスコ） ◇「お父さんの仕事」 この度、新会員としてSP会に加入させていただいたＣＳＧコンサルタントの安藤と申し ます。三重県伊勢志摩で、小さい測量会社を家族で経営しています。 今回は、自己紹介を兼ねて、息子の宿題を通じて、測量について考えさせられたことに ついて話をしたいと思います。 以前、小学生の息子の宿題で、「お父さんの仕事」を調べるというものがあった。 私は、考えるまでもなく「測量士」と返答したが、まだ小学校低学年だった息子には理 解できず「ソクリョーシって何する人？」とさらに質問された。 さて、小学生に「測量士」の業務内容をどうやって説明しよう？ 辞書で「測量」の項目を調べてみると、「機器を用いて地表上の各点相互の距離・角度 ・高低差を測定し、形状や面積などを求め、これを数値や図面で表す技術」（大辞林より 引用）とある。 少し考えて、私は息子に、測量士とは、「地図を作る人」と答えた。これで、理解する ことができたようで、宿題は無事に終わった。しかし、我が家には、まだ小学生に上がる 前の娘が控えており、この宿題には続きがありそうである。将来、娘にも「お父さんの仕 事」を聞かれることがあるかもしれない。 あれから数年経ち、私は、「測量士」だけでなく「空間情報総括監理技術者」の認定を 頂いた。娘の宿題の時には、「空間情報総括監理技術者」の「仕事」を小学生にもわかる ように説明したい。しかも一言で・・・ 結論としては、「地図の使い方を考える人」がしっくりきそうである。 空間情報を社会に役立てる方法を考える仕事。みんなのためになる仕事。地図を作るだ けでなく、使い方を考える人に・・・ 社会の役にたつ仕事と胸をはって子供達に言えるように、これからも精進していきたい。 （安藤港増：ＣＳＧコンサルタント） ◇「山頂に輝く赤い光は・・・」 2013年度入会の白戸丈太郎と申します。現在は、アジア航測（株）で地上測量関係に携 わっています。平成元年に入社後9年間は基準点測量を中心に担当し、以降は航空レーザ やデジタル航空カメラの導入期にそれぞれ数年程度従事した後、現在に至っております。 入社当時はGPSが実用化途上で、距離測定の手段としては測距儀が主流の時代でした。 入社後数年間は、測地測量の代名詞とも言える国土地理院の精密測地網一次基準点測量 に従事しました。この業務は、数年周期で繰返し測定により辺長変化を捉え、地震予知に 資するもので、観測時間帯は、気温の鉛直勾配が安定する日の出と日没の前後2時間に限 られていました。各地の山々（三角点）に数10kgに及ぶ機材や幕営装備などを担ぎ上げ、 時に悪天候に阻まれ、観測可能な状態になるまで山頂に数週間滞在することも多々ありま した。天候が回復し、夏の夜空が白み始める頃、測距儀から照射されたレーザ光が数10km 離れた山頂の三角点上のプリズムに輝く赤い反射光は（山火事と間違われたことも）、数 週間に及ぶ幕営生活から解放され、下山を約束する証に思えたことを記憶しています。 現在は、GPSのみならずマルチGNSS化による技術の進展は目を見張るものがあります。 長距離測定に関しても測距儀と比較し観測が容易になる一方で、機器やソフトウェアに負 うところが多く、理論や数式など本質に触れる場面が減少しているように感じています。 （白戸丈太郎：アジア航測） ■空間情報関連便利グッズ / 書籍の紹介 等 ◇月刊「鉄道ピクトリアル」電気車研究会 地図や測量とは無縁の明らかに鉄道オタクのための月刊誌です。しかし、他の鉄道誌と 比較しても論文調（スタイルが）の文章が多く、学会誌に近い性格を持っています。車両 のみならず鉄道設備全般に関する幅広い内容となっています。特に目を引くのは例えば 「○○鉄道」といった特集が組まれるときは、その成り立ちや発達の経緯が詳細に解説さ れていることが多く、その変遷の必然性などに思いを寄せているうちに、いつの間にか地 形の変化を追っている自分に気づかされることもしばしばです。 また、創刊以来60年を 超える歴史があり、別冊でアーカイヴ特集も組まれるなど歴史的価値もあります。 日常的に利用している鉄道の成り立ちや、その変化を知ることでその地域の歴史に 「鉄道」という視点でふれてみてはいかがでしょう。 （住田英二：アジア航測） ＜編集よりお知らせ＞ ７月号の担当は林義政さんです。 ■測量協会からのお知らせ ◇公益社団法人日本測量協会から重要なお知らせ 【空間情報総括監理技術者の認定登録更新】時には所定の測量CPDポイントが必要になり ます。 《更新条件》 ☆平成21〜23年度までの認定登録者は、25ポイント/5年間 ☆平成24年度以降の認定登録者及び第1回更新済みの認定登録者は、40ポイント/5年間 認定資格者の更新対象年度には、日本測量協会からご案内をお送りします。 また、測量CPDポイントが更新時に基準に満たない場合には、ポイントが基準に達する 年度まで更新はできません。当協会から発行される認定技術者名簿にもその間は未掲 載となります。 ◇公開講座 「地理空間情報でみる城郭とその空間」 日程:平成26年7月16日(水) 会場:日本測量協会研修室 講師:瀬戸島政博 氏((公社日本測量協会専務理事)) 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/open26071629.pdf ◇空間情報技術事例報告集の報告文募集 ☆応募締め切り：随時（投稿報告文が到着次第、速やかに査読） ☆掲載可となれば、日本測量協会ホームページ上の［測量情報館］に掲載 技術事例報告集では、新規性や独創性という視点とは別に、 (1)創意工夫性（何らかの創意工夫による業務改善への貢献など） (2)実用性（実務への応用性や実際に業務等に適用していく際の実用性など） (3)信頼性（技術事例報告の内容やその結果に対して、信頼性や実証性など） (4)今後の展開性（空間情報技術領域の中で、他技術領域への新たな展開や応用 の可能性、他技術との融合性や融合利用の可能性などを含めて今後の展開性） という視点から査読し、技術事例報告として採用致します。奮って、投稿ください。 詳しくは、http://www.jsurvey.jp/kuukanhoukoku.pdf （廿楽実：日本測量協会） ■編集後記 先日、某ＴＶ番組でワールドカップの対戦国と日本との関係を取材した映像があり、こ の中ではＪＩＣＡのプロジェクトでコートジボワールのデジタルマップ作成の映像もあり ました。一般の人が視聴する番組で、何気なく日本の地理空間情報技術が世界に貢献して いることを認識してもらえることは貴重です。こうした機会が積み重ねられていくことで、 「地理空間情報を社会に役立てる方法を考える仕事」、或いは「使い方を考える仕事」と、 家族に胸をはって云えることにもつながっていくのかと思います。 (大橋) ──────────────────────────────────────── 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